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2巡目の四国遍路
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2巡目の四国遍路・その7(前編)

香川県西部

第1日目、羽田→松山→JR川之江駅→ 65番・三角寺→川之江駅→観音寺駅→ 神恵院/観音寺→観音寺泊
第2日目、 66番・雲辺寺 大興寺 本山寺→本山駅−−三野駅→ (以下四国遍路・その7続編へ→ 弥谷寺(泊)
第3日目、弥谷→出釈迦寺→曼陀羅寺→甲山寺→善通寺→金倉寺→ 道隆寺→郷照寺→高照院→一宮寺→高松空港→羽田

2001年
10月21日(日曜日)雨

(64番・三角寺、68番・神恵院、69番・観音寺)

三角寺への道標
出発10日前にひいた風邪の咳がいつまでたっても良くならない。
ただ、安い航空券をようやく手に入れたので滅多なことでは中止にしたくなかった。

早朝の羽田は米国同時多発テロ事件にも関わらず結構な混雑。
特に年寄りの団体旅行が目立つ。
良い傾向だ。

松山は小雨。 気温は結構高い。
JR松山駅まで何分掛かるかと伊予鉄の運転手との問答の末、バスを使うことに決めた。

松山から川之江までは1時間半ほど。
高松から川之江という手もあったのだが、何となく松山からに決めてしまった。
車窓からは、7月に巡った寺の屋根が見えたり、海が見えたりして結構楽しい。
一巡目の時は川之江駅から三角寺までタクシーを使ったが、今回は歩く計画。
小雨が続いているが、大降りでもない。

(酒蔵・梅錦)
酒蔵・梅錦 駅から三角寺へは、金生川左岸沿いがわかりやすい。
1時間ほどで国道。国道を横断し、松山自動車道の高架をくぐると、狭い自動車道になる。
その道のとば口に「梅錦」があった。

ひろさんが、会社員の最後に勤めた子会社で、毎年暮れになるとなぜか「梅錦」の上等な酒があり、仕事納めと翌年の仕事始めに飲んだという因縁で、懐かしい気がした。
山村の道は車の通りも少なく、快適な遍路道だが雨がうっとうしい。
三角寺と池田との分岐点で一服したが、雨で、商店の軒先を借りた。

ここから道はやや急になり、伊予三島からの道と合流すると間もなく三角寺の駐車場。
伊予三島から歩き遍路が追いついてきて言葉を交わす。

三角寺

(64番・三角寺本堂)
(三角寺の歩き遍路)
64番・三角寺本堂
三角寺の歩き遍路

急な石段の上の三角寺は境内が広く花の手入れが良い。
納経所にいた女性に前回「オダマキ」の種をもらったが、花を咲かせ損なったと話したら、花まで3年掛かるので、途中引き抜いてしまうことが多い、と話してくれた。
本堂にあった納経所が新築の納経所にかわったのは2000年11月という。

雨を避けて、屋根のある四阿で家人の作ってくれた昼食をとる。
歩き遍路もここで昼食をとったので、いろいろと話をした。

9月25日、安芸市の市役所を出たという。
夏に27番まで打ち、今回そこから継続したのだそうだ。
当方はJR/路線バス派と話す。
東京の八王子からとか。
ひろさんの生まれが杉並区と話すと、小学生の頃西荻窪に8年住んでいたとのこと。意外にこのころ接点があったかも知れない。

今日の宿を、雲辺寺口にとろうと電話を入れている。
宿が取れ、4時間ほど掛かるでしょうと宿の人が言ったとか。

昼食後、歩き遍路と別れ、来た道を引き返す。
雨が激しくなり、靴がしめってきた。
雨で休憩する気にもならず、ゆっくりと休まずに道を下った。
高架下を抜け、川之江の市街地に入ると、「土佐北街道」とあったので、川沿いの道を取らず市街地を通る。
古い街並みが若干残っている。

川之江の駅に戻り、待つまもなく列車が来て、乗るとすぐに観音寺に着いた。
車内では靴下を替えたり、汗をふいたり、身繕いをするのがやっとだった。

観音寺市街を抜け、三架橋を渡ると左側に琴弾八幡宮。その前を通って100メートルほど先を左折するとすぐに観音寺。
69番・観音寺と68番・神恵院は同じ境内にある。

神恵院と観音寺

(68番・神恵院への石段)
神恵院への石段(観音寺境内) 仁王門から段々を登って境内右手前側に鐘楼。そのとなりが観音寺本堂。
本堂の左側の石段を登って、上の段に神恵院の本堂と大師堂が並んでいる。
観音寺大師堂は、石段を下りて(本堂と同じ面の)仁王門正面やや左側にある。
大師堂の前に納経所(仁王門から登って左側)。納経所は神恵院と観音寺が共通となっている。
雨で、遍路はまばら。
お参りをすませて、琴弾八幡宮の方に引き返す。

折しも秋の例大祭で、たくさんの太鼓の山車が境内を埋め尽くしていた。 琴引八幡宮の太鼓山車
雨を防ぐためビニールシートに覆われた太鼓山車は、太鼓の音も響かず、子供達の気勢も心なしか低調だった。

宿の若松屋別館は三架通りに面していて三架橋からすぐで、おかみさんがいろいろの世話を焼いてくれた。
歩き遍路のおじさんが、ぬれたモノの洗濯を頼んでいた。

風呂で暖まり、缶ビールを飲んでいると5時過ぎに食事の呼び出しがあった。
同席は先ほどの歩き遍路。

大阪からの歩き遍路 定年で、関連組織に移る前、奥さんに無理を聞いてもらい遍路に出たという。
今日で35日目。40日目には戻るという。どうやら、巡れそうな場所まで来てほっとしているとのこと。
歩き始めの頃は、一日が終わってもアルコールを口にしなかったとのこと。そのうち体重が見る見る減ったので、途中でビールを解禁にしたとか。いまは、10キロ減で安定しているという。
今日の雲辺寺からの下りの遍路道は全行程で最高の遍路道の一つだったとか。

ひろさんも少し口が軽くなっていろいろと話をした(ようだ)。

話がはずんだので、早く始めた食事も程良い時間になった。
料理はせとうちの魚が上手く調理されており、特に鰺の唐揚げがおいしかった。

夜、神社から戻る太鼓山車が宿の前で太鼓を鳴らした。
夜半に雨が激しく降った。

2001年
10月22日(月曜日)雨

(66番・雲辺寺、67番・大興寺、70番・本山寺、71番・弥谷寺)

雨は小康状態。
食事は6時から食べることが出来た。

大阪からの歩き遍路は6時半に宿を出た。
ひろさんは、7時少し前にタクシーで雲辺寺のケーブル下に向かった。
路線バスが無くなり、前回のダム行きのバスが乗り納めだった。

雲辺寺下のケーブルは7時20分が始発。
乗客は福岡からの夫婦遍路だけかと思ったが、出発間際に約30人の愛媛県東予からの団体が乗り込みにぎやかになった。

雲辺寺

霧の雲辺寺はやや肌寒い感じがした。

(66番・雲辺寺大師堂)
雲辺寺大師堂 雲辺寺は88カ所の内でも難所の一つという。
ただタクシーとケーブルを乗り継いでのお参りでは丹沢の大山参りと変わらない感覚で、これも、遍路の大流行を支えている一つの要因と思う。

ケーブル駅に戻る。ちょうど雲の晴れ間から、観音寺の市内と瀬戸内海が見下ろせ、天気が良くなるのかと期待を持った。
ケーブル下から大興寺を目指す。
雲辺寺の山を巻くように車道を歩き、遍路道との合流点を大興寺方面に下ることにする。

途中の1時間は誰にも会わず、車にも出会わず、曇り空の中をひたすら歩いた。
遍路道との合流点では、ダム工事が行われており、そこから谷口などの村へ下る生活道になる。
ダム工事のおかげで道路は整備されている。
気温も快適で、やや下りの道のため行程が進み、岩鍋池から道を誤ることもなく2時間ほどで大興寺。

大興寺

遍路道は大興寺の裏口に着く。

(67番・大興寺の巨木)
大興寺の巨木 本堂前に荷物を置き、仁王門まで降りて入り直す。
石段の脇に巨木がある。県の天然記念物指定で大師お手植えの老樹とか。
もし真実なら、樹齢は1200年近いはずだ。
見事な老樹が2本あり、急な階段を上ると正面が本堂で左側に大師堂がある。
大興寺の特徴は本堂内の赤い蝋燭。
今回が2回目だが、蝋燭がゆらめく様を見ているととても真摯な気持ちになる。
大興寺で昼食のつもりのアンパンをかじる。そのさなかに雨が降り始め、出発する頃は本降りになった。

大興寺からは通常の遍路道は観音寺に向かうが、昨日お参りをすませているので70番・本山寺に向かう。

本山寺までおよそ2時間の行程だが、前回道を間違えているので、絶対間違えないように確実に山本の市街地まで行き、曲がり角を確かめて一本道を本山寺に向かった。
途中、食堂に入って讃岐うどんを食べる。
雨はいよいよ激しく心細い。誰か自動車が止まって、乗りませんかと声を掛けてくれないか?と思ったりする。

本山寺

(70番・本山寺本堂)
本山寺本堂 本山寺の五重塔が見えて、川をわたり境内に入る。
本堂は国宝。五重塔も古びている。

お参りを済ませ、雨の中で写真を撮る。
建物だけ撮るのでなく、遍路の般若心経を唱える姿が絵になる。

本山寺からJR本山駅までの道は間違えやすい。ひろさんも間違えて、途中聞き直し、駅に着く。

待つ間もなく列車が来て、すぐに「みの」駅。
弥谷寺へ行くには詫間駅より近かそうで、歩いてみて40〜50分なので予想が当たったと思った。

今日の宿の「ふれあいパークみの」は、弥谷寺の参道のすぐ脇にある。

原稿が長いので以下 「後編」 に続く(2巡目その7の後編へ)



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