全国秘湯巡り・熊本と大分
内牧、黒川、別府共同浴場三昧
第1日目 東京→阿蘇熊本空港→
内牧温泉
第2日目 内牧温泉→
黒川温泉→
別府温泉
第3日目 別府温泉→大分空港→東京
第1日目
● 阿蘇へ
(黒川温泉・穴湯共同浴場)
未曾有の大不況で旅行客が減ってきたという。
その影響からか、日本航空のマイレージクラブが、家族で使い回しの出来るシステムでマイルをディスカウントし通常より少ないマイルで航空券を発券するというキャンペーンがあった。
で、かねてより行きたいと思っていた熊本県の温泉地を物色した。
共同浴場が数多くある温泉場は意外に少なかった。
また車の無い旅では行く先もかなり制限される。
結局、阿蘇熊本空港から阿蘇山に登り、内牧温泉に泊まって、黒川温泉に行くというルートが良いと言うことになったが、帰りを熊本空港からとするか、大分空港からとするか考え抜いた末、今回は黒川温泉は2カ所ある共同浴場のみにして別に近い将来黒川温泉に泊まる旅行を考え、長駆別府温泉まで足を伸ばし別府に泊まって別府温泉の仕上げをすることにした。
時期は3月。
日本航空のキャンペーンの終わる頃に照準を合わせた。
この日、日本海に進む低気圧のため九州地方は大雨の予報で、航空機の揺れも予想されたがたいしたこともなく定時に阿蘇熊本空港に着いた。
● 阿蘇駅
天候は予報通り雨。
阿蘇熊本空港から阿蘇山に行くには、阿蘇駅前で登山バスに乗り換える。
熊本から別府に行くバスで「あそ1号」だけは草千里から阿蘇山西まで乗り換えなしで行くが、他のバスは別府行きも大分行きも阿蘇駅で登山バスに乗り換えなければならない。
(大分行きはは3番乗り場) |
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(阿蘇駅) |
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阿蘇熊本空港から阿蘇駅は小一時間ほどだったが、途中景色はほとんど見えず、アサヒビールがスポンサーというJパワーの風力発電施設も霧にかすんで良く見えなかった。
阿蘇にしはらウインドファームへ
阿蘇駅に着いても雨。雨の中を阿蘇山頂に行っても面白くない。
で、阿蘇駅に近い日帰り温泉施設「夢の湯」に入ったあと内牧温泉に行くことにした。
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● 阿蘇坊中温泉 夢の湯 (第1湯)
駅から1〜2分ということだったが回り道をしたため、夢の湯に着いたらコートがかなり濡れていた。
雨のためか金曜日のためか温泉は空いていた。
(阿蘇坊中温泉 夢の湯) |
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(夢の湯内湯) |
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(夢の湯露天風呂) |
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夢の湯は木造の建物で内部も木がふんだんに使われゆとりがある。
男女別に内湯と露天風呂があり、水風呂と赤外線サウナも浴室内にある。
脱衣場もゆとりがあり、脱衣場から浴室に入ると赤御影石の浴室の外に木と岩に囲まれた露天風呂がある。
湯温は内湯が適温で、露天風呂はややぬるめの設定。公営の施設だが掛け流しの湯は肌触りがさっぱりとしており、薄みどりっぽい茶褐色の湯は鉄分の味がほのかにする。
泉質はナトリウム・マグネシウム-硫酸塩・炭酸水素塩泉(低張性 中性 高温泉)とあり、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺などに効能があるらしい。
● 内牧温泉へ
今夜の泊まりは内牧温泉。
雨が本降りで空港にいたときより雨あしが速い。
タクシーを呼んでもらって内牧温泉に行く。
内牧温泉は平成17年に三町村が合併した阿蘇市の中にある温泉場で明治以降次第に栄えてきた。
現在旅館やホテルが十数軒あり、町湯と称する共同浴場が8軒ほど開業している。
内牧温泉で予約を入れた旅館は内牧荘。
小ぶりの和風旅館で町中にあった。
チェックインが出来ないので荷物を預かってもらい昼食と湯巡りに出る。
旅館で聞いた場所はラーメンの白龍。
● ラーメン 白龍
白龍はすぐに見つかったが生憎開店前でのれんが下がっていない。
ただ、それほど時間があるわけでもないので、戸を開けてみると馬のスジの仕込み中だったが、食事をしたい旨話すと気さくに応じてくれた。
(アソ 白龍) |
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(チャンポン ¥700) |
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(ミソラーメン ¥650) |
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(白龍のメニュー) |
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(おやじさん) |
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(馬のスジ(おでんのねた)) |
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チャンポンと味噌ラーメンが出来あがった。味は薄めだがこくがあり旨い。
おでんのネタの仕込みを再開したおやじさんといろいろ話す。
団塊の世代で農業高校を出たが料理人を目指し東京で修行したこと。内牧温泉に戻って中華料理店を開いたこと。この付近の共同浴場のこと。
おやじさんは毎日早朝「大阿蘇」に行くとのこと。
明朝の大阿蘇での再開を約しおやじさんお勧めの「宝湯」に立ち寄った。
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● 内牧温泉 宝湯 (第2湯)
宝湯は温泉割烹「がね政」が経営する民営の共同浴場。
温泉割烹とうたっているだけあって瀟洒な内湯と露天風呂だった。
食事をしても入浴は無料にはならないが、昼の定食類は1400〜1800円見当。
因みに焼き肉定食が¥1365で、定食の最高はお刺身定食の¥1890とあった。
(湯口) |
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(男性用脱衣場) |
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(Aso11026(いいおふろ)認定証) |
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かなりぬるめのお湯はうす緑色。
なめらかな、さっぱりしたお湯で、なめると味はないが鉄分臭。
源泉温度42.3度のナトリウム・マグネシウム−硫酸塩・炭酸水素塩泉で自家源泉だそうで、掛け流し。
外は石を配した池のような露天風呂で内湯の窓側が出入り口だが、気温が低く寒そうなので外には出なかった。
面白かったのは壁に掲げられた「Aso11026認定証」(あそいいおふろ認定証)。
AISO9000とかAISO1400とかに似せた認定証を創案し、旅館や町湯に掲示して純正温泉を宣伝していた。
この認定証は行く先々の共同浴場に掲出され、この日の宿の内牧荘にもあった。
Aso11026認定基準のページへ。
● 内牧温泉 七福温泉 (第3湯)
大雨注意報の雨は本降りでますますはげしくなった。
家人は宿に戻るという。
途中まで同道し七福温泉に立ち寄る。
七福温泉は内牧温泉の中央を流れる黒川の宝泉橋のほとりにある。
七福温泉は完全な昭和中期の共同浴場の形態を保っていた。
中には先客が一人。
建物は質素だが浴槽は御影石の立派な造りでお湯は適温。
カランからは源泉が出る。
飲泉が可能との張り紙があり、口に含むと鉄分の臭いがする。
あそこはお湯が熱いと白龍のおやじさんの弁だったが、源泉の温度もさして熱くなく、快適に入ることが出来た。
七福温泉の前には源泉槽があり湯気を立てていた。
また、町湯の一覧表とマップが掲げられており、これはどの町湯にもあった。
(内牧温泉・町湯一覧表)
このうち「おふろやさん」と「一番風呂」が閉鎖されたという。
雨はまだ降り続いている。
一瞬嫌気がさし宿に戻ることも考えたが、田町温泉は16:00〜21:00の開業なので明日の午前中には入れないことになり、勇を鼓して田町温泉に向かった。
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● 内牧温泉 田町温泉 (第4湯)
田町温泉は細い路地の中程にあった。
建物はブロック積みで一部トタン張りの質素な建物で、脱衣場も棚だけのシンプルな造り。
ドアを開けて浴室無いに入ると3人の先客が迎えてくれた。
浴室、浴槽はコンクリート造りで細長く、間に間仕切りがしてある。
先客のうち年長者が、壁の広告の中に書かれた「下湯から入ること」を示し、向こうから入ると言ってくれた。
つまり、源泉流入口が手前の浴槽で、奥が下流になり、そちらから入ってぬるければ上流の浴槽に入るのがここの流儀なのだと。
お湯は全体にぬるめで、ややぬるぬる感があり、透明だが何となく灰色っぽく、なめると金気臭とやや芒硝味。
上湯もさほど熱くはなく、どこから来たか?何しに来たか?誰と来たか?といろいろ質問された。
田町温泉は内牧温泉の中では一番質素で、入り口の戸も、脱衣場も、屋根の造りも隙間だらけだったが一番落ち着くお湯の良い人情の厚い共同浴場だった。
● 内牧温泉 薬師温泉 (第5湯)
薬師温泉は内牧温泉では街外れ(といっても田町温泉から徒歩7〜8分位?)にある。 新穂湯と並んでおり、黒川の上流にあたる。
新穂湯は明朝の湯巡りにとっておき、薬師温泉だけ今日入ろう。
小ぎれいな民営の共同浴場で浴室/浴槽の収容人員は7〜8人ぐらいか?。
タイル張りに御影石の縁取りの浴槽には適温の湯があふれていた。
なめらかな、ぬるすべ感のお湯は若干の金気臭がした。
先客は、夏はやや熱めだが冬場は適温とのこと。
分析表によれば泉質はナトリウム・マグネシウメ・カルシウム-硫酸塩泉(中性低張性・高温泉)で泉温は45.9度とのこと。
内牧荘に戻る。
雨で全身濡れそぼる。
● 内牧温泉 旅館内牧荘 (第6湯)
内牧荘は小ぶりの和風旅館で、阿蘇温泉病院の隣にある。
疲れていたが歩いて帰る途中で靴やズボンが濡れたのでお風呂に入った。
内牧荘のお風呂は典型的な旅館のお風呂で小さいながら凝った造り。
鉄平石を使って居心地がよく、露天風呂に隣接している。
お湯はぬるめの、ナトリウム・マグネシウメ・カルシウム-硫酸塩泉(低張性中性高温泉)で泉温は42.6度とのこと。
お風呂から上がったら夕食が待っていた。
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● 内牧荘の夕食
部屋に戻るとすぐに夜の食事。
食事は一階の別の部屋。
主なモノの写真を以下に掲げる。(地鶏天草大王と肥後牛の陶板焼きは選択制)
(メバルの唐揚げ) |
(カンパチの中華風刺身) |
(馬刺し) |
(タケノコとゼンマイ) |
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(地鶏天草大王の陶板焼) |
(肥後牛の陶板焼) |
(茶碗蒸し) |
(おすまし) |
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リーズナブルな価格で良い素材の食事。
この旅館は大満足だった。
● 第2日目
朝起きたら窓の外は雪だった。
春の淡雪だが寒いことこの上ない。
(黒川) |
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(外輪山も雪) |
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雪の中を入り残した町湯に向かった。
● 内牧温泉 大阿蘇 (第7湯)
大阿蘇は民宿経営の共同浴場で昨日の昼食を食べたラーメン白龍の並び。
白竜のおやじさんと脱衣場で出会った。
大阿蘇のお風呂はぬるめの、やわらかなお湯で数人の常連客が入っていた。
7時からの開業だが常連さんは30分ほど前から入ることもあるとのこと。
白龍のおやじさんはこのぬるめのお湯が良いという。
● 内牧温泉の造り酒屋 大津酒造
大阿蘇から昨日の道を通って新穂湯に向かう。
新穂湯の手前は造り酒屋の大津酒造。
(大津酒造1) |
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(大津酒造2) |
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看板によれば「神の杉」が売り物なのだろう。
天候が良ければ、昼間散歩で来て、熊本のお酒などを物色するところだが、外観の写真を撮るだけとはと天候を恨んだ。
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● 内牧温泉 新穂湯 (第8湯)
新穂湯は真新しい。
大正二年の創業だそうだが平成18年(2006年)にリニューアルされた。
奥にある民家で入浴料金を支払い、きれいな植栽を縫って別棟の浴場入り口に着く。
脱衣場も浴室もぴかぴかの感じ。
扇形の浴槽から植木が見える。
お湯は泉質不明だがなめると金気臭がし、内牧によくある硫酸塩泉と推定される。
だが、湯温は比較的高く、この時期でも適温を保っていた。
● 朝食の後は黒川温泉へ
朝の共同浴場巡りの後、内牧荘に戻って朝食を摂った。
しばらくだらだらと過ごし、ホテル角萬の前のバス停に行った。
バス停は角萬の前だが、あたりは吹きっさらしで寒いのでロビーで待たせてもらった。
角萬は内牧温泉では老舗の宿で開業当初のセピア色の写真がロビーの一角に貼ってある。
フロントは単なるバス待ちの客にも親切でバスが車での短い間だったが対応は立派なものだった。
バスはさほど混んではいなかった。
ただ、雪は高度が上がると激しく降っており、道路が凍結していたので慎重に運転していた。
(別府行きバスの車内から)
バスは、南小国町の役場前経由で黒川温泉に着く。
● 黒川温泉
黒川温泉は近年人気の出てきた温泉場で、特に女性客の評判は湯布院と一二を争っている。
今回宿泊はせず、二つの共同浴場に入り、評判の露天風呂をいくつか巡り、昼食を摂って黒川温泉の雰囲気を感じ、次に来るときに宿泊を伴う滞在を考えればよいと考えていた。
バス停そばのガソリンスタンドからさくら通りを通って温泉街に出た。
雪は小降りになったが降り続いていた。
ふれあい広場から旅館組合事務所に行き情報を仕入れた。
べっちん坂を下りて穴湯に入り、川沿いの道を地蔵湯まで歩き、地蔵湯に入った。
この後、いくつかの旅館の露天風呂巡りをすることにしていたが、気温が低く、湯巡りをするにはふさわしくないと思い、昼食用にパティストリー麓でアップルパイを買いバスの中で食べることにして、大急ぎで一台前の別府行きバスを捕まえるべく、来たときとちがって対岸の上川端通りを上ってバス停に急いだ。
黒川温泉写真集
(写真をクリックすると拡大写真が出ます)
黒川温泉の良さは、各旅館がそれぞれ適当な距離を保ち、高級感があり、粋をこらした露天風呂を持ち、川のそばの道は食堂や土産物屋などがあり、個人客も団体客もそれぞれ楽しめそうな温泉場ということだろうか?
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● 黒川温泉 穴湯共同浴場(第9湯)
穴湯共同浴場はべっちん坂を下りた駐車場の下にある。
浴場の建物は、一方は川の石垣を利用して壁と見立て、他の三方向に木造の小屋がけをしているが隙間だらけの質素なもの。
混浴。
入浴料100円を料金箱に入れて中に入る。
(穴湯共同浴場) |
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(穴湯共同浴場浴槽) |
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(脱衣場) |
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入ると左手には細長い脱衣場があり、浴室との間は目隠し程度の仕切りがあるだけ。
時折雪が止んで日が差すと内部が急に明るくなる。
浴室は石造りで、浴槽は一部川原の岩盤を穿っただけと思われる。結構広い。
源泉が景気よく流入し、源泉温度は適温だが、浴槽のお湯はぬるめで、肌に優しく、ときどき観光客がのぞき見をするのを厭わなければ非常に状況の良い共同浴場といえる。
居心地の良い浴場で、福島県の木賊温泉・露天岩風呂を思い起こさせる。
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● 黒川温泉 地蔵湯(第10湯)
地蔵湯は穴湯共同浴場から田の原川沿いの下川端通りを通って徒歩5分ほど。
人通りの多い散歩道で、土産物屋や食堂、旅館が軒を連ねる。
地蔵堂のまえの階段を20段ほど下って地蔵湯に入る。
地蔵湯は200円で入ることが出来るが、入り方はやや戸惑う。
先ず入り口は回転扉の木組で、100円を穴に入れると 1 回転するので一人入ることが出来る。
中に入りと男は左、女は右に別かれ、がそれぞれ下駄箱の上に料金箱があり、追加の100円を入れ、合計200円となる。
地蔵湯は脱衣場と浴槽が一体型の共同浴場で、浴室の左側の壁に木の脱衣棚があり下に簀の子が敷かれており、そのまま浴室になっている。
浴室と浴槽は石造りで、上湯と下湯に分かれ、下湯はぬるめで上湯は源泉がそのまま投入されやや熱めの設定。
無色透明の湯はわずかに硫黄臭。
入ってしばらくして上湯に挑戦したが、底に近い部分は温度が低かったので、しばらくかき混ぜたら熱くなくなった。
やさしい肌触りの湯だった。
出るのは正面からではなく男湯に近い側の戸で、ここは中からだけ操作できる回転扉だった。
大分の長湯温泉にも回転扉があって慣れないので戸惑った記憶がある。
● 別府へ
(九州横断バス・くじゅう号)
バス停に行くのに上川端通りを上った。
遅れ気味のバスにようやく間に合った。
一台後のバスに予約を入れていたのだが、急遽予定変更した。こちらのバスはさほど混んでは居なかったのでこのバス旅行も快適だった。
途中、バスが走り始めて10分ほどの瀬の本高原・三愛レストハウスでトイレ休憩があり、ここからやまなみハイウエーに入って牧ノ戸峠、くじゅう登山口、飯田高原など、くじゅう山の近くを通って湯布院に出た。
雪のため視界は良くなく景色は楽しめなかったが、湯布院に近づくに従って晴れ間ものぞいた。
由布院駅前のバスターミナルで大勢の客が降りた。
由布岳は山頂まで望むことが出来、別府に下りたら快晴だった。
● 別府温泉共同浴場巡り
別府の定宿になった別府ステーションホテルは四回目の宿泊。
駅前にあって便利だし、何よりも価格が安く、新築というところも良い。
お風呂はビジネスホテルはやしのお湯を引いて天然温泉というのもうれしい。
この日は到着時間が若干早く、直ぐにはチェックインが出来なかったので荷物を預けて、これまでの3回の訪問で巡り残した別府駅周辺の共同浴場を訪ねることにした。
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● 別府温泉 上原温泉(第11湯)
上原温泉は別府駅から山の手に向かう方向で、別府公園の近くなので駅からタクシーに乗った。
運転手さんは駅前の会社の車庫に車を付けて場所を確かめてから案内してくれた。
「うえはら」でなく「かみはる」温泉とのこと。
上原温泉は二階建ての公民館の一階にあり、番台は無人で、100円を番台の箱に入れて中に入る。
内部は、脱衣場と浴室はセパレートされているが間仕切りが無く、二段ほど低い場所の浴室内に小判型の浴槽が一つ。
先客が水道を出しっぱなしにして湯温を整えていてくれた所為か、シンプルな肌触りのお湯は適温だった。
| | (上原温泉) | |
(上原温泉浴槽) |
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上原温泉から流川通りまで5ブロックほど歩くと直ぐに雲泉寺温泉がある。
● 別府温泉 雲泉寺温泉(第12湯)
雲泉寺温泉は可愛らしい建物の温泉でやはり番台は無人。
外観も内部も比較的新しく、手入れがよい。
脱衣場と浴室がコンクリートの背の低い衝立でセパレートされているが間仕切りはなく、浴室浴槽共にタイル張り。
源泉のコックが壁際のタイルの上にあり、「→出」と「→止」が90度交差して表示されている。
入ったときは「→止」の方向だった。
湯温は誰かがうめたせいか適温。
| | (雲泉寺温泉) | |
(雲泉寺温泉浴槽) |
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ここのお湯もさっぱり系で出た後もぽかぽかとあたたかかった。
● 別府温泉 祇園温泉(第13湯)
祇園温泉は少し探した。
雲泉寺温泉よりやや下流で朝見川を渡り、八坂神社の手前を左折すると左側に祇園温泉があった。
朝見3公民館と同じ建物。
祇園の名は八坂神社の古名が祇園社(もしくは祇園宮)から付けられたのだろうか?。
(八坂神社の由緒)
(祇園温泉) |
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(祇園温泉浴槽) |
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(祇園温泉脱衣場) |
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番台に人がいてうれしかった。
ここは朝見3丁目の公民館の一階部分が浴場で、地元民に愛されている共同浴場の一つという。
脱衣場と浴室は一体型だが、浴室に行くには数段階段を下がる。
タイル張りの浴室と浴槽だが、浴室の床は高級な床材なのか面白い模様を描く。
小判型の浴槽はやや狭く、3人の先客が膝を折って入れてくれた。
お湯はあっさりしたお湯で、熱めの適温。
よく遠くまで来てくれたと歓迎された。
祇園温泉を出て、朝見川を渡り、流れ川通りを下ってタクシーを探した。
昼食はバスの中で「麓」のアップルパイを食べたが、別府で湯巡りをしている間に空腹になった。
で、久留米ラーメンに行ってラーメンを食べてお風呂に入ろうといういう魂胆で、別府駅を通り越し観光港近くまで行った。
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● 別府温泉 みなと温泉(第14湯)
さすが共同浴場の街別府だ。
みなと温泉は久留米ラーメンが運営する共同浴場で料金は300円のところ、ラーメンを食べた人は100円で入浴できる。
国道10号線にはド派手な看板が出ている。
(久留米ラーメン) |
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(看板) |
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時間外でかなり空いており、カウンター上の釣鐘をならして居眠りしていた店長に起きてもらい、もやしラーメンと高菜ラーメンを頼んだ。
(もやしラーメン¥630) |
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(高菜ラーメン¥630) |
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(同店メニュー) |
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ラーメンの味については特記すべきことはなかった。
さて、ラーメン店の裏にあるみなと温泉。
外観はくたびれた木造だが風情がある。
二階建て部分の一階に男湯があり、手前の張り出し部分に女湯がある。
内部はコンクリート造で、脱衣場は壁の木の棚の前で、その部分の床に簀の子が敷かれている。
コンクリートの浴槽にはパイプから勢いよく源泉が吹き出しているが浴槽内はぬるめ。
お湯は無色透明だが、コンクリートは析出物で茶褐色となっており、湯に浸かって薄暗い室内を見ると共同浴場らしい雰囲気にひたれる。
| | (みなと温泉) | |
(みなと温泉浴槽) |
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みなと温泉を出て、国道の海側に渡るとバス停があり、別府駅前にはバスで戻った。
別府ステーションホテルにチェックインしてしばしくつろいだ。
● 中華 一二三
今回の旅行の前に、別府で夕食に何を食べるかいろいろ考えいくつかのお店を検索してきたが、結局竹瓦温泉近くの「中華一二三」に行くことに決めホテルを出た。
竹瓦横町の路地を右折し、かぎりなく竹瓦温泉に近づいたころ、左側の角にお店があった。
(中華一二三の外観) |
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(店内) |
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店内に入って席を決め、メニューを見て驚いた。
中華料理が38番まで38種類。その横に洋食が38種類。さらにその横に麺類が18種類とご飯類が19種類書かれていた。
ネットでは老夫婦の経営と書いてあったが、店に入ったときは老料理人と若い美人の娘さんの二人だった。
しばらくして、老婦人が加わり三人体制になった。
(一二三のメニューの中華の部の一部)
(鶏肉の天ぷら¥850) |
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(エビチリソース¥1100) |
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(ポテトサラダ¥500) |
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ビールを頼み、メニューを詳細に検討し、2の鶏肉の天ぷらと16のエビチリソースを頼んだ。
ビールを飲みながら以上のおかずを食べ、サラダとライスを頼んだらもうそれ以上食べ物が入らないような気がしてこれだけの夕食となった。
何と楽しく、安上がりなことだったか・・・。
別府ステーションホテルに戻って地デジ対応のテレビを見た。
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第2日目
白河夜船の家人をホテルに残して朝の共同浴場巡りを再開した。
駅前のタクシーに乗って若草温泉へ。
● 別府温泉 若草温泉(第15湯)
若草温泉は若草公民館の一階にある。
若草公民館は、モルタルのペンキが鮮やかな色で目立つ建物だった。
階段の右が男湯で、100円を料金箱に入れて入ると直ぐに脱衣場。脱衣場は独立しており、木の脱衣用棚がある。
浴室は一段下でこぢんまりしたタイル張りの浴槽がある。
電源の場所がわからず、洗面器が無いので手でお湯を掛け、薄暗い浴槽に浸かっていると電気が付き地元の人が入ってきた。
お湯はぬるめのやさしいお湯。
出るとき、地元の人は電源スイッチの場所を教えてくれた。
| | (若草温泉) | |
(若草温泉浴槽) |
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● 別府温泉 餅ヶ浜温泉(第16湯)
若草温泉を出て日豊本線側に2ブロック歩き、右折して2ブロックほどで餅ヶ浜温泉に着く。
開業が7時からで、数分早かったのか男女各3人が待っていた。
ここも二階が公民館で一階が共同浴場。
鍵が開いて、フェンスとの狭い通路を入り口に進む。
入ると料金入れの透明なボックスがあり、料金は\150。
細長い脱衣場の後ろ側が浴室で、タイル張りの浴室には細長い浴槽がある。
大きさは先客3人でほぼ一杯一杯だったが、洗い桶を持っていないひろさんに気がついた先客の一人が、ちょっと待ってといって自宅に携帯で電話し、奥さんが洗い桶を持って駆けつけるという一幕があった。(感謝)
| | (餅ヶ浜温泉) | |
(借りた洗い桶とシャンプー) |
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この先客のもう一つの親切は、ここのお湯で朝頭を洗うと一日気持ちがよいということで、シャンプーを貸してくれたこと。
ここの源泉は最近温度が下がったのか、適温で入れるようになったとのこと。
道路側に源泉の受け槽があり、地下300メートルからくみ上げているとのこと。
この先客はほとんど裸同然で桶を2つ抱え戻っていった。
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● 別府温泉 京町温泉(第17湯)
駅の方に戻り、境川を渡るとすぐに京町温泉がある。
京町温泉は第3日曜日が休みなのだが、この3月の月末はペンキ塗り替えのため数日休業するので、第3日曜日は営業するのだという。
過去京町という名前に惹かれて入ろうとしたが第3日曜ということでトライできなかったので今回はラッキーという他ない。
建物はすっかりシートに覆い尽くされていた。
脱衣場と浴室が分離されており、脱衣場には小ぎれいな脱衣用棚があった。
浴室はタイル張りで、浴槽は結構大きい。
先客が居て、お湯が熱くないか聞いてくれて盛大に水を入れ適温にしてくれた。
若干のつるすべ感がたまらない。
昭和47年の温泉分析書が掲示され(縦書き)ており、泉質は含塩化土類重曹泉とあり、お湯の色は緑がかった透明色。
| | (京町温泉) | |
(京町温泉浴槽) |
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歩いて駅前のホテルに戻った。
過去に入ったいくつかの共同浴場の前を通って懐かしかった。
ホテルで朝食を摂り、帰り支度をした。
帰りの航空機は昼ごろなので、10時30分の別府駅前初のバスに乗りたい。
● 別府温泉 やよいの湯(第18湯)
最後に竹瓦温泉にでも入ってから帰ろうかということになり、流川通りを歩きながら最新の「べっぷ 市営温泉 温泉めぐり」を見ていたら、やよいの湯という名前が目に入った。
やよいの湯は流川通りからやよい商店街のアーケード下を曲がったらすぐに分かった。
黒塗りの面格子の建物に赤いのれんで、何やら小料理屋か焼鳥屋にしたいような建物で、これまでの別府の共同浴場のイメージと全く違う。
近づいてもっと驚いたのは近代的な自動開閉式の料金入れ。
コンクリートに固められたステンレス製の金庫付きの料金入れに\200を入れると正面の戸が自動開閉する仕組みになっている。
やよいの湯は24時間営業の無人の共同浴場で、内部は伝統的な別府の共同浴場に近い。
つまり、脱衣場と浴室が一体型で、違いがあるとすれば、浴槽が床より高いこととシャワーが付いていることぐらいか?。
浴槽は真ん中で仕切られ、源泉流入側に「あつめ」、下流に「ぬるめ」の表示があったがこの日はどちらもぬるめだった。
入った感じは若干のぬるすべ感があって、無色透明の湯はやや金気の味。
分析表によれば泉質は単純温泉で泉温は45.4度。
無人の24時間運営が、入浴する人のマナーなどで定着すれば新しい名物になると思った。
ホテルに戻って預けてあった荷物を取り、別府駅前のバス停から始発の空港行きリムジンバスに乗った。
(若干の情報)
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