「湯布院、湯平、別府(続編)」へ
全国秘湯巡り・九州
湯布院、湯平、別府再訪
第1日目 羽田→大分空港→湯布院→
湯平温泉
第2日目 湯平温泉→湯布院→別府
第3日目 別府→大分空港→羽田
第1日目
■ 別府温泉道
(別府八湯スパポート)
10月の誕生日記念旅行は例年航空会社のバースデイ特割で四国遍路に行っていたが、昨年は熊本県人吉の共同浴場巡りになった。
2007年はバースデイ特割の制度が無くなり、バーゲンフェアの割引をようやく取り、別府の再訪に決めた。
古希を迎えて共同浴場巡りもここに極まれりという気がしないでもないのだが・・・。
別府は100を超す共同浴場があり、しかも歴史が古く、市が率先して共同浴場を公開するように勧めている。
その好例が温泉道という、札所巡りならぬ温泉巡りの御朱印(スタンプ)制度で、8湯毎に初段から昇段し、88湯を巡ると結願でなく、温泉道の名人位授与という制度を創案した。
「別府八湯温泉道事務局」(別府市観光協会内)に問い合わせた結果、既に1181名の名人位がいらっしゃるという。(2007年11月19日現在)
前回、この制度をトライしたらどうか?と鉄輪温泉の旅館の女将が勧めてくれたのだがその気になれなかったが、今回はなぜか思い立って別府八湯表泉家・BEPPU HATTO SPAPORT を入手し少なくとも初段の段位を取りたいと気がはやった。
別府八湯温泉道の顛末(1)
だが、今回の旅は、家人の希望もあり、湯布院から共同浴場巡りが始まった。
■ 湯布院へ
季節外れの台風20号が九州の南海上に発生し、早朝鎌倉を出るときは余波の雨が降り始めた。
羽田も雨で、航空機は15分ほど遅れ、揺れる中を大分空港に着いた。
大分は曇りで早朝は激しい雨が降ったという。台風は四国沖に進み九州の天候は次第に上がってくるとのこと。
高速道路が山にさしかかって、トンネルを出たり入ったりし始めると一面霧の中だったが、由布岳は頂上も見え隠れし、共同浴場巡りの天気としてはまあまあの状態だった。 事前の調査では、湯布院温泉には公式には3つの共同浴場があるとのことだったが、各地区にいくつもの共同浴場があり、公開したり公開していなかったりという状態とのことだった。
巡る順序は先ず下ん湯に入り、ぬるかわ温泉、ゆのつぼ温泉、乙丸温泉館とまわって駅前に出る。その後荒木共同浴場か石松共同浴場に入って湯平温泉に向かうというもの。
下ん湯
時間の節約のため下ん湯まではタクシー利用。
家人は下ん湯は混浴だからという理由で敬遠し、ぬるかわ温泉で待つという。
下ん湯は金鱗湖に面しており、手前に小川のせせらぎがある。茅葺きの風情ある湯小屋。
(共同浴場「下ん湯」)
(下ん湯) | |
(下ん湯の内湯(手前)と露天風呂) |
|
(下ん湯の露天風呂) |
|
|
|
|
|
ポストに料金を入れ、中に入ると、衝立の奥にすぐ内湯の浴槽があり、左右に脱衣棚があるだけの簡素なもの。 内湯の奥に露天風呂が金鱗湖にせり出すようにしつらえてある。浴室の床は鉄平石で内湯は木の縁取り。露天風呂はコンクリート造り。
先客は博多から来た老夫婦で、奥さんは居心地が悪いのか、ひろさんに対し「奥さんも入れば良かったのに」と。
湯はぬるめだが肌触りが良くなめらかで、源泉の流入量は弁の操作で調節可能。
博多の老人夫婦が出た後、若い人が入ってきたり観光客が中まで入ってのぞき見したり。
無色透明のお湯は身体の芯まで温まった。
金鱗湖は小さな池で、お湯がわき出しているせいか水面に湯気が立っている。
団体客が対岸から植え込みを通して下ん湯の露天風呂をのぞいたりする。
下ん湯の前に非公開の地元用「堂本湯(岳本地区共同浴場)」があり鍵がかかっていた。
ぬるかわ温泉
食堂や土産物屋の建ち並ぶ地区をちょっと歩くとぬるかわ温泉。
旅館の日帰り温泉施設として露天風呂が公開されている。
受付で入浴料金を払い別棟の浴場へ。
(ぬるかわ温泉) | |
(ぬるかわ温泉露天風呂) |
|
|
|
|
|
|
浴場は男女別で入ると脱衣場。
脱衣場の隣が薄暗い内湯で、内湯の隣に、半分屋根が掛かった露天風呂。
露天風呂は巨石でかこまれ、一部仕切りの塀があり、後は木々に囲まれている。
ぬるめのお湯が気持ちよい。
|
(「九州湯布院民芸村」)
ぬるかわ温泉を出て、川沿いに歩く。
川沿いの道は細い場所もあるが散策には最適。
九州湯布院民芸村では何台かの大型バスからお客が吸い込まれるように入って行く。 湯の坪川が合流し、ほたる橋を渡ってしばらく歩くと共同浴場・ゆのつぼ温泉。
ゆのつぼ温泉
| |
(ゆのつぼ温泉) |
|
(ゆのつぼ温泉浴槽) |
ゆのつぼ温泉は平成7年にリニューアルされた共同浴場。檜と鉄平石の造りでグレードが高い。
浴槽は木の縁取りでかなりの広さ。お湯は単純温泉で泉温は64度。
なめらかな肌触りで無色透明、無味無臭。
観光客がのぞかないのも良い。
|
|
|
|
|
湯布院の散策のメッカは湯の坪街道。
ゆのつぼ温泉を出て湯の坪街道方面に歩く。
昼食時間だったのでブティックから顔を出しているおかみさんに聞くと「田舎庵」が良かろうという。昔ながらのそば屋で、観光ずれしていないとのこと。
田舎庵のうどんとそば
田舎庵の場所は、湯の坪街道と並行して走る国道216号に面しているが、湯の坪街道から歩いても数分の距離。
(田舎庵) | |
(山おろしうどん \750) |
|
(ざるトロそば \750) |
|
|
|
|
|
田舎庵のうどんは細めで腰が強く、辛めの大根おろしと山芋がよくからんだ。
そばも香りが良く、腰があり、結構なボリューム。
お店はほぼ満員状態だった。
湯布院散策
昼食後湯の坪街道を由布院駅方面に向かう。
多くの人通りで、各お店は繁盛しているように見えた。
(土産物・味な蔵) | |
(児童公園のSL) |
|
(由布岳) |
|
|
|
|
|
乙丸温泉館
湯の坪街道は白滝橋で駅前の大通りと合流する。
駅方向に歩くとホテル湯布院クラブの駅側に乙丸温泉館がある。
駅から歩けば徒歩5分位、ゆのつぼ温泉から10分足らずか。
| |
(乙丸温泉館) |
|
(乙丸温泉館浴槽) |
乙丸温泉館は町の銭湯。湯布院の町のど真ん中にある温泉公衆浴場で、脱衣場、浴室、浴槽ともに広い。
石で縁取られた浴槽に源泉が惜しげもなくそそがれていた。
|
|
|
|
|
乙丸温泉館を出る時気がついたのだがスニーカーの踵の底が離れかけていた
補修はききそうに無く、靴を買い換えることが必要だった。
折しも女湯から出てきたおかあさんに聞いたらすぐそばに靴屋があるといって、大通りに面した靴屋までついてきてくれた。
靴の購入後、靴屋のおかみさんに共同浴場のことを聞いたら、候補にあげた共同浴場のうち、荒木共同浴場が一番近そうだった。
で、一度由布院駅に入った。
家人は駅付近でのんびりするとのことで、ひろさんは荒木共同浴場へ。
荒木共同浴場
荒木共同浴場は駅から徒歩10分ほどの距離で、JR久大線が日田方面に向かう線路際にある。 駅前の道路を最初の道(コンビニ・ファミリーマートの角)で左折し、湯布院小学校の校庭の先のガソリンスタンドでさらに左折し、道路がJRの線路沿いとなり、道路の右側に神社の鳥居が見えるとあたりで、線路の向こう側に浴場の屋根が見える。
(線路の向こうに屋根が・・・) | |
(荒木共同浴場浴槽) |
|
(浴室内の壁の棚) |
|
|
|
|
|
荒木共同浴場は脱衣と浴室一体型の質素な共同浴場だったが、湯小屋の前でポンプでくみ出している源泉が浴室内の小さな枡にあふれ、数人が入れば一杯になる小さな浴槽に浸かれば幸せな気分になる、極上の雰囲気の共同浴場だった。
お湯から出て、来た道を戻るとき、付近の人が近道を教えてくれた。
途中、線路沿いの駐車場は向こう側が由布院駅なので駐車場を抜ければすぐに駅に着くとのこと。この道だと10分足らずだろうか?
由布院駅
由布院駅に戻った。
由布院駅は磯崎新の設計。 若い女性の駅員さんとよく似合う。
家人と落ち合い、湯平までの切符を購入しワンマンカーに乗った。
(由布院駅) |
|
(駅員さん) |
|
|
|
(大分行きワンマンカー)
| |
(途中のトンネル) |
|
(湯平駅) |
|
|
|
|
|
■ 湯平温泉
湯平駅の待合所には、ご存じフーテンの寅こと「男はつらいよ、花も嵐も寅次郎(第30作)」のロケ地記念の写真が沢山展示され、昭和のよき時代を若干残していた。
湯平駅前にはタクシーがいなかったので、湯平温泉の坂本屋に電話をし迎えに来てもらうことにした。
坂間屋旅館の親父さんの車で5〜6分で湯平温泉。
坂本屋旅館は温泉街の入り口に近い場所にあった。
チェックインもそこそこに共同浴場巡りに飛び出す。
宿を出たとたんに石畳の道が始まり、情緒ある温泉街が展開する。
湯平温泉の石畳と温泉街
(湯平温泉温泉街1)
(湯平温泉温泉街2) |
|
(湯平温泉温泉街3) |
|
|
|
● 湯平温泉共同浴場巡り
入った順序は若干違うのだが湯平温泉の共同浴場を主に上流から紹介しよう。
金の湯
湯平温泉宿泊者は各旅館に100円の入浴券がおいてあるので必要分を購入すると良い。
共同浴場巡りは最上流の金の湯から。
金の湯は花合野川の左岸にあり大湯源泉や飲泉場に近い。
| |
(金の湯) |
|
(金の湯浴槽) |
入浴料金は入り口の前の箱に入れる。
脱衣場はさほど広くなく、木の脱衣棚があるだけ。
浴室と浴槽はタイル張りで、源泉流入口は蛇口で、水道の蛇口と隣り合っている。
お湯はさっぱりとしたお湯だが、よくあたたまる。
|
|
|
|
|
金の湯を出ると下流側にも橋があり、温泉街に戻ることが出来る。
中の湯
温泉街の石畳を下るとすぐに中の湯。
(中の湯)
| |
(中の湯浴槽) |
|
(中の湯のシンボル丸ポスト) |
|
|
|
|
|
中の湯は2007年3月にリニューアルされた。
ま新しい共同浴場は奇数日は女性、偶数日は男性が入る。
脱衣場も湯殿もぴかぴかで、浴槽の檜の縁取りや源泉流入口がまぶしい。
窓が大きく、ベランダが付いていて花合野川がよく見える。
中の湯の前の広場には丸ポストがあってシンボルになっているが、温泉場のイベントはここで行われるとのこと。
中央温泉(砂湯)
中の湯から石畳の道をやや下ると旅館白雲荘の角に道しるべがあって中央温泉の矢印。
中央温泉は橋を渡った左側で、花合野川の川原に向かって石段を下りる。
中央温泉は花合野川の水面より低い場所に浴槽があったため、浴槽に砂が入ったりして砂湯とも呼ばれるとのこと。
中央温泉もリニューアルされたばかり(2006年4月)で結構新しく、気持ちがよい。
下駄箱と脱衣棚が紛らわしい。脱衣場所がやや狭く、浴室もさして広くないが、コンクリート造の浴室に木の縁取りの浴槽は中の湯と仕様が似ている。
やわらかな、ぽかぽかあたたまるお湯は湯平温泉の特徴だろうか。
銀の湯は坂本屋と隣り合っているので明朝にまわし、再度花合野川の橋を渡って橋本温泉を訪ねた。
橋本温泉
橋本温泉の建物はやや年期が入っていた。
| |
(橋本温泉) |
|
(橋本温泉浴槽) |
浴室は脱衣場との一体型だが、結構広い。
洗い場が天草の砥石、羽目に張った石は鉄平石、浴槽がタイル張りという見事なもの。
浴槽には木の間仕切りがしてあり、手前がややぬるめ。 源泉は浴槽の中に直接流入していた。
|
|
|
|
|
お湯は若干のぬるぬる系で肌触りが良かった。 銀の湯が源泉。
先客は元共同浴場の管理の元締めで、いろいろな話をしてくれた。
由布市の財政が厳しいので共同浴場のリニューアルは県、市と地元の三分の一負担でそれぞれ300万円ずつだとか。
また、ツール・ド・湯平というサイクリング大会の裏話もあった。
銀の湯を明日の楽しみに残して坂本屋旅館に戻った。
温泉街のとば口にある坂本屋に戻ったら夕食はすぐだった。
坂本屋旅館
坂本屋の玄関、浴室と今回の夕食はおよそ以下の通り。
(坂本屋) | |
(坂本屋浴槽) |
|
(坂本屋の夕食1・豊後牛陶板焼) |
|
|
|
|
|
(モズク) |
(里芋のだんご揚げ) |
(刺身) |
(天ぷら) |
|
|
|
|
(鮎の塩焼き) |
(豆腐のグラタン) |
(刺身) |
(おすまし) |
|
|
|
|
質量ともに適切で、1万円を切る宿泊料とともに大いに満足感を得た。
第2日目
早朝、昨日残しておいた銀の湯に入った。
銀の湯
銀の湯は坂本屋の隣。
| |
(銀の湯) |
|
(銀の湯浴槽) |
脱衣室には木の棚があり、浴室は結構広い。
コンクリート造の浴室に木の縁取りのある浴槽。
7〜8人は入れそう。
木の源泉流入口から独自源泉(銀の湯源泉)がそそぐ。
ややぬめりけのあるお湯は肌がつるつるになる。
|
|
|
|
|
坂本屋に戻り、朝食。
朝食後、ご主人に湯平駅まで送ってもらってワンマンカーで湯布院に戻り、駅前のバスターミナルで別府駅行きのバスに乗った。
以下★「湯布院、湯平、別府(続編)」へ
(若干の情報)
全国秘湯巡りTop/
Next 湯布院・湯平・別府(続編)
Home
|