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全国秘湯巡り・信州

浅間温泉と上諏訪温泉

第1日目 横浜→松本→ 浅間温泉→松本→ 上諏訪温泉
第2日目 上諏訪→ 諏訪大社上社本宮 上諏訪の共同浴場→新宿

第1日目

■ 浅間温泉へ

(上諏訪温泉・片倉館)
上諏訪温泉・片倉館 上諏訪温泉には約50年前の学生だった頃、北アルプスで夏山を終えた帰路、途中下車して霧ヶ峰のコロボックルヒュッテの手塚さんの所に一泊し、帰りに片倉館でお湯に入ってから帰宅するのが習わしだった。
また、冬のスキーにも良く出かけ、その帰路に片倉館に寄るのが楽しみだった。

が、社会人になってからだんだん足が遠のき、ついに長い間行ってない事が続いた。
5〜6年前、ニッコウキスゲを見に霧ヶ峰に行ったが、茅野から入り佐久平に抜けたので上諏訪には寄らなかった。

ところが、共同浴場の入浴にうつつを抜かす昨今、上諏訪と下諏訪はどうしても外せない温泉になった。
で、今回は浅間温泉と上諏訪温泉を訪ね共同浴場を巡る事にした。
列車はもちろん横浜から中央本線に乗り入れる土日運行の「はまかいじ」。

浅間温泉は松本市の郊外にあり数軒の共同浴場があり、また、上諏訪温泉には非常に多くの共同浴場がある。
諏訪市役所に電話で尋ねたら、共同浴場の一覧表を送ってくれた。
これが何と88箇所。それも大半が地元専用の非公開という。
上諏訪温泉の共同浴場88箇所は下記の通り。

■ 浅間温泉共同浴場巡り

松本駅のバス停を見つけるのに多少とまどったが、所定の浅間温泉行きバスに乗れた。バスの本数は結構多い。
松本城をかいま見、古い町並みを過ぎ、信州大のキャンパス前を通ると浅間温泉はすぐだった。
温泉街にさしかかってすぐに港の湯(共同浴場)があったが通り過ぎて浅間温泉会館前で下車した。

しばらく歩くと湯坂の交差点。
角の土産物屋の御菓子処・美月堂(宮田名産店)に飛び込んで温泉まんじゅうを購入しついでに共同浴場の様子を聞いた。

(宮田名産店)
 
(おやじさん)
 
(美月堂の温泉まんじゅう)
宮田名産店
 
おやじさん
 
美月堂の温泉まんじゅう

美月堂の温泉まんじゅうは、永六輔のイラストのポリエチにくるまれた可愛らしいまんじゅうで、緑色の抹茶の餡が美味しかった。
共同浴場の場所が判り、「北せんきの湯」は現在会員以外には入れていないらしいということもわかったが、湯坂通りを上って鍵がかかっていることを確認した。

仙気の湯

仙気の湯は宮田名産店のすぐそば。
2階建ての建物は比較的新しく、内部もまた新しかった。

(仙気の湯)
 
(仙気の湯浴槽)
 
仙気の湯
 
仙気の湯浴槽
  お湯は浅間温泉の共同管理らしく、やや熱めのお湯だったが、鮮度抜群でほのかな硫黄臭が漂い、肌がつるつるになった。
先に居た地元の人がうめてくれて、こっちがぬるいよと奨めてくれた。

宮田名産店の前にもどり浅間温泉バスターミナル方向に向かい、道を右折したら倉下の湯もすぐだった。

倉下の湯

倉下の湯は民家風の建物で、ブロック塀の中に玄関がある。

(倉下の湯)
 
(倉下の湯浴槽)
 
倉下の湯
 
倉下の湯浴槽
  玄関を入ると帳場のような受付があり、廊下を通って浴場にいたる。
旅館の風呂風の脱衣場に浴室があり、浴槽内では流入口の下に網を置いて湯の花をキャッチしていた。
若い人が不純物としていやがるのだとか?

出た後、ご主人からいろいろと話を伺う。
昔は氏族の浴場だったとのこと。
現在は、素泊まりの湯治客を受け入れ、出前などで対応しているとのこと。

ついでに、昼食の場所を聞いたら、わざわざ蕎麦屋の店先まで案内してくれた。

浅間温泉 手打ち蕎麦・かどや

(かどや店先)
 
(冷やしたぬき \1000)
 
(盛そば \1000)
かどや店先
 
冷やしたぬき
 
盛そば

浅間温泉では評判のそば屋らしく繁盛していた。
家人は冷やしたぬきを、ひろさんはもりそばをオーダーした。

結構な味で松本らしいそば?だった。

先ほどバスで通過した港の湯は浅間温泉街の入り口だったので、ここから浅間温泉に行くには浅間温泉をほぼ縦断することになる。
浅間温泉は北(山側)に高級旅館が並び中程は商店やオフィス、住宅などが並ぶ。

(湯坂通りの高級旅館)
 
(下浅間・街中の薬師堂)
湯坂通りの高級旅館  
下浅間・街中の薬師堂

港の湯

倉下の湯からおよそ徒歩10分で港の湯。
港の湯は白壁の建物と土蔵のような公衆便所を付属させた建物で真新しい。

(港の湯)
 
(港の湯浴槽)
 
港の湯
 
港の湯浴槽
  内部には番台があり、浴室まで見渡せるよう脱衣場と浴室の境界が一部ガラス張り。
脱衣場は広く、木の棚やコインロッカーがある。浴室・浴槽とも広く、浴槽はタイル張りで小判型。
シャワーも3セット。

お湯は浅間温泉の標準の混合泉だがここはとびきり熱かった。

(個別の共同浴場の詳細は当ページの 「全国共同浴場」を参照してください。)

港の湯を出て、松本駅行きのバスに乗る。
予定の列車には若干時間があったので松本城で下車、市役所側から入ってみた。

(松本城太鼓門)
 
(松本城)
松本城太鼓門  
松本城

国宝の松本城は梅雨の晴れ間の太陽に輝いて見えた。

(シナノキの銘板)
 
(シナノキ)
シナノキの銘板  
シナノキ

松本城から松本駅までは徒歩15分ほど。
途中、街路樹から芳香のする小さな花が道路にこぼれていたが銘板によってシナノキであることがわかった。
シナノキは松本城近くの街路樹に多かったが、駅へ行く途中から樹種が変わってナナカマドの街路樹になっていた。

上諏訪温泉

松本からの各駅停車は比較的空いていた。
上諏訪駅では駅前の観光案内所に飛び込み地図をもらい公開している共同浴場の場所を確かめた。

予約した宿は上諏訪ステーションホテル。
駅裏には歩道橋が通じていた。

上諏訪ステーションホテル

ホテルまで歩いて数分。早速温泉をのぞいてみた。

(上諏訪ステーションホテル)
 
(上諏訪ステーションホテルの浴槽)
 
(上諏訪ステーションホテル露天)
上諏訪ステーションホテル
 
上諏訪ステーションホテル浴槽
 
上諏訪ステーションホテル露天風呂

落ち着く間もなく片倉館へ。
ホテルから片倉館まで3〜4分の距離だった。

片倉館

湖岸に近い一等地に広大な敷地を持つ片倉館は木々に囲まれていた。
片倉財閥の2代目が地元の人々の保養を目的に西欧流の保養所を作ったとのこと。
大正末期に計画し昭和3年にオープン。

(片倉館の門)
 
(片倉館)
 
(片倉館千人風呂)
片倉館の門
 
片倉館
 
片倉館千人風呂

(玄関正面)
 
(二代目片倉兼太郎肖像)
 
(スキーヤー木彫(玄関))
玄関正面
 
二代目片倉兼太郎肖像
 
スキーヤー木彫(玄関)

千人風呂(大浴場)は昔のままで、大理石造りが豪華で、大きく、深く、浴槽の底に敷き詰められている黒い玉砂利が足の裏を刺激した。
ただ、大河ドラマの影響か混雑ぶりにちょっと驚いた。

諏訪湖畔に出たら夕日が美しかった。

(諏訪湖の夕日)
諏訪湖の夕日


夕食には間があったので上諏訪の共同浴場を訪ねた。

(湯の脇)平温泉

諏訪湖畔からJR中央線を越え、踏切際の路地を入ると湯の脇の平温泉がある。

(平温泉)
 
(平温泉浴槽)
 
平温泉
 
平温泉浴槽
  入浴券を隣の商店で買い、番台に渡す。
脱衣場には木製のしゃれたロッカーがあり、浴室はタイル張りで、浴槽も同じくタイル張り。
浴槽はやや深め。
お湯はかなり熱い。
さらりとしたお湯は肌にやさしく、流しっぱなし。

国道まで戻って、国道を駅の近くまで歩く。

今日の夕食は「みそ天丼」。一月ほど前に新聞で見て、諏訪に行ったら食べようと決めていた。

みそ天丼

で、物色の結果入ったのは駅に近い「いずみ屋」。

(みそ天丼の幟)
 
(いずみ屋玄関)
 
(みそ天丼のメニュー)
みそ天丼の幟
 
いずみ屋玄関
 
みそ天丼のメニュー

 
(みそ天丼)
 
(諏訪の地酒)
みそ天丼をはじめ豆腐料理が名物とのことでつまみになるようなものをいろいろと頼んだ。
みそ天丼が出てくる前にビールと地酒ですっかり出来あがってしまい、気がついたら一部手をつけた後だった。嗚呼!!!。
 
みそ天丼
 
諏訪の地酒

みそ天丼は思ったよりもさっぱりとしていた。
よその土地では食べようとも思わないが諏訪に来れば一度ぐらい食べても良いと思った。

食事が終わって、家人はホテルに戻り、ひろさんは今日最後の共同浴場精進湯へ。

精進湯

精進湯は上諏訪駅前から茅野方面に2ブロック行き左折した道の左側で 3階建てのビルの一角。

(精進湯)
 
(精進湯浴槽)
 
精進湯
 
精進湯浴槽
  小振りだがこぎれいな共同浴場で、脱衣場の天井には昔懐かしい扇風機。
浴室・浴槽ともにタイル張りでお湯は結構熱く、壁の温度計で44度。
さっぱりとしたお湯。

このあと、精進湯の前の有料駐車場の親父さんと話が合い、長い間昔話をした。
ホテルに戻ってすぐに寝てしまった。

第2日目

朝食前に散歩に出て、高島城周辺と市役所、そのそばの衣温泉に行くことにした。
家人はまだ白川夜船。

高島城へは、検察庁の前を通っておよそ10分ほど。

高島城

高島城は400年ほど前の築城で、明治8年に建造物が破脚、戦後の昭和45年に再建されたとのこと。

(高島城1)
 
(高島城2)
 
(護国神社)
高島城1
 
高島城2
 
護国神社

高島城を出て衣温泉を探した。
もらった地図ではわからず、散歩中の地元の人に聞いた。

衣温泉

衣温泉はひなびた共同浴場で、貯湯タンクに看板があるだけ。入浴料金は浴場の前の民家で支払う。

(衣温泉)
 
(衣温泉)
 
衣温泉
 
衣温泉
  小振りな共同浴場。貯湯タンクの脇の平屋建てが浴舎。
脱衣場は小さく、木の棚がある。
浴室浴槽はともにタイル張り。浴槽は2つに仕切られ、手前が熱く、奥側はしれほど熱くなかった。
お湯は肌がすべすべのお湯でほんのり硫黄臭。

ホテルに戻ると朝食のバイキングが始まっておりフロント脇の食堂は大賑わい。
朝食後チェックアウトをすませ、荷物を上諏訪駅のコインロッカーに預けた。

諏訪大社

諏訪大社上社本宮にお参りしようと前々から考えていたが、実際に計画したのは今回が初めてだった。
市営バス「かりんちゃんバス」というのが運行されているのはネットで知ったが、運行コースは理解できなかった。

駅前で待っていたら大阪から来たという女性と知り合い諏訪大社上社本宮まで市内を回りながら40分かかってたどり着いた。
この大阪の女性は神社巡りが趣味という。

バスを降りたら雨が降り始めていた。

(入口御門と本宮二之御柱(右))
 
(諏訪大社本宮幣拝殿)
入口御門と本宮二之御柱  
諏訪大社本宮幣拝殿

諏訪大社は上社(本宮と前宮)、下社(春宮と秋宮)の4つの宮からなる神社でかなり古い神社とのこと。
上社前宮は茅野に、下社の春宮と秋宮は下諏訪にある。

諏訪大社に関する知識では御柱祭(おんばしらまつり) もしくは御柱大祭(みはしらたいさい)だが、この詳細は一切知らず、今回いろいろと調べてその概要を知った。
テレビで見たのは大木を坂を利用して滑らして、山からおろす行事だがそこだけが印象に残っていた。

お参りを済ますと雨は本降り。
鳥居を出たところにタクシーで観光に来た人がいたのでソノタクシーを捕まえ諏訪市内に戻った。
お参りは若干尻切れとんぼ・・・。

タクシーの運転手さんは共同浴場の「大和温泉」と言っても話が通じなかったので、「いきいき元気館」といったらすぐに分かった。

上諏訪の共同浴場巡り
大和温泉

いきいき元気館の前に非公開の「上湯」があったが、目指す大和温泉はその裏手でわかりにくい場所だった。
2階建て住宅に挟まれた細い路地に「大和温泉」の看板があって、そこを入る。

(大和温泉入り口)
 
(大和温泉)
 
(大和温泉浴槽)
大和温泉入り口
 
大和温泉
 
大和温泉浴槽

入った先が中庭で、温泉はその突き当たり。

男湯が左側で、広くない脱衣場と細長い浴室。
浴室はタイル張りで浴槽はステンレス製。
ほのかに硫黄臭がただようお湯はかなり熱く、「うめて入ってください。」との言葉で若干水を足す。
ぬるぬる感があり上質の硫黄泉。

(オーナーのFさん)
 
(ふだん着の温泉の写真)
オーナーのFさん  
ふだん着の温泉の写真

中庭の椅子で涼んでいたら、オーナーのFさんからお茶とお茶受けのご馳走にあずかり、2006年暮れのNHK「ふだん着の温泉」の撮影話をいろいろと聞かせてくれた。
今年に入って「ふるさと一番」でも取材を受けたとのこと。
話が弾んだ。

いきいき元気館

いきいき元気館は大和温泉の裏側。
3階建ての建物は、諏訪市総合福祉センターが入居しており、この1階部分に立ち寄り温泉施設と温泉歩行施設がある。

(いきいき元気館)
 
(いきいき元気館浴槽)
 
(いきいき元気館温泉歩行施設)
いきいき元気館
 
いきいき元気館浴槽
 
いきいき元気館温泉歩行施設

いきいき元気館の源泉は湯小路源泉なので、大和温泉と同じ。
施設は最新式で駐車場も広く、営業開始と同時に多くの入浴客が訪れる。

男湯と女湯の間に、水着着用で入る「温泉歩行施設」があり、女性2人が腰まである浴槽で歩行運動をしていた。

まるみつ温泉・なごみの湯

まるみつ温泉・なごみの湯は閉館しました

いきいき元気館を出たら雨が本降りだった。

駅前からタクシーを呼んでもらい駅前のまるみつ百貨店の5階にある「まるみつ温泉なごみの湯」に入った。
百貨店に立ち寄り湯があるのは全国でも類例がないという。

(まるみつ温泉・なごみの湯)
 
(なごみの湯浴槽大)
 
(なごみの湯浴槽小)
まるみつ温泉・なごみの湯
 
なごみの湯浴槽大
 
なごみの湯浴槽小

5階でエスカレーターを降りるとのれんが目に入る。
のれんをくぐると、落ち着いた雰囲気の受付があり、百貨店の制服を着た受付嬢がにこやかに迎えてくれる。

なごみの湯は檜製の浴槽が二つあり、大きい方はぬるめ、小さい桶のような浴槽は熱めの設定で落ち着いた雰囲気の浴場。
たとえれば、高級ゴルフ場の浴場のイメージか?

お休み処ともつながっているので、時間ぎりぎりまでくつろぎ、目の前の上諏訪駅に行くとスーパーあずさはすぐに来てくれた。

まるみつ百貨店で購入したおべんとうとビールで、新宿までが短く感じた。




(若干の情報)
場所電話
上諏訪・片倉館
0266-52-0604
上諏訪ステーションホテル
0266-57-0001


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