◆Sunday Break's News◆
gallop
  • サンデーブレイク号 第134回ベルモントS(G1)3着!大伏兵の勝利で三冠最終戦は大波乱。(6/9)

    第134回 Belmont S.(G1)(Belmont Park Race10 ダ12F 11頭立) WeatherClear TrackFast
    FP Horsename Jockey Trainer Weight Finish Odds
    1 Sarava E.S.Prado K.McPeek 126.0 2:29.71 71.25
    2 Medaglia d'Oro K.J.Desormeaux R.Frankel 126.0 1/2 17
    3 Sunday Break G.Stevens N.Drysdale 126.0 9 1/2 9.1
    4 Magic Weisner R.Migliore N.H.Alberts 126.0 1 8.3
    5 Proud Citizen M.E.Smith D.W.Lukas 126.0 1 1/4 8.0
    6 Essence of Dubai J.D.Bailey S.b.Suroor 126.0 1 1/4 21.6
    7 Like a Hero P.Day C.B.Greely 126.0 4 1/4 26.5
    8 War Emblem V.Espinoza B.Baffert 126.0 1 3/4 2.25*
    9 Wiseman's Ferry J.F.Chavez N.O'Callaghan 126.0 30 3/4 19.8
    10 Perfect Drift E.J.Delahoussaye M.Johnson 126.0 1 6.6
    11 Artax Too J.A.Santos J.Leigh-Pedersen 126.0 24 3/4 72.75
    *Scratched Horse(出走回避):Puzzlement

    敵はまだ他にも居た。ブレイク号にとって記念すべきアメリカ三冠クラシックレース初出走。大きな夢を求めた走りは、結果3War Emblemの三冠阻止が至上命題とされた今回のレースだが2冠馬は早々と馬群に沈み、大伏兵ブービー10番人気のSaravaが三冠最終戦を制した。やはり競馬に絶対は無かった。

    前哨戦
    ピーターパンS(G2)快勝の勢いを持って臨んだ三冠最終戦。前走の勝ちっぷりの良さに加え、2冠馬War Emblemとまだ一度も対戦していない”未知の魅力”から5番人気に支持される。あのAffirmed(1978)以来24年振り、史上12頭目の三冠馬が誕生するのか。注目のスタート。ゲートが開いた・・・

    次の瞬間。人々は悪夢を目にする。何と
    War Emblemがスタート直後に躓き、落馬寸前の不利。これが競馬の怖ろしさか。もはや敵は2冠馬では無くなった。一方ブレイク号は好スタートを決めるとさっとそのまま馬群内の6〜7番手につける。いつもよりも後ろでの競馬だ。Wiseman's Ferryがレースを引っ張る中を中団でじっと我慢。レース前半1200mの通過タイムが1:12.38。前半1マイル1:37.01。

    3角手前。
    War Emblemが動き、内から先行勢を交わして先頭へ。それを追うようにすぐにMedaglia d'Oroが外から被せに行く。一気にペースが上がった。Proud CitizenSaravaも前を追う。これを見てブレイク号もバックストレッチ終わりから最終コーナーにかけて徐々に外からまくるように前との差を詰めて行く。最終コーナー直線入り口。2冠馬War Emblemはここで力尽きズルズル後退。先頭はMedaglia d'Oro。外からProud Citizenが追う。その間を割るようにSarava。そこに大外からブレイク号が並びかける。この4頭が一線となり直線へ。

    直線。
    Proud Citizenが一番先に脚が上がってしまい脱落。真ん中からSaravaが勢い良くが抜け出す。それに内から追いすがるようにMedaglia d'Oro。少し離れてブレイク号。あと2頭をかわせば・・・。あと2頭・・・。しかしながらブレイク号にはもう前を追うだけの脚は残っていなかった。直線半ばで脚が上がってしまい、結果は3。最後の最後ゴール前まで接戦を演じることは出来なかったものの、しっかりと後続は封印した。

    レースは単勝11頭立て10番人気の
    Saravaが内で粘るMedaglia d'Oroを半馬身振り切って栄光のゴール。単勝オッズ71.25倍はベルモントS史上最高額。10番人気→6番人気→5番人気の決着で、連単は1227倍、3連単は12604倍と馬券は大波乱となった。ちなみに4着には4番人気のMagic Weisnerが入り、4連単は72667倍。この日競馬場に詰めかけた人々は、皮肉にも三冠馬誕生の歴史的瞬間ではなく歴史的な高額配当誕生の瞬間を目撃することになった。Saravaは2歳時に欧州でデビューし3戦未勝利。その後、アメリカに移り2戦。年明けは4月に復帰した後、プリークネスS当日のレースを勝ってここにコマを進めていた。今回が重賞初出走。大金星となった。これで通算成績は9戦3勝。三冠を狙ったWar Emblemはスタートの躓きが全てで8着に惨敗した。

      ********************************************************************************

    アメリカに渡ってから半年以上。デビュー当初のなかなか勝ち切れない日々。賞金不足によるケンタッキーダービーでの門前払い。数々の苦境を乗り越えてサンデーブレイク号はようやく夢の舞台に立った。そして結果は3着。この3着はただのG1レース3着というだけではなく日本競馬界にとって明るい未来を切り開く3着である。


    ・・・今から7年前、日本競馬界は天性類まれな末脚を持つ1頭の芦毛馬を手に入れた。名はスキーキャプテン。当時はまだ日本馬が海外のG1を勝つなど夢やゲームの中だけの話だった。「この馬なら・・・」その爆発的な末脚を見て誰もがそう思った。彼は日本競馬界の期待を一身に背負って米国に上陸した。

    「新時代到来」「心配無用」「充分通用する」マスコミも特集を組んで書きたてた。日本中が自分達の目撃してきたあの末脚に自信を持っていた。「(三冠の)3つとも良い所まで行ける」日本馬初のケンタッキーダービー出走であるにもかかわらず、いや、それどころかまだ日本馬が海外のG1を制したことすらないのにもかかわらず、皆が夢を見ていた。そう、大きな夢を見ていた。”American Dream”を。

    1995年5月6日。チャーチルダウンズ競馬場。確かに歴史は刻まれた。10馬身差。19頭立て14着。純白に輝いていたスキーキャプテンの体は乾いた砂を全身に浴びて褐色に染まっていた。これが現実だった。堅いダートコース、テンの速さ、ハイピッチで流れる厳しいペース。集団の後方を付いて行くだけで必死だった。「信じられない」「あの馬でさえ・・・」失意と落胆が日本競馬界を包んだ。レース前までは意気揚々と捲くし立てていたマスコミは言葉を失い、「歴史ある14着」と評するのが精一杯だった。強がったその言葉が逆に現実の姿を際立たせ、レベルの差を痛感させた。

    この日、日本競馬界からアメリカ競馬という選択肢は消え去り、時間が止まった。

    あれから7年。

    日本競馬界は大きく変化した。ここ数年で日本馬は飛躍的にレベルアップし、海外に遠征する馬が増加。遠い夢だと思われた海外G1制覇も見事に達成された。そして海外の重賞レースで日本馬が好成績をあげることも驚くことではなくなった。

    シーキングザパール、タイキシャトル、エルコンドルパサー、アグネスワールド、ステイゴールド、トゥザヴィクトリー、アグネスデジタル、エイシンプレストン。確かにどの馬も世界を相手に力強い走りを見せた。しかし、誰一人として、一度たりとも「東」に向かって歩を進めようとはしなかった。どの陣営も皆、それが至極当然であるかのように「西」を向いて飛び立った。その脳裏にはあの時のスキーキャプテンの姿が刻まれていたのかもしれない。

    そして2001年11月25日。奥新冠ノースヒルズ牧場生まれの1頭の鹿毛馬がこの逆風の中を「東」に向けて敢然と飛び出した。〜”American Dream”〜その陣営は7年前に日本人が置き忘れてきたこの言葉を口にした。この日、止まっていた歴史が再び静かに動き始めた・・・


    サンデーブレイク号の”American Dream”〜米国三冠挑戦〜はベルモントS 3着という結果を残してひとまず幕を閉じた。
    舞台はあの悪夢のケンタッキーダービーではなかったものの、アメリカ三冠クラシックレースの中で一番歴史の深いベルモントS。最終コーナーから必死に勝ちに行って、前を捕らえに行っての3着。レース後のサンデーブレイク号を包んだ赤褐色の土は決して屈辱の印ではなく誇るべき勲章に思えた。日本産馬の米国クラシック3着。彼の残した2分半の軌跡はこれから日本競馬界がアメリカ競馬に挑戦していく上での大きな道標となることは間違いない。

    「アメリカでもやれる!」

    この自信を取り戻させてくれたことが彼の最大の勲章ではないだろうか。止まっていた時間は動き出した。
    ベルモントS 3着という実績を引っ提げてサンデーブレイク号の”American Dream”第2幕がこれから始まる。

  • サンデーブレイク号 第134回ベルモントS(G1)枠順決定!三冠阻止&クラシック制覇へGO!(6/6)

    the 134th Belmont Stakes (現地6/8(土)6:10 p.m. Belmont Park競馬場 Race10 ダ12F)

    ◆Entrants (出走馬:枠順)◆


    *
    Puzzlement号は右前脚の怪我のためにScratch(出走回避)となりました。12頭立→11頭立へ。(6/6)

    PP Horse Sire 戦績 前5走→前走 短評
    1 Artax Too Marquetry 2-0-1-2 7 3 4 1 1 別路線組。ここはいきなり格上過ぎる感。
    2 Like A Hero Pleasant Colony 3-1-0-0 - 2 1 1 1 別路線組。重賞初挑戦。経験不足か。
    3 Wiseman's Ferry Hennessy 3-1-2-3 4 4 3 1 1 別路線組。前走G3勝ち。勢いはあり。
    4 Essence Of Dubai Pulpit 4-0-1-2 1 12 1 1 9 Ky.Derby9着。ゴドルフィンからの刺客。
    5 Sunday Break Forty Niner 4-1-2-0 1 1 1 3 1 前走G2で初重賞制覇。別路線組筆頭。
    6 Perfect Drift Dynaformer 3-3-1-0 1 2 2 1 3 Ky.Derby3着。距離延長好材料か。有力。
    7 Puzzlement Pine Bluff 2-1-2-0 3 3 1 1 2 別路線組。前走サンデーブレイクの2着。
    8 Medaglia d'Oro El Prado 2-2-0-2 1 1 2 4 8 Ky.Derby4着。Preakness8着。やや劣勢。
    9 Proud Citizen Gone West 2-2-1-3 6 7 1 2 3 Ky.Derby2着。Preakness3着。今度こそ。
    10 War Emblem Our Emblem 6-0-0-3 6 1 1 1 1 二冠馬。24年振り12頭目の三冠を狙う。
    11 Magic Weisner Ameri Valay 6-3-0-2 1 1 1 2 2 Preakness2着(重賞初挑戦で)。安定感。
    12 Sarava Wild Again 2-3-0-3 1 2 2 2 1 別路線組。重賞初挑戦。やや格下か。


    PP Horse Trainer Jockey Owner Odds Life Earnings
    1 Artax Too Pedersen Santos Paraneck Stable 51.0 $59,830
    2 Like A Hero Greely Day Columbine Stable 31.0 $118,910
    3 Wiseman's Ferry O'Callaghan Chavez Fink, Sacks and Swifty Farm 21.0 $364,669
    4 Essence Of Dubai Bin Suroor Bailey Godolphin Racing Inc. 31.0 $1,393,200
    5 Sunday Break Drysdale Stevens 前田幸治 7.0 $305,220
    6 Perfect Drift Johnson Delahoussaye Stonecrest Farm 9.0 $467,160
    7 Puzzlement Jerkens Samyn Joseph V. Shields Jr. 31.0 $92,640
    8 Medaglia d'Oro Frankel Desormeaux Edmund A. Gann 11.0 $364,720
    9 Proud Citizen Lukas Smith Robert Baker, David Cornstein, etc. 6.0 $532,117
    10 War Emblem Baffert Espinoza The Thoroughbred Corporation 2.0 $2,891,000
    11 Magic Weisner Alberts Migliore Nancy H. Alberts 16.0 $433,110
    12 Sarava McPeek Prado New Phoenix Stable 31.0 $96,845

    *Belmont Park競馬場>>米国東海岸ニューヨーク州Elmontにある競馬場。
                   メインコース:1周=1 1/2 Miles 直線:1,097feet≒334.37m


    ★1905-2001年(計96回)のベルモントS優勝馬の枠順(Post Position)★

    PP 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
    (回) 22 11 13 8 13 7 11 5 3 2 1 0

    ちなみにサンデーブレイク号の所属するDrysdale厩舎の偉大な先輩A.P.Indy号は1番枠で見事優勝(1992年)。


    ★ベルモントS コラム 三冠馬になる確率★
    米国2冠(ケンタッキーダービー&プリークネスS)を制して三冠に挑戦した馬は過去
    26頭。そのうち三冠馬になれたのは11頭。その確率は「0.423」とほぼ五分五分。しかし戦後(1945〜)に限れば確率は「0.263」に半減。約4頭に1頭の計算。これを高いと見るか低いと見るか。ちなみに近年立て続けに3頭が挑戦し3頭とも失敗。もし4分の1の確率でいくとすると・・・

    馬名 勝ち馬
    1919 Sir Barton 1 (Triple Crown)
    1930 Gallant Fox 1 (Triple Crown)
    1935 Omaha 1 (Triple Crown)
    1937 War Admiral 1 (Triple Crown)
    1941 Whirlaway 1 (Triple Crown)
    1943 Count Fleet 1 (Triple Crown)
    1944 Pensive 2 Bounding Home
    1946 Assault 1 (Triple Crown)
    1948 Citation 1 (Triple Crown)
    1958 Tim Tam 2 Cavan
    1961 Carry Black 7 Sherluck
    1964 Northern Dancer 3 Quadrangle
    1966 Kauai King 4 Amberoid
    1968 Forward Pass 2 Stage Door Johnny
    1969 Majestic Prince 2 Arts And Letters
    1971 Canonero II 4 Pass Catcher
    1973 Secretariat 1 (Triple Crown)
    1977 Seattle Slew 1 (Triple Crown)
    1978 Affirmed 1 (Triple Crown)
    1979 Spectacular Bid 3 Coastal
    1981 Pleasant Colony 3 Summing
    1987 Alysheba 4 Bet Twice
    1989 Sunday Silence 2 Easy Goer
    1997 Silver Charm 2 Touch Gold
    1998 Real Quiet 2 Victory Gallop
    1999 Charismatic 3 Lemon Drop Kid
    2002

    War Emblem

    (Triple Crown?)



    →→→
    <<過去のNews>>
        ・
    ピーターパンS(G2)快勝!ベルモントSへ絶好のテイクオフ!(5/26)
        ・
    ピーターパンS(G2)出走!米国三冠最終戦へのステップ。(5/24)

    ←←←
    <<NewsTopへ戻る>>

Sire/Dam  ●Career  Top


to HOME
 
このHPに掲載の写真・画像の無断複製・転載を禁じます。全て内容の著作権は当HPDirectorに帰属します。Copyright(C) Demex Director.All rights reserved. No reproduction or republication without written permission. 御意見・御感想はこちらまで mail to:demex2001@hotmail.com