アメリカで結構大きな問題となっている海岸でのサメの被害。
なんでも観光客相手のサメの餌付けツアーもその原因の一つとか。
とっても耳が痛いお話だが
僕たちもボラボラ島でそのサメの餌付けツアーに参加してきてしまった。
(このニュースを知ったのは帰ってきてから)
ホテル内の船着き場にて。
これから乗るカヌーが見える。
アウトリガー・カヌーと呼ばれる片側に浮きが付いているボートに
これまた10人以上が詰め込まれホテルを出発。
初めのうち日本人は僕たち2人だけだったので少し不安だったが
出発直前に日本人のうるさいおばちゃん2人とおじちゃんが加わったのでちょっと安心した。
(これはこれでちょっと残念だったりするが)
ガイドはボラボラ出身だという長髪がよく似合う明るい兄ちゃん。
フランス語、英語に加えて日本語も多少しゃべれて
一番近くに座っていたうるさいおばちゃんたちとペチャクチャおしゃべりに付き合わされていた。
船着き場を離れて間もなくカモメの餌付けが始まった。
気が付くとボートの周りにはたくさんのカモメが集まってきていた。
カモメも知っているのだろう。
ボラボラの兄ちゃんが生の魚の切れ端を空に放り投げると見事にカモメがキャッチする。
次に兄ちゃんが魚の切り身を手に持って高く差し上げる。
すると大胆にも急降下してそれを食べようとする強者のカモメもいる。
急降下してきたときにバッとカモメの足をつかもうと何度かチャレンジしていたが
残念ながらこの日は捕まえることはできなかった。
ボートは美しい海の上を進む。
ボートの縁から海をのぞき込むと
青が濃くかなり深そうなところにも関わらず底の様子が分かる。
水がとても澄んでいる
景色をいろいろガイドしてくれながら船は進み、やがて外洋との境の近くまで来ていた。
この辺は浅そうで珊瑚がよく見える。
船を停め全員に水中メガネとシュノーケルが配られる。
いよいよサメの餌付けが始まる。
魚の切り身が入っていると思われるバケツに海水を入れては海に流している。
水が血で赤く染まっている。
サメを呼び寄せているのだろう。
岩と岩の間にロープが張られそれに捕まって水に浮いているように指示される。
サメは人の足音を嫌うらしい。
ボートの縁に欠けられたハシゴを使って順番に海に入る。
指示された通りにロープに一列につかまって浮かんでいると
兄ちゃんは僕たちの目の前に魚の切り身を放り投げてくる。
ものすごい数の魚が群がってくる。
おいおい、こいつらがみんな食べちゃうんじゃないの?
そう思った矢先、魚の群に混じって一瞬何かが見えた。
サメだ!
体長は1メートルほどだろうか。
小さくても姿形はまさにサメそのもの。
迫力がある。
かっこいい。
じっとしていなく常に泳ぎ回っているので、よく見ていないとすぐに見失ってしまう。
遠くに行ってしまったかと思うと、またフッと魚の群の中に姿を現したりする。
結局2匹くらいは見ることができたと思う。
これがそのサメ。
とにかくジッとしていないので撮影が大変。
何枚も撮った中でお披露目に耐え得るのはこの3枚のみ。
ここで見たのはツマグロザメと呼ばれる鮫らしい。
人間に害は加えないとのことだが
もし気が変わって襲ってこられたら
やっぱり腕の1本や2本は簡単に喰いちぎられてしまうのではないだろうか。
過去にこのツアーで人が襲われたという話は聞いたことがないのでまず大丈夫なのだろう。
鮫の餌付けが終わった後は、今度はシュノーケリング・タイム。
この辺は珊瑚だらけ。
ウニに気を付けるよう言われる。
なるほど、珊瑚に混じってウニがいっぱいいる。
こっちの人はウニを食べないのかな?
珊瑚礁の海。
ウニもいっぱいいる。
20〜30分くらいシュノーケリングを楽しんだ後、再びボートは進む。
今度はエイの餌付け。
またとある浅瀬で船の速度を落とす。
明るい海の色に混じって黒いシミのようなものが船の周りにたくさん見える。
最初は珊瑚かなーと思っていたら、よーく見ると動いている。
ま、まさか!
なんとこれ全部エイだったのだ!
海の中に黒く見えるのはなんと全部エイ!
やはり餌がもらえることを知っているのかエイが船の周りに集まってくる。
こいつらはスティング・レイ。
兄ちゃんが海に入って一匹のエイを捕まえてキスしたり噛みついたりしている。
僕たちも海に入る。
いるいる。
周りはエイだらけだ。
直径70〜80センチくらい。
触ってみるとヌルヌル、フニャフニャ。
よく尻尾に毒があると言われているが特に注意はされなかったので大丈夫みたい。
でもとてもざらざらしているので尻尾には触るなと言われた。
たまにエイが足のすぐ横を通ってその際に尻尾が触れることがあるが、確かに棒ヤスリのようだった。
エイと仲良しのガイドの兄ちゃん。
キスしたり噛みついたりしていた。
とにかく海の中はエイだらけ。
思う存分エイと触れ合えた。
面白すぎる!
兄ちゃんがエイにあげている魚の切り身が一個落ちていたのを見つけ
試しにエイに直接餌をあげてみることにした。
エイには歯が無いから怪我をすることはないと兄ちゃんが言っていた。
一匹のエイが近づいてきた。
エイの口は裏側にあるので上からでは見えない。
この辺だろうと口のある辺りに餌を持っていくと、いきなりガブッと噛みつかれた。
!!!
結構イテーじゃねーか!
表面は柔らかいけど中に堅い芯のあるようなもので挟まれた感じ。
エイの口を見せてくれるにいちゃん。
この口に噛まれたのか。
鮫はただ見ていただけだったので、エイといっぱい触れ合えたこっちの方が面白かった。
20〜30分そうやってエイと戯れた後、ボートは再び動き出した。
周囲は相変わらず美しい風景が続く。
海から見るオテマヌ山もまたいい。
ボートからは時折モツ(無人島)が見える。
海から見るオテマヌ山もいい。
オテマヌ山をバックに...。
島を一周して終わりが近づいた頃、船はとあるモツ(無人島のこと)に近づいて行った。
そこで何かがあるらしい。
モツに行けるとは思っていなかったので思わぬ展開に胸が弾む。
モツに到着。
※画像がぼけているのはデジカメの水中パックのレンズの水滴のせい。
そこで別のボートのグループと合流してたくさんのフルーツが振る舞われた。
ボラボラの兄ちゃんたちが腰に着けていたナイフ(というより短剣)を使って器用にさばいていく。
ちょうどお腹も空いてきた頃なのでとてもおいしい。
椰子の木陰でフルーツを振る舞ってくれる。
モツは平坦な砂の上に椰子の木がたくさん生えている。
絵に描いたような南の島のイメージそのもの。
こんなところで一日のんびりするのも悪くないなぁ。
何かイベントが始まるらしい。
いきなり僕が指名されみんなの前に立たされる。
もう1人アメリカ人のお父さんも呼ばれる。
これからどっちが強いかファイトだとボラボラの兄ちゃんは言う。
嘘だろ。
相手はかなり体の大きな太めのおやじだ。
一発でも食らえば即ダウンだろう。
しかしそうやってさんざん僕たちをびびらせたあげく、実は椰子の木登り競争だった。
まずはお前からだと言われる。
「ジャポネ・ニンジャー!」
へへん、木登りは得意だぜ。
そう思って木にしがみついたものの、これがどうにもこうにもするする滑って登りづらい。
両足の裏で木の幹を挟むようにして少しずつ登っていった。
「ジャポネ・ニンジャー!!」
兄ちゃんの呼び声とともに周りから拍手が起こった。
自分ではかなり登ったと思ったが
後でユキちゃんの撮影したビデオを見たら数十センチくらいしか登れていなかった。
恥ずかし。
木登り競争で一番手に登る僕。
この写真は僕をかり出したボラボラの兄ちゃんに撮ってもらったもの。
本当はもっと高く登ったと思ったのにほんのちょっとしか登れていなかった。
悔しい。
アメリカン・ニンジャのお父さんも苦労していた。
なんとかお父さんには勝てたかな。
その後フレンチ・ニンジャやイタリアン・ニンジャ、ベトナム・ニンジャなど各国代表が木登りを競う。
後から登る方が前の人のを見てコツをつかめるので高く登れている。
(負け惜しみ)
悔しいぜ。
それでもボラボラの兄ちゃん曰く、みんな全然ダメだという。
最後にボラボラ・ニンジャの登場。
なんとあれだけみんなが苦労していたのに
するすると登りはじめアッという間にてっぺんまで登り切ってしまった。
さすがだ。
しばしの休息をモツで味わう。
こんなところで一日のんびり過ごすのもいい。
その後2〜30分のんびりした後、やがてボートはホテルへ。
正味3時間くらいのツアー。
内容盛りだくさん。
面白かったー。