第7話 砂時計


5/7  時がさらさら過ぎていく。
     砂の落ちる音が好き。
     砂の落ちていく光景が好き。
     砂時計の砂って、手触りよさそう。
     砂時計の中に入って、砂と一緒に落ちてみたい。

5/8  そんなことを考えながら、砂時計を眺めていると、
     あっという間に砂が落ちきってしまう。
     ひっくり返すと、また同じ時が始まる。

5/9  紅茶が渋くなっちゃうな。
     早くカップに注がなくちゃ。
     そう思っているのに、紅茶ポットより砂時計に手が伸びる。

5/10 そうそう、前にこんな夢を見たっけ。
     真っ白な砂漠を歩いている。
     砂はさらさらしていて、どこかに流れている。
     その砂が、砂時計の砂に似ていた。

5/11 砂漠は巨大な砂時計。
     砂の流れて行く先には、別な世界があって、
     行ったり来りを繰り返す。
     さらさらさらさらさらさらさらさら。

5/12 夢の回想をしているうちに、
     紅茶がすっかり冷めちゃった。
     次からは紅茶を入れるときは、タイマーを使おう。

おわり

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