八幡平〜秋田駒縦走 (秋田・岩手県)
2003.09.20-22
21日
昨日は真っ暗の中、山荘に着いたので、出発前に手前の湿原と水場を写真に納めてからゆっくり出発とする。
八瀬森山荘は2階建て構造。1階はコの字形に床がはられ中央は土間(コンクリがうたれている)で2階まで吹き抜けになっている。トイレは2階から外へ出る引き戸を明けた所にある。2階にトイレのある作りは珍しい。積雪期はここが入り口になる為だろうか?
水場は山荘(樹林)と湿原の境目に流れている小沢だ。湿原を流れている沢にしては枯れ草臭さがない。
7:15分頃、草刈りの二人に挨拶して山荘を出発。広葉樹の中を地道に登っていく。ここから田代岱までも刈り払われた良い道が続いていた。八瀬森の山頂には直ぐに到着する。山頂は樹林の中で展望はほとんど無い。八瀬森から下る途中、樹林の間から曲崎山が大きく見えるが、マイペースで上がっていけば思った程苦もなく曲崎山に到着する。
曲崎山の山頂も、八瀬森同様に樹林の中で展望は無い。上のパノラマ写真は八瀬森からの登る途中曲崎山の肩の様な所から撮影した。この場からは北方が開け八幡平から岩手山等歩いてきた尾根が見渡せる。
山頂からの下れも笹原が刈り払われた地形となる。ここから下になだらかな大沢森と山頂が茶色く色着いた大白森が見られる。下りの坂は少し急で刈られた笹の茎が滑りやすい。
下りきってから、水芭蕉等が生える小湿地(湿原では無い、樹林の湿地)があり、幾つかの小沢もある。この沢のどれかが地図で記される水場だろう。しばらくブナ林歩きとなる。
大白森山荘は今年工事中と聞いていたが既に完成済みだった。山荘は縦走路から20m位木道を秋田側に入った所にある。水場は逆に縦走路から岩手側に降りていった所に有るよう(標識があった)だが今回は確認しなかった。
山荘はこの付近の他の山荘と比べるとこぢんまりとしている。1階はコンクリの土間でストーブを中心に椅子が並べられている。(綺麗なトイレ有り)二階も半分が吹き抜けの為、そんなに広くない。快適に宿泊するには10人程度が限度であろう。
山荘前で残り物のパンと行動食で軽く腹こしらえ。(山荘の中は出来たばかりのせいか、新築建材の臭いがする。外の方が気持ちよい。)そのうち、上から二組の夫婦が降りてきた。「山頂は団体が来ていて木道はいっぱいだよ!」と聞き「えっ!そんな団体が来るような山になってしまったのか!」と驚く。10:46支度を整えいよいよ大白森に出発する。
樹林の登りを耐えながら進んでいくと突然、視界が開け、ここが山の上とは思えぬ草原が広がる。美味い具合に時間をずらせる事が出来た為、団体さんの姿は草原には無かった。山頂の標識の場所までは一人貸し切り状態。微かな風が心地よい。
大白森の山頂標識付近で先行していた知人パーティに追いついた。
小白森を下ると鶴の湯への分岐で大きく曲がる。そこから3っか4っの小ピークをUP/DOWNすると蟹場への分岐標識に着く。標識をよく見ると何かで削られた後があり近づいてみると3本の爪跡らしきが2ヶ所に!さらに近づいてみると黒い毛が少し残っていた。どうやらこれは熊のイタズラらしい。
田代岱の最後の登りを行くと途中に(地図では1100m付近)沢が登山道を横切る場所がある。ここで、今晩から明日にかけての水を調達していく。(田代岱の水場は涸れる事があり、確実に補給できる場所で補給した方が良い。)
山荘に着いて、水場を覗きに行く。この山荘の水場は山荘玄関の裏面に回ると湿原の中、岩手側に踏み跡がある。これを進み、湿原の終端からは笹や小枝が覆い被さった踏み跡となる。踏み跡はしっかりしているが所々雨水に磨かれた溝状の所もあり急坂もあって滑りやすい。虎の子ロープの付けられた場所もあった。ちよっと下ったが沢らしき場所が出てこない。もしかすると見えている谷底まで降りるのか??途中で水は調達してきたのでこれ以上深追いせず登り返す事にした。山荘に着いたら約1週間位前に訪れた人のメモが有り「水場は涸れていた」との事。手前で水を汲んで置いて正解だった。
今日は明るい内に到着したのでゆっくり夕食の準備。途中で調達したブナハリをバター醤油で炒め酒のつまみにする。本日の宿泊者は昨日の八瀬森山荘と同じ顔ぶれだけだった。