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全国秘湯巡り・福島

福島・二岐温泉と大内宿

今回の旅は1泊2日です。
第1日目 浅草→鬼怒川→ 会津高原→湯野上温泉→ 二岐温泉
第2日目 二岐温泉→ 大内宿 会津若松→郡山→東京

第1日目

(会津鉄道・湯野上温泉駅は萱葺き屋根)

湯野上温泉駅 会津鉄道は1986年10月に開通した。
この時の会社は、浅草から新藤原までが東武鉄道、新藤原から会津高原までが野岩鉄道、会津高原から会津若松までが旧国鉄・会津線だったが、JR東日本が発足し、会津線の部分が第3セクターの会津鉄道に生まれ変わった。

浅草で30分ほどゆとりがあったので、浅草寺をお参りした。
早朝の浅草寺は人がまばらで、落ち着いた雰囲気だった。

(浅草寺)
浅草寺 ひろさんの本籍は台東区。
昔は、浅草寺の境内に面した区役所の出張所に戸籍関係の書類を取りに行ったものだが、やがて区役所(上野駅そば)に行くようになり、今では郵便で間に合うようになってしまった。

また、仕事で、吾妻橋にあるビール会社に来たのは何年前だっただろうか?

浅草発、会津高原行きは8時10分発。連休で結構な乗車率だった。
東武鉄道に乗るのも久しぶり。
ともかく、このホームページを始めてからは乗っていない。

下今市で日光線と分かれ、まもなく鬼怒川温泉。
車窓から見る鬼怒川温泉は、熱海温泉みたいな、ひろさんの興味を呼びそうにない温泉風景だ。
新藤原から会津高原まで(野岩鉄道・会津鬼怒川線)はトンネルが多く、トンネル内に駅があったりする。
トンネルを出たときには、深い渓谷が見え隠れする。
分水嶺のトンネルを抜けると福島県。会津高原駅まではすぐだった。

会津高原

(会津高原駅)
(トロッコ列車)
会津高原駅 トロッコ列車

会津高原駅ではハイカーが大勢降り、車内がかなりすいてくる。
会津高原駅では、会津田島発檜枝岐経由沼山峠行きのバスがつかまるので、尾瀬を目指す人が多いのかも知れない。
浅草行きの快速とすれ違うため、かなりの時間停車していた。

ここからは、渓谷をはなれて、風通しの良い森林帯や農村を走るので車窓の景色は一変する。
浅草発の東武電車は会津田島止まり。

田島からは休日運転の「トロッコ列車」が連絡していた。
1両目がトロッコ列車、2両目がお座敷列車、3両目が普通列車という編成だが、都会から来た人たちはトロッコ列車を選んで乗っていた。

トロッコ列車は風が通り抜けてとても気持ちの良い列車だ。
スイスの登山鉄道でもこういった趣向の列車があるが、トロッコ列車は、トンネルでは電灯を消して天井の星座を見せたり、鉄橋の上でしばらく止まって渓谷を見せたり、客が喜びそうなことをやってくれる。

二岐温泉は湯野上温泉からが近い。
二岐温泉は行政上は「天栄村」に属する。天栄村は分水嶺によって2分され、東側は白河/須賀川エリアと接し、西側は会津地方と接している。
地方自治体の中を分水嶺が横断している例は珍しいという。

湯野上温泉の駅舎はわらぶき屋根。
ここで、登りと下りの列車がすれ違う。
温泉街は、駅から少し下流にあるが、けばけばしい温泉街ではない。
駅前の食堂でソバの昼食。
約束の1時30分に二岐温泉・大和館のボックスカーが駅まで迎えに来てくれた。

国道118号線はしっかりした1車線道路だが、二岐温泉への分岐から先は舗装のない狭い道になる。
途中改良工事をしていたが車が交わせないほど狭く、秘境と呼ぶのに十分の資格がある。

二岐温泉

メインの道路から急な道を川に向かって下ると大和館の玄関。
この階は玄関だけで、階段を下ると、客室や広間があり、さらに下って温泉がある。

(大和館前の川)
(大和館の露天風呂)
大和館前の川 大和館の露天風呂

ひろさんが途中観光見物をしないで大和館に急いだのは、イワナ釣りがしたかったからだ。

川に面した客室は瀬の音がうるさいぐらいだが、とても良い川で、見るからに魚が居そうな川だ。
ところが、ここ数日の夕立で川が増水していて水量が多い。
川虫もチョロも取れず釣りにならない。
ひろさんの釣りをしている姿を見て大和館からもう一人釣師が降りてきた。
この人にキジをもらって釣ってみたがやはりピクリとも来ない。
2時間ほどで諦め部屋に戻る。

大和館には男女別に内風呂があり、そのほか川原に露天風呂がよしず張りで仕切って2つほどある。

内風呂は、湯が熱くて入れないが、露天風呂は調度入り加減だ。
川原の音を聞きながら露天風呂に入るのは格別で、これで何匹かイワナが釣れたらもっと良かっただろう。

時間が余ったので持参の文庫本を読む。
ロバート・B・パーカーのマット・スカダー物。
これがまた面白い。ハードボイルドというより、純愛路線に近い。
夕方、二岐温泉を一周する。
下流から、あすなろ大丸荘、大和館、柏荘などと続き、全部で6〜7軒の旅館があるが、道路に面した旅館は少なく、温泉街という印象は全くない。

(大和館の夕食)
大和館の夕食 大和館の夕食は大広間。

およそ20人ぐらいの客で、個人旅行が主体。釣り、ゴルフ、家族旅行。

夕食は7時頃。イワナと山菜が主体。
ヘルシーな夕食と言って良い。
ビールと地酒で良い気持ちになる。
部屋に戻って、また読書。
9時前に眠ってはまずい。

第2日目・会津西街道/大内宿と会津若松

翌朝起き抜けに露天風呂につかる。
隣の露天風呂ではビールを飲みながらの入浴。
旅は気ままが良い。

朝食まで、おやじさんと政治談義。
福島では参院選と県議の補欠選挙が同時で、県議候補も同宿していた。

朝食後、湯野上温泉駅に送ってもらう。
話をしてみると、実はこの家の主人だが、旅館を継がず、今は学校を終えた4女(政治談義をしたおやじさんの孫)が継ぐのだという。

大内宿

会津若松へ行く列車を一つ遅らせ、湯野上温泉駅からタクシーで大内宿へ行く。

(大内宿)
大内宿 10分ほどで大内宿へ。

駐車場には、マイカーや観光バスがあふれていたが、そこから山側に入ったところは、茅葺きの家が40戸余り軒を連ね、さながらタイムスリップをしたような印象を受けた。
大内宿は保科正之が会津に封ぜられてから宿場として栄えたのだという。

そして明治17年会津三方道路の一つ国道121に沿って新道路が開通してから宿場としての使命を失い、農業によって今まで命脈を保ってきて、今観光で蘇ったのだという。
道の両側の家々は、蕎麦屋、土産物屋、民宿などで、観光資源の少ないこの土地で非常に善戦しているようだ。

1時間ほど観光し、迎えのタクシーで湯野上温泉駅に戻る。

ここから会津若松までは1時間かからない。
車窓は、山里から農村に変わり、都会に変わる。

会津若松

(鶴ヶ城)
鶴ヶ城 会津若松駅で、コインロッカーに荷物を預け、路線バスを探す。
路線バスの隣に「ハイカラさん」というマイクロバスもあり、ためしにハイカラさんの方に乗る。

これは観光客用の名所めぐりのバスで1時間ごとに運行している。

会津若松の観光の目玉は何といっても「鶴ヶ城」。
ただ、鶴ヶ城にまつわる白虎隊の話は余りにも悲惨で、ひろさんは好きになれない。
なぜ、自刃しなければならなかったのか?
そもそも、鶴ヶ城に篭城するのに勝算はあったのか?

鶴ヶ城は昭和になって天守閣が再建されたという。
従い、靴を脱がないで上まで上れるめ珍しいお城。
梅雨明けで、暑くなった会津盆地も天守閣の天辺は涼しい風が吹き、360度のパノラマを楽しむことが出来た。

駅まで戻る途中で昼食を摂り、路線バスで会津駅に戻り、ビバ会津に乗ったら1時間で郡山に着いた。
あとは東北新幹線で東京まで1時間ちょっと。
楽しい旅が終わった。


若干の情報

場所電話
東武テレガイドサービス03-3623-1171
野岩鉄道本社0288-77-3300
会津鉄道本社0242-28-5885
会津田島駅0241-62-0065
二股温泉・大和館0248-84-2021
天栄村観光協会0248-82-2117


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