情報用語辞典(ス - 2 )
スナップショット snapshot。 ディスプレイ上の画面イメージを、そのままファイル化したりプリンタから印刷したりすること。 スクリーンダンプともいう。
スナバ回路 snubber circuit。 電流をオン/オフするスイッチ素子で発生したスパイク状の電圧を吸収する回路。 コンデンサと抵抗を直列接続した回路をスイッチ素子に対して並列に接続する。
スヌープ snoop。 CPU以外のデバイスがメインメモリの内容を書き換える際、キャッシュメモリの内容との矛盾を防ぐため書き換えアドレスのキャッシングデータを無効にする動作。
スパイウェア Spy-ware。 ユーザーのパソコンに進入し、ユーザーIDパスワードなどの秘密情報や、各種のファイルなどを盗み出すソフトウェアの総称。
スパイラルモデル spiral model。 各工程でプロトタイピングモデルをウォータフォールモデルより短い時間で作成し、確認と修正を繰返しながら完成させて行く開発手法。
スパッタリング sputtering。 高融点金属の薄膜製造方法の一つ。 圧力の低い容器中に二つの電極を置き、数千〜数万Vの電圧を印加すると、陰極側の金属が陽極側に飛散して付着する。
スパニング・
ツリー
Spanning Tree。 LANでループ上になっている経路を見つけて、このリンクを遮断するLANスイッチの機能。 送出MACフレームの無限ループを防ぐ機能。 LANスイッチはBPDUを交換することにより経路を判定する。 この機能は、定期的に行われるBPDUの交換により経路の障害を検知し、その経路を迂回する機能も合わせ持つ。
スパム spam参照。
スパム規制法 2000年7月18日、米下院で可決。 インターネット上のスパム・メールを規制するもの。 スパムを送る際に、受取人が不要の通知を出せるよう、メッセージに発信人の正当なメールアドレスを記載することが義務づけられる。 また、インターネット接続事業者が違反者に対して、スパム1通につき500ドルから最高5万ドルの損害賠償を求める訴えを起こすことが可能となる。
2003年12月16日、CAN-SPAMが成立。
スピードネット 1999年9月、米Microsoft社、ソフトバンク、東京電力の3社により設立されたインターネット接続サービスを提供する合弁会社。 光ファイバ、メタル、無線による低価格高速インターネットの常時接続を目的に事業を展開。
スピンスタンド spinstand。 HDD用計測機器の一種。 性能評価用回転駆動装置。 HDDのヘッド、ディスク、記録再生系回路等の評価に使用する。
スピンドル spindle。 (1)HDDにおいて、円板の中心にある回転軸のこと。
(2)HDDを数える単位。
スピンドルモータ spindle motor。 ハードディスクで、磁気円板を回転させるモータ。 3.5インチディスク装置で5,200〜10,000rpm、2.5インチディスク装置で4,000〜4,900rpmが一般的。
スピンバルブ膜 GMRヘッドに使う巨大磁気抵抗効果を示す膜。 米IBM社が考案。 非磁性層を挟んで二つの磁性層を積層した構成。 磁性層のうち一方(ピン層)は、隣接する反強磁性層の効果によって磁化の方向を固定されている。 もう一方(フリー層)は、ディスクからの磁界により磁化方向が自由に動く。 フリー層の磁化が動くと膜全体の電気抵抗が変化することを利用する。
スプール spool。 元々はSimultaneous Peripheral Operation OnLineの略。 プリンタなどの低速な周辺機器への出力や、定期的なダイアルアップで情報を交換するための出力データメモリやディスクなどに一時的に蓄え、バックグラウンドで出力することにより、コンピュータを効率的に使うこと。
スプライト sprite。 画面全体のグラフィック表示とは独立した図形パターン(グラフィックオブジェクト)。 VRAMの特定エリアにビットパターンを格納してあるため、画面全体のグラフィック表示とは別に表示ができる。 従って、画面上の位置を指定するだけで高速な表示が可能。 表示位置を頻繁に変える動きを表わすのに適している。 ハードウェア方式とソフトウェア方式があり、特にゲーム機やホビー用パソコンにはスプライトを実現する専用のハードウェアが採用され、アクションゲームなどのキャラクタの高速移動に使われていた。 現在では3Dアクセラレーション機能の一部で代替されることが多い。
スプリッタ splitter。 (1)分割器。 (2)電話信号やISDN信号とxDSL信号を分離する周波数フィルタ。
スプリット・
ホライズン
Split Horizon。 ルータルーティング・テーブルを動的に作成するプロトコル RIPで、隣りのルータから受け取った情報を、同じ相手に返さないような仕組み。
スプレッドシート spreadsheet。 表計算ソフトウェアのこと。 米Microsoft社のExcelが最も普及している。
スペースバー Space Bar。 空白コードを入力するためのキー。 一般にキーボード手前の横に長いキーで、空白を入力する以外にも日本語入力の漢字変換などに使われる。
スペクトラム
拡散方式
(1)ワイヤレスネットワークを実現するための伝送方式の一つ。 データを電波に載せるために変調した後、広い周波数帯に拡散させて転送する方式で、拡散する時にPN符号と呼ばれる一種のランダム信号を使って広く薄く拡散するため、外部ノイズに強く、秘匿性に優れているといわれる。 1bitの情報を複数個の符号で表わす。 (論理的には、Exclusive OR(排他的論理和)を取る。 同じ符号列でもう一度、排他的論理和を取ると、元の情報となる。) 無線LANの1Mbps/2Mbpsの場合は11個、5.5Mbps/11Mbpsの場合は8個の符号を用いる。(「チップ」という単位を用いて、11チップ、8チップと呼称する) 周波数を平均的に拡散するため、ランダムな符号を用いる。 直接拡散(DS-SS)と周波数ホッピング(FH-SS)の2種類の通信方式がある。
(2)ミリ波レーダ方式の一つ。 狭帯域信号をランダムパルス系列の符号(疑似雑音符号)でいったん広帯域信号に拡散して送信する。 受信側は送信側と同じ疑似雑音符号を掛けることで信号を取り出し、それを基に距離と速度を求める。 電波妨害や干渉に強く、信号秘匿性が高いが、構造が複雑である。
スペック spec。 本来は仕様という意味であるが、能力を指す場合もある。 スペックダウンといえば、機能が下げられたことをいう。
スポット径 レーザ光を対物レンズで絞り込んでディスクの記録面に当てたときの直径。 回折限界で決まる。
スマートカード smart card。 クレジット・カードとほぼ同じ大きさのカードにプロセサメモリ素子を組み込んだICカード。 カード内のプロセサを使って演算することで暗証番号の確認や暗号処理に利用できる。 欧州では銀行のキャッシュ・カードなど、広く普及している。 スマートメディアともいう。
スマートメディア smart media。 東芝が開発したフラッシュメモリを搭載した縦45mm、横37mm、厚さ0.76mmの切手サイズのメモリカード。 現在は主にデジタルカメラ記憶媒体として利用されている。
スマートラベル smart label。 RFID技術を応用したマイクロチップを、商品に埋め込んでタグ代わりに使うこと。 また、そのチップ。
スミア smear。 CCDにおいて、一部の画素に強い光が当たった時、多量に発生した電荷が溢れ出して、その電荷を転送してしまい、画面上で明るい線が走ってしまう現象。
スムーズ
スクロール
smooth scroll。 ドット単位で画面を滑らかに上下に移動させて表示すること。 通常のスクロールは行単位で行われ、高速にスクロールできる代わりに画面にちらつきが出てしまう。 スムーズスクロールでは、このちらつきを解消できる。
スライダ slider。 HDDにおいて、磁気ヘッドを形成し、円板上を滑空する直方体の部品のこと。 寸法、質量に関して、IDEMAで標準化されている。
[スライダの種類]
スライダの名称 寸法(L x W x t)[mm] 質量 [mg]
ミニ・スライダ 4.06 x 3.20 x 0.86 43
マイクロ・スライダ 2.84 x 2.23 x 0.61 15
ナノ・スライダ 2.05 x 1.60 x 0.43 5.5
ピコ・スライダ 1.25 x 1.00 x 0.30 1.5
フェムト・スライダ 0.85 x 0.70 x 0.23 0.5
スループット throughput。 (1)演算器が命令を実行している時に、ある命令の実行を開始してから次の命令の実行を開始できるまでのクロック・サイクル数。
(2)2システム間のデータの実効転送速度。 例えば、伝送路の速度が64kbpsであっても、実際にデータをやり取りしている速度は50kbpsなどという場合、伝送速度64kbpsでスループットが50kbpsという。
スレーブ slave。 副、予備のこと。 これに対して主をマスター(master)と呼ぶ。 例えば、PC互換機IDEハードディスクではC:ドライブとなる方をマスタードライブ、他方をスレーブドライブと呼ぶ。 またインターネットで利用されるメールサーバやDNSサーバは、万が一の事故に対応するために、通常2台以上で運用されているが、 最初にクライアントに答えるサーバをマスターサーバ、マスターサーバが答えられない時に答えるサーバをスレーブサーバと呼ぶ。 スレーブの原意は奴隷である。
スレッド thread。 プログラム実行の単位。 アプリケーション内の並列処理を行うためにOSが資源(主にメモリ)を与える単位をプロセスと呼び、CPUを使う単位をスレッドと呼ぶ。 WindowsNTなどのマルチ・スレッドOSでは、一つのプログラムを複数のスレッドに分けて、それらのスレッドを同時に実行することができる。 一つのプログラムの中のスレッドはメモリなどを共有する。
スレッド表示 受信した電子メールを話題毎にまとめて表示すること。 メーリングリストやネットニュースなどでは、あるメッセージに対して誰かが返信し、その返信にまた誰かが返信する、という形で話題が発展して行くことが多い。 スレッド表示ではメッセージと返信がまとめて表示される。
スロット slot。 拡張カードやメモリモジュールの類を差し込むためのコネクタのこと。 拡張コードを指すコネクタを拡張スロット。 メモリモジュールを指すコネクタをメモリスロットと呼ぶ。
スロット時間 コリジョンを正確に検出するために必要な最小時間。 Ethernetでは、512ビット時間(=64バイト=フレームの最小サイズ)と決められている。 10M Ethernetでは、51.2μs、100M Ethernetでは、5.12μsである。 最も離れた端末A、B間で、この時間以内に信号が往復できなければならない。 電気信号は1μs間に約200m程度しか進めない。 また、両者間にあるリピータ・ハブでも遅延を生じるため、信号線長の制限や、ハブの段数制限が課せられている。 (この制限を外れると、コリジョンが正確に検出できず、特定端末がエラーを頻発する事態になる。)
スロット1 slot1。 PentiumU以降導入したx86プロセサ装着インタフェース仕様
スロット2 slot2。 サーバPentiumU SVWを装着するプロセサ外部インタフェース 仕様スロット1と異なるのは、8ウェイのマルチプロセッサ構成用信号と、大型のパッケージを支える機構が加わった。
スワッピング swapping。 メモリ管理方法の一種。 メモリに記憶されている使用頻度の低いデータをディスクに書き出したり、必要の応じてディスクからメモリに戻したりすることを言う。 前者をスワップアウト、後者をスワップインと呼ぶ。 但し、スワッピングが発生した時点でメモリとディスクとの間でデータの転送が発生するので、処理速度の低下がある。 特にOSの機能に備わっている仮想記憶で行われるスワッピングはページングとも呼ばれる。
スワップ swap。 Windows95/NTでは物理的なメモリ以外に仮想記憶と呼ぶ記憶領域を利用する。 仮想記憶領域としては、主にハード・ディスクなどの記憶装置を使う。 物理的なメモリから仮想記憶にデータを移すことをスワップアウト、仮想記憶から物理メモリに戻すことをスワップインと呼ぶ。
スワップアウト swap out。 CPUに割込み等により別のジョブを割り当てる際に、優先度の低いプログラムやデータを主記憶から一時的に補助記憶装置に移すこと。
スワップイン swap in。 スワップアウトしたプログラムやデータを主記憶に戻すこと。
スワップファイル swao file。 スワップアウトされたメモリの内容を一時的に記憶したディスク上のファイル。