全国秘湯巡り・甲州
甲府市内公衆浴場巡り
第1日目 横浜→甲府
第2日目 甲府→新宿
第1日目
● 甲府
(ほうとう)
甲府市内の公衆浴場は数年前に国母温泉に入りに来た。
NHKのふだん着の温泉で放映したので入りたかったのだが、その際に調べたところ、かなりの数の公衆浴場があることがわかったのだが、点在しており、車がないととても廻りきれるとは思えなかったので、国母温泉の他は湯村の鷲の湯に入っただけだった。
今回は家人が戦時中と戦後の6〜7年間を疎開で甲府市内の住吉地区で過ごしたので、その面影を求めるセンチメンタルジャーニーと名付け、出来る限りの公衆浴場を廻るために甲府駅前のビジネスホテルに宿を取った。
横浜発のはまかいじ号はすいていた。
今年は天候不順で桜が開花したまま寒さが戻り、一週間以上満開状態が続いており、気温が低い日が多く花見に浮かれる気も起こらなかった。
車窓から見る風景は、この時期に旅すると、改めて日本には桜の木が多いということに気がつく。
笹子トンネルを抜けて勝沼ぶどう郷駅に着くと、駅に植えられた桜が満開だった。
(横浜駅のはまかいじ) |
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(勝沼ぶどう郷駅の桜) |
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沿線の桃の木は花が二〜三分咲きで、あと一二週間先が満開となる。
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● 緑が丘温泉
甲府に着いて、北口に行く。
甲府駅は工事中でごたごたしていた。
タクシー乗り場が移動していたが位置が良くわからず、一度バス停のある道まで行って戻ったら階段の降り口(上り口)に、駅に向かう人向けにタクシー乗り場の標識があった。駅から出る人には気がつくまい、という標識は意地悪極まりない。
タクシーで緑が丘温泉へ。
緑が丘温泉は、緑が丘スポーツ公園の入り口近くにある天然温泉の公衆浴場で朝6時から開業している。
(緑が丘温泉) |
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(緑が丘温泉浴槽) |
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(緑が丘温泉脱衣場) |
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建物はリニューアルしたのかこぎれいで、フロント形式となっており、廊下の反対側に男女浴場がある。
さして広くない脱衣場はコインロッカー、脱衣棚、脱衣用の籐のかご等がある。 浴室に入ると、浴槽が2槽並んでおり、手前の浴槽は加熱されて42〜43度ほどで、先の浴槽は37〜38度程度となっている。
無色透明のお湯は肌触りが良く、なめるとうすーい塩気があるほか、なにやら硫黄臭も感じられる。
それぞれの浴槽には別々に湯口があって、先の浴槽のぬるめの方には大量の湯が流れ込んでいる。湯口にプラスチックのマグカップが置いてあり、飲泉可能ということか?。
洗い場は結構広い。
分析表によれば、泉質はナトリウム・カルシウム−塩化物泉(低張性弱アルカリ性温泉)で泉温は38.3度。やはり加熱が必要な温度である。
お年寄りがフロントのおかみさんに、タクシーを呼んでもらったり、世間話をしたりと、結構人気のある公衆浴場だった。
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● 喜久の湯へ
フロントのおかみさんに道を確かめて喜久の湯に向かった。
御崎神社
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(御崎神社) |
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(御崎神社の桜) |
途中、御崎神社という小さな神社があり、境内の桜が満開だった。
御崎神社を過ぎて、道路横断をしたら左手に喜久の湯があった。
緑が丘温泉から10分と掛からなかった。
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喜久の湯は期待以上に昭和の公衆浴場の良いところを保存してくれていた。
(喜久の湯) |
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(喜久の湯番台) |
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(メインの浴槽) |
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(源泉掛流しの浴槽) |
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入り口の下駄箱、番台、脱衣場の風情、脱衣用の木のロッカー、籐の籠、体重計、浴室の雰囲気、浴槽、洗い場のタイルなど数えたらきりがない。
番台の3代目の若奥さんも気さくに話してくれた。
昭和元年の創業で、昭和27年に改築して手を加えているが、基本的なところは変わっていないそうだ。
下駄箱やロッカーの鍵が壊れたら復旧のしようがないということも頭痛の種とか・・・。
(洗い場の壁の広告板)
喜久の湯は、太宰治の甲府時代の行きつけの銭湯だった。
近年の太宰ブームで、訪れる太宰ファンが居るらしい。
甲府観光協会のホームページに太宰が甲府に住んだ経緯が記されている。
甲府市観光ガイド「太宰治」にリンク
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● 昼食は「ほうとう鍋」
喜久の湯を出て、甲府駅に向かう。
武田通りの桜は満開だが木が傷み気味で残念だった。
(武田通りの桜)
甲州ほうとう 小作
駅の近くに、チェーン店の小作という店があったので入ってみた。
二階に案内される。
(小作の入り口) |
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(かぼちゃほうとう \1100) |
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(風林火山セット \1000) |
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観光客相手の店で、駅の北口には地元の人が入るような店がなかったこともあるが、家人のセンチメンタルジャーニーでは、ほうとうが一食ぐらいあっても良いかなという気持ちも働いた。
以前、石和でほうとう専門店に入って、1時間も待たされた記憶があるが、小作は大鍋で作るのか15分ほどでほうとうが出てきた。
小作のホームページではほうとうの語源は「饂飩(はくたく)」がなまったものとのこと。
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● 甲斐住吉へ
昼食を終わって甲府駅から身延線に乗る。
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(身延線の列車) |
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(甲斐住吉駅) |
身延線はJR東海の範囲で電車そのもがJR東日本とは異なる。
座席に塾通いの小学生が居て話しかけたらしっかりした答えが返ってきた。
6年生で、私立中学に行くかどうかは未定だが受験のための勉強をしているとのこと。 |
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甲斐住吉駅は無人だった。
駅前の伊勢通りにバスが来たので飛び乗ったが方向が違い、一つ目の「下小河原」で下り、国道20号(甲府バイパス)の歩道を「すみよし温泉ランド」まで歩いた。
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● すみよし温泉ランド
すみよし温泉ランドは、国道20号線と県道113号線が立体交差する場所にある煉瓦造りの瀟洒な日帰り温泉施設で、内部の造りはヘルスセンター系の温泉施設をおもわせる。
脱衣場は広く清潔。
浴室内も、
メインの浴槽は大きく、薄茶褐色に見えるが、実はお湯はほとんど無色透明で淡い黄褐色なのだが、お湯の沈着物のためかタイルが染みて着色して茶褐色に見える。 入ると適温のお湯で、目の前の湯口から大量に流入している。
肌触りの良いお湯で、ややぬるぬるする。
ロビーでご主人に話を聞く。
創業17年目(平成3年の創業)で大広間は今は使っていないとのこと。
家人が疎開でこの近くにいたと話すと、ご主人は山城中学校で家人のかなり後輩とわかった。
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● 日吉神社
すみよし温泉ランドの道路の反対側に日吉神社があった。
桜が満開の中、社務所では祭りの準備の集会が行われていた。
(日吉神社)
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● 湯王温泉
県道113号線を身延線方面に歩く。
東電山梨変電所の前あたりに、家人は疎開しており、戦前戦後の数年間住んでいた場所があるのだが、地形が変わったのと、田んぼなどが無くなっていたりしてはっきりとは特定できなかった。
身延線手前に湯王温泉のあるホテル湯王温泉があった。
ホテルは三階建て。
湯王温泉はホテルに付属した温泉なのだが公衆浴場としても営業している。
ホテルの受付と公衆浴場の受付は同じで、フロントの前が浴場となっている。
この日は大変混んでいて、浴室内の撮影は OK が取れなかったが、様子を説明すると、広い浴室は中央に浴槽があり両サイドは洗い場になっている。
浴槽はタイル張りに石の縁取りで、手前から高温浴槽(5〜6人)、ジャグジー槽(10人程度、適温)、低温浴槽(10人程度、ぬる目)、突き当たり奥に半露天?の寝湯(4〜5人)、打たせ湯3等がある。
お湯はわずかに薄い黄褐色をしているが無色透明で、金気を含んだにおいに弱硫黄臭。
お湯が良いので人気のあるのだろう。
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● ふじ温泉
続いてふじ温泉を訪ねる。
場所は入明寺の隣あたりだが、湯王温泉からの道は複雑で、何度か地元の人に尋ねた。
ふじ温泉は鉄筋二階建てで、「大衆浴場、小宴会場」というペンキ塗りの古い字が消えかかっていた。
早速入れてもらう。
玄関の突き当たりに番台があり、男女浴場は左右に分かれるので、番台は各浴場の中を見ることは出来ない。
男湯は左側で、脱衣場には木の鍵付きロッカーがある。
浴室内は正面に浴槽が2つあり、他に、左側隅に電気湯、右側隅に水風呂。
左側の浴槽には石づくりの湯口から大量のお湯が注ぐ。
お湯はうすい黄褐色をおびた無色透明のお湯で、肌触りがやさしく、若干のぬるぬる感がある。
洗い場は両サイドと中央にカランがあり結構広い。
番台で話を聞くと、最近はお客が減ってきており、加熱用の燃料代が馬鹿にならないとのこと。
このあと、住吉神社の方向に戻る。
ふじ温泉の前の道は、住吉神社の裏側を通っており、湯王温泉の道が住吉神社の前を通っている。
住吉神社も桜が満開だったが、撮った写真はパソコンに取り込みの際消去してしまった。
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● 東横イン
東横インは各都市の駅前に進出しているビジネスホテルチェーンで、激安ではないが安く標準的なサービスを提供している。
今回はホテルの映像がないが、今後、利用するかも知れないので会員証を作ってもらった。
● 都温泉
(竹の湯)
部屋で少し休んでから家人を残して徒歩で竹の湯に向かった。
10分ほどで中央四丁目あたりに着き、竹の湯は直ぐに見つかった。
ピロティ建築の二階建て建物で、二階に上がってみると廃業だった。
がっかりしたがネットでは竹の湯廃業の情報は見当たらなかった。
都温泉は土曜日休みなので、このままホテルに戻ろうとしたが、竹の湯の前を通った老婦人が、都温泉は今日やってますヨという情報を得た。
地図で一筋西側と分かったので歩いて行くと都温泉は直ぐに見つかった。
都温泉は比較的こぢんまりとした公衆浴場で新しい建物だった。 ご主人は火事に遭って建て直したと話していた。
昭和の標準的な銭湯のアレンジで、浴槽は浴室の突き当たりに二槽あって、右側の浴槽には湯口からお湯が注ぎ、左側は泡風呂になっていた。
若干のカルキ臭。
町のお風呂屋さんがさりげなく温泉を使うのが普通という甲府がうらやましいと思った。
(無料シャトルバス レトボン)
歩いて駅前の東横インに戻ろうと思ったが、岡島の前で5〜6人の人がバスを待っていた。
直ぐ来そうなのかどうか聞いてみると、間もなく来るという。
しばらく待つと、甲府駅行き無料バス「レトボン」が来たので乗った。
なんなく駅前に戻る事が出来た。
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● 夕食は居酒屋「いらっしゃい」
東横インのフロントに食事場所を相談したら、ホテルと駅の間の飲み屋街で探したらよいとアドバイスされたが、行ってみると暗い感じのお店が多かったので、駅前通(平和通り)に面した焼き鳥屋(居酒屋?)の「いらっしゃい」に飛び込んだ。
(「いらっしゃい」の入り口) |
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(主なメニュー) |
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ごちゃごちゃしたものを頼み、ビールを飲んだら結構おなかが膨らんだ。
安い夕食になった。
(焼き鳥) |
(グラタン) |
(ナスのおろし揚げ) |
(ホタテ貝柱バタ焼き) |
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東横インまで数分で戻ることが出来た。
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第2日目
● 草津温泉
(山梨交通・芦安行きバス)
翌朝、駅前から山梨交通の芦安行きバスに乗って草津温泉に行った。
草津温泉は上石田町にあり、美術館通りが荒川橋を渡ってすぐの場所にあるのだが、荒川橋の工事が大がかりで一寸歩かされた。
建物はリニューアルされたばかりで、黄色と鶯色の派手な建物は人目を引く。
(草津温泉) |
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(内湯−ぬるめ) |
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(露天風呂) |
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(分析表の一部) |
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草津温泉の内部は混雑していた。
フロントで下足の鍵を預けるとロッカーの鍵をくれる仕組みだがロッカーの番号が近いと衣服を脱ぐときに腕がぶつかった。
浴室は内湯が2槽あり、どちらも7人〜8人は入れるのだが、好きな場所にはなかなか入れず入っても足が伸ばせない場所だったりした。
浴室中央の浴槽は適温、窓側の浴槽はぬるめの設定だった。
お湯はぬるすべ感の強いお湯で、どちらの浴槽にも源泉がそそぎ、湯口には飲用のコップが置いてあった。
やや黄色みを帯びた透明のお湯で、うすーイ塩味。
分析表によれば泉質は食塩泉(含芒硝重曹食塩泉 緩和低張性温泉)で、泉温は47.7度。
突き当たりの戸の外に細長い露天風呂があり、老人が歌を唄っていた。
湯はぬるめ。
混雑していることを除けば草津温泉は温泉だった。
甲府に良い温泉があった。
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● 新遊亀温泉
東横インに戻って1階のロービーでサービスの朝食を摂った。
おにぎりと味噌汁、干し大根の煮付け。
チェックアウトして、荷物を預け、あと2湯に残った予定のお風呂を廻る。
初めは遊亀公園そばの新遊亀温泉。
遊亀公園
遊亀公園までバスで行き、公園の中で道を聞いた。
(遊亀公園の桜1) |
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(遊亀公園の桜2) |
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遊亀公園も桜の真っ盛りだった。
遊亀公園を裏側に抜け、路地を通った所に新遊亀温泉があった。
新遊亀温泉はリニューアルされて間もなかったのか新しい温泉だった。
番台は浴室方向を向いてこれは昔風だが、脱衣場で古いものは籐製の脱衣籠ぐらいだった。
(遊亀温泉) |
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(遊亀温泉浴槽) |
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浴室も新しく、浴槽は三槽あって突き当たりの壁際に二槽と手前中央に一槽あり、
壁際の二槽にはそれぞれ源泉が注ぎ込み、手前中央にはそのオーバーフローが流れ込んでいた。
お湯は右側が一番熱く、左側が二番目、手前中央が三番目で、透明でやや薄褐色のお湯はぬるぬるすべすべする良いお湯だった。
ぬるすべ感は右側奥の熱めの浴槽が一番強かった。
(新遊亀温泉脱衣用籠) |
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(洗い場) |
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(ライオンの湯口) |
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良くあたたまるお湯だった。
外に出たら、住吉神社の子供御輿が廻ってきた。
疎開で住吉地区に住んでいた家人が懐かしがっていた。
甲府駅方面に向かうバスが来たので途中までバスに乗り、その後相生歩道橋を越えて相生町の鏡温泉に着いた。
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● 鏡温泉
鏡温泉は直ぐに見つかった。
年季の入り方は、喜久の湯の次かふじ温泉の次ぐらいか?。
入ると番台があって老婦人が番をしていた。
料金を払い、撮影の許可を取る。社長に聞いてみるということで、許可を取ってくれた。
(鏡温泉) |
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(鏡温泉浴槽) |
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脱衣場は結構広く脱衣場のロッカーはコインが戻る方式。
浴室も割と広く、浴槽は中央にあって二槽に仕切られていた。
熱めとぬるめの浴槽で、透明でややうす緑色の湯が注ぐ。
肌触りが良く、じっとしていると水泡がまとわりつく。
(浴室内の掲示)
(脱衣場の分析表抜粋)
お湯の質と、古い掲示板に満足して今回の湯巡りの予定は終了した。
バスで駅前に戻り、余った時間は舞鶴城公園の桜見物とする。
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● 舞鶴城公園の桜
舞鶴城公園の桜は満開で、甲府の街の人たちが花見を楽しんでいた。
(舞鶴城公園の桜1) |
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(舞鶴城公園の桜2) |
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(舞鶴城公園の桜3)
(舞鶴城公園の桜4)
中でも、ひろさんと同年代の男9人は、われわれを仲間に入れと言ってきかなかった。
かいじの発車時間が迫っていると云うと、ビールとおつまみを持たせてくれて、列車の中で飲めと言ってくれたので有り難く頂戴した。
改めてお礼を言う。
どうもご馳走様!!!。
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(若干の情報)
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