情報用語辞典(5)
5C DTCP(Digital Transmission Copy Protection)の別称。
5GHz帯
移動アクセス
次世代通信規格MMACの一つとして想定されているシステムの一つ。 5GHz帯の電波を使う、最大20〜25Mbpsの移動体通信/無線LANシステム。 2000年10月23日、郵政省電気通信技術審議会(電技審)が、5.3GHz帯(5.25〜5.35GHz)の電波の利用条件について「気象レーダーなどほかの用途に影響を与えないという条件の下では,インターネット接続など屋外での通信サービスの実現は非常に困難」と答申。 この結果、5GHz帯は、屋内利用の無線LANやインターネットの公衆接続サービス用に5.2GHz帯(5.15〜5.25GHz)が利用できるのを除き、データ通信用には利用できない見通し。
2002年、5GHz帯のうち「航空用として確保されているが、当面使う予定がない周波数帯」(5.03G〜5.091GHz帯)が暫定的に無線アクセスシステムに割り当てられた。
5k86 米AMD社Pentium 互換 プロセッサ。 AMD-K5の旧称。 Pentiumとピン互換、命令互換を保ちながら、内部には全く異なるアーキテクチャを採用している。 オリジナルのPentiumが使用しているx86命令を内部でROPsという複数のRISC命令に変換し、これを複数の実行ユニットと、Pentiumよりも多いキャッシュメモリ、多段のパイプラインの組み合わせで高速に実行する。 75/90MHz版では、同クロックのPentiumと同じパフォーマンスを、100/120/133/150MHz版では、最大で30%増しのパフォーマンスが期待できるといわれる。
5x86 Cyrix社x86CPU。 開発コード名はM9。 米Intel社i486プロセッサピンコンパチブルだが、6x86プロセッサのコアをほぼそのまま使っている。 486システム用の高速な互換プロセッサとして位置付けられる。
5.1ch 音響システムの1種。 DVDソフト等に採用されている。 5.1chは、スピーカ配置を示す。 前面中央、及び左右、また後方左右にそれぞれ配置すると5ch。 さらに重低音を担当するウーファーを配置し、これを0.1chと数える。 5.1ch対応とは、そのようなスピーカ配置と同等の音響効果を表現できるシステムを指す。
525I ハイビジョンの画像フォーマットの一種。 総走査線数525本、有効走査線数480本の飛び越し走査方式。
525P ハイビジョンの画像フォーマットの一種。 総走査線数525本、有効走査線数480本の順次走査方式。
56kモデム
56kモデムの仕組み (日経バイト 1999年2月号 p.177)
転送速度56kbpsのモデムは、1998年10月に国際電気通信連合電気通信標準化セクタ(ITU-T)が勧告した規格「V.90」に基づいている(勧告案は1998年2月に公表された)。 もともと、56kbpsの転送速度を実現する技術は1996年9月に米Rockwell Semiconductor Systems社が「x2」、1996年10月に米Lucent Technologies社と旧U.S.Robotics社(1997年6月に米3Com社が吸収合併)が「K56flex」として発表しており、V.90規格はこれらの技術を基にして策定された。
モデムはアナログ電話回線を通してディジタル・データを送る機器である。 送信側では、パソコンから受け取ったディジタル・データをD-A変換してアナログ・データを回線に流し、受信側ではこれとは逆にデータをA-D変換する。 D-A変換を変調または符号化(modulator)、A-D変換を復調(demolator)と呼び、modemという名称はmodulatorとdemodulatorを組み合わせて作られた。
上りと下りのスピードが違う
56kbpsのモデムは、電話回線や交換機の大部分がディジタル化され、現在ではアナログ回路部分が市内交換局からユーザー宅のモデムまでの数kmしかないことを利用して実現された。 アナログからディジタルへの変換(A-D変換)では量子化ノイズという誤差が生じ、転送スピードが損なわれる。 そこで、プロバイダ側でISDN回線に直結したサーバ専用モデムを使い、下り方向のアナログ信号部分をディジタル回線とみなして通信するようにした。 上り方向は33.6kbpsのモデムで利用していたV.34規格を使う。 つまり、上り方向は33.6kbpsだが、下り方向は56kbpsの速さでデータを転送できるようにしたのである。
プロバイダから送られる信号データはアナログに変換しないでディジタルのまま送信する。 サウンド・ボードでおなじみのディジタル・データ符号化方式PCMを使い、1秒間に8ビット(256段階)のデータを8000回の割合(8000Hz)で送信する。 理論上は64kbpsのスピードを達成できるが、送信や符号化の制御に1ビットを使用するため56kbps(8000Hz×7ビット)になる。
上り方向では、従来通りモデムはディジタル・データをアナログ・データに変換して正弦波で符号を送る。 正弦波には、周波数、振幅、位相の3つのパラメータがあり、これらを変化させることでデータを識別する。 V.34では最高3429Hzの正弦波で、QAMと呼ぶ位相変調方式を使用する。 位相と振幅を変化させることにより、最高1664段階の値(10.7ビット相当)の変調パターンを表現するのである。
なお、ITU-Tでは電話回線を通じた通信の規格をVシリーズとして制定している。 Vシリーズで決めているのは、モデム同士のデータ伝送速度、データの変調方式、同期の取り方などである。 例えば、V.32やV.32bisなどの規格があり、最大データ伝送速度はV.32では9600bps、V.32bisでは14.4kbpsと規定されている。 旧Microcom社(1997年7月に米Compaq Computer社が吸収合併)の開発したMNPやITU-TのV.42V.42bisに準拠したモデムは、データを圧縮して伝送効率を上げる機能や伝送エラーが発生したときに自動再送する機能などを備えている。 パソコンがモデムを制御するためのコマンドとしては、米Hayes Microcomputer Products社が開発したATコマンドを使うのが一般的である。