全国秘湯巡り・信州
山田温泉大湯と湯田中温泉風呂の日
第1日目 東京→長野→須坂→
山田温泉→須坂→
小布施→
湯田中(星川温泉)
第2日目
湯田中(風呂の日共同浴場巡り)→長野→東京
第1日目
● 山田温泉へ
(山田温泉・大湯)
2008年秋、71歳になった。
2008年は梅雨明け頃から体調をくずしたが、70歳のカベはどうやら乗り越えることが出来たらしい。
リハビリとしての最後の旅行は一人旅が無事に出来るかどうかを試すため、長野県の山田温泉、小布施温泉、湯田中温泉を訪ねる事にした。
湯田中温泉は毎月26日を「風呂の日」と定め、地元専用の共同浴場を無料開放していると聞き、前日湯田中温泉に泊まって26日に無料開放の共同浴場三昧をする。
地元の組合員しか入ることの出来ない温泉を開放するのは別府と湯田中しか無さそうなので期待がふくらむ。
長野新幹線で長野まで1時間45分。長野から長野電鉄に乗り換え30分足らずで須坂駅に着く。
山田温泉はさらにバスで30分あまりかかるが、途中、リンゴの実る果樹畑の間を通ったり、農産物祭りのイベント会場前を通ったり、結構飽きのこないバス旅だった。
(長野電鉄普通列車) |
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(長電バス) |
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(色づき始めた山々) |
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● 山田温泉 大湯
山田温泉大湯は長い間訪れるチャンスを待っていた。
桃山風の建物のたたずまいと言い、浴槽の風情と言い共同浴場の一つの典型を示すものと思う。
バスは大湯の前の広場を一巡したら終点だった。
(大湯脱衣場) |
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(大湯大きな方の浴槽) |
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(大湯小さな方の浴槽) |
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大湯は伝統的な湯小屋造りの建物で大正昭和のお風呂屋さんのような印象。
番台で料金を払って入ると、ゆとりのある脱衣場があってその奥に浴室。
浴室は薄暗いく、全てが木造で、とば口に小さな浴槽があり、その奥に細長い大きな浴槽がある。
先客が歓迎してくれて、どこから何しに来たかを聞かれ、共同浴場の写真を撮り歩いていると答えたらいろいろと協力してくれた。
お湯は無色透明な硫黄泉で硫黄臭がかすかにする。ややうす酸っぱい味。
温度は適温で、入り口に近いお湯の意味を聞いたら、普段はこちらがぬるめで、大きな浴槽は熱めなのだそうだが、この日はどちらも同じような温度だった。
大湯の前の広場には足湯や一茶の句碑があり土産物屋も集中している。
一茶の句碑は「山田猿湯 春風に猿もおや子の湯治哉」とある。
えずくら土産物店で手作り温泉饅頭を買った。
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● 山田温泉 高井橋の紅葉
須坂に戻るバスにまだ間があったので、バスの途中から見えた「高井橋」に紅葉を見に行った。
(高井橋)
(高井橋からの眺め) |
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(高井橋) |
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須坂に戻り、長野電鉄で小布施へ。
● おぶせ温泉 穴観音の湯
小布施はちゃらちゃらした観光地で、女性と若い人に人気があり、例えば鎌倉の小町通りとか湯布院温泉に近い雰囲気の場所。
小布施には現役時代に仕事でよく来たので今は観光に興味がない。
今回は近年開発された小布施温泉に入るために立ち寄った。
小布施の市街地の外れの高台に、おぶせ温泉「穴観音の湯」と「あけびの湯」が並ぶ姿は何となく異様だが、小布施を訪ねてくる観光客には人気があるようだった。
(穴観音の湯エレベーター) |
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(眺望の良い内湯) |
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(露天風呂) |
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穴観音の湯はエレベーターで数階分を上り、渡り廊下で建物入り口に達する。
フロント前に券売機がある。フロントは広く、更に上階には食堂がある。
浴場はフロントの裏手で、脱衣場は結構混雑しており、眺望の良い内湯も混んでいた。
お湯は硫黄臭のあるやや青みがかった白濁湯で、湯温が低いせいか(42度)加熱し循環使用しているが、カルキ臭はせず、硫黄臭が勝っている。
露天風呂は浴室脇の階段を下り丁度内湯の外側に該当する場所に張り出している。
お湯は白濁しややぬるめ。
この温泉は昔小渕内閣の時に開発されその後数年で開業したとのこと。
時間を気にしながら穴観音様をお参りし、あけびの湯に移る。
● おぶせ温泉 あけびの湯
あけびの湯へは、一度エレベーターで下に戻り、隣り合った駐車場から正面玄関に行く。
あけびの湯の浴室は3階にあり、館内エレベーターで上に行く。
3階には男女浴室の他に休憩用ロビーや食堂がある。
脱衣場はあけびの湯の方が大きく設備もやや立派。
内湯については、どちらも同じようなコンセプトで、窓からの眺望もよく似ている。
露天風呂は、内湯から外に出て階段を下り丁度下の階あたりにある。
露天風呂はうす緑色。
泉質は 含硫黄・カルシウム−ナトリウム塩化物泉で湯温は 42.9度。
穴観音の湯もあけびの湯も結構なお湯だった。
日帰り入浴施設で、近年開発されたと聞いていたのであまり期待していなかったが、思ったより入り心地が良かった。
タクシーを呼んで小布施駅に向かったが、この日は北斎館近くのメインストリートがイベントのため交通規制をしており、ちょっとの差で所定の電車を逃し、40分ほど後の電車で湯田中駅に着いた。
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● 星川温泉 はくら
今日の宿は星川温泉「はくら」
「はくら」は星川温泉といっても限りなく新湯田中温泉に近く、事実毎週土日に行われる朝市からは目の下にあたる。
秋の陽が薄暗くなりかけた中「はくら」についたので、「はくら」が貸してくれる地元専用の共同浴場「富貴の湯」は明日に回し早速「はくら」の湯に入った。
(旅館「はくら」) |
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(はくらの浴室) |
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泊らのお風呂は総檜のバリアフリーのお風呂で、お湯も適温に調節されて流入していた。
今回は一泊朝食付きという内容だったので街に出て食事をしたが、湯田中の商店街で開けているお店が少なく、そば屋は一軒も見つからなかった。
結局「はくら」の近くの居食屋に入った。
メニューには食べたくなるようなものがなく、餃子と焼きうどんとビールというお粗末な内容になった。
第2日目
朝、明るくなりかけた頃富貴の湯に行った。
● 富貴の湯
富貴の湯は2階建ての建物に収まった結構なサイズの共同浴場で、浴槽は内部に間仕切りのあり、10人ほどが入れそうな大きさ。
お湯はやや熱めの単純泉でさっぱりとした入り心地。
先客がいろいろと教えてくれた。
富貴の湯は、湯河原地区の共同浴場で地区に所属する住民はかなり多いという。
共同浴場は地区毎に運営されるそうで、すぐ近くの湯田中地区の「風呂の日」を知らないとのこと。こんな行事を知らないのには驚いてしまった。
浴後、はくらの前を通り坂を上って朝市に行った。
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● 新湯田中 朝市
新湯田中朝市は三社神社の前で土日月の朝6時半〜7時半までの間行われる。
20軒ほどの農家が農作物や自家製の菓子、漬け物などを売る。
朝市は、全ての品物が安く新鮮なので、観光客の人気は上々だった。
漬け物やお菓子などお土産を仕入れた。
● 新湯田中温泉に2軒の共同浴場発見
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(鶴の湯) |
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(亀の湯) |
近くには、新湯田中温泉の巨大温泉ホテルが数軒あった。
また、共同浴場が2軒ほどあった。
鶴の湯と亀の湯で、次は新湯田中温泉に泊まってこの2軒に入浴したいと思った。
また、中華料理店で注文する人に無料でお湯に入れる店もあるそうな。
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宿に戻って朝食を摂った。
湯田中温泉の風呂の日は朝9時からとのことなので時間を見計らって宿を出て、湯田中駅で荷物をコインロッカーに入れて勇躍駅のすぐ近くの白樺の湯に向かった。
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● 湯田中温泉・風呂の日の共同浴場巡りは白樺の湯から
白樺の湯は駅裏の広場から、湯田中大湯に向かうメインストリートに入る角にある。
目の前のたばこ屋のおやじさんが「今開けたばかりだよ」と言ってくれた。
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(白樺の湯) |
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(白樺の湯浴槽) |
開けたばかりの白樺の湯に一人入っていた人はもう出るところだった。
鍵を開ける管理人が開けると同時に入ったが、あまりの熱さにお湯をかぶっただけで出るという。若い旅の人で数箇所に入りたいとのこと。
タイル張りに木の浴槽が素晴らしい。
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お湯の熱さはたいしたことはなく、43度〜44度か?。
さっぱりとした、だが若干ぬるぬる感のあるお湯だった。
次の共同浴場を考えると長湯は出来ない。
● 滝の湯
メインストリートを歩くこと100メートル足らずで反対側に「滝の湯」。
滝の湯は山ノ内町湯宮神社と隣り合っている。
鍵がまだ開いていないので通りがかりのおばさんに聞くと、今管理人が歩いてくるととのこと。
(湯田中メインストリート) |
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(滝の湯) |
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(鍵を開ける管理人) |
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(滝の湯浴槽) |
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(滝の湯脱衣用棚) |
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(山ノ内町湯宮神社) |
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鍵が開き中に入る。
サイズは白樺の湯とほぼ同じぐらい。こちらは脱衣室の中に履き物用の棚がある。
タイル張りの浴室にタイルの浴槽。熱さも同じぐらい。朝、地元の人が入ったときに適温にしたのかな?と思った。
お湯は同じような無色透明、やや硫黄臭のある塩味?っつぽいお湯だった。
● 鷲の湯
鷲の湯は湯宮神社をはさんで滝の湯とほぼ並んでいる。
「外湯開放中」の垂れ幕と「本日二十六日は風呂の日です 午前九時から午後三時まで無料開放いたします なごみの里」と焼いた字で書かれた杉板がうれしい。
建物はやや年季が入っていそうだが鉄筋コンクリート造の1階建て?。
(鷲の湯) |
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(風呂の日の看板と垂れ幕) |
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(鷲の湯浴槽) |
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男湯は向かって右側が入り口。
小さな脱衣場で衣服を脱ぎ浴室に入る。タイル張りの浴室の中央に細長い浴槽。 浴槽は5〜6人の定員。
源泉が絶えず流れ込み、脇に水道栓があり、「お互いに自分の水道ですから節水しましょう」とある。
熱めのお湯で、なめた味は滝の湯と同じ。
お湯は分析表によればナトリウム・塩化物泉(弱アルカリ性低張性高温泉)
肌に若干のすべすべ感。
水を出して適温にすると良いのだが誰か入って来ぬか?と気が落ち着かない。
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● 綿の湯
鷲の湯を出て次の共同浴場は綿の湯。
鷲の湯から40〜50メートルほどしか離れていない。瀟洒な木造で屋根が美しい。
内部の造りは脱衣場の無い一体型(浴室内に脱衣棚があるだけで、間仕切りがない)。
このタイプは西日本の、特に別府などに多いのだが、この近くでは湯田中大湯なども間仕切りがない。
浴槽はタイル張りだが木の縁取りでとてもくつろぐ。
● 千代の湯は湯払い中
湯田中大湯と湯田中駅を結ぶ道路をメインストリートとすると、その直ぐ下に平行して駅に通ずる道路がある。
この道路には、下から「千代の湯」と「脚気の湯」があり、どちらも風呂の日の公開浴場と町役場からの地図に記載してあった。
湯田中大湯を最後に残し、次に向かったのが千代の湯。
千代の湯は綿の湯から下の道路に出てすぐの所にある。
ところが、千代の湯は湯払い中で中高年のおじさんがブラシで浴槽の清掃中。
お湯が溜まるのは1時間半ぐらい後かな?とのこと。
急遽予定を変え、湯田中大湯に入るためメインストリートに戻った。
● 湯田中大湯
湯田中温泉のメインストリートをさらに遡ると左手に湯田中大湯がある。
数年前、湯田中6湯の大湯巡りというイベントがあって、そのとき入れてもらったので今回は再訪となった。
(湯田中大湯) |
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(湯田中大湯浴槽) |
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(湯田中大湯の脱衣棚) |
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湯田中大湯は貫禄の鉄筋構造で、内部は一体型(脱衣場と浴室に間仕切りの無いタイプ)で、内部は全て木製。
細長い浴槽は丁度身体をゆっくり伸ばせる幅があり誰でもくつろぐ事が出来る。
湯田中大湯も若干の硫黄臭、薄い塩味だが無色透明のお湯。
湯田中大湯を出て外で涼んでいたら、外の源泉枡のバルブにお湯を汲んでいる人が居た。
尋ねると、かってガンの手術をした後、このお湯を飲み、このお湯でお茶を入れ、ご飯を炊いたりすると調子がよいので毎日汲みに来るとのこと。
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● 脚気の湯
脚気の湯は湯田中大湯から下の道路に出ると目の前にある。
鍵が掛かっていて入ることが出来ないので、隣にある「丁子屋」という大旅館にお願いした。
丁子屋では女将さんらしき人が対応してくれ、鍵を持って外に出て、隣の脚気の湯に案内してくれた。
風呂の日でなくとも、丁子屋に宿泊した人には、脚気の湯とやや上にある「平和の湯」に案内するとのこと。
いずれ泊まってみたいと思った。
(脚気の湯) |
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(脚気の湯・浴槽) |
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(脚気の湯・脱衣場) |
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脚気の湯は木造の可愛らしい共同浴場で、脱衣場も2〜3人で満員になる。
浴室はタイル張りで、浴槽もタイル張り。
入り口近くの源泉受槽から蛇口が出て熱い湯が浴槽に流れ込んでおり、そのソバに水道の蛇口があった。
小さいということは、家庭のお風呂の延長と考えれば数人が入れれば十分なので組合員が少なければ小さくて良く、この方が負担が掛からないのではないかと考えながら、水道を使わせてもらってぬるくなるのを待ってのんびりと入った。
鍵はお湯を出ると自動的に掛かり次の人は入れなくなるが、入りたい人はまた丁子屋に頼めばよいのではないか?。
● ふたたび千代の湯へ
先ほど湯払い中の千代の湯に向かった。
脚気の湯からは湯田中駅の方向に歩いて1ブロック。
千代の湯の鍵は開いており、お湯は8分目ほど溜まっていた。
(千代の湯) |
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(湯払い作業中) |
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(後から入った千代の湯浴槽) |
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千代の湯も脚気の湯と同じような大きさで、浴室の壁以外は全て木製。
床も浴槽も木製なので肌触りがよい。
お湯が溜まりかけで熱いので、身体に掛けるだけにして直ぐに着替えた。
これで、目標の7湯全部に入ることが出来て3時間ほどとは上出来だった。
小さな地域に密集している共同浴場は、湯田中6湯を別にしても長野県では野沢温泉や上諏訪温泉と下諏訪温泉、青森県の大鰐温泉、山形県の上山温泉と赤湯温泉、福島県の飯坂温泉、群馬県の草津温泉、
兵庫県の城崎温泉、大分県の別府温泉、長湯温泉、湯平温泉、湯布院温泉、熊本県の人吉市など全国でも数が少ない。
このような貴重な財産を何とか保存し、地元の振興を図ると共に共同浴場愛好家に楽しんでもらう良い方法は無いものかといろいろと考えてみたい。
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湯田中駅に向かい、長野まで長野電鉄に乗った。
長野駅で荷物をコインロッカーに預け、バスで善光寺に行った。
● 善光寺へ
善光寺参拝は2004年7月の「渋温泉の旅」以来4年振りになる。
参道は相変わらずの大賑わいで、今年はツアー客と外人客が目立って多かった。
(善光寺山門) |
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(善光寺本堂) |
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(境内の紅葉2) |
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(そばまんじゅう) |
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(桂の街路樹) |
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昼食時間を過ぎたので新ソバを食べる手もあったが境内に長く居たかったので、新幹線の車内で弁当を食べることにして時間ぎりぎりまで善光寺の雰囲気を感じていた。
7年に一度のご開帳は2009年(平成21年)4月5日〜5月31日という。
長野駅行きのバスが渋滞に巻き込まれて若干いらいらしたが所定の長野新幹線に乗ることが出来た。
軽井沢周辺の紅葉がきれいだった。
(若干の情報)
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