この日はトルコに来て初のそして唯一の移動の無い日。
丸一日かけてカッパドキアを観光する。
最初に訪れたのはギョレメ谷。
いきなり最初から素晴らしすぎる。
奇妙な形の岩山に囲まれた大峡谷。
ここでアルプさんの知り合いのお宅におお邪魔した。
その昔やはり日本人の旅行のガイドをしている時に偶然知り合った人で
いろいろ話してるうちに「それなら今度観光客を連れて来いよ」という話になったという。
それ以来ここへ来る度に事前のアポ無しで訪れているらしい。
その人の家はこのギョレメ谷の岩山をくり抜いて造られた家。
昔は大勢こういう家に暮らしていたそうだがやはり何かと不便なことが多く
今ではほとんどいなくなってしまったという。
そんな中でこの人は未だにこういう所で生活をしているのだ。
上の写真で左下の方に玄関が見えている。
その前でこの家の奥様が僕たちに手を振ってくれている。
右下に見えるやはり岩をけずって造られた階段を下って家まで行くのだ。
・
ぞろぞろ大勢の日本人が突然訪れたのにイヤな顔ひとつせず中へ招いてくれた。
家の壁は真っ白な岩肌がそのまま。
岩をくり抜けばそこがそのまま棚にもなる。
トルコ絨毯やタペストリーなどがお洒落に飾られている。
・
こんなかわいい柄のナベもきちんと置かれていた。
・
写真を撮っているとこの家のご主人がやって来て「一緒に撮ってあげよう」と声をかけてきた。
気さくなおじさん。
・
奥様に「一緒に撮らせてもらっていいですか?」とたずねると気軽にOKしてくれたので
ツーショットで撮影。
それまではやさしく微笑んでいたのに
カメラを向けたら硬くなってしまった。
イスラムの女性らしく髪をスカーフで覆い
肌も極力露出しないような服装を着ている。
厳格なイスラムの教えを守っているということもあるだろうが
子供の頃からこういった服装を着ているので
これが一番気楽な服装になってしまっているという人も多いらしい。
・
玄関を出るとつるの木で作られたテラスとその向こうに広がるギョレメ谷。
ここの人は毎日こんな景色を見ているんだなー。
・
階段を登ってあらためて景色を観賞することにする。
・
壮大なるギョレメ谷をバックに。
地球にはまだまだこんな所があるんだなー。
・
こんな大自然を目の前にして人間はなんてちっぽけな存在。
次に向かったのはトルコ絨毯の店。
ここはトルコ国内でも数えるほどしかないトルコ絨毯の免税店。
ちなみにトルコでは全てのものに18%の内税がかかっている。
お店の前でなんだかやたらに甘いマスクの男の人が紹介される。
このお店の人でいろいろ案内してくれるという。
なんとこの人も日本語が話せる。
日本人はいいお客さんなんだなー。
・
ここでは実際にトルコ絨毯が作られている。
少し前までは各家庭で当たり前のように作られていたトルコ絨毯も
最近では作れる女性が減ってきているのだという。
ここではそういった技術を無くさないために
若い女性たちにトルコ絨毯を作る技術を教えているのだそうだ。
完成図を見ながら丁寧に少しずつ作られていく。
大きさや柄にもよるが一枚作るのに数ヶ月から半年くらいかかるらしい。
中には2年くらいかけて作られるものもあるんだとか。
・
トルコ絨毯の素材は羊毛や綿など様々。
その中でも最高級なのはやはり絹。
ここでは養蚕して絹も作られている。
繭を煮てそこから糸を紡ぎ出す。
・
一通り見学が済んだところで広い部屋へ通されてチャイやワインなどの飲み物が配られる。
その後に始まったのがいろいろな種類のトルコ絨毯の紹介。
・
おもしろおかしくパフォーマンスを交えながら
次々と色とりどりの絨毯が敷かれていく。
まあ当然その後に来るのは絨毯の売り込み。
靴を脱いで床一面に敷き詰められた絨毯の上にあがって
それぞれ好みの絨毯を眺めていく。
値段はピンきり。
柄や素材、大きさなどでかなり値段に幅がある。
安いのは2〜3万円くらい。
高いものになるとン百万円クラスまで。
その中でも僕たちが気に入ったのは茶色系で統一されたタイプのもの。
なんとこれ全て天然の羊やラクダの毛の色で作られているんだとか。
一切色を染めていないらしい。
その分高い。
2畳分くらいのもので10万円を越える。
それでも多分日本で買うと軽く3倍くらいの値段になるだろう。
とは言えさすがに手が出ないので少しずつ小さいのを見ていく。
玄関に敷くような小さいもので5万円くらいのものがあった。
日本語が話せる店員さんが熱心に僕たちに勧めてくる。
僕の中ではちゃんとしたトルコ絨毯なら多少高くても欲しいなと思っていた。
でもユキちゃんがなかなか踏み込めない。
ついに「4万円まで安くなれば買います」と言った。
お店の人はちょっと待ってといいお店の偉い人と相談し戻ってきた。
どうやら大丈夫のようだ。
こうして交渉成立。
トルコ絨毯4万円でお買いあげ。
最後は僕たちに熱心に勧めてくれた店員さんと仲良く記念撮影。