全国秘湯巡り・鹿児島
鹿児島・湯の旅(続編)
(今回の旅は3泊4日です)
第1日目・羽田→鹿児島空港→山川→指宿温泉
第2日目・指宿→知覧→西鹿児島 (以上前編)
(以下続編)
第2日目・西鹿児島→東市来→湯之元温泉
第3日目・湯之元温泉→西鹿児島→えびの高原→霧島温泉(丸尾)
第4日目・霧島温泉→霧島神宮→国分→日当山温泉→鹿児島空港→羽田
第2日目
第2日目・(指宿→知覧→西鹿児島 以上前編)
西鹿児島→東市来→湯之元温泉
JR西鹿児島駅は工事中で、駅前は大混乱だった。
(沈寿官窯)
次の目的地は東市来町の「さつま焼の里」
この旅を企画した頃、朝日新聞に「焼酎ブームは窯の里」という記事が載った。
これを見て、東市来町の美山地区に広がる薩摩焼きの里にあこがれた。 宿はもちろん新聞記事の通り湯之元温泉を予約した。
西鹿児島から東市来までJRで20分ほど。駅から美山地区までの交通はバス便があるが(林田バス・伊集院/湯之元地区)、JR時刻表を読み切ることが出来ず、バスは無いものと思っていた。
(美山経由は本数が少ない)
日置市路線バス/時刻表へ
で、駅前のタクシーに乗った。5分〜6分で美山地区。
美山地区には12の窯元が点在する。
薩摩焼きは、第17代薩摩藩主島津義弘公によって、慶長3年(1598年)に朝鮮半島から連れてこられた陶工達が創り出した陶器で、400年の歴史を持つ。
美山地区はその中心的な場所。 白と黒の陶磁器がある。 それぞれ、白もんと黒もんと呼ばれ、「白もん」は薩摩藩ご用達、「黒もん」は庶民用といわれるが、どちらも使ってみたい気がした。
壽官陶苑
沈壽官窯(壽官陶苑)に入る。
門をくぐると、右が「収蔵庫」。突き当りが作品展示室。
その左に登り窯。
背後の台地の上は広い工房で、窓越しに作陶の各工程を見ることが出来る。
壽官陶苑・写真集
(写真をクリックすると拡大します)
壽官陶苑 収蔵庫
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壽官陶苑 登り窯
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壽官陶苑 工房
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壽官陶苑 展示室
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第十四代 沈壽官さん
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黒もん
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この窯は韓国からの観光客も多く、この日も大型バスが出入りしていた。
第十四代・沈壽官さんに、家人がサインをお願いすると快く引き受けてくれた。 家人は大喜び。
美山地区には、美山陶遊館があって、作陶や絵付けの体験が可能だった。
(美山陶遊館)
串木野行きの路線バス(林田バス)をつかまえ、湯之元温泉に出る。
湯之元温泉は江戸時代初期に見つかった温泉地とのこと。
今日の宿は「からさき旅館」。
チェックインして、市来町の焼酎工場に向かう。
薩摩焼きの黒もんを買った以上、焼酎工場の見学をしなければ片手落ちというもの。
バス便には間があるので、からさきの女将さんの手配で自家用車の運行。
焼酎・濱田屋伝兵衛
「焼酎蔵薩洲・濱田屋伝兵衛」は手作りの焼酎製造工程を全て見学させる観光工場。
折しも、観光工場化2周年の記念イベントの最中で、多くの人で賑わっていた。
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(濱田屋・工場正門) |
(仕込み瓶) |
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(検査工程) |
(瓶詰め工程) |
屋外のテントで、地ビールを飲む。
好天の中、いくつかの観光地を巡って、疲れた身体に、試飲の焼酎と地ビールが混ざり合って陶然としてきた。
伝兵衛蔵へ
湯之元温泉・からさき旅館
湯之元温泉の「からさき旅館」まで、路線バスで戻ると、日も暮れかかってきた。
湯之元温泉は古い温泉場というイメージ。
大きな旅館(ホテル)はなく、廃業した商店もある。
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(からさき旅館) |
(からさき旅館の女将) |
からさき旅館のもてなしは心がこもっていた。
お湯はやや熱め。
料理は地のものが旨く、特に天然の鯛の刺身やカマ焼きは最高だった。
日置市HPへ
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(からさき旅館の夕食) |
(からさき旅館の浴槽) |
共同浴場・打込湯
(共同浴場・打込湯・浴槽)
湯之元温泉の共同浴場を2つほど訪ねた。
この日は「打込湯」。翌朝は「田之湯温泉」。
打込湯はからさき旅館から数分の近さで、大きな建物。
源泉が二つあり、「元湯」「打込湯」。
料金は120円。安い。
元湯は神経痛・リュウマチス・胃腸病に効き、打込湯は皮膚病と胃腸病に効くと書いてあった。 どちらもやや熱め。 年輩者が多かったが、子どもも遊んでいた。
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(共同浴場・打込湯) |
(共同浴場・打込湯・正面) |
鹿児島に着いて、目一杯歩き回った。疲れてよく眠れた。
第3日目
共同浴場・田之湯温泉
早朝共同浴場・田之湯温泉に行った。
7〜8分歩く距離だった。
しっかりした古風な建物で、2階建て。料金はここも120円。
早朝から客が混んでおり、入れ替わりも頻繁で、熱い湯にさっと浸かったあとは広い脱衣場で話に花が咲いていた。
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(共同浴場・田之湯) |
(共同浴場・田之湯浴槽) |
脱衣場に「日本朝風呂党立党宣言」の額。
立派な書の筈で、沈壽官さんも発起人の一人。
話の仲間にはいると、土産のさつま焼酎についていろいろのアドバイスがあった。
田之湯温泉では、飲み会を良くやるそうで、2階がその会場になるという。
からさき旅館に戻って朝食。
宅配便2箱を自宅に送る。
JR湯之元駅まで7〜8分歩き、西鹿児島に向かう。
西鹿児島駅前は工事中で、観光案内所は見つかりにくかったが、霧島高原へはゆけむり号というバスが最適とわかった。
市街地をしばらく走った後高速に乗って空港まで来て、また一般道を走って牧園町。ここから山に入ると丸尾地区で、温泉街に出る。
いたるところ、蒸気が吹き出している。
霧島高原温泉はいくつかの温泉地の総称で、丸尾の中心地は温泉街の様相を呈しているが、全体でいうと巨大ホテルが点在した温泉地という印象を受ける。 多くのバスは、丸尾の一番奥のいわさきホテルが終着だが、数本はえびの高原まで直通運転する。
えびの高原
えびの高原のバスターミナルは連休で混雑していた。
ここは宮崎県との県境で宮崎側になる。
開けた高原で、韓国岳がそびえている。
(野海棠(ノカイドウ)の看板)
3時間ほどの時間の過ごし方は、えびの高原温泉の露天風呂か、付近の散策だが、大浪池へのハイキングとなった。
入り口が見つけにくかったが、林に入ると、山ツツジやノカイドウの花が見頃だった。 特にえびの高原固有種のノカイドウは、5月の上旬10日ほどしか開花しないので、見かける人は強運の人という看板があって、たしかに可憐な、淡いピンクの花が珍しかった。
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(ノカイドウ) |
(付近の林) |
大浪池までのハイキングコースは、ぬかるみが若干あったがおおむね良いハイキングコースで、多くの家族連れハイカーにすれ違った。
大浪池
大浪池まで、1時間10分ほど。
大浪池は大きな火口湖で、水際まで下りることは出来なかった。
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(大浪池) |
(韓国岳) |
来た道を引き返しえびの高原の「レストセンター」で遅い昼食を摂った。
最終バスで霧島側に引き返す。 いわさきホテルで乗り継いで丸尾。雨が降り始めた。
昨今の流行か、えびの高原のレストセンター脇と丸尾のバス停近くに足湯があった。
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(えびの高原の足湯) |
(丸尾の足湯) |
今日の宿、「花むらさき」に迎えを頼む。
花むらさきはこじんまりとした宿で丸尾では標高が下の方。
共同浴場・関平温泉
宿についてすぐに、共同浴場の関平温泉へ。
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(関平温泉) |
(新床温泉の浴槽)
(この奥に関平温泉の浴槽) |
花むらさきから歩いて5〜6分の道のり。
料金は300円と鹿児島の共同浴場としてはやや高め。
泉源は2つで、以下の通り。
関平温泉
- 泉源の温度:45.5℃
- 単純温泉(低張性、中性、高温泉)
新床温泉
- 泉源の温度:68.0℃
- 単純温泉(低張性、中性、高温泉)
いずれも
- 効能:神経痛、筋肉痛、関節炎、五十肩に効く
一度止んだ雨がまた降り始めた。
旅館・花むらさき
花むらさきに戻る。
花むらさきは霧島では小ぶりの宿。アットホームな雰囲気が良い。
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(花むらさき) |
(おかみさん) |
(花むらさきの夕食)
夕食はとても豪勢で、特にしらす鍋が珍しかった。
写真の後にも何品かが出されて全部は食べきれなっかった。
連休中は宿泊料を上げ、料理のグレードを上げるのが一般的で、今回の旅でも例外ではなかった。
食後風呂に入った
内湯は広いガラスで気持ちが良く、隣接の露天風呂も同じ風景だった。
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(花むらさきの内湯) |
(花むらさきの露天風呂) |
第4日目
翌朝、丸尾の中心部まで散歩をした。
20分ほどかかった。
午後の航空機の時間までどう過ごすかいろいろ考えたが、霧島神宮にお参りすることにした。
霧島神宮
バスは、丸尾の中心部から分岐している。
ご主人に送ってもらい、バスに乗って30分足らずで霧島神宮。
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(霧島神宮1) |
(霧島神宮2) |
霧島神宮はめっぽう古い神社で、参詣者が多い。
お参りして、次のバスでJR霧島神宮駅へ。
霧島神宮と鹿児島空港を結ぶバス便が無く、結局JRの神宮駅経由で国分に出ることにしたが、JRの接続も悪く、一駅だけで特急代を支払うことになった。
日当山温泉・吉田温泉
(日当山温泉・吉田温泉)
国分でも、駅周辺では見物するようなものは見あたらず、いろいろ考えた末、タクシーで日当山温泉(ひなたやま温泉)に向かった。
運転手さんは「吉田温泉」に連れて行ってくれ、掃除前の温泉に入れてもらった。
吉田温泉は、割烹(食堂)部分と温泉部分が相対しており、温泉は広く、湯はやや熱めで若干のぬるぬる感があった。
今度の旅行最後の温泉なのでゆっくりと入り、入浴後、食堂に移って昼食を摂った。
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(吉田温泉入り口) |
(吉田温泉浴槽) |
吉田温泉からタクシーで鹿児島空港へ。
運転手さんは埼玉の人で、奥さんの実家がこの近くなので移り住んだとのこと。 鹿児島の住みやすさをしきりに強調していた。
残念ながら、吉田温泉が日当山温泉のどの当たりか見当がつかなかった。
空港は近かった。
(若干の情報)
場所 | 電話 |
沈壽官窯 | 099-274-2358 |
美山陶遊館 | 099-274-5778 |
焼酎・濱田屋伝兵衛 | 0996-36-3131 |
湯之元温泉・からさき旅館 | 099-274-2018 |
えびのレストセンター | 0984-33-1155 |
牧園町営・関平温泉 | 0995-78-4012 |
花むらさき | 0995-78-8181 |
日当山・吉田温泉 | 0995-42-0545 |
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沖縄・那覇3泊4日
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