No.341 Austin便りその52〜徒然なるままに...
2004年10月2日(土)
夜中に突如の雷鳴で目が覚める。
この辺りは突然夜中に雷が鳴ることがたまにある。
ピカピカ、ゴロゴロ結構激しい。
時計を見るとまだ4時過ぎ。
しばらく音がうるさくて眠れなかったが
いつの間にか再び眠ってしまったようだ。
(その後見た夢でも雷だった)
・
朝7時半に目が覚める。
今日は土曜日でせっかく寝坊が出来るのに...。
カーテンを開けても外は真っ暗。
最近は7時半くらいが日の出で
この時間ならかなり明るくなっていてもいいはず。
空一面が分厚い雲で覆われている。
雨だ。
・
昨日の夕方頃グレッグから留守電にメッセージが入っていた。
今日一緒に自転車に乗らないかという。
自転車は結構面白い。
たまには乗ろうと結構乗り気だったのだがこの天気。
8時過ぎにグレッグの家に電話をしたが誰も出なかった。
教会にでも行ってるのかな?
・
ホテル1Fのキッチンから軽い朝食を持ってきて部屋で食べる。
しばらくユキちゃんと毎朝恒例のYahooメッセンジャーでのチャット。
日本ではちょうどさんまの「恋のから騒ぎ」をやっているらしい。
こっちは土曜日の朝なのに、向こうは土曜日の深夜。
時差を感じる。
・
Yahooメッセンジャーでのユキちゃんとのチャットの後
9時過ぎに再びグレッグの家に電話。
寝起きの女性の声で「Hello?」
一瞬たじろいだが「も、もしもし?」と話しかけると
「あ、岡田さんですか? ちょっと待ってくださいね...」
思った通りグレッグの奥様のレイコさんだった。
寝てたのかよ!
アメリカ人って朝早いからてっきりもう起きてるかと思った。
その後グレッグと話して今日の自転車は雨で中止ということに。
明日の2時に会って自転車に乗る約束をした。
・
30分ほど部屋で英会話の練習をした後、会社へ。
天気も悪いし仕事するか。
途中SubwayでItalian B.M.T.を調達。
サンドイッチをほおばりながら夕べやりかけの仕事に取りかかる。
一通り仕掛けを施してシミュレーション、スタート!
...なんか様子がおかしい。
シミュレーションが走らない。
よく見ると夕べKenが大量に積んでいったバッチ・ジョブもことごとく死んでいる。
またサーバーの調子が悪いみたい。
しばらくあれこれ試してみたがとても僕の手にはまったくどうにもならない。
これじゃ仕事にならん。
せっかく少しでも遅れを取り戻せると思ったのに。
・
この後どうしようか。
天気も悪いし映画でも見るか。
ホテルの近くにある映画館へ向かう。
天気が悪い日はみんな考えることは同じ。
映画館の前は結構な混雑だった。
ちょっと前にテレビの宣伝を見て気になっていた映画「Sky Captain」。
2時15分からのがあったがすでに時間は2時30分。
しまった、ほんの少し遅かった!
次の上映は5時15分。
まだ時間はたっぷりある。
ひとまず映画館を後にする。
・
こんなこともあろうかと
途中ホテルに寄って走る準備を持ってきた。
雨はお昼頃に止んでいたので
気温も涼しいし
いつものコロラド川沿いを走りにいくことにした。
・
ここしばらくは結構コンスタントに体を動かしている。
週末には必ずコロラド川沿いかホテルの周りを走るようにしているし
水曜日もホテルのジムでベルトコンベアの上で30分ほど走っている。
最近は再び会社の周り一週(約30分)の散歩も始めた。
なんとかこの出っ張った腹を引っ込めなければ。
・
いつものハイウェイ下の駐車場に停め(本日トップの写真)
短パンに履き替える。
天気が悪いせいかあまり多くないが
それでも何人か走っている姿が見える。
最近はだいぶ足も慣れてきたし気温も涼しいので
少し長く走ってみることにする。
ここコロラド川にはいくつも橋が架かっていて
いつもは一番近くの橋で渡って折り返して帰ってくる(約30分)。
今日はもう1つ先の橋まで行こうと決めた。
前に地図で見た時は次の橋まで結構距離があった。
そんなに走りきれるだろうか。
少しゆっくりめのペースで走り始めた。
・
まずは駐車場のすぐ前の橋を渡って向こう岸へ。
道は所々ぬかるんでいたがそれほど走りづらくは無い。
やはり気温のせいで走っていても辛くない。
いつも折り返す橋まで来たがこの調子ならまだまだ走れそう。
予定通り次の橋を目指す。
・
いつもと違う景色。
なかなか面白い。
もっと遠いかと思っていた次の橋が意外にすぐにやってきた。
川を渡る。
あとは駐車場に向かって走るのみ。
景色がいつもと違うせいか新鮮でなかなか楽しい。
やがていつも折り返していた橋を通過。
順調なペースで走り続ける。
走り始めて35分を過ぎた辺りでちょっと足が痛み出した。
初めてだから仕方ないか。
それでも走れないほどの痛さではないのでそのまま走る。
結局43分で到着。
1つ先の橋まで走ったところで10分ちょっとしか長くならなかった。
でもこの距離は今の僕にはちょうどいい。
次からもこれを走り続けよう。
・
帰りがけニュー・オリエンタル・マーケットで納豆やらカップラーメンやらを調達。
この先2週間くらい大丈夫なように買い貯める。
・
ホテルに帰る前に再び映画館に寄ってとりあえずチケットを買っておくことにする。
今は「Shark Tail」といって「ファインディング・ニモ」のような前編フルCGの
やはり海の中のお話の映画が公開されたばかりで
それが1番人気みたい。
(でもこの映画は魚を完全に擬人化してあって「ニモ」とは似ているようで結構違う)
僕が見たい「Sky Captain」なんてチケットが売り切れることはないだろう。
でも一応念のため...。
$6。
相変わらず安い。
時間はまだ4時過ぎ。
上映の5時15分までにはまだ1時間ある。
ちょっとホテルに戻って休憩。
・
5時に映画館に入る。
思った通り「
Sky Captain」の劇場はガラガラ。
いい席を確保。
それでも上映間際に結構お客さんが入った。
まあまあの入りなのではないだろうか。
この映画は時代的には第一次大戦後くらいの世界なのだが
レトロなSF調の巨大ロボットが出てきたり
翼を羽ばたいて飛ぶ敵の戦闘機が出てきたりして
全体的に昔のSFタッチにできあがっていてなかなかいい。
それに対するSky Captainがプロペラ機で応戦する。
実はこのプロペラ機が海にも潜れるすぐれもの。
僕は知らないがもしかしたらこれもアメコミの実写版なのかも。
そんなこんなでどことなくどこかで見たようなシーンもいくつかあったりしたが
結構最後まで楽しめた。
途中相変わらず英語が分からずに周りの観客の笑いについて行けないこともしばしばあったが
いやー、これ結構いいんじゃない?
日本で公開されたらまた見に行っちゃうかも。
僕は好きだなー、この映画。
・
映画館が終わるともう夜7時過ぎ。
でも外はまだ薄明るい。
部屋のビールが残り少ないことを思い出し
いつも行くスーパーH-E-Bに行ってビールを調達。
・
こうして僕のよくある平凡な土曜日は過ぎていった...。
(Zilker Parkの駐車場にて撮影)
No.342 Austin便りその53〜グレッグとサイクリング
2004年10月3日(日)
この日朝はどんより曇っていたが
お昼前くらいからいい天気になった。
絶好のサイクリング日和。
約束の2時にグレッグの家に行く。
いつも通りの元気そうなグレッグの姿。
しかし実はレイコさんとマイカちゃんが風邪をひいていることがわかった。
昨日レイコさんが寝起きのような声を出していたのはそのせいだったのか(大変失礼しました)。
グレッグも今は完全に回復したが
先週の月曜日と火曜日はひどい症状だったらしい。
おっと、インフルエンザか!?
家で看病してなくていいのか聞くと
「ちょっと運動したいから軽く1〜2時間くらい行こう」とのこと。
前回はグレッグの家から公園まで自転車で行ったが
今回はグレッグの車の荷台に自転車を2台積んで
車で公園まで行った。
これなら少ない時間でもたっぷり楽しめる。
・
公園の駐車場で別の自転車に乗っていた人にグレッグが話しかけたところ
今日は道が結構ぬかるんでいるらしい。
昨日の雨の影響がまだ残っているのだ。
「Not too bad.」
という言葉を信じて林の中へ続くトレイルに入っていった。
・
前回は公園までの道のりで自転車の扱いに慣れることができたが
今回は慣れる間もなくいきなりの悪路。
前は余裕に走れたような下り坂が異様に怖く感じる。
道は日が当たっている所は乾いているが
ちょっと林の中に入って日が当たらないような所は
見た目はそれほどでもないが
結構湿っていて柔らかい。
泥がみるみるタイヤにこびりつく。
前は余裕で上り下りが出来たような斜面も
泥のせいで自転車から降りないといけないようなこともしばしば。
足場もあまり良くないような急な斜面を
自転車を押して登ったり降りたりするだけでも結構疲れる。
別の意味でいい運動になった。
・
走れるルートが泥のためかなり少なくなってしまった。
グレッグもレイコさんやマイカちゃんの面倒を見ないといけないため
正味1時間半くらい走ったところで今日はお終いにした。
それでも結構いい運動になった。
天気が良くてもっとコンディションのいい時にまた行こうと約束した。
(Walnut Creek Metropolitan Parkにて撮影)
No.343 Austin便りその54〜Corpus Christi再び
2004年10月10日(日)
先週の日曜日から
1人日本人(以降Mさん)が出張でAustinに来ている。
現在の僕の仕事の雇われ主にあたる会社の人なのだが
なんと上司の許可が下りずにUSでは車を運転できないという。
ということでMさんのAustin滞在中(約2週間)は
僕がアッシーを務めることになった。
同じホテルなので朝夕の会社への行き来はもちろん
食事も一緒。
ここら辺は車がないと本当に身動きが取れないのだ。
・
週末。
土曜日は本人の希望により近場のお店めぐり。
でっかい電気屋さんへ連れてったり本屋さんに連れてったりした。
一応7月にも1度来ていてAustinは今回で2回目なのだが
前回は慌ただしくてのんびり買い物もできなかったらしい。
連れてくとこ連れてくとこ結構喜んでもらえたが
本屋さんで日本のマンガ本の英訳版がたくさん置いてある所が一番感動していたみたい。
「あ! あんなのがある。 お! こんなのもある」
と終始はしゃぎまくっていた。。
結構喜んでもらえた土曜日だった。
・
翌日曜日はどこか遠くへ連れてってあげようと思った。
San Antonioは前回すでに行ったらしい。
ちょっとがんばってメキシコ湾まで行くことにした。
前にYさんと行った
Corpus Christi(コーパス・クリスティ)がいいだろう。
確か片道4時間くらいかかったはず。
前回は結構遠かったような気がしたが
Carlsbad・
White Sands往復を1人でこなしてからは
片道4時間なんて軽い軽い。
・
早起きして朝7時にホテルを出発。
途中給油しながらガソリンスタンドでホットドックとコーヒーで軽い朝食を済ませ
11時頃到着した。
前回Yさんと来た時は
Yさんはあまり車を停めて見物するということをしないため
あちこちのんびり見て回れなかった。
今回はゆっくり見物を楽しめる。
まずは海岸沿いの公園に車を停める。
広くて芝生のきれいな公園。
桟橋もあった。
水は相変わらずあまりきれいではなかったが
やっぱり海は気持ちが良い。
家族連れが多く釣りを楽しんでいる人もたくさんいた。
・
この公園で結構ゆっくりした後で
少し車で走って今度は砂浜がある場所へ。
ここは前回も立ち寄った場所。
波打ち際まで行って足を水につけてみた。
結構冷たい。
すでに10月だがこの日は天気も良くて気温も結構高かった。
海水浴を楽しむ人たちがたくさんいると思っていたが
小さな子供2人を連れた若い夫婦1組しかいなかった。
・
そろそろ12時。
お腹も空いてきた。
海沿いのちょっとした出島のようになっている所にある
この辺りではどこにでもあるチェーンのシーフード・レストラン
JOE'S CRAB SHACKでお昼にした。
外のデッキのテーブルを選ぶ。
この辺りはカモメが多い。
特にここではお客さんからのお恵みに預かろうと
すぐ目の前の手すりまでカモメが来る。
おお、こんな近くにカモメが。
思わずカメラを向ける。
・
Crab CakeのSandwich(カニのハンバーガーのようなもの)を食べる。
まあまあうまい。
ここからはCorpus Christiのダウンタウンのビルが一望。
手前のヨットハーバーと相まってなかなか美しい風景である。
ちょうど一艘漁船が戻ってきた。
周りにはカモメがたくさん群がっている。
たくさん捕れたのだろうか。
・
昼食を済ませ今度は近くの漁船がたくさん留まっている場所へ。
前回Yさんと来た時はここは車で通過しただけだったが
僕はよだれが出そうなほど写真を撮りたかったのだ。
なんか使い古された漁船の感じがとってもいい。
Mさんには悪いが思う存分シャッターを押させてもらった(Mさんも結構楽しんでいたみたいだった)。
本日のトップの写真もその時に撮ったものの1枚。
漁船に付いているクレーンを見上げるように撮影したものだが
何気に良く撮れたので思わずトップに採用した。
・
漁船の中には捕ってきたばかりの獲物をその場で売っているものもあった。
何があるのか見てみたが小さいエビばかり。
前に誰かからメキシコ湾のこの辺りではエビくらいしか捕れないと聞いたことがあったが
どうやら本当らしい。
見た感じ普通のクーラーボックスに入れられたエビは
正直あまりおいしそうではなかった。
・
この辺りにはカモメの他にペリカンのような鳥もいた。
そんなカモメとペリカンのツーショット。
・
この後お決まりのUSS LEXINGTON(レキシントン)という空母へ。
もうすでに3時近くそろそろ帰らなければいけない時間だったが
Mさんのためにちょっとだけ見ていくことにした。
・
相変わらずバカでかい。
フライト・デッキの広いこと。
前にもちらっと説明したが
このレキシントンという空母は今はここ大西洋に面するメキシコ湾に展示してあるが
現役当時は太平洋で日本とバリバリに戦った空母。
日本との戦いを示す資料などがたくさんある。
日本人にはあまり居心地のいい場所ではない。
まあしかしあまり気にせずに見て回っていたところ
とあるアメリカ人のオバハンに「あなた達日本から来たの?(もちろん英語)」と話しかけられ
「ここをどう思う?」と質問された。
うーん...。
正直なところなんとも思っていないというのが本心なのだが
そう答えるのもちょっとなー。
かと言ってちゃんと説明するには僕の英語力では無理だ。
適当にごまかしてしまった。
そのオバハンも特に日本人に対して敵対心を持っていたわけではなく
単に興味半分で聞いてきただけみたい。
その後しばらく世間話をしてお別れした。
・
この中を全部見て回ろうとすると軽く2〜3時間は過ぎてしまうので
フライト・デッキと艦橋の中を軽く見て回って帰ることにした。
レキシントンの周りでは海水浴を楽しむ人たちが結構いた。
・
がんばった甲斐あってMさんもかなり満足してくれたみたい。
僕も前回Yさんと来た時はいまいち消化不良だったので
今回また来てかなり満足できた。
天気が良かったのは幸いだったが
お陰で顔が真っ赤に日焼けしてしまった。
(Corpus Christiにて撮影)
No.344 Austin便りその55〜City of Austin Power Plant
2004年10月17日(日)
ここ最近は毎週末Zilker Parkで走っている。
その走るコースから見えていてずっと気になっていたのが
このCITY OF AUSTIN POWER PLANT。
その名もズバリ、「Austin発電所」である。
みるからに古いその建物は現在ではもう使われていないらしい。
しかしコンクリートむき出しのその古びた建物や
どことなく昔っぽい感じの文字のフォントなどが
哀愁を醸し出している。
こういう感じの古い建造物にはなぜか魅力を感じてしまう。
中が今どうなっているのか。
きっと昼間でも真っ暗で機械油の臭いで充満しているんだろうな...。
探検したら面白そう...。
なんだかゾクゾクしてしまう。
・
建物の横にある出入り口。
その上にはいかにも発電所っぽいイメージの茶目っ気たっぷりのロゴ。
入っただけで感電しそうである。
う〜、入ってみたい...。
(Zilker Parkにて撮影)
No.345 Austin便りその56〜Walterのボート
2004年10月23日(土)
Austinでの今回の仕事を僕に持ちかけて来てくれたMさんが水曜日から来ている。
Mさんはもう10年くらい前にやはりAustinに長い間滞在していたことがあり
その時以来の友人のアメリカ人がまだここに勤めている。
彼の名前はWalter(ウォルター)。
後から知ったがどうやら僕と同い年らしい。
Walterがモーターボートを所有しているという話はMさんから何度か聞いていた。
そのボートに乗せてもらう日がついにやって来た。
・
古びた倉庫のようなガレージから引っ張り出したボートの乗った台車を車の後ろにつなげ
まずはガソリンスタンドへ。
ボートの給油を普通のガソリンスタンドで済ます。
・
その後
Lake Travisに行き
自家用ボート用のスロープから湖にボートを降ろす。
上の写真はちょうどボートが台車から離れたところをボートの上から撮影したもの。
この時車はWalterの彼女のJenifer(ジェニファー)が運転している。
・
Walterが僕たちのために大量にBeerを用意しておいてくれた。
Thanks! Walter!
いい奴!
・
しかしお楽しみのBeerを飲む前に僕にはやらなければならないことがあった。
空気で膨らませた小さいボートのようなものをボートの後ろに紐でくくりつけて
ものすごい速さで引っ張られるらしい。
幸か不幸かこの日海水パンツを持っていたのは僕のみ。
僕がやらざるを得なくなった(...実は自分から志願したのだが)。
事前にいろいろとWalterからガイドを受ける。
やり方を間違えると病院送りになる結構危険なものらしい。
ちょっとびびる。
上の写真はまさにそれを始める直前のもの。
腹が情けないことになっている。
・
いよいよスタート!
ここからの写真は残念ながら無い。
誰も写真を撮ってくれなかったのだ。
しかし時速50km以上の速さで水の上を引っ張られるエアークッションの上に乗っているのは
はっきり言って至難の業。
速さによる恐怖もあるし
ボートの後ろに出来る複雑な波の上を左右に振り回されて
しがみついているので精一杯。
ちょっとだけ気持ちよさもある。
事前に多少のレクチャーを受けていたので
ボートが曲がる方向を見極めて
そっちに体重移動することにより
なんとかカーブを乗り越え続けた。
しかし僕がなかなか落ちないので
Walterがより過激に左右にボートを操り始めた。
急なカーブで振り回されるエアークッションには想像を絶する遠心力が働く。
しがみついている手もしびれてきた。
あるカーブの時にバランス的にはまだ多少余裕はあったものの
体力的な限界から手を離してついに落水。
相当なスピードが出ていたはずだが
水に落ちた時のショックはそれほどでも無かった。
ライフジャケットのお陰で体はプカプカ浮かんでいる。
呆然としながらボートが引き返してくるのを待った。
水は最初のうちは冷たかったがこの時にはすでにそんなことは感じなかった。
引き返して来たボートの上でWalterとJeniferが大喜びしている。
「もう1度やるか?」
「Yes!」
体力の限界に達しかけていた体に反して思わずそう答えてしまった。
・
2回目。
だいぶやり方は慣れたが
もう腕の力がほとんど残っていない。
すぐに2回目を始めたことを後悔した。
かと言ってすぐに落ちてしまうのもシャクだ。
必死にしがみつく。
結構長い間がんばっていたと思う。
その間Walterのボートは容赦なく左右に揺さぶる。
つらい!
もう止めたい!
半べそをかきながら必死にしがみついていた。
しかしそれももう限界。
あるカーブでまた手を離した。
実は1回目の時にもそうだったのだが
古傷の右肩を再び痛めてしまった。
右肩が強烈に痛い。
まあでも病院送りにならなかっただけましか。
その後他のメンバーは結局やらずに僕1人だけ楽しんでエアークッションは片づけた。
(この後、丸3日激しい筋肉痛と肩の痛みに悩まされた...)
・
その後はひたすらBeerを飲む。
100km近くのスピードを出すボートに乗って
強烈な風を受けるのは結構気持ちがいい。
ましてや片手にはBeer。
もう最高!
・
途中ちょっとだけ湖沿いのレストランに立ち寄る。
ここにはちゃんとボート用の桟橋も用意されている。
ここで少しBeerとつまみを楽しんだ。
・
その後も再び猛スピードでLake Travisを横断。
すっかりボート・クルーズを堪能できた1日だった。
しかし僕と同い年ながらこんな優雅な生活を送れてしまうアメリカ人。
うらやましい...。
(Lake Travis他にて撮影)
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