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はじめての四国遍路

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 40番〜65番・97年 6月
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 66番〜83番・97年11月
遍路その7
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四国遍路の参考情報
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2巡目の四国遍路
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四国遍路 その6

香川県に入る(雲辺寺から一宮寺)

1997年11月14日〜16日,1人旅
第1日目,11月14日,83番と66番から69番。
第2日目,11月15日、70番から78番まで。
第3日目,11月16日、79番から82番まで。

97年11月14日 (金曜日) 曇り後雨

(羽田→高松→83番→68番→69番→66番→67番→民宿「大平」(山本))

今回から香川県。66番雲辺寺からだ。
といっても、JRおよびバスの都合で、観音寺市内の68番・神恵院と69番・観音寺が先になる。 また予定より早い列車がつかまれば、67番・本山寺も先に廻りたいと思っている。
最終日は高松駅から空港までのタクシー利用で83番・一宮寺のお参りまで出来ればパー フェクトだが、天候次第で逆に積み残しが出るかも知れない。
高松着の航空機が遅れ、高松駅までタクシー利用が良いと判断した。 乗車後、どうせタクシーを使うなら、丁度空港と駅の中間の一宮寺のお参りが可能だと思いついた。 運転手さんに相談。一宮寺経由なら裏道があり10時までに高松駅着は可能とのこと。

一宮寺は村の中のひっそりとした寺で、桜の紅葉が終わりかけている。 参拝者はだれも居ない。そこそこにお参りして、高松駅に向かう。 予定の汽車にようやく間に合う。
各駅停車の列車で、車中今回の遍路の予定をおさらいをする。
11時半観音寺。

(68/69番・山門)
68/69番山門 神恵院と観音寺は全く同じ境内で、30秒もかからない距離。
観音寺の本堂と大師堂の間の階段を登ったところに神恵院の本堂と大師堂がある。
納経所も同じ場所。

境内の紅葉が終わり、落ち葉拾いに何人かがかかりっきりだ。

寺を辞し、JRバスを待つ。これが遅れると昼食と次のバスの時間にひびくと心配したが5〜6分の遅れで到着した。乗客は自分一人。採算に合うまい。土曜日曜のバス運行を確認する。

バスのダイヤ表示では「日曜祝日運休」とか、「第2/4土曜運休」とかの文字がやたら目立った。

五郷行きの琴産バスも数人の客。ほとんど老人。運転手は饒舌で、路線バスの将来を暗いと思って いる。琴参と琴電のことを聞く。全く違う会社で、生い立ちも違うとのこと。 規模も琴電がかなり大きい。
落合下車。 幼稚園児が200人ほど、続々と下りてくる。連合会の遠足かと思ったが、大野原町立の幼稚園児で、 年長、年少で帽子の色が違うが同じ幼稚園とのこと。
とろとろ歩いていると、軽自動車が止まり乗せてくれるとのこと。60歳がらみの夫婦で、 紅葉を見に仕事を休んだのだという。紅葉は盛りを若干過ぎたところだがとてもきれい。 天候のせいで視界が悪く晴れていれば瀬戸内海が綺麗とのこと。
すぐにターミナル着。ケーブルが20分間隔なので少し雑談。
ケーブルには7人の客しか居ない。

(66番・雲辺寺の遍路)
66番・雲辺寺の遍路 岡山は倉敷の6人連れと私。車2台に分乗して廻っている とのこと。すぐに親しくなる。

雲辺寺ケーブルは終点の標高900メートルまで10分、往復2千円。500メートルから 700メートルが雲の中で、山頂は雲の上だった。
66番雲辺寺。山の上の広い境内。ここも紅葉は終わりかけ、葉を掃く人以外には人影が無い。
下りのケーブルは1人ぽっち。ガイドのおねーさんと雑談する。
大龍寺ロープウエイのほか、八栗ケーブルもこの会社の経営とのこと。
山麓駅に着く。落合に戻るのも芸がないので、もう少し下に向かう。
1時間以上歩いたが、雨が降り始めた。荷物をコインロッカーに入れてあるので、観音寺駅に戻る 必要がある。タクシー利用に切り替え、電話を探す。電話がない。
co−opの前に公衆電話を見つけたが、タクシーの電話番号が判らない。
通りがかった軽自動車のおにーさんに問いかけられ、事情を話す。
途中までの同乗のつもりが観音寺駅までおくってくれた。
コインロッカーの荷物を取り、タクシーで大平へ。
荷物を置いて、薄暗い中を大興寺へ。

民宿・大平は大興寺の裏門と接していたが、ぐるりと廻って表の山門に行くと岡山の人たちが居る。 道に迷って遅くなったとのこと。歩いたにしては早いとほめてくれる。 大興寺は大きな木に囲まれた村の寺。香川県の天然記念物のクスの木の巨木が有る。

(67番・大興寺本堂)
67番・大興寺本堂 ほとんど日が暮れ、本堂のローソクがゆらめいている。

お参りを済ませ、裏から大平に入る。客が少なそう。
風呂につかり、5時半には夕食。客は自分を含め3人。
みな歩き遍路。
70近い広島のお百姓。40台の大阪の人(素性を話さなかった)。
定年後の私。

おばさんも70過ぎか。大平正芳の遠縁で大平家のうわさ話。
私は次男坊と中国に行った事を思い出した。

8時前に就寝。なかなか寝付かれない。


11月15日 (土曜日) うす曇り

(大平→70番→71番→72番→73番→74番→75番→76番→77番→78番 →丸亀)

早寝だから朝も早い。隣の大阪の人は、食事も摂らず6時に出発。
私の食事は6時半。鮭、卵焼、とろろいもと味噌汁の暖かい食事。
おばさんは本山寺まで歩くことを勧める。山本のバス停まで歩けば、バスで観音寺に戻るのは 損とのこと。
で、歩くことにする。6時45分発。モヤも出て薄暗い。
早足にないように心がける。
地図を頼りにほぼ順調に歩いたが、大辻で観音寺に向かう道に入ったらしい。
路線バスとすれ違い、おかしいと思ったが聞く人も無いまま、下新田まで行ってしまう。 交差点で、軌道修正しようと何とか道を聞ける人を探すと、車に乗った30がらみのおにーさんが、 車の窓をあけてくれたので、現在地を確認するとやはり観音寺への道。
この人が中田井町の交差点まで乗せてくれた。ほんの数分で軌道修正。 あとは、地図通りに70番・本山寺着。8時10分

本山寺は五重塔がシンボル。 高松の大型バスが2台乗り付けてきたので、納経はその後になった。
この団体は高松の講で、本山寺、観音寺、神恵院、雲辺寺、大興寺、弥谷寺の6ヶ寺の日帰りツアー とのこと。紅葉のシーズンに日帰りでお参りできるとはうらやましい。
本山の町並みを駅に向かう。15分で駅。

予定の一台前の列車(8時47分)に乗れたので、また予定変更。 弥谷寺までタクシーを使えば、お参りの後、弥谷寺口から1台前(2時間前)のバスを捕まえるこ とが出来、後の行程が非常に楽になる。

詫間駅着。詫間は詫間高専が札所巡りのホームページを開いている。

(71番・弥谷寺大師像)
弥谷寺大師像 タクシー10分で弥谷寺。寺はここから、長い階段を登った上で、大汗をかいた。
紅葉が見事で、写真を撮りまくる。
バスの時間があるので、早々に下山。
ぬれた石段を滑らないように慎重に下りる。

俳句茶屋の屋根に紅葉が敷きつめたように落ちている。
旧道(バス道)まで約20分。バスの到着まで十分時間があった。
バスは土日運休もあり、本数が少ない。
(この路線バスは,1998年4月より,JR四国から仁尾町営として、再発足した。時刻表は当面変わりないとのこと)

ほぼ定刻(10時05分)にバスが来た。
乗客5人。

曼荼羅寺での降り口を聞くと、出釈迦寺にも行くのなら「三井之江(みいのえ)」下車が良いとのこと。
曲がりくねった県道を走る。5〜6分で三井之江。

家の間を通る狭い道をたどると田園に出て、曼荼羅寺を見ながら73番・出釈迦寺についた。 境内が良く手入れされている。遠くの裏山にお堂があり、由来を住職が説明してくれる。

(73番・出釈迦寺)
73番・出釈迦寺 72番・曼荼羅寺は下り3分。
昨日の倉敷の6人組とまた出会った。
少し雑談。

境内にある不老松は高さ4メートル、直径15〜6メートルの傘状の松。

74番・甲山寺までは農道に「へんろ道」の看板がある。低い山の裏側に直行する道で、山は紅葉の盛り。
甲山寺は団体客がいて、活気があった。
新居浜の一行とかで、お一人で寂しいでしょう、奥様と来れば良いのにと声を掛けられた。

善通寺迄の道を聞き、国立病院沿いに歩く。

75番・善通寺に着いて(12時10分)その広さに驚く。遍路道は本堂と大師堂の中間に着くので、 何処になにがあるか戸惑ってしまう。お参りし写真を撮る。
昼食は、RESTAURANT VINO なるイタめし屋でハンバーグ定食。讃岐うどんも良いのだが、 この店が先に目に付いた。
  

善通寺市は大きな町で学生が目立った。自衛隊の駐屯地でもある。善通寺駅で、 13時23分の列車に乗る。

(76番・金倉寺のご接待3人組)
76番・金倉寺のご接待3人組 金倉寺駅は1つ目。寺はすぐだった。 76番・金倉寺の境内では,年輩のボランティア3人から甘酒の接待を受けた。
三ツ矢サイダーとミカンのセットももらう。
そのご接待セットの中に、金倉寺の版画が入っている。これが後でSさんの作と判る。


(Nさんのご主人の版画)

Nさんのご主人の版画


次の列車は14時23分。
金倉寺から多度津も1つ目。駅から77番・道隆寺まで、これも近い。

道隆寺は裏門から入る。境内を抜け、山門の写真を撮ってからお参りする。境内が広い。
駅に向かうのもやはり裏門から。境内の裏門近くに目に御利益の有る仏様のお堂。
赤目になりませんように。

多度津駅発15時29分。
坂出周辺の路線はわかりにくい。本四架橋の開通後、岡山/松山間,高松/松山間、岡山/高知間の特急と、岡山/高松の快速が入り乱れている。
時間があるので、もう一つお参りできそうだ。
で、予定を変え、丸亀を通り越して、78番・郷照寺へ。

郷照寺は宇多津駅から近いはずだったが、前2つの寺ほど近くはなく、道も若干判り難かった。 山を背に、石段を登ったところに本堂。大師堂(厄除け大師)はその左側の階段の上。 大師堂の手前に万躰観音の洞がある。
大型バスが5時の納経所クローズに向けて、細い路地を四苦八苦して通ろうとしていた。
丸亀に戻りホテルに入る。
翌日の朝食を買い、夕食は居酒屋。
早めに就寝。気温高く、夜の繁華街の騒音が明け方近くまで続いた。


11月16日 (日曜日) 晴れ

(丸亀→国分→80番→79番→坂出→81番→82番→高松→羽田)

体調が次第に良くなってくる。
丸亀発6時57分発高松行きは予定の1台前。
日曜のため、白峰寺に向かう坂出からのバスは9時40分のみだが、79番と80番をこなして、 坂出まで戻り、このバスに間に合うチャンスが出てきた。
列車の都合で80番・国分寺に先行する。国分の駅から近い。
松の大木に囲まれ、山門を入ると、四国88カ所のご本尊の石仏群が並んでいる。正面が本堂。
どっしりしている。大師様は建物の中、納経所の左側。外から見たら、新築の大師堂が納経所 とつながっている。
境内に、松の大木で高さ10メーターのところに寄生のように葉の茂った松があった。
国分の駅に戻ると、無人駅だが、年寄りのボランティアが駅の管理をしており、手製の竹の杖を 無料提供している。欲しかったがすぐ使う身ではないのでパス。

八十場駅も無人。79番・高照院は近かった。
ボランティアが松葉を拾い、境内の砂に掃き目をつけている。ご苦労さんの一言が自然に出た。
納経所は神社の参拝道路を挟んだ右側。 納経所では団体がいろいろと持ち込んで10分以上のロス。所定の列車に間に合わないかと 諦めかけたが間一髪間に合い、坂出から王越行きの琴産バスに乗る。乗客3人。
運転手に白峰寺の事をきくといろいろ教えてくれたが、前の山の中腹を指さして ハンドルを離すので危ないことおびただしい。
高屋下車(8時55分)。気温が高いので軽装になり、帽子もしまう。 道は車道。両側がミカン畑で、左の先には瀬戸内の海と本四架橋がよく見え、高度を増す毎に 景色が変わる。
乗用車が止まり、乗らないかと声を掛けてくれる。好意にすがる。 高照院で一緒に団体に待たされた夫婦連れで、松山の住人。60歳半ば。今回は、一泊で、 雲辺寺から大窪寺までこなす予定で、今日結願という。

(81番・白峰寺)
81番・白峰寺 5分で白峰寺の駐車場。
山門は左手やや下ったところ。
くれぐれもお礼を言う。

81番・白峰寺は紅葉の盛り。
納経所左手を行き、右側の石段を登ると、左右にお堂や鐘楼がある。
丑年の仏様、虚空増菩薩のお堂も紅葉に取り囲まれていた。
その上に本堂と大師堂。
下を見ると紅葉の盛り。
納経所に戻り、納経する。記帳係は2人がかり。おばさんの方と少し話す。61歳は厄年(後厄) とのこと。
また,82番・根香寺まで2時間足らずの道のりとのこと。
遍路道は寺の山門のすぐ左手、塀に沿っている。
5万分の1の地図には遍路道の記載がないが、歩き始めたらほぼ100メートルごとに石仏と、木のしっかりした道標があり不安はなかった。
紅葉と落ち葉の中のハイキングになった。アップダウンは若干有ったが歩きやすい。

途中、モーターバイクの2人連れとすれ違う。
1時間ちょっとで県道に出る。中山休憩所。五色台スカイラインの入り口もここ。
休憩し、パンとジュース、チョコレートなどを食べる。
ここから先の遍路道もしっかりしている。高松側に少し下る。15分程で根香寺。

82番・根香寺は、紅葉がさらにきれいで、写真好きが山門で三脚を構え、境内にも大勢 で撮影会をしており、ハイキング、お遍路、子供の遠足と大にぎわいだった。
今回の予定はすべて達成しほっとする。
根香口への下りは車の駐車のため遍路道が見つからず、車道を下り、途中断ってミカン畑を 通らせてもらった。30分程で麓。バス道が見つからず、ハイウエイ沿いのうどん屋に入り、 讃岐うどんの昼食を摂りながら道を聞く。
バス停迄の車道脇に養蜂園(中田養蜂)の植えたコスモス畑があり、女性写真家が撮影している。 毎年撮るのだという。余ったフィルムに納める。
高松までバスで15分(琴電バス)。
高松空港行きのバスを待つ間に琴電の時刻表をもらう。
早めに空港に入り、ビールと讃岐うどんで道中無事を祝った。



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