おとぎ奉り


2011年2月、『おとぎ奉り』が新潮社から新装版として復活しました。
そこで、表紙を描き下ろすだけでなく、全セリフを修正して出し直す決意を固めました。
その作業は思ったよりも困難で大変なものでしたが、
個人的には、やって正解だったと確信できるクオリティーになったと思っています。
『BTOOOM!』で井上淳哉作品を知った方、何気に興味を持った方にオススメです!
一度ワニブックス版を買ってくれた方には失礼な事をしてしまったと思いますが、内容を比較して楽しむのも一興だとおもいます。
ただ、それなりのお値段ですし、また買ってほしくて修正したわけではないので、あえてオススメはしないでおきます。
スミマセン…。ただ描きおろし部分は読んで欲しいかも…。
是非、書店に走るか通販サイトでポチっとお願いいたします!

2011年06月10日 井上淳哉

舞台

宮古野市
舞台は200X年、K県 宮古野市。
小京都として全国的に知られている田舎町。

この街は京都を模して作られている。
北に玄武の山、東に青龍川、南に朱雀の池、西に白虎の街道…。
街は碁盤の目に区切られ、鬼門には珍宝寺、裏鬼門には運光寺…。

全国に53ある小京都で、宮古野市は最も立地条件が京都に近いと言われていた。

登場人物
駿河 妖介(18)
Yousuke Suruga

この物語の主人公。
ひょんな事から朱雀の神器を授かる事になり、眷族と戦う宿命を背負う事になる。
因幡 よもぎ(18)
Yomogi Inaba

神社で巫女をする転校生。生まれながらにして不思議な力を持つ。5匹のキツネさんに憑かれている。

蝦夷 龍一(26)
Ryuishi Ezo

宮古野高校3年の歴史の教師。神器の持ち主で、宮古野市の謎について研究している。
美河 いろり(12)
Irori Mikawa

母親の命と引き換えに生まれたときから神器を授かっていた神器経験が最も豊富な小学生。

甲斐 健二(15)
Kenji Kai

昔は不良達のボス的存在だったが、神器を授かる事によって人の痛みが分かる人間に成長した。
大和 林檎(16)
Ringo Yamato

妖介に斑大将から助けてもらってから妖介を慕うようになる。
豆狸のムーちゃんに守ってもらっている。

神護 秋雀(?)
Shusaku Kago

神護一族の長兄。
たった一本の矢にやられてしまった事で妖介を憎み、命を狙っているようだが…。
山城 潤子(18)
Junko Yamashiro

妖介のクラスメイト。
明るい性格だが、キレるとコワイ。バレー部のキャプテンをしている。

大隅 太一(18)
Taichi Oosumi

妖介の悪友。あらゆるトラブルに荷担しておきながら傍観者を決め込む、どこにでもいるお調子者!
磐木 静香(18)
Shizuka Iwaki

妖介達のクラスメイトで民俗学部の部長。
でしゃばりで、何でも自分でしきりたがるマイペース女。

轟 将平(46)
Shouhei Todoroki

宮古野警察署の刑事課で眷族関係の事件を担当する男。一見だらしないが正義感は強い。
星野 総一郎(39)
Souichirou Hoshino

県警本部からやってきたエリート。眷族対策チームの指揮をしている。規則に厳しく人情味に薄い。

但馬 智一(19)
Tomokazu Tajima

よもぎの彼氏。しかしその関係はもはや…。よもぎのため就職先を宮古野市にした程熱心な男。
剛田 豪(42)
Tsuyoshi Gouda

陸上自衛隊一等陸佐で眷族対策の指揮を取るが、眷族や神器に対して否定的。大のカラオケ好き?

物語
だ〜れかさんが〜 こ〜わした〜
だ〜れかさんが〜 こ〜わした〜
だいじな だいじな お〜ま〜も〜り〜
こ〜わした〜 こ〜わした〜


平和な田舎町の宮古野市に、
突如「眷族」という名の妖怪が現われ、次々と人を襲い始めた。
この妖怪は何者なのか?どこから現れたのか?どう対処すればいいのか?
…全てが謎に包まれていた。

─第1章─ 猫蜘蛛
1・2・3話
─第2章─ 陽炎
4・5・6話
─第3章─ 海神
7・8・9・10・11話
 
12話
─第4章─ 夜叉鰐
13・14・15・16・17・18話
─第5章─ 瀞主
19・20・21・22・23・24話
 
25話
─第6章─ 殺生姫
26・27・28・29話
 
30話
─第7章─ 斑大将
31・32・33・34・35・36話
 
37話
─第8章─ 鯰大錦
38・39・40話
─第0章─ 猫蜘蛛
41・42話
 
43話
─第9章─ 神護一族
44・45・46・47・48・49・50・51・52話
─第10章─ 飛奴羅
53・54・55・56・57・58・59・60話
 
61話
─第11章─ 六条重臣
62・63・64・65・66・67・68・69・70・71・72・73話
眷族

(きのえ)の眷族
斑大将(まだらだいしょう)」【読み切り版】
それは呪われた宮古野市に襲いかかる天罰か?
その標的は明らかに人間にのみ向けられていた…。

(つちのと)の眷族
猫蜘蛛(ねこぐも)」
数十の守人を従え、壁をすり抜け人を喰らう。
六条神社の神主、砂利採石場の社長、と犠牲者はさらに増える。



(かのえ)の眷族
陽炎(かげろう)」
目に見えないカゲロウの群で人々の精気を吸い取る。本体は目玉。

(かのと)の眷族
海神(うながみ)」
海神祭りの日にのみ現れる特殊な眷族。
死者にとり憑き魂を黄泉へと運ぶ。

(みずのえ)の眷族
夜叉鰐(やしゃわに)」
鋭い牙で人々を襲う凶暴度99%の眷族。
土の中を自在に泳ぐ人面鮫。



(みずのと)の眷族
瀞主(とろぬし)」─覚憑依版─
青龍川に住むカッパの眷族。
ターゲットを決めてその者の目玉を喰らう。

(きのえ)の眷族
殺生姫(せっしょうひめ)」
触れるだけで人を殺せる猛毒の眷族。
人に化け、入れ替わる事もできる。

(きのと)の眷族
斑大将(まだらたいしょう)」
赤ん坊のような顔を持つ四つ又の大蛇。
本体を仕留めるまでいくらでも蘇生する。



(つちのえ)の眷族
鯰大錦(なまずおおにしき)」
地中深くから局所的な大地震を引き起こす巨大な
なまず。震源地の揺れは震度7に達する。

(ひのえ)の眷族
神護一族(かごいちぞく)」
六条重臣に仕えた一族の眷族。
一族の頭領は、それぞれ特殊な能力を持った兄弟たちに守られている。



(ひのと)の眷族
飛奴羅(ひどら)」
宮古野市郊外にある大文字山の火の神。
肉食で、巨大な身体の割に素早く動き、火炎岩を吐く。

六条重臣(ろくじょうしげおみ)」
六条神社に奉られていた御神体。眷族たちをつくった呪術者と言われている。
命を司る能力の持ち主と秋雀が口にしていたが、詳細は不明。


コンセプト
この「おとぎ奉り」で作者が最も描きたいものとは、

○「人が食うか食われるかという命懸けの戦い。」
○「友人同士のドタバタによる学園生活の楽しさ。」


この2つをバランスよく両立する事によって、グッと引き立てられる「リアルな臨場感」です。

平たく言えば、ウルトラマンや仮面ライダーを
ジュラシックパークやジョーズ並みに描きたいという事です。(平たすぎ?)

みなさんどうかご期待ください。