Home

旅先で読む文庫本

ひろさんの読書遍歴
日本作家編

五十嵐貴久New
池宮彰一郎Updated
宇江佐真理Updated
荻原浩New
北森鴻New
佐藤雅美Updated
志水辰夫Updated
真保裕一Updated
東郷隆Updated
藤原伊織Updated
山本一力New
横山秀夫Updated
隆慶一郎

本欄で更新を怠っている作家

帚木蓬生

ひろさんの読書遍歴
海外作家編

ローレンス・ブロック Updated
ロビン・クックUpdated
トマス・H・クックUpdated
コリン・デクスター
ディック・フランシス
ブライアン・フリーマントル
Updated
ポーラ・ゴズリング
スー・グラフトン
ジョン・グリシャムUpdated
キャサリン・H・ペイジ
ロバート・B・パーカーUpdated
ビル・プロンジーニ
サム・リーヴズ
グレッグ・ルッカ
マイクル・Z・リューイン
アンドリュー・ヴァクス
テリー・ホワイト
コリン・ウイルコックス


Home


ブライアン・フリーマントル
(旅先で読む文庫本)

フリーマントルは息の長い作家だ。
また,人気も抜群でひろさんが紹介するまでもない。
ただ,ひろさんの大好きな作家だし,食わず嫌いの人も一読をお奨めする。

ひろさんはテャーリー・マフィンものが特にお気に入りだ。
冷戦時代のロシア、東独とイギリス、アメリカのスパイ合戦が、 チャーリー・マフィンという中年の、風采の上がらない英国情報部員の 目から活写される。
チャーリーは、責任逃れの上手い官僚的上司にはめられ、若く、経験が乏しい割に 生き方の上手な部下から馬鹿にされるが、常に細心の用心深さと生活の知恵の中で 生き延びてくる。

このプロットがサラリーマンものを彷彿とさせる。
また、会話と、話し手の心理(何を思いながら何を話しているか)、 会話の話法でその場の主導権がコロコロと移り変わるなど、日常良く経験する様が 上手く表現されている。

フリーマントルはチャーリー・マフィン・シリーズ(英国のさえない中年スパイもの)の他にも、 KGBスパイもの,経済もの,等多彩な範疇の小説を書いている。
その大半が非常に良くできていて、なにを買っても損をしたという気はしないが、 スパイものは(チャーリー・マフィンを含めて)特に面白い。
冷戦構造が解体し,スパイは成り立たなくなったといわれているが, 1998年2月に発刊された「報復」では、中国が舞台となってチャーリーが 活躍する。
今後、国際間の緊張が更に無くなった場合、チャーリーはどこに活動の 場を見いだすのだろうか。

チャーリー・マフィンが主人公の文庫本の書名を掲げる。

<新潮文庫>

消されかけた男(1979年)("Charlie Muffin" 1977)
再び消されかけた男(1981年)("Clap Hands, Here Comes Charlie" 1978)
呼び出された男(1982年)("The Inscrutable Charlie Muffin" 1979)
罠にかけられた男(1986年)("Chharlie Muffin's Uncle Sam" 1980)
追いつめられた男(1986年)("Madrigal For Charlie Muffin" 1981)
亡命者はモスクワをめざす(1988年)("Charlie Muffin And Russian Rose" 1985)
暗殺者を愛した男(1989年)("Charlie Muffin San" 1987)
狙撃(1993年)("The Run Around" 1988)
"Comrade Charlie" 1989
報復上・下(1998年)("Charlie's Apprentice" 1993)
流出上・下 (1999年) ("Charlie's Chance" 1996)
待たれていた男上・下(2002年)("Dead Men Living")
城壁に手をかけた男上・下(2004年)("Kings of Many Casstle" )
片腕をなくした男上・下(2009年)("Red Star Rising" 2009)
顔をなくした男上・下(2012年)


Home/ NEXT ポーラ・ゴズリング