情報用語辞典(タ - 2 )
ダウンサイジング downsizing。 大型コンピュータで処理していた作業を小型で安価なコンピュータで行うこと。 ワークステーションパソコンの処理能力向上や外部記憶装置の大容量化、LANの普及によって急速に進んでいる。
ダウンリンク down link。 衛星通信において、衛星から地球局への通信。
ダウンロード download。 ファイルやデータを、サーバホストから手元の(ローカル)コンピュータに転送すること。
だ円曲線暗号 Elliptic Curve Cryptosystems。 公開鍵暗号方式の一種。 「だ円曲線上の離散対数問題」と呼ばれる数学理論に基づく暗号スキーム全般を指す。 具体的な暗号スキームには、だ円Diffie-Hellman鍵配送やだ円ElGamal暗号がある。 他の公開鍵暗号に比べ、短い鍵で暗号化/復号化できるのが特長。 そのため処理速度が速い。 例えば、RSA暗号が1024ビットの鍵を必要とする暗号強度を、160ビットの鍵で実現できる。 RSA暗号よりも歴史が浅いが、カナダのCerticom社が中心となって普及に努めている。 日本の一部メーカや米RSA Data Security社も製品への実装を始めた。 鍵が短くて済むので、メモリー容量の限られるICカードなどへの実装が期待される。
[ だ円曲線暗号の基本原理 ](参考文献:日経マルチメディア 1998年3月号)
だ円曲線とは、y2=x3+ax+b の数式で表現される曲線のこと。 だ円曲線暗号は、曲線上のある点から別の点を求める特殊な演算の性質を利用したもの。 この演算では、点PをL倍して点Qを求めるのは容易だが、PとQからLを求めるのは難しい。 (PとQからLを求めること問題を「だ円曲線上の離散対数問題」と呼ぶ。) 暗号方式上は、Lが秘密鍵、Qが公開鍵に相当する。
タグ tag。 札、あるいはラベルという意味。 WWWサイトを構成するHTMLテキストは、キーワードによって、文字を大きくしたり、表などを構成する。 このキーワードをタグと呼ぶ。
タグチメソッド 設計段階での品質の作りこみに重点をおいて開発された手法。 開発者は、元青山学院大教授の田口玄一氏。 本手法はまず米国企業で積極的に取り入れられたため、「タグチメソッド」と呼ばれるようになった。 手法の骨子は、(1)基本機能を設計し方式、形式を決定、(2)設計変数を動かし、環境条件、使用条件、部品のバラツキ、製造公差等に左右されない変数域を探し出して設計定数を決定、(3)メーカー、ユーザー双方の出費を最小にするような許容差を設定、というものである。
タグRAM Tag Random Access Memory。 L2キャッシュのヒット/ミス判定や、リプレースのための情報を蓄えておくメモリ
武田賞 2001年4月に設立された財団法人武田計測先端知財団(http://www.takeda-foundation.jp/)が創設した、優れた科学技術の業績に対して贈られる賞。 特に人々の生活に豊かさをもたらす業績を対象とする。 「情報・電子系応用分野」「生命系応用分野」「環境系応用分野」から毎年選考し、各分野1億円の賞金を与える。 2001年度の第1回は、TRON開発者坂村健氏、GNU開発者Richard M. Stallman氏、Linuxの開発者Linus Torvalds氏(以上、情報・電子系)、大規模ゲノム解析システム開発者Michael W. Hunkapiller氏、ヒトゲノム塩基配列解読 J. Craig Venter氏(以上、生命系)、エコリュックサックとMIPSの概念創出 Friedrich Schmidt-Bleek氏及びErnst U. von Weizsaecker氏(以上、環境系)の7名が受賞。
多元接続 Multiple Access。 多くの利用者で少数の回線を利用する技術。 周波数でチャネル分割を行うFDMA、時間で分割するTDMA、位相で分割するCDMAの3種がある。 本質的には多重接続と同じ。 多元接続は、通信のたびに空いているチャネルを使用する。
多次元データベース 複数の属性項目(=次元)を持ったデータを管理し、分析の視点を次々に切り替えて、検索・表示できるデータベース
多重継承 オブジェクト指向の用語の一つ。 継承を使って派生クラスを作る時、基底クラスを複数指定すること。 C++はこの機能を持っているが、JavaSmalltalkやDelphiのObject Pascalにはない。 便利である反面、クラスの構造や動作が分かりにくくなるという欠点もあるため、オブジェクト指向を推進する人でも、この機能を使わない方がいいという人もいる。
多重接続 Multiple Access。 多くの利用者で少数の回線を利用する技術。 本質的には多元接続と同じ。 多重接続は、相手先により使用するチャネルが固定されている。
多重プログラミング multiprogramming。 CPU周辺装置の処理速度の差を利用して、1つのCPUで複数のプログラムの処理を効率的に処理する方式。
タスク
スケジューラ
task scheduler。 Windows98の機能の1つ。 ユーザーが指定したスケジュールでアプリケーションを実行できる。 スリープ状態でも、指定時間になると復帰して実行することも可能。 メンテナンスウィザードを使えば、深夜にハードディスクを検査・修復し、不要なファイルを削除した後、良く使うアプリケーションが早く起動するようにディスクを最適化するという一連の作業が、簡単に自動化できる。
タスクフォース Task Force。 IEEEにおいて各ワーキング・グループの下で具体的な仕様策定作業等を推進する小グループ。
多値伝送 ディジタル伝送において、複数のしきい値を設定して、信号振幅に2値('1','0')超の情報を持たせる方式。
タッチスクリーン touch screen。 ディスプレイ表面に貼り付けられた透明電極などを利用して、画面を指などで触れるだけで入力操作ができるハードウェア
タッチタイプ touch typing。 キーボードを見ずにタイプすること。 入力の効率が良く、視線の移動が少ないので目が疲れにくい。
タッチパッド touch pad。 感圧式や静電式のセンサの上で指を動かすことで、マウスポインタの移動や操作が行えるようにしたもの。 主にノートパソコンポインティングデバイスとして利用されている。
タッチパネル touch panel。 画面上に感圧式や静電式の透明センサを取り付けたもの。 画面上を指やスタイラスペンで押さえることで、マウスポインタの移動や操作が可能で、 主にPDAポインティングデバイスとして利用されている。
タップ tap。 画面表示されている項目やボタンをスタイラスで1回触れてすぐ離すこと。
タブ・ブラウズ Tab Browse。 Web ブラウザの機能の一つ。 新たなリンクを表示する際に、別のウィンドウに表示するのではなく、ブラウザ内(同一ウィンドウ内)に別ページを作成し、タブ切替によりそのページを表示する。
ダブルオプトイン Double Opt In。 オプトインメールの登録に際して、企業側から確認メールをユーザーに送信し、回答を要求する方式。 第三者による勝手な登録を避ける手段の一つ。
タブレット tablet。 専用のスタイラスペンまたはカーソルで指定した位置を読み取る平板上の機器。 タッチパッドと似ているが、平板上の絶対座標を知ることが出きる点や、その大きさが異なる。 主に図面や線画をトレースしてコンピュータに入力するために用いる。 デジタイザと呼ぶこともある。
タブレットPC Tablet PC。 手書き文字入力装置としてのタブレットを装備したPC
ダミー dummy。 本物の代わりに一時的に使うもの。 例えば、プログラムの部分的な稼働確認を行う際には、未完成の部分の代わりとなるダミールーチン、テスト用に使われる架空のダミーデータなどがある。
ダムターミナル dumb terminal。 ホストコンピュータと接続するための専用端末のこと。 ダム端末ともいう。 処理は全てホストコンピュータが担当して端末側では入力と表示だけを行うことから、ダムヘッド(話す能力のない、頭脳がない)ターミナル、もしくはダムターミナルと呼ぶようになった。 現在ではパソコンなどの計算能力を持っているコンピュータを端末に使うことが多く、これらはインテリジェントターミナルと呼ばれる。
タワー型 tower type。 縦長のケース(筐体)に入ったコンピュータの形状。 床の上に設置することもあるので、フロアスタンド型とも言う。 大型で拡張性が高い。 同じタワー型でも、それほど高さがないケースのことをミニタワー型という。
単一電子素子 single electron device。 単一の電子が、ひとつずつ動作をするような、全く新しい概念のデバイス。 微細加工技術の進歩により、研究対象となってきた。
単純マトリックス方式 液晶画面の表示方式の1つ。 液晶面に電極を格子状に並べ、縦と横のそれぞれに電圧を加え、その交点にある液晶を制御する。 液晶面の周囲に電極を設置するため構造が単純であるが、反応速度が遅く画素間に干渉が発生しやすいという難点がある。
単精度 single precision。 浮動小数点数の表現法の一つで、4バイト(=32bit)で実数を表現する。 1bitが符号、7bitが指数、24bitが仮数部。 10進数では7〜8桁の有効数値となる。
タンデム方式 tandem system。 カラーレーザープリンタにおいて、4色のドラムを1列に配置し、1回の通紙で4色を連続して印刷する高速印刷方式。
単電子トランジスタ NTTが開発した電子1個を操ることができる究極の省エネルギートランジスタ。 制御用電極の電子数を1個変化させるだけで、電流の流れをオン・オフすることができる。 1999年12月9日、NTTは単電子トランジスタを用いたインバータの開発成功を発表した。
短波 high frequency。 HF参照。
タンパ・
レジスタント技術
tamper resistant technology。 不正な内部解析(逆解析)や改変に対して防護機能を備える技術。 例えば、LSI解析のため保護膜を剥がすと、内部の回路まで破壊されるようにする技術等。
ダンプ dump。 コンピュータの記憶内容を出力すること。 通常、'1','0'のデータ列、あるいは16進数に置き換えて印字される。
端末 terminal。 ターミナル参照。