全国秘湯巡り・九州
別府湯の旅
第1日目 羽田→大分空港→別府→明礬温泉→
鉄輪温泉
第2日目 鉄輪温泉→別府温泉→
浜脇温泉
第3日目 別府→杵築→大分空港→羽田
第1日目
■ 別府へ
(駅前高等温泉)
別府は共同浴場好きにとってはほとんど聖地に近い。
ひろさんの現役時代、会社が日出で仕事をしていたころ出張と言えば別府の温泉に泊まって仕事場まで通ったものだが、出張では共同浴場に足を踏み入れることは無かった。
リタイアして、いろいろの趣味の中で年齢と共に温泉を巡る旅が好きになり、ついには共同浴場巡りが趣味となったので、温泉場に行くときは共同浴場の多い温泉場を好むようになった。
共同浴場では西高東低とはよく言ったもので、九州は共同浴場が特に多いが、大分県はその最たるもので、別府はぬきんでて共同浴場が多い。
以下は別府市役所から頂いた一覧表で100カ所を越える共同浴場が列挙されている。
実際にその一部を訪れてみて、既に閉鎖中の共同浴場は除外し、リストに無い場合は加筆してみた。ただし最後の<市・区・私有私営温泉>は情報が少なく、一部推定が含まれる。また、旅館が公開している施設は全く含んでいない。
■ 大分空港道路の桜
(桜並木が続く) |
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(JR亀川駅) |
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別府に出るリムジンバスの車窓に、大分空港道路の桜並木が続いた。
樹齢はそう多くないが、日当たりが良いのか手入れが行きと届いているのか、今を盛りの桜並木だった。 空港道路は、現役時代に良く日出に通ったときには完成していなかった。 だから、道路完成と共に植えられたと思われる。
大分空港から明礬温泉に行くには、別府までバス、別府からもバスというのが一般的だが、時間の節約から、亀川駅でタクシーに乗り継ぐ方法を考えた。
■ 明礬温泉の浴場巡り
タクシーの運転手はこちらの質問には答えず、一方的に自分の言いたいことだけを言っているので、拠点をどこにするか決められず、結局湯の里まで行ってしまった。
湯の里は、複合的な施設で、食事場所や露天風呂、湯の花の採取小屋などがあり結構なのだが、共同浴場巡りをした後で戻る時は全て登りになってしまう。
(湯の花採取小屋) |
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(湯の里の露天風呂) |
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(湯の花小屋を模した家族風呂) | |
(だんご汁) |
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(とり天) |
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家人を湯の里に残して共同浴場巡り。
スタートは「鶴寿泉」(1湯目)。
(鶴寿泉) | |
(鶴寿泉浴槽) |
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鶴寿泉はバス停「地蔵湯前」から別府方面に小道を数分下った所にあるシンプルな共同浴場。浴槽は木で肌触りが良い。
お湯は強酸性でやや白濁。
思ったより熱くなく快適だった。 市営で無料。
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鶴寿泉の印象は別府の共同浴場巡りのデビューとしては上々だった。
ロケーションの素晴らしさも、お湯の良さも、シンプルな造作も言い分無しの素晴らしさだった。
バス停に戻って今度は山側に道をたどると数分で「山の湯」(2湯目)。
(山の湯) | |
(山の湯浴槽) |
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山の湯は小高い石垣の上にあり、横に長い建物。
別棟で貸切家族風呂がある。
浴槽は鶴寿泉に比べてかなり大きく、湯温も適切に加水されていた。 私営なのか\500。
浴槽の外からの見晴らしはきわめて良い。
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山の湯を出て、明礬の小部落の中を歩いて湯の里に戻って家人とジョインし、露天風呂(\600)(3湯目)を楽しんでから、食堂棟で郷土料理のだんご汁やとり天の昼食を摂った。
1時間に一本のバスで鉄輪温泉に下った。
■ 鉄輪温泉の共同浴場巡り
バスは旅館街まで乗らずに、かなり手前の坊主地獄前で下車しぶらぶらと鉄輪温泉方面に下った。
鉄輪地獄地帯公園には広い芝生があり桜の花も残っていた。
別府リハビリテーションセンターの進入路は桜並木だった。
(リハビリセンターの桜) | |
(鬼石坊主地獄) |
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(鬼石坊主地獄の桜) |
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鬼石坊主地獄に入ってみた。
熱泥がたぎって迫力があった。
敷地内に鬼石の湯という温泉施設があったが新設で風情が感じられず入らなかった。
地獄巡りを勧めるタクシーの勧誘がうるさくつきまとって辟易した。
しゃれた石畳の道のみゆき坂を下り、いでゆ坂に出たら「上人湯」が目にとまった。
続いて永福寺があり、渋の湯があった。永福寺は一遍上人ゆかりの寺で、渋の湯は共同浴場。
渋の湯を左折し旅館に向かった。途中に昔の石畳があり、猫が数匹、道路に寝そべっていた。
猫は温泉で暖まった場所を選んで寝そべっているらしい。
途中脇道にそれた。 貸間の看板と地獄蒸し(地獄釜=貸し釜)のある場所に着いた。
その先の傾斜地に西福寺。
(地獄釜・貸し釜) | |
(地獄釜利用の手引き) |
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(西福寺) |
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予約した旅館の「入舟荘」は西福寺と市営熱の湯の間のこぢんまりした宿だった。 荷物を置いて共同浴場巡りに出発した。
おかみさんから、別府温泉道のパスポートをお持ちですか?と聞かれたが関心が無く意に止めなかった。
入船荘の目の前の市営熱の湯はいつでも入浴できそうなので渋の湯(4湯目)に向かった。
(渋の湯) | |
(渋の湯浴槽) |
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渋の湯はシンプルなつくりで、細長いタイルの浴槽。
熱い源泉を冷水塔のように笹っ葉にフラッシュして温度を下げていた。
突き当たりの木製の桟は飛沫よけのための覆い。 入浴料\100
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家人は湯疲れがしたと旅館に引き上げ、ひろさんだけが共同湯巡りを続けた。
次は石畳の道をやや上って上人湯(5湯目)。
(上人湯) | |
(上人湯浴槽) |
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上人湯もシンプルなつくり。
入浴料金(\100)は向かいの食堂で支払い、その代金で木の入浴札を貸してくれるので、それを壁に掛けておく。出たら食堂に札を返す。
比較的熱いお湯。塩辛い。
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(ヤング劇場)
上人湯を出ていでゆ通りを下に向かった。
両側に比較的小さな旅館と若干の商店が並んでいる。
途中、右側にヤング劇場という大衆演劇の劇場があった。
何でヤングなのかよくわからなかったが、温泉街のこういった劇場はあまり記憶がなかった。
いでゆ坂をさらに下ると右側に地獄原温泉(6湯目)。
この地獄原温泉も地区の運営による共同浴場である。
地獄原温泉も入浴料金は\100。これを賽銭箱に入れる。
(地獄原温泉) | |
(地獄原温泉浴槽) |
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こぢんまりした共同浴場で、やはり脱衣場浴室一体型の配置。
先客は地元の人が2人居た。
浴槽のお湯は熱かった。源泉はさらに熱く、なめたら薄い塩味。
入っていた2人に谷の湯とすじ湯温泉の場所を聞いた。
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谷の湯(7湯目)はわかりにくかった。
谷の湯は、ヤング劇場まで戻り、ヤング劇場の裏側から川に沿った道をやや下ったところに見つかった。
谷の湯の湯小屋は川を背にして、道路から一段下がったところにあった。
谷の湯の入浴料\100 は入り口手前の家で支払う。
石段を10段ほど下りて男湯に入る。
(谷の湯) | |
(谷の湯浴槽) |
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谷の湯もかなり質素な造り。こぢんまりした湯小屋で、やはり脱衣場浴室一体型の配置。
浴槽はコンクリート造り。
1人で入っていたら地元の人が2人入ってきた。
この2人に谷の湯が100年以上も続いていることや、昔は混浴だったこと、奥にある不動明王像の作者の話などを聞いた。
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谷の湯を出て歩着始めたが、なんだかとても幸せな気分になっている事に気がついた。
すじ湯温泉(8湯目)は谷の湯を出て、前の道をいでゆ坂(石畳道り)方向に向かい、いでゆ坂を横断し鉄輪銀座通りを進んだ左側にある。
また、鉄輪の中心街のむし湯方向から、筋湯通りを進んでも行き着ける。
(すじ湯温泉) | |
(すじ湯温泉浴槽) |
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すじ湯温泉は典型的な温泉街の共同浴場の造り。
入っていたおじさんと世間話をした。
お湯の熱さの感受性が地元の人と違うのでぬるめのお湯がうれしかった。
ただ、これはもっと極めなければ地元に迷惑を掛けそうだ。
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すじ湯温泉を出て、むし湯に向かった。
血圧が高めなので、スチームバスは敬遠して、むし湯の足湯に入った。
足湯も蒸気であたためる方式で、木の箱の穴に両足を入れて密閉する。
3人居た地元の人は76歳の奥さんと(手前)と81歳の旦那さん(一番左)。
写真を撮らせてもらったが、ひろさんのむし湯の足湯姿も撮ってくれた。
(むし湯の足湯・妻76歳夫81歳の夫婦) |
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(69歳ひろさん) |
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旅館への帰り道の最後の共同浴場は市営熱の湯温泉(9湯目)。
ここは大型の共同浴場で駐車場も広い。
しかも無料で入浴できる。
先ほどの鉄輪温泉散策のしょっぱなに覗いた時より入浴者の数が少ないので入ってみることにした。
(市営熱の湯温泉) | |
(市営熱の湯温泉浴槽) |
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市営熱の湯温泉はさながら銭湯の趣。
ただ、鉄輪流の脱衣場浴室一体型で、入っていたおじさんたちは気さくな人ばかり。
お湯はかなり熱かった。
入っている人が湯船からお湯をどんどんくみ出すが水位は下がらずお湯が熱いのはなぜか?
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向かって左側の源泉枡はかなり熱く、味は塩味。
これで、鉄輪で目についた範囲の共同浴場巡りが終わった。 疲れたが充実感があった。
熱の湯の隣の旅館入舟荘に戻ったらもう夕食の時間だった。
(入舟荘) |
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(入舟荘浴場) |
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入舟荘の食事は部屋出しでもよかったが食事処を選んだ。
夕食の内容は?。
(鰈の薄造り) |
(合鴨ソテー) |
(フグちり) |
(くろめ(海草)) |
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(野菜の炊合) |
(天ぷら) |
(ぶたまん) |
(前菜) |
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といった内容で、老人にはやや多かったが、グレードも高く宿泊料以上の価値があると思った。
女将さんは、他の女将仲間と一遍上人の伝記を発掘して鉄輪温泉の活性化のきーにしようと努力しているとのことだった。
鉄輪温泉・入舟荘のホームページへ
泊まった部屋は市営熱の湯と道一本を隔てた場所で、遠くに桶が響く音などが聞こえ温泉街の情緒に夜遅くまで浸ることが出来た。
第2日目
朝の鉄輪温泉を歩いてみた。
昨夜来の小雨が上がりかけ、道路にけぶる温泉の蒸気が美しかった。
(鉄輪銀座通り)
旅館入舟荘に近い大分バスの鉄輪停留所から別府に向かった。
■ 別府周辺の共同浴場巡り
予約を入れた別府ステーションホテルに荷物を置き、別府の共同浴場巡りを開始。
駅前高等温泉(10湯目)は歩いて数分の距離。
瀟洒な洋館が時代を感じさせる。
説明を聞いて、並湯を選んだ。
(駅前高等温泉) | |
(駅前高等温泉並湯浴槽) |
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並湯のお湯はぬるめでのんびり出来た。
湯船の底が若干ざらざらと砂っぽい。
源泉はホースで流しっぱなしだが、源泉そのものがぬるめ。
写真を撮り、また、自分の姿も撮ってもらう。
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次は竹瓦温泉。
駅前の道路を北浜に向かって歩き、竹瓦温泉横町の看板の下を右折。
竹瓦温泉(11湯目)はしばらく行った先を左に曲がったところにあった。
建物は唐破風造の玄関を持つ社寺風建築で、入ると天井が高い大広間があり、左に砂湯と右に男女の共同浴場と分かれる。
共同浴場は男湯が右側で、広い脱衣場と2メートル近く下に浴室がある。
この浴室を見下ろす様式は、別府の大きな共同浴場の共通の特徴で、源泉の出る場所に浴室浴槽をしつらえたからと想像できる。
間仕切りがないのも開放感があってとても良い。
階段を下って浴槽に達し、お湯をかぶって入浴。
やや熱めのお湯だが、竹瓦温泉に入って念願達成と感激も一入。
入浴後家人をロビーに残して寿温泉に向かった。
寿温泉(12湯目)への道はやや判りにくかった数人の人に聞いて探しあてた。
(寿温泉) | |
(寿温泉) |
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寿温泉も歴史のある温泉だそうで、当初は洋館だったと書かれていた。
現存の建物も大正末期の建物とのことだが、改装のせいか、浴槽の窓だけが時代を感じさせた。
ぬるめのお湯で金気臭。無色透明。
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竹瓦温泉に戻り、家人を拾って北浜の温泉街へ。
(とよ常)
昼食はホテル雄飛の食堂「とよ常」に決めていた。
敬愛する熊谷温泉氏のホームページによると、とよ常で食事をするとホテルの温泉に無料で入れるとのこと。また食事も安くてうまいという評判・・・。
12時前の店は結構混んでいた。
案内されてカウンター席に座り、天丼と定食を頼んだ。
これが結構な品で、天ぷらは美味しく、定食の刺身や鯖味噌煮も絶品だった。
(天丼 \630) | |
(定食 ¥735) |
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(定食の鯖味噌煮) |
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従業員にお風呂の事を聞いたら、入浴料は \300 とのこと。
ホテル雄飛(13湯目)の風呂には、家人をロビーに残して入った。
(雄飛の内湯) | |
(雄飛の露天風呂) |
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風呂は棟続きのホテルの6階。
エレベーターを下りてすぐの場所で、内湯と露天があった。
ぬるめのお湯は含食塩重曹泉とのこと。
見晴らしは目隠しのため良くなかった。
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ほんのちょっと両浴槽につかり、すぐにホテルのロビーに。
■ 浜脇温泉の共同浴場巡り
バスに乗ったら北浜から浜脇までは近かった。
市営浜脇温泉と市営湯都ピア浜脇は同じ建物内にある。
真新しい建物に銭湯はそぐわないが、別府市がかなり予算をつぎ込んで各温泉のリニューアルをしていることがよくわかって心強かった。
市営浜脇温泉は1階で湯都ピア浜脇は2階が入り口。
浜脇温泉は単に銭湯だけだが、湯都ピアの方は複合の温泉施設。
ひろさんは浜脇温泉(14湯目)に入り、家人は湯都ピアに入った。
(浜脇温泉) | |
(浜脇温泉浴槽) |
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大きな脱衣場とそこから見下ろすような大きな浴槽は別府の標準大浴場。
お湯は熱い。
入浴する人の数も多く、少しまばらになってから撮影を申し出た。
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(東別府駅前の桜)
市営浜脇温泉を出て、東町温泉に向かう。
東別府駅前の桜が満開で風に花びらが舞う。
東町温泉は東別府駅の斜め前で、2階建ての建物。
2階は公民館で、1階が共同浴場。
シンプルな共同浴場は別府の宝か?。
東町温泉(15湯目)
(東町温泉) | |
(東町温泉浴槽) |
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東町温泉は入り口で料金箱に\110 を入れ階段を下がったところに浴室がある。 脱衣場は浴室の一隅にあり、すのこと棚とでそれとわかる。
一人も人が居らず、入ってみたら結構熱いお湯で、水でうすめながら入った。
さっぱりしたお湯だった。
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東町温泉を出て蓮田温泉(16湯目)を探す。
「市営温泉パンフレット」には西蓮田温泉と書かれている。
別府方面に歩いていたが判らず地元の主婦に聞いてみたら判りずらいと前まで案内してくれた。
別府南小学校の校庭の山側。途中、東蓮田温泉の場所も教えてくれた。
(蓮田温泉) | |
(蓮田温泉浴槽) |
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蓮田温泉も入浴料金は\100。
手入れが行き届き気持ちの良い温泉で、中はシンプルな脱衣場所と浴室が一体型。
壁の棚に衣服を入れて、浴室の中にある浴槽にそっと入る。
熱い。だがさっぱりとした良いお湯だった。
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先ほど聞いたとおり、東別府駅に戻る方向に東蓮田温泉(17湯目)があった。
建物は蓮田温泉より若干質素だが、手入れをして大切に使っていることはよくわかった。
(東蓮田温泉) | |
(東蓮田温泉浴槽) |
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東蓮田温泉は掃除中。
無理を言って入らせてもらったがやはり熱いお湯で、お湯を身体に掛けただけで飛び出した。
帰宅後ネットで調べたら、浜脇温泉は堀田温泉の引湯らしいことが判った。
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湯都ピアに戻って家人を捜した。
ロビーに居たので湯都ピアに入るべく入浴料金を払おうとして、混んでいるかどうかを聞いたら、この施設は雑誌の取材以外の個人のホームページ取材は一切お断りと言われた。
一緒に入っている人に了解を取ってから写真を撮るつもりだと言っても聞き入れられ無かったので入浴をあきらめた。
役人はトラブルを避けたがる・・・。
バスで北浜に戻り、駅前のホテルに戻って休養。
お湯に入るのはやはり疲れる。
以下★「別府湯の旅(続編)」へ
(若干の情報)
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