旅先で読む文庫本ひろさんの読書遍歴日本作家編 五十嵐貴久Updated 池宮彰一郎Updated 宇江佐真理Updated 荻原浩New 北森鴻New 佐藤雅美Updated 志水辰夫Updated 真保裕一Updated 東郷隆Updated 藤原伊織Updated 山本一力New 横山秀夫Updated 隆慶一郎 本欄で更新を怠っている作家 帚木蓬生
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真保裕一(旅先で読む文庫本)ここしばらく、名を上げているのが真保裕一だ。真保の真骨頂は綿密な取材にある。 彼の取り上げるテーマと綿密な取材が相まって、社会派のミステリーと言われたり、日本のディック・フランシスと言われたりする。 第1作の「連鎖」は、厚生省の元食品衛生監視員が汚染食品の横流しの真相究明に乗り出す話。 第2作の「取引」は、公正取引委員会の審査官が、ODAに絡む談合をフィリピンで調査する話。 第3作は、気象庁の地震火山研究官が退職した先輩技官を捜す内に国家的陰謀に巻き込まれる話。 と言う具合に、下っ端公務員が事件に巻き込まれ、ある種の正義感から諸悪に挑むという図式で、そこが社会派といわれる所以だが、なるほど良く取材していて、知らないことを小説を通じて学んでゆくという面白さがある。 主人公の行動の原動力となるものの掘り起こしが足りず、またロマンスの少なさなど、ひろさんの好みに合わないことを割り引いても一度読んでみたらどうだろうか? <講談社文庫> 連鎖 取引 震源 盗聴 朽ちた木々の枝の下で 奪取 防壁 密告 黄金の島〈上・下〉 夢の工房 発火点 灰色の北壁 栄光なき凱旋〈上中下〉 <新潮社文庫> 奇跡の人 ストロボ ダイスをころがせ!〈上・下〉 <文春文庫> トライアル 真夜中の神話 <集英社文庫> ボーダーライン 誘拐の果実〈上下〉 エーゲ海の頂に立つ <朝日新聞社> 繋がれた明日 |