※注意
6:30目覚ましで無理矢理起こされる。 眠い。
朝食。
今日こそはと、再度トーストに挑戦。
トースターは2台。
それぞれに2つずつついている。
1つは使用中だ。
パンをちぎり、使用中のとなりに入れてレバーを下げるが、レバーが下で止まらない。
これじゃ、焼けない。
もう1台のトースターを見る。
ゲ!
昨日僕が無理矢理持ち上げたレバーが無くなっている。
どうやら折れてしまったようだ。
もしかして僕が壊しちゃったのかな。
しょうがない。
その隣に入れるがやはりレバーが下で止まらない。
しばらく悪戦苦闘していると、今焼いてるパンの持ち主であろう人が「多分どれも壊れててダメだよ」と教えてくれる。
その人も苦労したんだろうか。
その人のパンが焼けるまで待ち、僕のパンを入れる。 しばらくして焼き上がったパンを見ると、ほとんど焼き目がついていない。 それでも熱くてカリカリになり、今までとは比べようもないほどおいしくなった。
Boulderに来てから、会社のLotus Notesで日本とのコミュニケーションは十分に取れていたので、国際電話をかける必要は無かった。
ユキちゃんともやはりNotesで連絡を取り合っていた。
しかし今日、9月15日金曜日は日本では敬老の日で休日。
当然だれも会社に来ないからNotesでの連絡は不可。
ユキちゃんとも連絡取れない。
実際には時差の関係で、もう昨日から連絡は取れていない。
会社の人と連絡が取れなくても、特に用事もなかったので問題ないが、ユキちゃんとは連絡を取りたかった。
よっしゃー、いっちょ国際電話をかけてみるか。
現在Boulderは朝の8:00。 日本は今日の夜11:00。 今なら家にいるはずだ。
ホテルから国際電話をかけると結構お金がかかる。
事前に日本で会社の人に比較的安く国際電話をかける方法を教えてもらっていた。
"KDDスーパージャパンダイレクト"という方法だ。
まずあらかじめ決められたKDDのフリーの電話番号に電話をかける。
こうすれば、電話料金をホテルに請求されずに済む。
やがて日本語の音声メッセージで、クレジットカードの番号と暗証番号を入力するようにガイドされる。
間違えないように入力。
再び日本語の音声メッセージで、相手先の電話番号を市外局番から入力するように言われる。
ユキちゃんの家の電話番号を入力する。
プルルルルル...
もうつながっちゃったの?
簡単〜!
「はい。」
ユキちゃんの声だ。
普段滅多に聞けないような、よそよそしい声。
「もしもし、岡田ですけど。」
「はい。」
僕だとは気が付いていないみたいだ。
「もしもし、岡田ですけど。」
繰り返す。
ここでやっと気が付いたみたい。
「どうしたの!?」
僕から電話があることなど全く予想していなかったせいか、驚いている。
しかし人がせっかく電話をしてるのに、いきなり「どうしたの?」は無いだろう。
久々に聞くユキちゃんの声。
時間はほんのちょっとだったが、話が出来てよかった。
8:45頃、会社に到着。
Davisさんと会い朝の挨拶。
オフィスに荷物を置き、チャンバーの部屋へ行くとRogerさんがいた。
「Hi!
Good morning!」と元気よく挨拶すると「Good morning!
........」とRogerさんも元気よく返してくれた。
後半はよく聞き取れなかったけど。
チャンバーの蓋はまだ開いている。 今のうちに装置の最終チェックだ。 OK。 ちゃんと動く。
Davisさんが現れ、チャンバーの蓋締めを手伝う。
「OK, オカーダ。
10:10になったらPower Onだ。
僕は今から車をメカニックに持って行かなきゃならないんだ。
だいたい1時間で戻る」と言っていなくなった。
10:10までには今から1時間ある。
コーヒーを買いに雑貨屋さんへ行く。 そうだ。 会社のロゴ入りグッズが欲しかったんだ。 ちょっと下見。 いいと思う服はどれもLサイズ以上。 こっちのLサイズは僕にはちょっと大き過ぎだろう。 残念。
9:30頃、Davisさんが現れる。
「もう終わったの?」
「Yes」
10:10。 Power On。 約15秒待ってプログラムスタート。 装置の動く音が聞こえる。 うまくいった!
試験中、Davisさんに昨日Rocky Mountain National Parkで撮った膨大な数の写真をPC上で見せる。
えらく感動して「Hey, Roger!
Rockyの写真だよ」と声をかけ、興奮して写真を見ていた。
この感動は、昨日の写真がすでに今PC上で見ることが出来ること、デジカメで撮った写真の画像が美しいこと、僕が撮影した写真が見れること、など多くの意味が含まれていると思う。
一つ一つの写真の解説をしてくれる。
間近で大きく撮った鳥の写真を見て、
「この鳥は、"slang"で"camp robber"と呼ばれているんだ。」
と教えてくれる。
キャンプの泥棒...。
なんと日本のカラスみたいな鳥だったんだ。
でもこの写真がうまく撮れていたので、
「Nice picture!
My wifeも写真が好きなんだけど、この写真はよく撮れてるよ。」
と言ってくれた。
意外にも自分の影を写した写真には感心していた。
こんな撮り方もあるとは知らなかったのかもしれない。
カモシカが群れている写真を見て「これはだいたい何時頃だ?」と聞かれたので「多分3時か4時頃だよ」と言うと、「よし今週末行ってみよう」と言っていた。
興奮のうちに僕のRocky報告は終わった。
すごく喜んでくれて良かった。
11:10過ぎ、Davisさんの合図とともに装置を停止。
前回はこのまま数時間放置したはずだが、今回はすぐにチャンバーの蓋を開け始めた。
今日はあくまでも補足試験のみだから、もういいのだろう。
蓋を開けチャンバー内に設置された計測器のメーターを見る。
特に問題無し。
「Flightはいつ?」
Davisさんに聞かれる。
「月曜日の朝」
「じゃ週末どうするか決めた?」
「まだ」
僕のために週末の過ごし方をいろいろ考えてくれているみたいだ。
Rogerさんが「.....はどうだ?」と言う。
話からするとそこは高級住宅街で、「movie starや"イリート"」が住んでいるらしい。
イリート?
分からない素振りを見せると、Davisさんも他に説明のしようがないのか
「Do you have a dictionaly?」
と聞いてくる。
そういえばポケットにいつも電子辞書を持ち歩いていたんだっけ。
取り出してDavisさんが言う通りスペルを入力し変換。
「エリート」
オー、エリートのことか。
「日本語ではなんて言うの?」とのDavisさんの問いに
「Same word.」と言ったら驚いていた。
同じ言葉なら始めから分かれよ、とでも思ったのかもしれない。
DavisさんもRogerさんも電子辞書にはかなり興味を示していた。
「今日は車で外に食べに行こう。
時間は何時でもいいよ」
とDavisさんに誘われる。
「Oh, しまった。
車がない!」
「僕のがあるよ」
「Good!」
僕が運転する車は本当はいやだったかもしれないが、そんなことは一言も言わなかった。
しばらく"My home"でPCをたたく。
12時を回った。
Davisさんの部屋に行こうとすると、Davisさんはマネージャーさんの部屋の入り口に立って何やらマネージャーと話をしていた。
ここに来て何回もこの光景に遭遇した。
何を話しているのか分からなかったが、マネージャーさんと話をするのが好きみたいだ。
マネージャーさんとの話も終わり、Davisさんと食事に行くことにする。
Davisさんはディバッグをしょって、僕はウエストバッグを持って。
駐車場に行き僕の車の所で
「運転するか?」
と尋ねる。
きっと僕の運転は怖いに違いない。
Davisさんはしばらく考えていたが
「Hearzレンタカーの決まりで、多分本人以外運転できないはずだよ。
ありがとう」
とDavisさんは言う。
車に乗り込んでエンジンをかける。
「日本ではハンドルが右側にあるんだろ?」
「Yes.」
「ハンドルの位置が逆だなんて、僕には運転できないよ。」
「たまにウィンカーを出そうとして、ワイパーを動かしてしまうことがあるんだ」
「オー、そうだね!」
車をそろりと動かす。
Davisさんを怖がらせないようにしなければ。
細心の注意を払いながら運転した。
Davisさんのナビでコロラド大学の方に向かう。
着いたのはとあるホテル。
ロビーの前を突っ切ったところに目的のレストランがあった。
Davisさんとお店の人のやりとり。
なんてスムースなんだ。
聞いているとオーダー以外にもいろいろな話をしているのが分かる。
とにかく人とのコミュニケーションを重んじる社会なんだな。
飲み物を聞かれる。
エ!?
ビール?
そんな訳無かった。
「コーヒー?
紅茶?
コーラ...」
「じゃ、コーヒーを」
「With cafein?
No cafein?」
「With cafein.」
前にDavisさんにコーヒーを頼んだときもカフェイン有りか無しか聞かれた。
こっちでは当たり前に選べるようになっているようだ。
Davisさんはカフェイン抜きを頼んだ。
やがてコーヒーとパンが運ばれてきた。
「ビュッフェもあるよ。
見に行こう。」
おどろおどろしいデザートの数々、サラダバー、スープも2種類ある。
「好みなら頼んで」
Davisさんはビュッフェ頼むのかな。
ウェイターが注文を聞きに来る。
僕はパスタを注文する。
またスパゲティーじゃなかったらどうしよう。
一瞬不安がよぎったが、そうなったらあきらめよう。
Davisさんは肉料理をオーダーしていたみたいだ。
パンを食べながらDavisさんといろいろな話をした。 家族の話とか、僕の日本の事業所の話とか、Davisさんが以前行った中国の話とか...
Davisさんはもちろん結婚しているが、相手の方は再婚で3人の子連れだったようだ。
Davisさんは"step child"と説明していた。
奥さんは小学校の先生。
4年生を教えている。
"step child"は、16歳、19歳、22歳。
結構みんな大きい。
中国の話が出たので万里の長城のことを聞いてみようと思った。
長城だから..."long castle"でいいのかな。
「How about Long Castle?」
通じない。
"castle"の発音が悪くて通じないのかな。
再び電子辞書を取り出して"castle"と入力、Davisさんに見せる。
"castle"の意味は分かったようだが、それでも"long castle"の意味は分からないみたいだ。
どうしよう。
Davisさんも必死で考えている。
「Great wall!」
Davisさんが突然思いついたように言った。
「Yeah!」
それだ!
そういえば"Great wall"って言ったっけ。
「オカーダは行ったことある?」
「No.」
「あそこは是非行くべきだよ。
とにかくすごい。」
そうとう感動したらしい。
声が興奮しているのが分かる。
料理が運ばれてきた。
僕のは白いクリームパスタにガーリックトースト。
パスタはマカロニではなかったがフットチーネのようだ。
とりあえず一安心。
食べてみると味があんまりないみたい。Davisさんのステーキはおいしそう。
僕が住んでる大和市のことに興味があるみたいだ。
「大きさはどれくらい?」
大きさ...。
困った。
どう答えればいいんだろう。
「Boulderと同じくらい?」
「Yes.」
ちょっと適当に答えてしまった。
「何人くらい人が住んでるの?」
???
分からない。
返答に困っていると
「だいたいでいいんだよ。」
それでも答えられない。
「Ok.
分からないならいいや」
恥ずかしかった。
「大和市には米軍の基地があるよ。
厚木基地。
知ってる?」
「本当?
う〜ん、分からないね」
そりゃそうか。
海外のどこに基地があるかなんていちいち知るわけないよね。
以前Davisさんが熱く語っていた、土地で掘っている天然ガスのことが気になる。
尋ねてみた。
するとやっぱり勘違いしていたらしい。
天然ガスを掘っているのはDavisさんではなくどこかの会社らしい。
Davisさんの土地で掘っているのは正解。
木を切られ騒音もして相当迷惑しているよう。
しかも天然ガスが出てもまったくDavisさんの手元にお金は入らないらしい。
そんな話ってあるの?
ひどい。
料理がどうにものどを通らなくなってきた。
お腹いっぱいだし、薄味であまりおいしくない。
ふとDavisさんを見るとやはり残っていて同じくお腹いっぱいらしい。
いいや、残してしまえ。
Davisさんがおごってくれるらしい。 カードで会計をするところを見ていたが、やり方はだいたい同じだった。 ただチラッとしか見えなかったがTipの欄にも書き込んでいたような。
Davisさんにお礼を言って外に出る。
あくびばかりしてDavisさんはかなり眠そう。
「Day dreamを見そうだよ」
「夕べは何時間寝たの?」
「う〜ん、だいたい6時半頃帰ったよ」
???
どうやら"sleep"が"leave"に聞こえてしまったらしい。
言葉の壁を感じる。
あれだけ気をつけていたのに、レストランから出るときに危うく反対車線に出そうになってしまった。
今まで一度もしてなかったミスなのに。
ちょっと緊張しすぎていたみたいだ。
Davisさん、大丈夫かな...。
「Ok, ok.
難しいからね。」
ちょっと顔がひきつっていたようだった。
それからも慎重な運転で、なんとか無事会社の駐車場に着いた。
Davisさんに
「大丈夫?」
「大丈夫だよ。
僕には絶対(反対ハンドルの運転なんて)できないからね」
いよいよお別れの時が近づいているのが分かった。
「I'd like to take a picture......」
"一緒に"という言葉が出てこなかったがDavisさんはすぐに分かったようだ。
「Good idea!」
オフィスに戻るとスージーさんの部屋が真っ暗。
席を外しているらしい。
「彼女も一緒に写真撮りたいよね。」
「Yes.」
「ちょっと待っててくれ」
"My home"に戻り、デジカメと三脚の準備をする。
やがてスージーさんの声も聞こえてみんな集まった。
マネージャーさんまでいる。
良かった。
Garyさんがいないようだが仕方がない。
「どこで撮る?」
どこでも良かったが、たまたまコピーやFAXなどがある部屋にいたのでそこに撮ることにした。
カメラのセットをしているとDavisさんが
「あのカメラ、すごくきれいに撮れるんだよ。
昨日の写真を見せてもらったんだ」
とマネージャーに話している。
「Fuji, right?」
「Yes.」
マネージャーさんはこのデジカメが富士フィルム製だというのを知っていたようだ。
セルフタイマーをセットしてハイ、ポーズ。
デジカメはシャッターの音がしない。
おまけにフラッシュもたかなかったからいつシャッターが降りたのか全く分からない。
僕にはLEDの点滅で分かったので撮れたのを確認しにカメラの元に歩み寄ると
「えー!
もう撮れたの?」
とみんな騒然。
スージーさんなんか
「私目をつぶっちゃった」
と言っている。
もう1枚、今度はフラッシュをオンにして撮影。
フラッシュが光ったので今度はみんな納得。
みんな明るく僕のわがままにつき合ってくれて本当にいい人たちだ。
スージーさん、マネージャーさんと握手を交わす。
本当にありがとう。
その後、Davisさんの部屋で僕の週末の予定に関しての話が始まる。 Davisさんはいろいろ知恵を絞ってくれて、あちこち観光スポットを教えてくれた。 地図にあれこれ書き込んで解説してくれる。 でもどこも遠そうだし、Davisさんも「絶対お薦め!」と言えるところは無さそうだった。
「週末何か困ったことがあったら、遠慮なくここに電話して。
おまえはこの町に誰も知り合いがいないんだ。
本当に遠慮しちゃダメだよ。」
と言って自宅の電話番号を書き込んでくれた。
うれしい。
Rogerさんがやってきて送る荷物のPriceを聞いてきた。
今回試験を行った装置は、再び日本に送り返す。
その手配をRogerさんがやってくれるのだ。
余談だが、品物を海外に送るのはものすごく手間がかかる。 それはまさに輸出/輸入だからだ。 その品物はどういったものか、CPUを内蔵している場合はその処理速度、Memoryの有り無し、内蔵するソフト・ウェアの種類など事細かな資料が必要になる。 当然それらの価格に関する情報も必要になるのだ。
あらかじめ用意しておいた製品の価格の資料をコピーして渡すが単位が円で書いてある。
ドルと円のレートってどれくらいだったっけ?
「ちょっと待って。調べるから」
「Oh, Webなら僕の所で見れるよ」
と言ってDavisさんがNetscapeで調べ始めた。
$1 = \107.59それをコピーに書き込む。 換算はあとでやってもらおう。
Priceが分かってRogerさんも戻るという。
お別れだ。
最後までうまく会話できなかったけど、いい人なのは分かった。
いつも爪楊枝を加えていて、今も紙コップ一杯のひまわりの種を食べている。
固く握手をして「ありがとう」。
"My home"に戻る。 そうだ。 この時間に会社のロゴ入りグッズを買ってこよう。 さんざん迷ったあげくTシャツとマグカップを買った。 2つで$10ちょっと。
"My home"に戻るとDavisさんがディバッグを背負ってやって来た。
「車を取りに行かなくちゃいけないんだ。
お別れだね。」
別れは突然やって来た。
なんとお礼を言っていいか分からない。
「Thank you very much.」しか言えない。
固く握手を交わす。
「I never forget you.」
昨日から言おうと思っていた言葉を言う。
「僕もだよ。」とDavisさんも言ってくれた。
Davisさんは出ていった。
しばらく感慨にふけっていたが、そうものんびりしていられない。
飛行機のチケットを変更しなければ。
何かトラブルがあったときのことを考え、帰りの飛行機は20日(水)にしておいたのだ。
JTBの行程表に書いてあるユナイテッド航空の電話番号に電話をする。
「日本語をご希望の方は1をお押しください」
という日本語の音声メッセージが流れる。
なんて便利なんだ。
"1"を押す。
音楽が流れ始める。
が、待っても待っても音楽のまま。
いっこうに誰も出ない。
混んでいるのかな。
10分くらい待っただろうか。
やっと誰か出た。
とっさのことに何て言っていいのか分からない。
「もし...もし」
おそるおそる話すと
「はい、何でしょう。」
元気のいいおばちゃんの声がした。
「フライトの変更をしたいのですが」
名前、今持っているチケットの日付、便名などを言って僕が予約してあることの確認ができた。
「いつに変更しますか?」
「9/18の月曜日がいいんですが」
「しばらくお待ちください」
しばらく待つ。
「ありゃー、こりゃダメだわ。
デンバー発は満席だね〜。」
日曜日や火曜日も調べてもらうがどれもダメ。
「デンバーって今何かあるの?」
「さー...」
「こんなことって普通まず無いのよね。
絶対何かあるわ。
間違いない。」
なんだかこのおばちゃん面白いぞ。
航空会社の人とは思えない。
八百屋のおばちゃんと話しているような親近感がある。
「じゃーねー、これなんかどうだろう。」
と言って別の便を薦めてくれる。
元々僕のチケットはシアトル経由なのだが、サンフランシスコ経由に変更するというのだ。
9/18、最初の希望通りの日付。
朝8:00、デンバー発。
ちょっと早いがしょうがない。
「それでお願いします。」
「あー、良かったー。
席はどこがいい?」
「通路側を」
「通路側ね。
う〜ん、一応通路側希望って入れておくけど早めにチェックインしてね。」
やっぱり結構席が埋まっているみたいだ。
予約番号を聞いて変更完了。
なんとかFlightの変更も済んで一安心。
これで帰れる。
荷物をまとめる。
この"My home"ともお別れだ。
スージーさんの部屋に寄り、「もう行くね」と挨拶する。
再び握手。
「どうもありがとう」
「お会いできて良かったわ」
僕の臨時社員証をどうしたらいいか尋ねると、多分受付でセキュリティーの人に返せばいいと教えてくれた。
受付には初日しか行っていない。
もちろん行き方もよく分からない。
確かこっちの方だと勘を働かせつつ、無事受付へ到着。
受付のおじさんに黙って臨時社員証を渡すと
「Thank you.」
と言って受け取ってくれた。
ホッ、何も言われなかった。
「Thank you very much.」と答える。
外に出る。 いよいよBoulderの事業所ともお別れかー。 この建物もこれで見納め。 多分再びここに来ることは無いんだろうな。
さっきDavisさんに教えてもらった大型ショッピングセンターに行くことにする。
会社の前の道路を、今度はBoulderとは反対方向に曲がる。
それはLongmontという町にある。
確かここはDavisさんが住んでいる町のはずだ。
行き方は簡単。
すぐ着いた。
そのお店の名は"WAL MART"。
本当にバカでかい。
ダイクマをさらに1回りも2回りも大きくした感じだ。
生活雑貨や電化製品、カー用品、いろいろなものが売っている。
しかも安いみたい。
しかし特に何か欲しいものがあったわけでもないので、ボーっと一回りして出る。
同じ敷地内に、"Twin Peaks Mall"というショッピング・モールがある。
Boulderの"Cross Road Mall"よりも大きそうだ。
しかし相変わらずお客さんはあまりいない。
Twin Peaks Mallの中で本屋さんを見つけた。
カレンダーが売ってるはずだ。
会社の人たちへのおみやげにカレンダーがいいと考えていた。
中に入ると、若くてきれいな店員さんが「May I help you?」と聞いてくる。
突然のことで言葉が出ず手を振っていらないと示す。
本屋さんとしてはそれほど大きくはない。
カレンダーがあった。
4種類のColorado州のカレンダーがある。
他にスタートレックのカレンダーもあった。
こっちは兄貴に買っていこう。
5つのカレンダーを持ちレジへ。
さっきの店員さんがいた。
「Where are you from?」
もっといろんな人にどこから来たのか聞かれるかと思ったが、Boulderに来て実にこれが初めてだった。
「Japan」
「Oh, Japan.
1人?」
「Yes.」
「こっちにはビジネスできたの?」
「Yes.」
「この辺は気に入った?」
「すごく気に入りました。」
「......?」
???
よく聞き取れずに身振りで分からないという風に示すと
「日本のどこから来たの?」
とわかりやすく言ってくれた。
神奈川と言っても分からないだろう。
「Tokyo.」
「Oh Tokyo.」
色白で(あたりまえか)細くて本当にかわいい子だ。
別れるとき
「Thank you very much.」
と言うと
「お会いできて良かったわ。
Thank you.」
感じのいい子だった。
モールの中に気軽に入れそうなレストランを発見。
しかし今まで高級レストランばかりに行っていたので、逆にこういうところでの店員さんとのやりとりに自信がない。
これも一つの経験だ。
勇気を出して入る。
若い兄ちゃんがやってきた。
「1人?」
「Yes.」
「Smoking?
or non smoking?」
「Non smoking.」
「じゃ、あそこの角の席にどうぞ」
言われたとおり座る。
すぐにさっきの兄ちゃんが来て
「何か飲み物いる?」
と聞いてくる。
な〜んだ、高級レストランとそんなに変わらないじゃん。
「Beer.」
その後ビールの説明があったが、今度は聞き易い。
「Coors Light, Budweiser, ...」
「Budweiser.」
「Ok.
........?」
聞き取れなかった。
聞き返すと
「Long size?」
と言ってきた。
思わず
「Yes」
と答えてしまった。
その後出てきたのはそれほどバカでかくないグラス。
よかった。
食べ物はトリプル・チーズ・バーガーを頼む。
「焼き方は?」
え?
ハンバーガーごときに焼き方を聞いて来るんだ。
「ミディアム」
出てきたプレートには大きめのハンバーガーとフライドポテトがたくさん乗っている。
ナイフとフォークがあるがどうやって使うんだろう。
ええい、切っちゃえ!
ハンバーガーをパンごとざっくり切り、食べる。
なかなかおいしい。
残りももうわずかになったところで、プレートの脇に輪切りのトマトやオニオンやピクルスがあるのに気がついた。
そうか、自分の好みでこれらをハンバーガーにトッピングするんだったのか。
今となってはもうどうしようもない。
もったいないので、それだけ食べる。
フライドポテトはあまりの多さに残してしまった。
会計のタイム。
$10.73安い!
車に戻りホテルへ向かう。
確か部屋のビールがもう無い。
買いに行かなきゃ。
最初の朝の散歩で見つけたホテルの近くのリキュールショップに寄ることにする。
町のはずれで、人がほとんどいない。
お店の前には酔っぱらいらしきオヤジが数人たむろしている。
ちょっと怖い。
お店の中は普通な感じだった。
ただお客さんはほとんどいない。
Badweiser、6缶パックを持ってレジへ。
レジには1人買い物客のちょっと小太りの兄ちゃんがいるが、レジが終わったにもかかわらずレジのお兄ちゃんとぺちゃくちゃおしゃべりをしている。
なんだ?
こいつも酔っぱらいか?
待つこと数分、やっといなくなった。
!!!!!!
一瞬びびる。
レジにクモの模型が張り付けてある。
勘弁してくれよ。
悪趣味だなー。
レジのお兄ちゃんはメキシカンな香りのする、でもちょっとかっこいい感じ。
暗い声で
「How old are you?」
「Thirty-two.」
年齢を聞かれた。
でも僕が32歳と答えたらそれきりで、問題なく買い物完了。
愛想は全くない。
お店から出ると、さっき店の前にいた酔っぱらい連中から何か声をかけられたような気がするが無視。
車に乗りホテルへ。
はー怖かったー。
なんだか今日はいろいろあって疲れた。 ビール2本飲んでおやすみなさい。
To be continued...