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五十嵐貴久(旅先で読む文庫本)

「交渉人」を読んだ。
久々の新人を本欄で紹介したい。

交渉人(The Negotiator)は五十嵐貴久の第二作目にあたる。
交渉人はコンビニに押し入った三人組強盗が逃げる途中で付近の病院に立てこもり、医師と看護師、患者など数十人を人質にする。
立てこもった犯人たちの交渉相手は本書の主人公のエリート警視正で、白熱したやりとりが展開する。
そしてさらに、犯人たちの逃走につなるのだが・・・

この本を読了した感じでは、話の筋立ても展開も意外などんでん返しも捜査本部内の対立も非常にうまく語られ新人にありがちな不自然さが全くなかった。

早速、第一作目の「リカ」、第三作の「安政五年の大脱走」、第四作の「1985年の奇跡」、第五作目の「Fake」を買い求めた。

このうち、「安政五年の大脱走」と「1985年の奇跡」を読んだ。

「安政五年の大脱走」は井伊直弼の若き日の恋を縦軸にして、幕末の小藩の藩士が大脱走ゲームを繰り広げる奇想天外な小説。

「1985年の奇跡」は東京都の西側の都市を舞台にした高校の球児ものだが、対象とする読者は必ずしも高校生ではない。

おニャン子をアイドルとした時代の年齢の人には懐かしいだろうし、それ以上の年配者にも笑いと涙をさそう青春小説になっており、作者特有のひねり(どんでん返し)が何ヶ所仕掛けられていてとても面白い。

各本の解説によれば、リカはホラーサスペンス大賞受賞作であり、第五作はハイテクを駆使したコンゲーム小説という。
こういった多岐にわたる題材を使いこなして五十嵐貴久は何を語りかけてくるのだろうか?。

<幻冬舎文庫>
リカ
安政五年の大脱走
交渉人
Fake
ババとムスメの7日間

<双葉文庫>
1985年の奇跡
2005年のロケットボーイズ

<文春文庫>
TVJ

<光文社文庫>
シャーロック・ホームズと賢者の石



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