全国秘湯巡り・上州
草津温泉再訪と湯宿温泉
第1日目 東京→高崎→長野原草津口→
草津共同浴場湯巡り
第2日目 草津→
草津白根→草津→長野原草津口→後閑→
湯宿温泉
第3日目 湯宿→
猿ヶ京温泉→上毛高原駅→東京
第1日目
■ 草津へ
(草津白根の湯釜)
例年5月の連休は航空会社のバースデイ特割で四国遍路に行っていたが2007年4月からANAに続いてJALまでもが特割制度を廃止した。
5月の連休はJR東日本のジパングクラブの割引も除外日になっており安く旅行できる手だては無くなった。
近場で楽しめる旅は出来ないモノか?
考えたあげくに、あと十数湯で300湯になる共同浴場巡りの適地として草津を思いついた。
草津の共同浴場は18湯のうち昨年夏に10湯まで入っている。
残りの8湯を全部入ったとして、さらに3湯足さないと300湯にならない。
そこで、湯宿温泉の4湯を全部入れば300湯を越すではないか。
また、草津白根は残雪があって最適なシーズンではないか?
かくして、ゴールデンウイークの混雑の中を草津に行くことになった。
草津温泉の共同浴場18箇所は下記の通り。
■ 草津共同浴場巡り
いつもなら上野発の在来線特急に乗るのだが、早く草津に着きたいので、高崎まで上越新幹線を使い高崎から在来線の普通電車に乗った。
ゴールデンウイークの連休の初日とあって全てが混雑していた。
各駅停車の吾妻線は、ようやく春めいてきた吾妻川のほとりを、季節をさかのぼるようにして長野原草津口に着いた。ここは春の盛りで桜の花が咲き乱れていた。
渋滞もなく予定通り草津着。
初っぱなは、徒歩では行けない共同浴場と決めていたので、コインロッカーに荷物を入れ、タクシーでこぶしの湯(1湯目)を目指した。
こぶしの湯は六合村(くにむら)への道路(国道)沿いにある。
こぶしの湯に行く途中、運転手から恵の湯や睦の湯の場所を確かめておいた。
(こぶしの湯) | |
(こぶしの湯浴槽) |
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こぶしの湯は坂の途中にあり、女湯が国道沿い、男湯が路地の奥の方にある。
お湯は万代鉱が源泉で強烈な酸性。 飲むと酸っぱいが硫黄臭はほとんど無い。
思ったより熱くなく快適だった。
入っていたら地元の人が一人来てモデルになってくれた。
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睦の湯(2湯目)はこぶしの湯から、国道292号線を信号1つ分だけ戻って、国道からわずかに曲がった所にある。
途中、鯉のぼりが翻り、唐松が芽吹き、辛夷が咲き乱れていた。徒歩7〜8分で睦の湯。
(睦の湯) | |
(睦の湯浴槽) |
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睦の湯は比較的大きな共同浴場。
脱衣場/浴室ともにゆとりがあり、浴槽はコンクリート造。
湯畑から引き湯した源泉があふれていたが、思ったほど熱くなかった。
陽光がまぶしいほど差し込んでいた。
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恵の湯(3湯目)は睦の湯から近い。
実際の位置はこぶしの湯との中間であるが、道は睦の湯からの方がわかりやすく、睦の湯からは、睦の湯前を3ブロックほど東に行ったところである。
(恵の湯) | |
(恵の湯浴槽) |
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恵の湯はこぢんまりとした共同浴場。
脱衣場/浴室ともに小さく、浴槽はコンクリート造。
万代鉱の源泉は超酸性で、身体がひりひりし、入ると足先に湯が行き渡るような感覚を覚える。
共同浴場巡りの若者がポーズをとってくれた。
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睦の湯に近い、国道の信号の所にあった道産子ラーメンの店「アルプス」で昼食。
(ラーメン・アルプス) | |
(味噌ラーメン\650) |
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(ラーメン\550) |
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店でタクシーを呼んでもらって躑躅(つつじ)の湯へ。
車は住宅地の中を急坂を上ってすぐに躑躅の湯。
躑躅の湯(4湯目)は長野原草津口から草津に入る入り口に近い。
(躑躅の湯) | |
(躑躅の湯浴槽) |
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躑躅の湯は国道と道の駅に近くいつも混んでいると言われている。
さほど小さくは無いのだがともかく人が多い。
写真を撮らせてもらうタイミングが難しかったが、手に包帯を巻いた職人風の男がみんなに口をきいてくれた。
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躑躅の湯を出て、後は下りなのでバスターミナルの方向に歩いた。
バスターミナルに着く寸前にある千歳の湯(5湯目)をのぞいたら空いていたので入ってみた。
(千歳の湯) | |
(千歳の湯浴槽) |
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千歳の湯はバスターミナルに近い住宅地のなかにある。
こぢんまりした浴場で、浴槽も4〜5人ほどしか入れない。
源泉は湯畑で万代鉱に比べ若干でも酸性度が低く硫黄臭もある。
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千歳の湯を出て、近くの喜美の湯に行く。
歩いて4〜5分。こちらは混んでいたので後にまわそうと、バスターミナルでコインロッカーから荷物を出し、湯畑に向かった。
湯畑では、白旗の湯の源泉を見て、さらに白旗の湯に入ろうとしたら満員であきらめ、湯畑下に下りた。
(手湯と足湯) |
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(湯畑下の混雑) |
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日新館
旅館は湯畑の下の「日新館」。 千代の湯の手前の一等地にある。
日新館は草津最古の旅館といわれ、いろいろと古いモノが残っていた。
(日新館) |
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(日新館浴槽) |
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まだ日が高く、この午後を過ごすには2つの案があったが、白根火山の湯釜は明日午前にまわし、この日は出来るだけ共同浴場に入り、余力で西の河原露天風呂を再訪することにした。
家人は湯疲れと称してごろごろしていたので長栄の湯に向かった。
昨年、一田屋から行ったのに比べて、長寿の湯まで非常に近く感じ、その長寿の湯の前を道なりに歩いたら長栄の湯(6湯目)は近かかった。
(長栄の湯) | |
(長栄の湯浴槽) |
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長栄の湯は草津町町営住宅のなかにある。
東殿塚区の公民館を兼ねた建物はしっかりとしており、浴室内には向かい合って浴槽と上がり湯があった。
源泉は万代鉱。
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宿に戻るときに気がついたが、長寿の湯は新しくなったらしい。
昨年は交番みたいな建物だったが、今は湯小屋として立派になったみたい?。
ただ、写真を撮るのを忘れ、建物に見入っただけで宿に戻ったので、後から写真を撮っておけば良かったとほぞを噛んだ。
休養のすんだ家人と共に、西の河原通りの人混みを歩いた。
無料で配る温泉まんじゅうを頬ばり、温泉卵を食べて西の河原につき、西の河原露天風呂(7湯目)に入った。
今回は前回以上に人が多かったが、やはり気持ちの良い露天風呂だ。
湯畑に戻る。
(無料で配る温泉まんじゅう) | |
(串焼き屋) |
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(温泉卵の製造販売) |
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(西の河原公園) | |
(西の河原露天風呂) |
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(湯畑前の老舗旅館) |
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日新館に戻るとすぐに夕食。
品数は多かったが印象に残る食べ物はあまり見あたらなかった。
夕食後、白旗の湯に入りに行ったが満員だったので明朝にまわし、喜美の湯(8湯目)に行った。
(喜美の湯) | |
(喜美の湯浴槽) |
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喜美の湯は間口は狭いが奥行きはかなりある共同浴場で、脱衣場/浴室一体型。 浴室はコンクリート、浴槽はタイルの張りの底に木の縁取り。
お湯は結構熱かった。
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宿に戻ったら結構な時間になっており、早々に就眠。
第2日目
翌日、早起きして白旗の湯(9湯目)に行った。
早朝にもかかわらずすでに満員。
ともかく入ってみる。
脱衣場は人数に比して狭いが、浴室は結構広い。全て木造の室内の風情がある。
(白旗の湯) | |
(白旗の湯浴槽・小) |
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浴槽は大小2つ。
大はぬるめ、小は熱め。小は地元の人が多い。
同じ源泉だが、空気に触れる時間が長いと白濁、短いうちは透明とのことで、小はほとんど透明だった。
雰囲気も湯もとても良く、人気は草津一と言われる理由がよくわかった。
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日新館に戻って朝食。
朝一番のバスで草津白根の湯釜を訪れるので、チェックアウトしてバスターミナルに向かった。
さしたる渋滞も無く所定の時間に白根火山(白根レストハウス)のバス停に着いた。
長野県側からも多くの車が来ていて、湯釜までは人の列がつながっていた。
歩道に雪が残っている場所もあり、上り下りのどちらも靴が滑って難儀している人も居た。
(湯釜への人の列)
(湯釜)
(白根レストハウス駐車場付近)
白根火山バス停付近に1時間ほど居て草津に引き返した。
下るときには、草津から白根火山に向かう道は大渋滞で長い車の列があった。
草津バスターミナルに戻って、昼食には若干の時間があったので、昨日入ったバスターミナルから一番近い千歳の湯を再訪し、さっとお湯に浸かった。
バスに乗りっぱなしで、残雪で冷えた身体が熱いお湯の中で瞬時にほぐれた。
近くに共同浴場がある場合はちょっとした時間ももてあますことはない。
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(ネギの掻揚げソバ) | | (やまかけソバ) |
昼食はバスターミナル近くのそば屋。
家人とそれぞれ別のソバを摂った。
連休の最中でお店は大繁盛だった。
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早めにバスターミナルに戻ったら、渋滞が予想されるので、長野原草津口駅まで臨時バスを出すという。
下りのバスは順調で、長野原草津口は春爛漫の陽気だった。
各駅停車の列車を渋川で乗り継ぎ、上越線を下って後閑駅に着いた。
後閑駅からは上毛高原駅経由の猿ヶ京行きバスに乗った。
■ 湯宿温泉
バスは国道17号線を赤谷川に沿って走り、程なく湯宿に着いた。
湯宿温泉は、国道と平行して走る旧三国街道沿いの200メートルほどの小さな温泉場で、平成4年にこの200メートルほどの旧街道は石畳で覆われ、また、4軒ある共同浴場は新しく改修された。
(湯宿バス待合所) |
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(共同浴場前でバッティング練習) |
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今晩の宿は「金田屋」。金田屋は一部が国道に、一部が旧道に面している。
荷物を置いてすぐに、旅館から共同浴場の鍵を借り共同浴場巡りに出発した。
最初の共同浴場は湯宿温泉を代表する窪湯。
窪湯は金田屋の真裏で、割り当てられた座敷の窓からよく見える場所にあった。
(窪湯) | |
(窪湯浴槽) |
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窪湯は平成4年の改修なので建物も内部も新しい。
脱衣場と浴室はセパレートされ、浴槽は石造りで立派で、しかも滑りにくい。
お湯はきりりと熱め。無色透明、無臭、やや塩味。
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窪湯を出て、一軒おいた先が小滝の湯。
小滝の湯はこぢんまりとした共同浴場だが、窪湯と同じ頃改装されたという。
(小滝の湯) | |
(小滝の湯浴槽) |
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小滝の湯も、建物、内部とに新しい。
脱衣場と浴室は一体型で間仕切りが無く、浴槽はタイル張り。
浴槽には4〜5人が入れる。
お湯は同じ源泉。窪湯の脇から噴出し、小滝の湯の前に貯湯タンクがある。
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小滝の湯から、窪湯前に戻り旧道を下流に向かうとしっとりとした街並みが続き、右手に国道に通じる路地があって直ぐに共同浴場松の湯。
松の湯はかなり年期の入った建物で、奥に細長い。
(松の湯) | |
(松の湯浴槽) |
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松の湯は、建物内部の柱上部に昭和43年新築とあり、平成元年に改修されたとい木札が掲げられていた。
脱衣場と浴室は一体型。浴槽はタイル張り。
浴槽には6〜7人が入れ、女湯の浴槽と水面下でつながっていた。
お湯は全て同じ源泉。
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松の湯を出て、旧道に戻るとすぐに竹の湯。
竹の湯の前では子供達が野球の練習をしていた。
(竹の湯) | |
(竹の湯浴槽) |
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竹の湯は、平成4年に改修された。
脱衣場と浴室はセパレートされ、間仕切りの戸はまだ新しい。
浴槽には5〜6人が入る事が可能で、石造りの浴槽が高級感をただよわせる。
地元のおじさんと世間話・・・。
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湯宿温泉・金田屋
宿の金田屋に戻る。
金田屋は昔の商人宿?。
温泉宿としても生きながらえ、昔の風情が残る建物と近代的経営が混在する。
程なく夕食。
夕食の内容は以下・・・。
(ヤマメの塩焼) |
(マグロのユッケ) |
(地鶏の鍋・味噌仕立) |
(山菜の天ぷら) |
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(冷汁) |
(空也蒸し) |
(野菜の煮物) |
(漬け物) |
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マグロのユッケはマグロの他にカラシメンタイ、山芋千切り、ゼンマイなど、冷や汁はツクシ、ゼンマイ、ウルイなど、空也蒸しは豆腐、葛、小エビなど、野菜の煮物は筍、ワカメ、厚揚げ、にんじん、シメジなど。(以上家人のメモによる)
結構な夕食は前日の草津「日新館」以上の内容だった。
第3日目
朝の散歩は薬師堂へ。
旅館街の中程から山側に上ると竹林の先の開けた場所に薬師堂があった。
歴史のある薬師堂とのこと。
薬師堂から温泉街に下って、小滝の湯前の湯宿温泉貯湯タンクを見た。
■ 猿ヶ京温泉
朝食後、チェックアウトして最後の訪問地の猿ヶ京温泉にバスで向かった。
猿ヶ京温泉は、旧三国街道沿いの一角が、昭和33年、ダム建設のために赤谷湖に水没したため街を移し、さらには名前も改めた比較的新しい温泉場で、従って湯宿温泉ほど共同浴場は育たなかった。
ネットで調べた結果「いこいの湯」という共同浴場があり評判が良さそうだった。
いこいの湯は猿ヶ京温泉のバス停から、旧三国街道を10分あまり歩いた三国峠側にあった。
途中、「おがんしょめぐり」と称して、むかしからの信仰の対象だった石仏などを発掘した幟旗とお地蔵様などが楽しかった。
(おがんしょめぐりの幟旗) | |
(子育地蔵) |
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(いぼ地蔵) |
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(いこいの湯) |
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(いこいの湯浴槽) |
いこいの湯は古民家を思わせる建家で駐車場が広い。
内部もゆとりがあり、番台の先はこたつのあるロビーで、左側に男女の風呂場。
脱衣場も浴室もゆったりとしており、浴槽は石造りで木の縁取り。
思った以上の収穫だった。
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入っていた人は横浜の住人で、横浜→喜多方→新潟→群馬というラーメンと共同浴場巡りの締めくくりにいこいの湯に立寄ったとのこと。新潟では出湯温泉の出湯共同浴場とか湯沢の元湯や駒子の湯の話をしていた。
いこいの湯を楽しんだ後、バス停に戻り、出発間際の後閑行きバスに飛び乗って2つ目のバス停「見晴下」で下車(歩いてもたいしたことのない距離だったが・・・)、階段を20段ほど上って「まんてん星の湯」に行った。
(まんてん星の湯) |
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(露天風呂) |
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まんてん星の湯はいわゆる日帰り温泉施設で、多くの人で賑わっていた。
屋内の大浴場はカルキ臭がしたが、露天風呂の方はいくつかの湯温別になっており、赤谷湖の見晴らしが素晴らしかった。
館内には休憩室と食堂などがあって、帰る時間まで、昼食を摂りながらのんびりと過ごした。
見晴下のバス停に戻ってバスに乗り、湯宿温泉の前を通り、上毛高原駅で下車。新潟新幹線であっという間に東京に着いた。
(若干の情報)
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