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サム・リーヴズ(旅先で読む文庫本)

サム・リーヴズのクーパー・マクリーシュ・シリーズが良い。

主人公のクーパー・マクリーシュはシカゴのタクシー運転手。 学歴があるので,運転手など止めろと恋人から云われるが,人との関係 を上手く築くことが出来ないクーパーは運転手にこだわる。 (運転手なら,雇い主との関係は希薄だし、乗客はすぐに降りてしまうので、 関係に気を使う必要がない)
運転手をしながら,事件に巻き込まれ事件を解決する様が,一作毎に進展して行く。
第1作は息子のドミニクとの出会いが伏線になったハードボイルド・ミステリー。
第2作はクーパーの恋人のダイアナの,昔の恋人が仕掛けた恐喝事件の話。
第3作は.....
第4作ではクーパーはタクシー運転手を止め、第3作で関係のあった不動産業者の お抱え運転手になり、恋人とも結婚している。事件は不動産業者が巻き込まれた 麻薬売り上げ金に絡む話である。

クーパーは腕っ節が強いのだが,生き方は屈折している。この生き方が共感を呼ぶ。 恋人との関係も密接でありながら,微妙な距離感がある。事件を通じてたまたま 見つかった息子との距離感も面白い。
クーパーはベトナム帰りという設定なので,人との関係構築に問題があるということ が何となくすんなり受け入れられる。クーパーの優しさもベトナム戦争と関係 があるのかも知れない。

なぜサム・リーヴズが好きなのか。主人公のクーパーの生き方だけでなく, 登場人物のものの考え方に共感が持てること。登場人物は皆哲学的なせりふを吐く。 しかもミステリーとしてのテンポが保たれて居るのがよい。

ひろさんの好みは,理屈っぽい生き方の主人公が,最後には勝利するストーリーで, 魅力的な女性が出て来て,主人公にからむこと。展開だけに頼った作家はほとんど読まない。

作品は

<ハヤカワ・ミステリ文庫>
長く冷たい秋
雨のやまない夜
春までの深い闇
過ぎゆく夏の別れ
の4冊。

ただ、題名の付け方が妙に凝りすぎていて気に掛かる。こういった題名の方が売り上げが 伸びるのだろうか。


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