全国秘湯巡り・肥後
熊本人吉公衆浴場三昧
第1日目 羽田→鹿児島空港→
人吉へ
第2日目 人吉温泉(球磨川清流下りと公衆浴場めぐり)
第3日目 人吉温泉→鹿児島空港→羽田
第1日目
鹿児島空港へ
(人吉温泉・新温泉(昭和6年開業))
人吉温泉を知ったのは2005年の秋の小浜温泉(長崎)だった。
小浜で海上露天風呂・茜に入った際、人吉から温泉に入りに来ている人と話をした。
その時のひろさんは人吉にも温泉があるのか?という認識だったが、その後雑誌で人吉に関するルポを見たり、更にネットで調べて見たりしたら驚いた!。
何と二十数カ所もの公衆浴場が温泉銭湯という。(その後人吉市役所のお骨折りで公衆浴場の正確な数が判明したので下記に掲げる。)
で、2006年の秋のバースディ特割は熊本に決まった。
だが、いろいろと調べた結果、空港は鹿児島空港の方が便利で、鹿児島空港−人吉間は1時間足らず、熊本空港からは途中八代で列車に乗り換えなければならないことが判った。
鹿児島空港の足湯と飲泉場
鹿児島空港に着くと、人吉行きバス乗り場の前に「おやっとさあ」という足湯があったので驚いた。
かなり大規模な足湯で人気も上々。早速使わせて貰った。
飲泉場のお湯の味もまったりとしていて飲みやすい。
この足湯は2005年に出来たものでまだ1年も経っていないとのこと。
人吉へ
1時間毎に運転されるバスで人吉に向かった。
時間は1時間足らず。
九州自動車道を下りて人吉市街に入ると、「中央温泉」とか「青柳温泉」の看板が見えた。
バスは人吉駅に寄らずに産交バスターミナルに着いた。
人吉市は人口4万人弱の都市で、球磨川の中流域にあり、温泉と球磨焼酎で名高い。
温泉は明治43年に温泉町で旅館が試掘したところ湧出し、それ以降大正から昭和にかけて市内至る所で湧出し、温泉を熱源とする銭湯がいまだに数多く営業しているという。 これら公衆浴場は入浴料が200円か300円が大半で、またタクシーの初乗りが270円、焼酎がグラス一杯100から200円という、時代が何十年か止まったような街だ」
というのが今回の基礎知識。
さて、どんな旅になるのか・・・
人吉旅館
(人吉旅館)
産交バスターミナルから予約を入れておいた人吉旅館までは徒歩5分ほど。
しっとりと落ち着いた和風旅館。
だが、建物のたたずまいとは裏腹に、この旅行中旅館のフロントとの意思疎通が出来なくて今回の旅行の唯一の欠点となった。
早めの到着なのでチェックインは出来ないまでも、荷物を置いてもらい、先に送った着替えの段ボールから衣類を出し、近くの公衆浴場の情報などを仕入れ、また昼食はどこがよいのかなどの相談に乗ってもらうなど、聞きたいことが山ほどあるのにコミュニケーションは上手く取れなかった。
不満を抱えたまま近くの人吉橋で球磨川をわたり、対岸の永国寺方面を目指した。
途中、生協があったので入ってみると、人なつこそうなお母さんがいろいろと情報を教えてくれた。
永国寺に行く道路の右側に、公衆浴場「おおが」の看板があった。
ラーメン狸
永国寺の見物は後回しにして、教わったラーメン店「狸」に入った。
(狸の店) | |
(500円のラーメン) |
|
(おかみさん) |
|
|
|
|
|
メニューはラーメンとビール、焼酎だけ。
焼酎は\100とうれしい価格だったが、公衆浴場にいくつ入るか計画が決まっていなかったので自重した。
豚骨スープのラーメンは意外にさっぱりとしていて旨かった。
おかみさんともう一人の男の客から更にいろいろと情報を仕入れた。
公衆浴場温泉巡りのスタンプラリーの話もここから仕入れた。
堤温泉(1湯目)
人吉で最初に入った公衆浴場は堤温泉。
堤温泉はラーメン狸のすぐ先(市役所寄り)。
大正10年創業の堤温泉の建物は巨大な木造で、シンプルな中にも気品があった。
昼下がりで人の気配が無く、静謐な中で、源泉がタイル張りの浴槽からあふれていた。
お湯はぬるぬる系。 | |
(堤温泉) |
|
(堤温泉浴槽) |
|
|
|
|
人吉城跡
堤温泉を堪能して向かったのは、人吉城跡。
途中、焼酎蔵など見物したい場所には目もくれず、市役所のあるご城内に向かった。
(大手橋と市役所) | |
(多門櫓は補修中) |
|
(反対側の石垣) |
|
|
|
|
|
多門櫓は補修中だが石垣が美しい。
元湯の午後の開業は3時からなので、その間、人吉城跡の本丸跡まで急な石段を上った。
(人吉城跡1) | |
(人吉城跡2) |
|
(城跡から球磨川) |
|
|
|
|
|
元湯(2湯目)
石段を戻り、相良神社、日蓮宗林鹿寺の境内を抜けて元湯についた。
元湯も堤温泉に負けず劣らずの風格があった。
昭和9年創業で堤温泉よりやや新しいが建物の外観はよく似ていた。
入浴中のおじいさんに声を掛けたらポーズをとってくれた。
番台で温泉スタンプラリーの応募票をもらった。
| |
(元湯) |
|
(元湯浴槽) |
|
|
|
|
元湯を出て市役所裏を通り水ノ手橋を渡って対岸に出た。
三浦屋温泉(3湯目)
三浦屋温泉はビジネスホテル三浦屋の内湯でもある。
人吉には旅館やビジネスホテルの内湯が公衆浴場登録している例が多々あるらしい。 三浦屋温泉は階段を下りて地階に浴槽があり、3つの浴槽に順番に湯が廻る仕組みになっていた。
| |
(三浦屋温泉) |
|
(三浦屋温泉浴槽) |
|
|
|
|
ビジネスホテルのフロントでスタンプラリーの印のスタンプをもらい人吉旅館方面に向かった。
(なかや)
のどが渇いたので甘味の「なかや」でソフトクリームを食べた。
3湯目でお湯疲れが出たが甘いソフトクリームで気を取り直した。
なかやもスタンプラリーの対象店。
ラリーの参加店を丹念に調べると結構多そうだがこれは面倒だ。
なかやの並びに「蓑毛鍛冶屋」という鍛冶屋さんがあった。
小さな出刃包丁が1割引と表示されていた。
家人は即座に出刃包丁を購入した。
昔購入した小鰺やサンマをさばく包丁の柄が駄目になりかけていて、熊本の打ち出し刃物が欲しいと前々から言っていたところだった。
(蓑毛鍛冶屋の出刃小)
新温泉(4湯目)
鍛冶屋を出て、西に進むと球磨川の支流の山田川がある。
橋のたもとを右折するとすぐに新温泉。家人は宿の戻って新温泉に向かったのはひろさんだけ。
新温泉は人吉でも老舗の公衆浴場。昭和6年の創業で、建物や浴槽、源泉などは当時のままという。
大きな浴室に浴槽が2つ離れて設置され洗い場がとても広い。 もちろん脱衣場もレトロで、広告のペンキ画はなんとマッターホルン。
源泉の掘削のセピア色の写真は動力の無い上総掘り
| |
(新温泉) |
|
(新温泉浴槽) |
|
|
|
|
若おかみ?が人吉の公衆浴場情報をいろいろ教えてくれた。
鶯温泉(5湯目)
新温泉を出て駅の方に向かい、繁華街の道路を東にちょっと戻ると鶯温泉がある。
鶯温泉の創業は昭和9年でこれも老舗。ただし建物は改築され脱衣場、浴室・浴槽ともレトロな雰囲気はない。
フロントの老婦人の話を伺うと公衆浴場の運営の難しさがよくわかり、レトロな建物と浴室浴槽を保存してくれとはとても言えないのだが・・・。
| |
(鶯温泉) |
|
(鶯温泉浴槽) |
|
|
|
|
結局、今日の公衆浴場巡りはここまでとし、宿に戻ることにした。
再び人吉旅館
(フロント) | |
(階段下のステンドグラス) |
|
(初日の料理) |
|
|
|
|
|
人吉旅館はフロントの客あしらいを除いて非のうちどころの無い良い宿だった。
伝統ある老舗の日本風旅館で木造の造作が素晴らしい。
太い柱や広い廊下、ゆとりのある部屋等が掃除が行き届いている。
料理なども一流といえる。
2階の部屋からは球磨川が間近に望め窓を開ければせせらぎの音が心地よい。
お風呂はややぬるめの、とろりとした薄い茶褐色のお湯で、加温をしているが掛け流しで、ぬるめの源泉は上がり湯としてそのまま使うことが出来る。
夕食時に女将のアイサツというのがあった。
美人女将で如才がなく、話もうまい。
結局、フロントの素っ気なさを女将には話さなかったが、内心、夕食時に各客室にアイサツをしなくともよいから(これはテレビだけの話でテレビの見過ぎ?)、従業員の気配りに対してもっと注意をそそげば良いのに!と思った。
第2日目
朝6時から公衆浴場が始まるので宿を抜け出した。
6時ではかなり暗い。関東と時差が1時間以上あるからか?
人吉温泉(6湯目)
(人吉温泉) | |
(人吉温泉浴槽) |
|
人吉温泉は人吉旅館の経営で源泉も同じ。
一番湯に入っていた年配のおじさんがお湯の良さを自慢していた。
浴槽は小さめだが雰囲気はよい。
お湯は加熱され適温だった。
|
|
|
|
|
続いて、まだ薄暗い青井神社の前を通って朝日温泉・鷹の泉に行った。
道に自信がなかったので鍬を持った老婦人に聞くと温泉の前まで連れて行ってくれた。
鷹の泉(7湯目)
(鷹の泉) | |
(鷹の泉浴槽) |
|
鷹の泉は松尾温泉ビジネスホテルの内湯を公衆浴場として登録した温泉。
近年ボーリングし直したらしく、お湯の出が良く、源泉も結構熱かった。
浸かった感じはぬるぬる感がつよく、肌がすべすべになった。
|
|
|
|
|
川端温泉に向かう途中一度球磨川の堤防に出た。
人吉の名物といわれる朝霧が美しかった。
川端温泉(8湯目)
川端温泉も老舗の部類の公衆浴場。
上総掘りの源泉が残っている数軒の温泉の一つだが、近年湯温が下がり加熱の必要が生じていたが、燃料の高騰で営業時間を短縮中とのことで訪問時はお湯を溜めている最中だった。
オーナーが浴槽の中を案内してくれた。
| |
(川端温泉) |
|
(川端温泉) |
|
|
|
|
川端温泉から青井神社前に戻ると周囲は明るくなっていた。
青井阿蘇神社
青井阿蘇神社は立派な構えで、茅葺きの屋根が時代を物語っていた。
朝食前の散歩として最後に向かったのは人吉別院。
町を縦断して、途中JR駅前の「からくり時計」見て、徒歩10分足らずでたどり着いた。
人吉別院
(別院本堂)
| |
(隠れ念仏遺品) |
|
(本堂内の写真展示) |
|
|
|
|
|
職人の町
(刃物店店先1)
| |
(刃物店店先2) |
|
(家具製造販売) |
|
|
|
|
|
人吉別院をお参りした後宿の方に戻りかけたら、刃物店があり家具製造販売の大安家具店があった。
このようなお店が軒を連ねるのが人吉市街の特徴だが、予定していた朝食時間が大幅に過ぎていた。
宿に戻るのに、人吉で初めてタクシーを使った。
料金は270円だった。
旅館で朝食を摂って、予約した球磨川清流下りへ。
以下
「熊本人吉公衆浴場三昧(続編)」に続く
(若干の情報)
全国秘湯巡りTop/
Next 京町温泉と安楽温泉2015
Home
|