No.361 Austin便りその72〜Fort Worthめぐり
2004年12月11日(土)
The Modern Art Museumにて
波瀾万丈のLas Vegas - Zion - Grand Canyon旅行から2週間。
今度はAustinから北へ200マイル(約360km)のところにある
DallasとFort Worthに行ってきた。
初日はFort Worth。
Fort Worthは前にも会社の人たちと日帰りで行ったことがある
西部劇のような雰囲気の町で結構面白かったところ。
今回は泊まりなので夜までゆっくり楽しむことが出来る。

朝5時に出発して車で約4時間。
まず最初に行ったのはThe Modern Art Museum of Fort Worth(フォート・ワース近代美術館)(本日トップの写真)。
この美術館の建物は日本を代表する建築家、安藤忠雄が設計したことで有名。
中に展示されているものよりも建物そのものに興味があった。
せっかくなので中も見てきた。
僕があまり得意ではないモダン・アートなのでよく分からない作品も多かったが
まあまあ面白かった。
美しい建物

1両だけの客車 客室
次はStockyards Stationから出るタランチュラ・トレイン。
前回来た時に迫力の蒸気機関車に遭遇して乗りたいと思っていた。
残念ながらこの日はディーゼル機関車。
客車は1両だけ。
行き先は特に無く30分くらい走ったところで
先頭のディーゼル機関車がスイッチバックして客車のそれまで後ろだった部分につながり
そのまま元の駅に引き返すという
本当に乗っていることだけを楽しむものだった。
こっちの人はあまり電車に乗る機会が無いのでこれだけでも楽しいのだろう。
かく言う僕たちものどかな雰囲気のつかの間の列車の旅を楽しんだ。
スイッチバッグ中の機関車

Stockyards
その後はStock Yardsの辺りをぶらぶら。
おみやげ屋さんをのぞいたりバーでビールを飲んだり。
名物の牛の行進も見れた。
テキサス名物の長い角を持つ牛(ロングホーン)ののんびりした行進は
なかなかユニークだった。
ロングホーンの行進

ロデオ会場
おみやげ屋さんに貼ってあったポスターによると
なんと今晩ロデオがあるらしい。
前回来た時にここにロデオ会場があることは知っていたが
ロデオは木曜日と金曜日の夜にしかやらないような感じだったのであきらめていた。
一度でいいから生のロデオを見てみたかったのだ。
チケット売り場に行くとチケットは余裕で買えた。
自由席1人$9。
ロデオは夜の8時から。
やった!
これでついに念願のロデオが見れる。

Stock Yardsの夕暮れ
だいぶ日も暮れてきた。
夕焼けでStock Yardsが赤く染まる。
下の写真はStockyards Hotel。
本当はここに泊まりたかったのだがすでに一杯で取れなかった。
ロデオはまでに夕食を済ませることにする。
やっぱりここはステーキでしょう。
老舗の人気のあるお店に入った。
プライム・リブの10オンス(約300g強)。
うまかった!
Stockyards Hotel

エキシビジョン
8時近くになりロデオ会場へ入る。
意外と空いていた。
まずは若い娘達のカウ・ガール・グループによるエキシビジョン。
みんな器用に馬を操りすばらしい演技。
どうやって馬を操っているのか注意して見ていたが結局よく分からなかった。
馬がみんな賢く言うことを聞いてすばらしい。
その後はいよいよロデオの始まり。
暴れ牛に暴れ馬。
子牛を投げ縄で捕まえて足を縛る競技や
2人ペアで同時に投げ縄で子牛の首と後ろ足を縛り上げる競技。
並べられたドラム缶の間を馬で素早く走り抜ける競技など
バラエティー豊か。
間近で見る本物のロデオは迫力満点。
暴れ牛 ペアで子牛を追う ドラム缶の間を走り抜ける

途中女の子がプログラムを売りに来た。
聞くと$1だと言うので買ってみると単なる両面印刷の紙きれ1枚だった。
周りで買ってる人はほとんどいない。
その後ある競技と競技の合間に会場で4桁くらいのナンバーが読み上げられ
誰か当たった人はいないかとアナウンスが響いた。
該当者は現れない。
初めは他人事のように聞いていたが
そう言えばさっき買ったプログラムにシリアル・ナンバーのようなものが印刷されていたのを思い出した。
見てみるとどうやら読み上げられている数字と同じみたい。
それを見た隣に座っていたおばさんが
「あなた当たりよ!」と言って両手を降り始めた。
なんだかよく分からないうちに僕も両手を降る。
前に出させられてインタビューとかさせられたらやだなーと思っていたら
幸いにも何も無かった。
どうやらロデオ大会のスポンサーであるラングラーのジーンズがもらえるらしい。
隣のおばさんが「そのプログラムを後で売店に持って行けばジーンズがもらえるのよ」
と親切に教えてくれた。
ラッキー!

夜10時ロデオ終了。
面白くてあっという間に終わってしまった。
さっそく売店へ行ってみる。
初めはその場でジーンズがもらえるのかと思っていたが紙を1枚くれただけだった。
その紙を持って行けばラングラー・ジーンズを扱っているお店ならどこでもジーンズがタダでもらえるらしい。
有効期限は来年7月。
僕は年末に帰ってしまうので残り時間はあとわずか。
ジーンズ屋さんに行っている時間などあるだろうか。
ラングラーの引換証

この日はFort Worthのダウンタウンの安いホテルで一泊。
Stock Yardsの夜も楽しめて念願のロデオも見れてジーンズも当たって
楽しい1日だった。
(Fort Worthにて撮影)
No.362 Austin便りその73〜Dallas、The 6th Floor
2004年12月12日(日)
The 6th Floor Museum
翌日ホテルをチェックアウトしてDallasへ向かう。
Fort WorthからDallasまでは車で1時間だった。
近い。
DallasもHoustonに並ぶ世界的にも有名なTexas有数の大都市であるが
こっちの大都市は本当に単なるビジネス街であることが多い。
平日には多くのビジネスマンでにぎわい活気溢れる街になるが
土日にはゴーストタウンのように閑散としてしまう。
ガイドブックや人の話などによるとここDallasもそんな街のようだったので
この日はThe 6th Floor Museumだけ見ることにした。

The 6th Floor Museumとはケネディ大統領が暗殺された際に
犯人がケネディを撃ったとされる場所がそのまま博物館になったところ。
上の写真がその建物で
日の当たった面の6階(上から2番目)の一番手前の窓が
まさに犯人がケネディを撃った窓である。
当時は教科書の倉庫だったそのフロアが今では立派な博物館になっている。
日本語の音声ガイドがあったのでそれを借りて中を見て回った。
ケネディの人となりから彼の業績
そしてDallasでパレード中に撃たれるその瞬間までの様子などが
事細かく解説されている。
僕はここで初めて知ったのだが
ケネディを撃った犯人は比較的すぐに逮捕されたのに
その直後に別の人物に殺されているのね。
ケネディ暗殺にいまだに多くの疑惑がかけられている理由がよく分かった。

ケネディが殺された場所
建物の前の道路。
ここがケネディが撃たれた場所。
今まであまり気にしていなかったケネディ暗殺が
急に身近に感じられる。

このMuseumを出ると時間はすでに昼の1時半過ぎ。
この日の夜に人と約束があったので
すぐにAustinへの帰路についた。
(Dallas、The 6th Floor Museumにて撮影)
No.363 Austin便りその74〜僕の送別会
2004年12月12日(日)
みんなで集合写真
Dallasから大急ぎで帰るとすぐにとあるバーベキュー・レストランに向かった。
この日5時からなんと僕の送別会があったのだ。
仕事の無い日曜日の夜に
みんなでレストランに集まってパーティーを開くなんて異例のこと。
しかしチーム・リーダーのケビン・ショットが別の仕事でもうあまりオフィスに来ることが無いことと
年末で多くの人が休暇に入ってしまうことなどで
この日しかみんなが集まれる日が無かったのだ。
なお上の写真で僕の隣に移っている女性は
マイク(僕の左上)の彼女である。
残念ながらKenは用事で来れなかったようだ。

名目こそ僕の送別会であるが
実はチームとしての最後のパーティーであるという意味合いの方が強いと僕は思っている。
確かに僕はこの年末でチームを離れ日本に帰ってしまうが
このチームそのものも来年の1月一杯でほぼ解散になってしまうことも知っていたし
ケビン・ショットも今年一杯でチームを離れることを僕は知っていたのだ。
おいしいバーベキューをたらふく食べながら
みんなで大いに盛り上がった。

パーティーが終わって帰る直前
改めてケビン・ショットにお礼を言った。
この1年なんとかやって来れたのも彼のお陰である。
とても優秀な人物で僕が最も信頼し尊敬する人物だ。
ケビンも僕と仕事ができて楽しかったと言ってくれた。
ありがとう、ケビン。
ケビン・ショットと2人で
(Salt Lick BBQ Restaurantで撮影)
No.364 Austin便りその75〜New Orleans観光
2004年12月17日(金)〜19日(日)
街角で演奏されるJazz
今度はNew Orleans(ニューオリンズ)である。
ここのところ観光付いているが
日本帰国が目の前に迫り
せっかくなので行けるところは全て行っておこうという魂胆。
New OrleansはTexas州の東隣のLouisiana(ルイジアナ)州にある街。
車で行けなくはないが片道8〜10時間くらいかかってしまう。
仕事も最後の追い込み状態でとても休暇は取れそうもないので
ちょっと奮発して飛行機で行くことにした。
金曜日にちょっと早めに仕事を切り上げて金曜の夜の飛行機でNew Orleansに向かった。
(AustinとNew Orleansはそれほど離れていないのに直行便は無くDallas経由)

New Orleansはジャズ発祥の地と言われる街。
街角のあちらこちらから
路上パフォーマーやBarなどからのジャズが聞こえて来る街だという。
ちょっとさびれた片田舎のような町を想像していたのだが
観光客でにぎわう立派な観光都市であった。

僕たちが泊まったホテルはダウンタウンの
フレンチ・クォーターと呼ばれるエリアの中にあるホテル。
最もNew Orleansらしい観光の中心地である。
この2日間はここの中をただひたすらぐるぐる歩き回ってNew Orleans観光を楽しんだ。

Mississippi River
New Orleansで有名なMississippi(ミシシッピー)川。
タダで対岸まで行き来できるフェリーに乗ったり
夜には船上で生演奏のジャズを聴きながらMississippi川クルーズが楽しめる観光船にも乗った。

St. Louis Cathedral
僕は今回来るまで知らなかったのだが
New Orleansと言えばこのSt. Louis Cathedral教会なのだそうだ。
確かに美しくて立派な教会である。
中も豪華できれいだった。

街角では本当に多くのストリート・パフォーマーが
ジャズの演奏を行っている(本日トップの写真)。
その演奏が本当にすばらしい。
プロ顔負けのものばかり。
日がな一日ボーッとこういうのを聴いているのも良さそうである。
ただし楽しんだらそれだけチップを払わないとダメ。
アカペラを唄う4人組

古い街並み
ここフレンチ・クォーターの内側は
古い街並みがそのまま残っている。
ここにある建物は内装は変えても外側は変えてはいけないのだそうだ。
そのお陰で街の中を歩き回ってるだけでも
写真スポットがたくさんある。
デジカメのメモリーがみるみる減る。

カキを楽しむ
夜はNew Orleans名物のOyster Barで生ガキを楽しむ。
テーブルに着くとウェイトレスからいきなり
「カキはいる? 何個?」
と聞かれる。
1ダース頼むとほどなく殻の上に乗ったおいしそうなカキがやってくる。
おいしいかったことはおいしかったが
日本のカキほどカキそのものの味が無いような感じ。
やっぱりカキは日本のものが一番。
でも安くて気軽に楽しめるのがいい。

Bourbon Street
夜になるとNew Orleansで一番のにぎわいになるBourbon Street。
通り一杯にビール片手の酔っぱらいの若者たちで溢れる。
新宿歌舞伎町のような大にぎわい。
道路脇のBarから聞こえてくるのはジャズではなく今時のロックンロール。
僕の思い描いていたイメージとはかなり違うNew Orleansの夜だった。
ちなみにガイドブックなどによるとこの通りの一本裏は危険なので
夜には絶対に行ってはいけないという
ちょっと危険なムードが漂うBourbon Streetであった。

他にもライブハウスでゴスペル・ライブを楽しんだり
2日間でも盛りだくさんに楽しんだNew Orleans観光だった。
撮ってきた写真もとてもここでは紹介しきれないので
別ページで少しずつ紹介していこうと思う。
(New Orleansで撮影)
No.365 Austin便りその76〜Kevinからの贈り物
2004年12月20日(月)
Kevinからの贈り物
New Orleansから帰った翌日。
会社に行ってみると僕の机の上に見慣れない紙袋が置いてあった。
僕にはそれが何だかすぐに分かった。
Kevinからの贈り物だ。
僕の送別会があった日Kevinから「どんな酒が好きか?」と聞かれた。
僕の前任者が昨年12月末に日本に帰る時も
Kevinはその人が好きなウォッカを最後にプレゼントしていた。
僕はそのことを思い出しきっと何かくれるんだろうなと思った。
ここで変に遠慮しても仕方がないので正直に「バーボン」と答えた。
その後Kevinは別の仕事が忙しく送別会の翌日の月曜日の午前中にちょっと顔を出しただけで
もうオフィスには来ることは無かった。
その週最後の金曜日の午後に来る予定だからその時にまた会えると言っていたのだが
その日は僕がNew Orleansに行く日で少し早めに会社を出てしまったため
結局会うことは出来なかった。
最後にちゃんとお別れの挨拶を言うことはできなかった。
そしてNew Orleansから帰った翌日。
僕の机の上にKevinからの贈り物が置かれていた。
紙袋の中身はウィスキーとメッセージが入っていた。
「一緒に仕事ができて楽しかった」といった内容が書かれていた。
メッセージがあるとは思っていなかったので感激。
これを読んだユキちゃんまで関係無いのに泣いていた。
Kevinは決して誰にでもプレゼントを贈るわけではない。
他にも何人かプロジェクトを離れた人もいたが特にKevinが何かをあげていたことは無かった。
僕の前任者はKevinと特に仲が良かったからもらえたはずで
僕はもらえないだろうなと思っていた。
でもその前任者の後を引き継ぎ一年間頑張ってきた僕をKevinなりに認めてくれたみたいだ。
嬉しかった。
一年間頑張ってきて本当に良かったと実感し肩の荷が下りる思いだった。
(ホテルの部屋にて撮影)
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