情報用語辞典(テ - 2)
デジタル digital。 アナログのように連続する量としてではなく、飛び飛びの値の集まりでデータを表現すること、またはその表現方法。
デジタルアーカイブ digital archive。 絵画などの美術品を画像データとしてデジタル化して保存すること。 事業化が検討されているが、著作権等の権利処理と、不正コピー防止技術が課題である。
デジタルアクセス digital access。 NTTが提供する近距離限定の専用線サービス。 速度別に64kbps、128kbps、1.5Mbpsの3種類があり、距離区分には15kmまでと30kmまでの2種類が用意されている。 また障害対応が営業時間内に限定されるタイプ1と24時間対応のタイプ2があり、それぞれ料金が異なる。
デジタル
イメージング
digital imaging。 パソコンで画像や図形データの加工を行ったり、印刷したりすること。
デジタル回線 通常の音声用の通信回線(アナログ回線)に対し、デジタルデータをそのまま転送可能な回線のこと。 アナログ回線にはデジタルデータをアナログ化する装置としてモデムが必要だが、デジタル回線にはNTTのデジタルサービスを利用するためのDSU(Digital Service Unit)が必要。
デジタル回路 digital cirsuit。 デジタル信号を処理する電気回路、デジタル信号はON/OFFの2つの状態で、0と1の2つの値を表現する。 このため、デジタル回路では電圧の境界を設けて、電圧を境界以下と以上に変化させて0と1を表わす。
デジタルカメラ digital camera。 画像をデジタル信号で記録するカメラ。 ビデオカメラなどで使われているCCDを遣って撮影した画像をデジタル化し、本体の内蔵メモリやディスクなどに記録する。 撮影時に映像を確認した後、すぐにパソコンにデータを送り込むことができるので、新たな画像入力装置としても注目を集めている。 パソコンとのデータの転送には、シリアルポートを使うシリアル転送や、PCカードを使う転送方法などがある。 数十万円〜数百万円のプロユース仕様のものがある一方、最近では5万円以下、10万円以下の製品も続々と登場している。 インターネットのホームページ制作への利用など市場の成長が期待されている。 「デジカメ」と略して呼ばれることが多い。
デジタル
コンピュータ
digital computer。 デジタル信号による演算を行うコンピュータ。 アナログコンピュータと対比するために使用される用語。 現在利用されているコンピュータは、デジタルコンピュータが圧倒的に多い。 アナログコンピュータは、数量を電圧に置き換えて電圧のまま処理するコンピュータ。 オシロスコープなどの計測器と一緒に利用されることが多く、主として電気信号の微分解析に利用される。
デジタル・
ジオメトリ圧縮
Digital Geometry Compression。 2000年7月26日に発表された、米Lucent TechnologiesのBell研究所とカリフォルニア工科大学(CalTech)が共同開発したデータ圧縮技術。 MPEG-4の12倍の圧縮率という。
デジタル証明書 Digital Certificate。 ネットワーク上の通信相手が本物であることを証明する(ユーザー 認証)ために使う特別なデジタル・ドキュメントのこと。 シリアル番号や証明書を発行した認証局(CA)の名前、有効期限、ユーザー名、ユーザーの公開鍵などの情報をまとめたものにCAのデジタル署名を施したもの。 デジタル証明書の目的は中に収められている公開鍵がそこに記されたユーザーのものであることをCAが証明することである。 電子商店や金融機関などが顧客にSSLSETを利用した通信手段を提供する時、WWW サーバウォレット・ソフトなどが本物であることを確認するといった用途で使用される。 デジタル証明書の発行はCAと呼ばれる第三者機関が行う。 デジタル証明書は簡単に偽造できないような仕掛けを持っている。 基本的なフォーマットはITU-T(国際電気通信連合)のX.509 v.3に準拠している。 国内では、日本ベリサイン、サイバートラスト、日本認証サービスなどが既にCAとしての業務を開始しており、デジタル証明書の発行などのサービスを提供している。
デジタル署名 Digital Signature。 電子署名とも言う。 電子メールやファイルなどの作成者を証明する電子的なデータ。 具体的には、証明したい内容のメッセージ・ダイジェストを取り、本人の秘密鍵で暗号化したもの。 対応するディジタル証明書(公開鍵)で署名の正当性を検証する。
デジタル署名法 Millennium Digital Commerce Act。 「国際・国内商取引における電子署名法」。 2000年6月16日、米国議会で成立した。 同6月30日、クリントン大統領が署名、同10月1日より施行される。 電子契約書に、ペンと紙を使った署名と同等の効力を持たせる法律。 但し、水道、電気、ガス等の基本的なサービスの解除依頼、裁判所命令、健康/生命保険の解除通知、危険物の輸送に伴う業務書類ほか特定の書類は除外されている。 また、不正行為や署名偽造への対応が不備だと懸念する声も大きい。 なお、同様の法律は1995年のユタ州を皮切りにほとんどの州ですでに施行されているが、今回の法制化により州を越えた取引が可能となる。
デジタル信号 digital signal。 データを有限桁の数値で符号化したもの。 アナログ的に変化する値を適当な幅で区切り(量子化と呼ぶ)、数値を対応させる。 コンピュータでは、一度数値にしたものをさらに2進数に変換した2進化デジタル信号が使われている。
デジタル・デバイド digital divide。 情報格差の意味。 インターネットパソコンを利用する人としない人の間で、生活、収入に格差が広がり、社会的弱者を生み出すという問題。 特に米国で顕著。
デジタル
ビデオディスク
digital video disk。 映像を記録したCDの総称。 CDと同サイズで直系12cm、厚さ1.2mm、MPEG2による高画質な映像を100分以上再生、録画できる。 代表的なものにDVD規格がある。
デジタルCATV digital CATV(CAble TeleVision)。 デジタル信号で映像データを伝送するケーブルテレビ。 従来のアナログ1チャンネル分の信号帯域で、MPEG2で圧縮した画像信号を4〜10チャンネル分送信することができる。 現在CATVが使っているアナログ伝送路をそのまま利用するので、新しくデジタル回線を引く必要がない。 将来的には、ホームショッピングやVODへの応用が期待されている。
デジュール標準 de jure standard。 国や政府機関、公的な標準化団体が定めた公的なプロトコルISO規格、ITU-T勧告はこれに当たる。
デシリアライザ deserializer。 シリアルデータをパラレルデータに変換する機能、あるいはそのLSI。 通常、シリアライザとペアで使用する。
デスクトップ
管理
クライアントPCの管理。 メモリ容量やハードディスク容量、搭載済みアプリケーションなどのインベントリ(構成)管理が代表的。 このほか、ソフトウェア配布、リモート・コントロールなども含まれる。
デスクトップ
コンピュータ
desktop computer。 机の上における程度の大きさのコンピュータ
デスクトップマシン desktop machine。 パーソナル用途やビジネス用途で、机の上に置いても使えることを想定して設計されたパソコン。 デスクトップマシンという場合は、コンピュータ本体ケースが縦置き(タワー型と呼ばれる)か、横置き(デスクトップ型と呼ばれる)かは関係なく、 単にノートPCやPCサーバなどとの対比で使われることが多い。
テスト・スクリプト test script。 ソフトウェアが正しく動作するかどうかを、実行して確認するためのプログラム。 ユーザーの操作をシミュレートするロジックとウィンドウの状態などソフトウェアが正しく動作しているかを検証するロジックを記述する。
デストラクタ destructor。 (1)オブジェクト指向プログラミングでクラスの実体(インスタンス)が消滅する時に呼ばれる関数。
(2)C++ではクラス名の最初に「~」(チルダ)を付けた名前を付ける。
手続き procedure。 一連の手順に名前を付けて各所から呼び出せるようにしたもの。 昔はサブルーチンと呼んでいた。 現在はC言語の影響か関数と呼ぶことも多い。 手続きの呼び側から呼ぶ箇所ごとに渡すデータを引数(パラメタ)と呼ぶ。 手続きの内側では渡されたものを名前で参照できる。 これを仮引数と呼び、対比して渡すデータの方を実引数と呼ぶこともある。
手続き型言語 プログラムが扱うデータを格納する領域に名前を付けたものを変数といい、そこから順次値を取り出し(参照)、加工し、結果を格納(代入)することで計算が進んでいくようなモデルを持つ言語のこと。 命令型言語ともいう。 これは普通の(ノイマン型)コンピュータ主記憶CPUの機能をそのままモデル化したものだと言える。
デバイス device。 (1)CPUに接続する全ての装置。 メモリディスクドライブビデオボードキーボード、シリアルボード、マウス、その他周辺機器など。 OSが標準で対応していないデバイスを使えるようにするソフトウェアデバイスドライバという。
(2)トランジスタ、ICLSI、抵抗、コンデンサなどの電子部品のこと。
デバイス
インディペンデント
Device Independent。 入力や出力を行うデバイス(装置)に依存しないということ。 例えば、画像のカラーデータは、入力用のスキャナや表示用のディスプレイ、出力するプリンタによってそれぞれ違った原理で色を分解している。 それらのデータの各機器毎の補正値を決めることによって、入力、表示、出力を一致させようというもの。 MacintoshのColorSyncなどはこうした試みの1つ。
デバイス・
コンテキスト
device context。 Windowsが管理している論理的な画面出力/印刷情報。 Windowsアプリケーションはデバイス・コンテキストをWindowsから取得することで、画面出力や印刷を実行で切る。
デバイス・ドライバ device driver。 周辺機器をOSにリンクさせるためのプログラム・ルーチン。
デバイスベイ Device Bay。 Plug&Playに対応した、拡張ドライブベイ。 USBIEEE1394の2つのインタフェースが用意されていて、 HDDCD-ROMドライブなどのデバイスをこれらのインタフェースを使って接続する。 PC98の推奨仕様となっている。
デバッガ debugger。 プログラムが正しく動作しない時の原因であるバグを、発見・取り除くためのツール。
デビットカード 即時決済サービスのひとつ。 銀行や郵便局のキャッシュカードを用いて、店舗での決済時に即時に口座から引き落としができる。 サインの必要もなく、簡便な支払方法として広く普及が期待されている。 2000年3月6日より、全国約6万店(売り場数約10万ヶ所)で本格運用が開始された。
デファクト
スタンダード
de fact standard。 明確な定義や合意がないにもかかわらず、実際に市場で多くのユーザーに選択されるなどして、事実上の標準となっていること。
デフォルト default。 提供された時に既にそうなっている状態。 すなわち、提供者の意図として用意されたものがそのままの形で存在し、提供された側での変更が一切行われていないという状態。 「標準状態で」とほぼ同義で使われることが多い。
デフォルト・
ゲートウェイ
default gateway。 コンピュータを設置したネットワークの最寄のルータ。 複数のルータをデフォルト・ゲートウェイとして登録した場合は、ルータに障害が発生した場合でも、ルータ自身が持つ自動切換え機能により通信を継続できる。
デベロッパー developer。 開発者、ソフトウェアを開発する人(や会社)をソフトウェアデベロッパー、ハードウェアを開発する人(や会社)をハードウェアデベロッパーと呼ぶ。
デミング賞 Deming Prize。 統計学、特にサンプリングの理論と実際に関する権威で、統計的品質管理(TQC)の創始者の一人として知られるデミング博士(W.E.Deming 米、1910年生)の、日本における統計的品質管理、サンプリング、市場調査等の指導という業績を長く記念するとともに、日本における品質管理の一層の発展を祈念して(財)日本科学技術連盟が創設した賞。
デュアル
ゲート構造
dual gate。 CMOS製造プロセスにおいて、nMOSには、N型不純物をドープしたポリシリコンゲート、pMOSには、P型不純物をドープしたポリシリコンゲートを使用する構造。
デュアルコア dual core。 1個のチップに同一の2個のコアが搭載されているもの。 通常、マイクロプロセッサチップを指す。
デュアルブート dual boot。 2種の異なるOSを搭載し、どちらでも起動することができるコンピュータ構造。
デュアル
プロセッサ
dual processor。 CPUを2基搭載すること。 原理的には、デュアルプロセッサによって、同時に2つの処理をこなすことができるが、実際には、OSに、2つのCPUを効率良く利用するための機能が組み込まれている必要がある。 WindowsNTでは、デュアルプロセッサ(2基)、マルチプロセッサ(2基以上)に対応する機能が用意されている。
デュアルポート
RAM
dual port RAM(Random Access Memory)。 2つのポートを持ち、同時に2つの回路からアクセスできるRAMVRAMディスプレイ表示回路から頻繁にアクセスされているため、CPUがVRAMを書き換える時はディスプレイ表示回路がVRAMにアクセスしていない時を待つ必要がある。 デュアルポートRAMを使えばこの待ち時間が必要なくなるので、グラフィクス表示が高速になる。
デュアル・
ホーミング
dual homing。 1ヶ所から2つのネットワークに接続している状態。
デュアルDNS dual DNS。 セキュリティを高めるために、DNSサーバを外部向けと内部向けの2台配置する方法。
デューティ・
サイクル
duty cycle。 断続使用するシステムや回路において、稼動している時間の比率 [%]。 単にデューティとも呼ぶ。
デュプレックス duplex。 コンピュータシステムの二重化のこと。 障害や事故からコンピュータシステムを守るために、同一のコンピュータシステムを2つ用意して相互に状態を監視し、片方がダウンしても処理を滞らせないことが目的。 主に工場の生産管理用コンピュータシステムや銀行のオンラインシステムなどで用いられる。
テラ tera。 1012(兆)を示す接頭語。 G(ギガ)の1,000倍。 大文字の"T"を使用する。 情報通信業界では、240を示す接頭語として慣用されている。(この場合、Gの1,024倍) 大容量ストレージ機器の記憶容量表示や超高性能スーパーコンピュータの性能指標等に使用されている。
テレ
コミューティング
Telecommuting。 テレワーク参照。
テレ
コミュニケーション
telecommunication。 遠隔地との通信全般を指す言葉。 テレコミュニケーションの手段としては、無線によるもの、有線によるものなどがある。 電話、ファクシミリ、データ通信などが含まれる。
テレタイプ Teletype。 テレプリンタを通信手段として使用する、初期の通信端末。 Teletypeは、元々、米Teletype社の商標。
テレックス telex。 1970年代初期に使用された、通信速度50bpsの加入電信網(テレックス回線)を使用して行う文字通信。 テレプリンタ、ディスプレイ端末等を使用する。 英数字しか送れず、専任オペレータが必要だった。 FAXの発達により廃れていった。
テレデシック計画 Teledesic project。 米Microsoft社とマッコーセルラー社の移動体通信サービス構想。 地球規模のマルチメディア通信を可能にすることを目指す。 軌道高度700kmのLEO衛星840個を使用。 軌道数21で、各40個の衛星を配置する。 2002年にサービス開始予定。
テレビ会議 television conference。 通信によって、離れた場所との間で音声と画像を使ったリアルタイムの会議を行うシステム。 ビデオカメラ、マイク、スピーカなどを付けたパソコン間で、音声や映像を相互にやり取りすることで実現する。 テレビ会議システムを行うための国際的標準規格は、ITU-Tの勧告するH.320である。 主にNTTが販売する「FM-A71」、米Intel社の「ProShareパーソナル会議ビデオシステム200」、米Compaq Computer社とピクチャーテルジャパンの「Compaq Picture Tel Live PCS50」、 日本アイ・ビー・エムの「Think Pad Power Series 850」などがある。
テレビバンキング TV Banking。 テレビ画面に銀行のATM端末のような画面を呼び出し、家庭にいながら、振り込み等の処理を行うこと。 今後、各家庭にBSデジタル放送が普及し、データ放送が可能になれば、提供される予定のサービス。
テレホンカード telephone card。 NTTの公衆電話機用プリペイドカード。 略してテレカとも呼ぶ。 偽造による被害が多く、NTTはICカードを使用した(テレホンカードが使えない)公衆電話機に移行しつつあり、やがて消え行く運命にある。
テレマーケティング tele-marketing。 電話を用いた通信販売。
テレマティーク telematique(仏語)。 電気通信と情報処理の融合を示した高度情報通信を表わす造語。 フランスで提唱された情報通信の概念。
テレワーク telework。 いつも決まったオフィスに出勤するのではなく、自宅などオフィス外の都合の良い場所で仕事をする勤務形態。 ホワイトカラーの生産性を上げる手段として有望視。 テレコミューティングとも呼ぶ。