No.351 Austin便りその62〜床屋に挑戦
2004年11月20日(土)
床屋さんの中
すっかり髪が伸びてしまった。
今までのAustin出張はどれも2.5ヶ月くらいで帰国していたので
髪が伸びてきてもすぐに帰国するんだからと
多少長くてうっとうしくなってもがまんしていた。
しかし今回の出張は今までで最長の丸4ヶ月。
帰国までにはまだ丸々1ヶ月以上残っている。
とても我慢できない。
しかし床屋さんに行ってどうやって頼めばいいんだろう...。
ちょっと前の英会話学校のCMで
ロダンの「考える人」が海外の床屋さんに行って
まさに考え込むというようなものをやっていたが
実際どうやって頼んだらいいか分からない。
英会話の本を見ても海外旅行に必要な例文しか載っておらず
床屋さんでの英会話など載っていない。
髪型がちょうどいい頃の自分の写真でも持っていれば
「こんな感じにして」と頼めるのだが残念ながらそれも無い。

Kenに床屋さんに行ったらどうやって自分の髪型の説明をしたらいいのか聞いてみた。
するとKenは「床屋なんかに行くんだったら、ウチの奥さんが切ってあげるよ」と言いだし
すぐに携帯で奥さんに電話しだした。
そうだ、Kenの奥様は元美容師さんで
Kenもいつも奥様に家で切ってもらってるんだった。
しかしKenの奥様は最近足の甲の軟骨だかを削る手術をしたばかりで
しばらく歩けないらしい。
すぐには無理だが2〜3週間待ってくれれば切ってくれるという。
せっかくなのでお言葉に甘えることにした。

それから3週間が過ぎた。
奥様の足の具合は未だ良くならないらしい。
おまけにサンクス・ギビング・デー(11/25)も近づき
Kenの離れ離れで暮らしている実の息子さん達もここAustinに遊びに来ているという。
そんな家族団らんの中お邪魔するわけにも行かない。
それに訳あってサンクス・ギビング・デーまでには髪は短くしておきたかったのだ。
(理由はヒ・ミ・ツ♪)
ということでKenの奥様に切ってもらうのも楽しみにしていたのだが
あきらめて床屋さんに行くことにした。
(相変わらず前置きが長くてスミマセン)

SUPER CUTS
行ったのはホテルから歩いても10分くらいで行けるショッピングセンターの中にある
SUPER CUTSというお店(日本でもどこにでもありそうな名前)。
前にちらっとのぞいた時は結構お客さん(しかも子連れ)が待っていたので
混んでいたら嫌だなと思いながら
土曜日の午前中に行った。
すると幸い待っている人はゼロ。
3人のお客さんがちょうど髪を切ってもらっていた(本日トップの写真)。
結構日本の床屋さんと似た雰囲気。
たまに会話なども聞こえるがほとんど黙って黙々と髪を切っていた。
受付で自分の名前を告げてソファーで待つ。
その後続々とお客さんがやって来て4人くらい待つ恰好になった。
僕はちょうどいいタイミングで来たみたいだ。

1人が終わったらしい。
店員さんがテーブルに並べられた伝票を手に取り僕の名前を呼ぶ。
店員さんに即されるままイスに座り
日本と同じように髪よけのマントのようなものを巻いてくれている間に
今髪を切り終わったばかりのお客さんがやってきて
店員さんにチップを渡していた。
そうか、こうやってチップを渡せばいいんだ。

僕の髪を切ってくれることになった店員さんは
黒人で歯を矯正中の若い女性。
髪型をどうするか聞いてきた。
いよいよだ。
あらかじめ考えていたとおり
指を2〜3cm位の間隔で開いて
「これくらい切ってください」
と言った。
恐らく店員さんには初めてのオーダーのされかただったのだろう。
困惑し「What?」と聞いてくる。
しかし僕も聞き返されることは予想していたので
とにかくこの方法で頼み続けた。
すると店員さんはすぐにあきらめてなんとか分かってくれたみたい。

話はそれるが最近はよくこの手を使う。
「俺は日本人で英語はうまく話せないんだよ」という雰囲気を漂わせつつ
それでもたどたどしい英語で一生懸命説明していると
向こうの方が折れてなんとかこっちの意図を察しようと努力してくれるのだ。

次に店員さんは僕の耳の辺りに手をやり何か聞いてきた。
これに関しても以前Kenに聞いた時にある程度情報を入手しておいたので予想範囲内。
耳を出すかどうか聞いているのだ。
僕は耳を出してもらおうと思っていたので
「出す」んだから"out"だろうと"out"を使って適当に説明すると
どうやら耳を出すのは"out"ではなく"off"らしい。
「イヤー・オフ」だか「オフ・イヤー」だか忘れたが
とにかくそんな感じで説明していた。
なんとか耳を出して欲しいことを伝えてどうにか無事に髪を切り始めてくれた。
僕の髪をさわるたび「ずいぶん長いわね」みたいなことを何度も言っていた("long"がキーワード)。
確かにアメリカ人で長髪の人はめったに見かけない(ホームレスは別)。
みんな短く刈り込んでいる人がほとんど。
僕のように髪が長く伸びた人を切ることは滅多に無いのだろう。
アメリカで髪を切るのは初めてなんだと伝えようと話しかけたのだが
どうやらうまく伝わらずに「このお店に来たのが初めて」だと受けとられたらしい...(涙)。

手際よくパサパサと髪を切っていく。
一通り終わると次はバリカンでうなじを刈っていく。
やがて再び耳の辺りに指をあて何か聞いてきた。
耳の周りはすっかり切り終わって耳も完全に出ている。
他に何を聞いているのだろう...?
ここで初めてまだもみ上げがそのままであることに気づいた。
恐らくもみ上げをどうするのか聞いているに違いない。
指をもみ上げに上下に当てながら「これくらい?」と聞いてくるので
適当なところで「Yes」と答える。
なんだか思っていたよりずいぶんともみ上げが短くなってしまったがまあいいだろう。
こうしてほぼ何事もなく僕の散髪は無事終了した。
料金は$13.95。
お金を支払った後、僕の髪を切ってくれた店員さんにチップを$2渡した。
こんな変な東洋の外国人からチップがもらえるとは思っていなかったのか
ちょっとビックリしたようでそれでも笑って「Thank you!」と受けとってくれた。
僕としては本当に僕のような言葉の通じない変な外人のリクエストを聞いてがんばって髪を切ってくれたので
感謝感謝なのであります。

ホテルに戻って改めて鏡を見てみると
思っていた以上に切りすぎ。
はっきり言って笑える。
もみ上げもここしばらくはずっと長めにしていたので
久々に短くしたらもろに青くなってしまった。
それでもオッケー。
最近僕は短い方が何かと楽で好きなのだ。
こうして僕のアメリカ初床屋体験は無事(?)に終わった。

せっかくなので完成図を...(しまった! "Before"を撮り忘れた!)。
After
(SUPER CUTSとホテルの部屋で撮影)
No.352 Austin便りその63〜餃子パーティー@Kevinさんち
2004年11月20日(土)
餃子パーティー@Kevinさんち
天気も悪く
おまけにサンクス・ギビング・デーも近づいてきたので
この土日は午後はずっと会社で仕事をしていた。
(なぜサンクス・ギビングと関係あるかはヒ・ミ・ツ♪)
するとKevin Ready(ケビン・レディー)が現れた(上の写真の真ん中の黄色いシャツの人)。

僕の現在のチームにはKevinという人が2人いて
1人は僕がとても信頼し尊敬しているチームのリーダーでもあるKevin。
この日現れたのはもう1人の方で
奥様が日本人で日本語も結構喋れる人。
この日はちょっとやることがあって会社に来たらしい。

「今晩T社の人たちがウチに来てパーティーするんだけど良かったら来ませんか?
餃子と高菜チャーハンを作ります」
と話しかけてきた(ほぼこのままの日本語)。
メンバーを聞いたが知っているのは1人だけ。
少し考えたが大勢のアメリカ人の中にポツンと1人だけだったらかなり大変そうだが
所詮みんな日本人。
知らないグループでもなんとかなるだろうと
お言葉に甘えて参加させてもらうことにした。

夕方6時にKevinさんちに集合。
カーナビに案内されるまま近くまでは問題なく来れたが
ズバリの場所がよく分からない。
最近は6時ともなるとほぼ真っ暗。
なんとかそれらしい家を見つけてベルを鳴らすとKevinさんが出迎えてくれた。
ちょっと6時を過ぎてしまったがなんと1番手だった。
奥様ともご挨拶。
見た目普通の日本人だが
もうアメリカに住んで5年経つという。
本人は謙遜していたがきっと英語だってバッチリなのだろう。
とても明るく親しみやすい人だった。
3歳の男の子コナー君がいる。
オモチャみたいに可愛い子。

しばらくして続々とゲスト到着。
知ってる人は2人いたがそれ以外はやっぱり知らない人。
その中には1人S社のアドミをやっている女性もいた。
その人はたまに重要なメールを日本語に訳して日本人に再送してくれたりしてくれる人で
何度かこの人のメールは受け取ったことがあったので名前だけは知っていた。
想像していた感じとちょっと違ってあねご肌。
T社の人ほぼ全員をクン付けで呼んでいた。
かなり面白い人。
ご主人さんと息子さんも一緒でご主人さんはやはりアメリカ人。
英語で挨拶したら日本語で返された。
この人も日本語が達者。
みんなすごいなー。
来た人みんな気さくな人たちばかりですぐに馴染めた。

餃子作りが始まった。
僕もせっかくなのでお手伝いする。
久々だったので初めのうちは少し手間取ったが
だんだん慣れてきてうまく包めるようになってきた。
するとみんなから絶賛。
「ラーメン屋さんの餃子みたいー!」
「ラーメン屋さんで働いたことあるんですかー?」
ないない。

Kevinさんは肉を食べないので具はエビのすり身。
焼いて食べたらかなりうまい!
餃子はここAustinで食べられないものの1つ。
スーパーでも売ってないし中華料理屋さんでも出てこない。
だからとても久しぶり。
やっぱ餃子いいわ。

Kevinさんちには犬が2匹いた。
1匹はゴールデン・レトリーバーでもう1匹はよく分からん。
家の中には入れてもらえずガラスのドア越しに中を見て大はしゃぎしている。
コナー君がドアを開けても中には入らないでちゃんとコナー君の言うことを聞く利口な犬たち。
「名前は何て言うの? Name?」
と聞いてみた。
するとゴールデン・レトリーバーの方を指さして「マイキー!」と答えた。
「マイキー?」と聞き返すと
「ノー! マイキー!」とダメ出しを食らう。
同じじゃないかよ。
でもきっとコナー君には明らかに間違えた名前に聞こえたんだろうな...。

Kevinさんちにはなぜか卓球台もあってみんなでやって盛り上がったり
あっと言う間に時間は過ぎていった。
とても和やかな雰囲気の楽しいパーティーだった。
(Kevinさんちで撮影)
No.353 Austin便りその64〜二人の旅(Las Vegasでの再会)
2004年11月24日(水)
Las Vegasでの再会
ユキちゃんが再びアメリカにやって来た。
しかし場所は何故かLas Vegas。
おまけに僕までいる。
仕事せんでえーのか!

11月25日(11月の第4木曜日)はアメリカではクリスマスに次ぐ大きな祝日(と思われる)
サンクス・ギビング・デー。
翌金曜日も会社はお休みで
ほぼアメリカ全土が4連休になる。
一般的なアメリカ人のお宅ではこの休日は親族や家族が一同に集まり
ターキーの丸焼きを食べてお祝いをする。
実は僕もKenにサンクス・ギビング・デーに家に来ないかと招待されたのだが
実はすでに先約があり泣く泣くキャンセル。
そう、この4連休はユキちゃんとLas Vegasで落ち合うことになっていたのだ。

今までのAustin出張と違い今回の出張は休暇も取れるタイプ。
そこで4連休の前後1日ずつ休暇を取って豪華に6連休にした。
Las Vegasまでの飛行機はUnited Airlineで見積もったところ
往復で9万円近くもしたため
ここは思い切って今まで貯まっていたマイレージを使うことにした(40,000マイル)。
ホテルも全てWebで予約。
(ちなみに今回の旅行はホテルや飛行機などほぼ全ての手配をWebだけで行った。便利な世の中になったもんだ)
Austinを15:00発の飛行機に乗ってDenverで乗り換えてLas Vegasには夕方の18:30頃到着。
(※AustinとLas Vegasは時差が2時間あるので所要時間は約5時間半)
ユキちゃんはすでにお昼頃到着していたので
お互いの携帯電話で空港に着いてから連絡を取り合い
無事にホテルで2ヶ月半振りの再会を果たした。

ラスベガス!
どこもかしこも豪華絢爛なネオンの海。
道路にはタクシーが溢れ
歩道も人通りが一杯。
なんと華やかな街だろう。
夜の街をぶらぶらしているだけで楽しい気分になってくる。
(※下の写真はタクシーも人もあまり写っていないが苦労してシャッターチャンスを待ったのだ)
Las Vegasの街1 Las Vegasの街2 Las Vegasの街3

ローマ風の噴水
こんな洒落たローマ風の噴水もある。
もちろん池の中にはコインが一杯。
日本人もそうだがどうしてもこういうものがあると人ってお金を投げ入れたくなるのね。

火山噴火ショー
Las Vegasは多くのホテルが無料で楽しむことの出来るショーを行っている。
これを見るだけでも結構楽しめる。
これはMirage(ミラージュ)というホテルの前で15分置きに行われる火山噴火ショー。
轟音とともにマグマに見立てた赤くライトアップされた噴水が吹き上がり
やがて本物の炎も吹き出す。
この炎がかなり強烈で離れているのに熱気が肌に伝わる。
確かに炎の迫力などすごいのだが正直なところこのショーはそれほどでもなかった。

Bellagio
これが僕たちがこの日に泊まったBellagio(ベラッジオ)というホテル。
見ての通り豪華絢爛。
このLas Vegasでもトップクラスの大きなホテル。
ここLas Vegasにあるホテルにはどこも1Fはカジノになっている。
このBellagioも例外ではない。
玄関から入って部屋へと続くエレベータにたどり着くまでには
広いカジノの真ん中を突っ切って行かなければならない。
数え切れないほどのスロット・マシーンが並び
ブラックジャックやポーカー、ルーレットのテーブルにはそれぞれディーラーが1人ずつ付き
1つのテーブルごとに3〜5人くらいがゲームを楽しんでいる。
誰もいないテーブルでもディーラーはじっと立っていつ誰が来てもいいように待機している。
カジノの写真も撮りたかったのだが基本的にカジノでは撮影禁止。
おまけに監視カメラもいたるところに設置されているらしいので撮影は断念。
カジノを抜けやっとエレベータにたどり着き28階まで上って自分たちの部屋へ。
Webで比較的安めの部屋を選んだせいかエレベータから部屋までもかなりの距離がある。
ホテルの外から部屋にたどり着くまでに裕に10分くらいはかかる。

噴水ショー
Bellagioのホテルの前は広大な池になっている。
この池で行われるのがこのホテルの目玉でもある噴水のショー。
(映画「オーシャンズ11」のラストにも登場する)
クラシックの音楽に合わせてまるで生きているかのごとく噴水が吹き上がる。
左右にスイングしたかと思えば高さ20〜30m以上も吹き上がったり
水中からのライトの効果も相まってはっきり言って素晴らしい!
しばらくデジカメで撮影していたが
途中からこれは写真なんか撮ってる場合じゃない!と真剣に見入ってしまった。
ラストには70m以上も吹き上がるという噴水とともに盛大なクライマックスが待っている。
正味8分程度のショーだが迫力満点!
感動した。

部屋からの眺め
ホテルの部屋からの眺め。
安めの部屋なのでにぎわっている方向とは反対側。
しかしこれがまたすごい。
はるか地平線の彼方まで街灯のオレンジ色の光が地上を覆い尽くしている。
高い建物がほとんど無いためとても幻想的で不思議な景色。
Las Vegasは何もかもが期待を裏切らない。

こうして始まった二人のサンクス・ギビング・ホリデー。
「二人の旅」というタイトルからも分かる通り
この連休をずっとLas Vegasで過ごした訳ではなく
なかなか変化と刺激に満ちた素晴らしい旅を楽しむことが出来た。
今回から数回に渡って紹介していきたいと思う。
乞うご期待。
(Las Vegasにて撮影)
No.354 Austin便りその65〜二人の旅(セリーヌに会いに)
2004年11月25日(木)
セリーヌに会いに
今回のLas Vegasでの最大のイベントはセリーヌ・ディオンのショー「A New Day...」の鑑賞。
セリーヌ・ディオンは映画「タイタニック」のテーマ・ソングでも有名なシンガー。
ユキちゃんはセリーヌ・ディオンが大好きでCDも何枚も持っている。
実は以前東京ドームでのコンサートにも行ったことがある。
そのセリーヌは数年前にLas Vegasのとあるホテルと3年契約を結び
現在はここでしかその唄う姿を見ることは出来ない。
入手困難と言われるセリーヌ・ディオンのショーのチケットだが
なんとかユキちゃんが日本からWebでチケットを予約することに成功。
ちょっと(というかかなり)高い(1人約$200)がかなり席は良いようだ。
ショーはこの日の夜8時から開演。
僕もセリーヌ・ディオンは結構好きなので楽しみにしていた。
(※上の写真は前日にセリーヌ・ディオンのショーのシアターの前で撮影したもの)

Parisの素晴らしい光景
話は少し変わるが
今回のLas Vegasでは一泊ごとにホテルを変える。
夕べ泊まったBellagioを11時頃チェック・アウトして
ユキちゃんの大きくて思いスーツケースをゴロゴロ引っ張りながら次なるホテルへ向かう。
タクシーを使っても良かったのだがそれほど遠くないし
少しでもお金は節約したかったので歩いて行った。
Bellagioの噴水ショーをやる大きな池の脇の歩道を歩いていると
目の前にParisホテルの美しく雄大な姿が見えた。
本物そっくりのエッフェル塔が何とも素晴らしい。

次なるホテルはThe Venetian Resort Hotelという
その名の通りイタリアのベネチアをイメージして作られたホテル。
ホテルの前と中には運河があり
優雅にゴンドラが行き来している。
ユキちゃん情報によるとこのホテルは全てがスウィート・ルームらしく
僕たちの部屋も比較的安めだったがそれでもこんなに豪華。
The Venetian Resort Hotelの部屋

さて無事ホテルの移動も済んだことだし
Las Vegas見物に出かけるか。
ここで事件が起きた。
ユキちゃんが念のためセリーヌ・ディオンのチケットを持って行こうとしたのだが
どこにあるのか分からない。
実は前日のお昼頃にいち早くLas Vegasに到着したユキちゃんは
さっそく予約していたセリーヌのチケットを交換していたのだ。
Bellagioの部屋のベッド・サイドの机にチケットを置いたことまでは憶えているが
それ以降どこにやったか全く記憶が無いと言う。
僕もチケットを交換したことは聞いていたがチケットそのものは見せてもらっていなかった。
ベッド・サイドの机の上にそれらしいものがあったかどうかも定かではない。
ユキちゃんの顔から血の気が引く。
カバンの中を隅々調べたがどうしても見つからない。
僕もがんばってBellagioに苦手な電話をかける。
(※アメリカでの生活を始めてほぼ1年経つが未だに電話での英会話は苦手)
なんとか部屋に忘れ物をしたことを伝えたが今晩10時半頃にならないと部屋に忘れ物があったかどうか分からないという。
ショーは今晩8時から。
遅すぎる。
そう伝えると5時半過ぎにもう1度電話するように言われた。
あれだけでかいホテルだ。
全ての部屋を掃除して忘れ物があったかどうか確認するのに時間がかかることは容易に想像がつく。
電話じゃラチが開かない。
Bellagioに直接乗りこむことにする。
ここはタクシーを使用。
しかし道路はサンクス・ギビング・ホリデーのせいで大渋滞。
大した距離では無いのだが結構時間がかかってしまった。
Bellagioのロビーはちょうどチェック・アウト・ラッシュの時間帯でどのカウンターも一杯。
運良くちょっと偉そうなマネージャー風の人が立っていたのでその人に事情を話す。
するとその人はカウンター内の人に話をして僕が伝えた部屋番号に確かに僕たちが泊まっていたことを確認して
その人じきじきに一緒に部屋まで見に行ってくれることになった。
はやる心を抑えながら広いカジノを抜けエレベータに乗り長い廊下を歩きついに僕たちが夕べ泊まった部屋に到着。
その人専用の特殊ルームキーを使って中へ。
しかし残念ながら部屋の掃除は終わっていた。
ベッド・サイドの机の上にも何も無かった。
「ここで待っててください」
そう言い残しその人は部屋を出て行きしばらくして戻ってきた。
掃除を担当した人に聞いてきてくれたらしいのだがチケットらしきものは無かったという。
ユキちゃん曰く気にも留めないような平凡な封筒に入っていたので恐らく何も気付かずに捨ててしまったのだろう。
とりあえずもうここではこれ以上どうしようもない。
わざわざ部屋まで一緒についてきてくれたマネージャー風の人にお礼を言ってBellagioを後にした。
残された方法はチケットの再発行しかない。
席は全席指定。
チケットを予約した時のプリントアウトは持っている。
僕たちの身元さえパスポートで確認できれば再発行してもらえる可能性もありそう。
ただし「いかなる理由があろうとも再発行はしない」とか言われたらそれでお終い。

Parisへ移動
お腹が空いた。
実はこの日はまだ朝から何も食べていなかった。
チケット予約のプリントアウトは運悪く今日泊まるホテルに置いてきてしまったので
それを取りに行くついでに腹ごしらえをすることにした。
ユキちゃん情報によると向かいのParisに人気のビュッフェがあるらしい。

Parisの中
Parisの中はまるでお台場のヴィーナス・フォートみたい。
(※多分ヴィーナス・フォートの方が真似したんだと思うが)
天井は空のようになっていて夕暮れの街のような感じが漂う。
その中でひときわ混雑しているところがあった。
そこがParisで評判のビュッフェでどうやら長い行列が出来ているようだ。
無性にお腹が空いていたがとりあえず僕だけ並んでユキちゃんはどこか他のお店を探索。
意外にも行列の進みは早くユキちゃんが戻ってきた時はすでにだいぶ前の方に進んでいた。
もうちょっと我慢してここで食べることにする。
しかし行列の行き着いたところでレジのオバハンに2:30頃にここに来てと紙を渡される。
要は予約のための行列に過ぎなかったらしい。
ここまで来たら引き下がれない。
まだ2時過ぎだったが近くのカフェでビールを飲んで時間つぶし。
ついに2時半になり言われた場所へ行くとそこからまたもや長い行列が。
結局それからさらに30分近く待ってやっとテーブルに付くことができた。
さすがに行列ができるだけのことはあって料理はどれもなかなかいいものばかり。
(牛ステーキやターキーもある!)
お腹が極限状態に空いていたこともあってちょっと取りすぎたが
なかなか満足のいく少し遅いブランチとなった。
Parisのビュッフェ

ライトアップされたエッフェル塔
ちょっとのんびりしすぎたようだ。
外に出るとすでに暗くなっていた。
ライトアップされたエッフェル塔が美しい。
Venetianへ急ぐ。
Venetianの前にある運河もライトアップされていて
そこに優雅に浮かぶゴンドラと相まってなかなかいい感じになっていた。
The Venetian Resort Hotelの運河

急いで部屋に戻り予約した時のプリントアウトを持ち
セリーヌ・ディオンのショーがあるCaesars Palace Hotel(シーザーズ・パレス・ホテル)へと向かう。
シアターの横にあるチケット・カウンターへ行き予約した紙を見せた。
(この辺りは全てユキちゃんに任せた。僕は話が込み入ってきた時用に待機)
カウンターのおっさんが「チケットはすでに発行済みだ。チケットはどうした?」と聞いてきたので
ユキちゃんが正直に「無くした」と答えると
なんかブツブツ言いながらも身分証明書(パスポート)を見せたり
よく分からない紙にサインしたりしてどうにか無事にチケットを再発行してくれた!
はっきり言って超ラッキー!
急に力が抜けた。

開演まではまだ1時間半ある。
他にも行きたいところはまだあるが
道路が混んでいるのでタクシーを使っても往復できるかどうか微妙。
仕方がないので近場をうろうろして時間をつぶす。
ふと見かけたセリーヌ・ディオンのショーの看板。
ついにこれが見れるようになったのね。
Celine Dion, A new day

開演時間が近づいた。
シアターの前に行くとすでに大勢の人だかりが。
ユキちゃんが正装しなきゃだめと言って僕のためのちょっとしたいい服も持ってきてくれたが
今回は事情も事情のためジーンズのまま。
しかしラフな格好の人も結構いて特に問題は無かった。
入り口では入念なカメラチェック。
過去いくつかのコンサートではなんとかカメラの持ち込みに挑戦してきた僕ではあったが
今回は初めから断念。
カメラは預けることに。
入ってすぐの所で売っていたビール(僕)とシャンパン(ユキちゃん)を買って自分の席へ。
なるほどなかなか良い席。
シアターの客席は3階まであるが僕たちは1階で結構前の方。
以前東京ドームであったコンサートの時は肉眼では豆粒ほどにしか見えなかったセリーヌだが
今回は小指ぐらいには見えそう。

そして始まったセリーヌのショー。
相変わらず歌声は最高。
感動もの!
更にLas Vegasでのショーだけあって
周りの演出も凝っていて
ダンスやパフォーマンスなど視覚的にも十分楽しめる。
1曲歌い終わるごとの観客からの歓声も日本と違ってかなりにぎやか。
単なる拍手の他に口笛や称賛の言葉も混じる。
日本とは違って盛り上がりかたが違う。
ショーも後半。
一見終わりに見せかけて
会場からの大歓声の中アンコールで再び登場したセリーヌが唄ったタイタニックのテーマソング。
何度も聞いたことのある唄だったが改めて聞いて再び感動。
曲もいいしセリーヌの歌声もいい。
正味1時間半ほどであったが大満足のショーであった。

紆余曲折はあったものの最終的に素晴らしいショーを見ることが出来て本当に良かった。
ユキちゃんも大満足のようでありました。
(Las Vegasのいたるところで撮影)
No.355 Austin便りその66〜二人の旅(Las Vegas観光)
2004年11月26日(金)
Hotel Luxor内にて
Las Vegas到着3日目のこの日
やっとのんびりLas Vegas観光を楽しむことが出来た。
The Venetian Resort Hotelをチェック・アウトし大きな荷物をクロークに預け
タクシーに乗ってまず向かったのはLuxor(ルクソール)というホテル。
ここはなんと掟破りのピラミッド型のホテル。
上の写真はホテルの玄関を入ってすぐの所で撮った写真。
見事にエジプト調になっている。

Luxor外観
外観はご覧の通りに色こそ真っ黒だが完全なピラミッド型。
夜になると頂上の部分から強力なスポットライトが上空へ一直線に伸びてなかなか幻想的。
ホテル正面には巨大なスフィンクスもいらっしゃる。
ユキちゃんの話によるとここの部屋の窓は全て斜めになっているのだそうだ。
そこでちょっと気になった。
これだけ広いピラミッドなんだから内側の方に窓に面していない部屋もあるんじゃないか?
そこはさすがにLas Vegasの高級ホテル。
全ての部屋が窓に面しているらしい。
ということでホテルの内部もピラミッド型の広大な空間になっている。
四方の壁は部屋へと続く通路。
上の方の通路から下を見下ろしたら結構怖そう。
広大な空間の中はちょっとした街のようになっていて
カジノの他にもIMAXシアターやフードコート、おみやげ屋さんなどがある。
ブラブラしているだけで結構面白かった。
Luxor内部

Excalibur
Luxorの前から無料のモノレールに乗って隣のホテルExcalibur(エクスカリバー)に移動。
このホテルも結構個性的な外観をしている。
客室のあるちょっと丸みがかった2つのビルを城壁に見立てて
その内側に積み木で作ったようなお城ができあがっている。
しかし見た目こそ個性的だが中は特にこれといった面白いものはなく
お城の下の部分はひたすらカジノ。
お城が見えるような中庭も無かった。
ということでさらにお隣のホテルへそそくさと移動。

New York New York
これまた個性的な外観のホテルNew York New York(ニューヨーク・ニューヨーク)。
ご覧の通りニューヨークの摩天楼のビル群の姿になっている。
ワールド・トレード・センターが無くて良かったねとつまらない心配をしてしまった。
ニューヨークと言えば自由の女神。
もちろんご期待に漏れずちゃんといらっしゃいます。
エジプトにニューヨークにパリにベニス。
Las Vegasに来れば世界一週旅行が楽しめる。
自由の女神

New York New York内部
New York New Yorkの中もカジノになっているが
天井が高く広くて更にあちこちがニューヨークの街角っぽい作りになっているので
ぶらぶらしているだけでも結構楽しめる。
今までいろいろなホテルを見てきたが
僕は一番ここが気に入った。

M&M's World
ホテルめぐりはひとまず終了。
次に向かったのはM&M's World。
ここは4階建てのビル全てがM&M'sグッズ売り場になっているという
M&M's好きにはたまらない所。
ユキちゃんも実はM&M'sが結構好きだったらしく
山のようなキャラクターグッズに狂喜乱舞していた。
レッドとイエローと一緒に記念撮影

Everything Coca-Cola
M&M's Worldのお隣には今度はEverything Coca-Cola。
ビルの前には巨大なコカコーラの瓶がそびえ立っている。
ここも1階と2階に豊富なコカコーラ・グッズが取り揃えてある。
なかなかいい物もあったのだが
買うまでには至らなかった。

Harley Davidson Cafe
ここはHarley Davidson Cafe(ハーレー・ダビッドソン・カフェ)。
ご覧の通り巨大なハーレー・ダビッドソンが建物から飛び出している強烈な外観。
ここはハーレー・グッズも売っているが基本的にはカフェ。
ちょうどお腹も空いていたので中は一杯だったので
外でちょっと腹ごしらえをすることにした。
ビールとピザ。
うまい。
何気なく周りをぐるりと眺めていたらとあるものに目が釘付けになった。
イスに座って何か食べている結構太ったおっさんのズボンがずり下がり
おしりが丸見えになっている。
太ってシャツに収まりきれずに腰の辺りが丸見えになっている人はたまに見かけるが
ここまでおしりが見えているのは初めて。
ユキちゃんに教えると見事にツボにはまったらしく
笑いが止まらなくなってしまった。
そのうちに僕たちの後ろのテーブルに座っていたご夫婦も気が付いたようで
奥さん大喜び。
旦那さんはデジカメで写真を撮り始めた。
道行く若い女性達もたまたま気が付いたらしく
日本人のように携帯で写真を撮って大喜びしていた。
ということで僕もこっそり撮影。
結局僕たちがお店を出るまで
おしり丸出しの人は何も気が付いていなかった。
おしり丸出し

この後はブラブラ歩きながらThe Venetian Resort Hotelまで戻り
この中にある運河沿いのショッピング・モールを少し歩いた後
クロークに預けていた荷物を受け取って
タクシーで空港へと向かった。
(Las Vegasのあちこちで撮影)
[ 前号へ | バックナンバー一覧へ | 次号へ ]