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ローレンス・ブロック(旅先で読む文庫本)

ひろさんが、今、最も面白いと思っている作家の一人がローレンス・ブロック。特にマット・スカダーものだ。

マット・スカダーもの以外に泥棒バーニー・シリーズがあり、いくつかの短編集があり。
この中でひろさんのお気に入りはマット・スカダーもので、ロバート・B・パーカーのスペンサー・シリーズとともに大好きなミステリーだ。

気に入った理由は、
  • ニューヨークの裏町が描かれている(ひろさんが詳しいはずも無いのだが)
  • 気の利いた会話が多い
  • 恋人が魅力的
  • その関係がすてき
  • アルコールにおぼれ、アル中から逃げる様が、作を追うごとに描かれる
など。

マット・スカダーは元警察官で、市内で強盗を追いつめた際、挑撥弾が7歳の少女の目を打ち抜き、死に至らしめたのが原因で、離婚し、警官をやめ、人からの頼まれごとで調査をする、無許可の探偵という設定だ。

安ホテル住まい。
電話をうまく使って調査をする様が素晴らしい。初期の作品から、電話がよく出てくる。
知り合いからいろいろ話を聞く術も良い。
自分の推理を働かせることにも秀でている。
探偵の仕方はまっとうで、スーパーマンではない。

アルコールにおぼれるような弱さをもち、そこから立ち直ろうとする様もまっとうで、普通の人だが、生き方に共感を覚えるところが気に入った最大理由か。

マット・スカダーの初期の作品には、コーヒーにバーボンをたらして飲み、酒場をはしごする話がよく出てくる。
また十分の一献金といって、探偵の依頼料の10%を協会の献金箱に入れる話もよく出てくる。
ともかく、示唆に富んだ内容のミステリーと思う。

話が違うが、二つの出版社にまたがった過去の文庫本は探しにくい。
その点、インターネットの本の販売は、作品名だけである無しがすぐに分かり、送料も安く、とても便利。



(マット・スカダーもののみ採録、発表順)

過去からの弔鐘<二見文庫>
冬を怖れた女<二見文庫>
一ドル銀貨の遺言<二見文庫>
暗闇にひと突き<ハヤカワ・ミステリ文庫>
八百万の死に様<ハヤカワ・ミステリ文庫>
聖なる酒場の挽歌<二見文庫>
慈悲深い死<二見文庫>
墓場への切符<二見文庫>
倒錯の舞踏<二見文庫>
獣たちの墓<二見文庫>
死者の長い列<二見書房>
処刑宣告<二見書房>
皆殺し<二見書房>
死への祈り<二見書房>
すべては死にゆく(単行本)<二見書房>
償いの報酬<二見書房>


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