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十和田市現代美術館

十和田市現代美術館は日本に数少ない現代美術を提示する美術館だ。
2013年8月に奥入瀬渓流を訪ねた後、短時間ながら訪問した。

十和田市は八甲田山の麓に位置する小都市で、十和田湖から流れ出る奥入瀬川の中下流域にあって、観光や農畜産物の生産などを主な生業としている都市といえる。
こういった環境の中でのこの十和田市現代美術館を一言で表現するのは難しいが、といってどれだけ言葉を尽くしても、浅学非才な身にとっては説明不能な美術館と思う。

しかも、常設展示施設は撮影禁止で、シンボリックな建物があるわけでなく、いくつかの建物をガラス張り(?)の廊下で結んでいるので何ともやっかいな代物だ。


ともかく、メインストリートからアプローチした場合は、エントランスホールと道路の間にある主要展示物のフラワーホースと呼ばれる作品の洗礼を受ける。この馬は韓国生まれのチェ・ジョンファ作のアートで主要展示物で撮影自由な作品の一つ。

(フラワー・ホース、美術館エントランスホールと二階建て展示館)
フラワー・ホースと十和田市現代美術館



十和田市現代美術館は、この馬の背後の建物から入り、入場料金(常設展のみ¥500)を支払って、荷物などを預け、ガラス張り(?)の明るい回廊を通って次の建物に行く。

常設展は21の作品からなるとのこと。

次の建物は、二階建てで屋上がある建物だが、一階にはオーストラリア生まれのロン・ミュエクのスタンディング・ウーマンという高さ4メートルの彫刻作品が展示されておりギャラリーはびっくりさせられる。

この巨大おばさんの彫刻に度肝を抜かれた参観者は順路に従いまた外を見ることが出来るアクリルの通路を通ってベルギー生まれのハンス・オプ・デ・ピークの「ロケーション(5)」の展示室に着く。

このロケーション(5)は、カフェの椅子に座って高速道路を上から覗くような錯覚を与える作品で、薄暗さで効果を上げている。この作品も不気味なところがある。

ロケーション(5)に行く途中にもいくつかの工夫のある作品があるのだがその内の一つが日本生まれの 山本 修路の「松 其ノ三十二」。


こうして、中庭の外周を一巡して六つほどの展示建物を巡ると一階部分の常設展示を見終わるのだが、もう一つだけ同館のホームページをリンクしながら作品を紹介すると、韓国生まれのスゥ・ドーホーの「コーズ・アンド・エフェクト」 は数万体の樹脂製の人形彫刻が肩車しながらつながっている作品。


さて、21作品ある常設展示作品の内、撮影禁止でない作品は屋外にある。
先に掲示した、花で飾られた馬(「フラワー・ホース」)と下記の作品だ。

日本生まれの 椿 昇 の「アッタ」は写真のような作品。

(椿 昇 の「アッタ」)
椿 昇 の「アッタ」


また、カフェショップのある建物の壁画も常設展作品の一つで、イギリス生まれのポール・モリソンの「オクリア」という作品。神話に登場するリンゴの木がモチーフとのこと。

(ポール・モリソンの「オクリア」  左側の壁面は奈良美智の「夜露死苦ガール2012」)
ポール・モリソンの「オクリア」



この建物の北側の壁に、2012年になって別のアーティストが絵を加えた。
奈良美智の「夜露死苦ガール2012」という作品。
2012年に奈良美智の個展が開かれその際に書き加えられたらしい。


常設展示の概略を説明したが、カフェのある建物(売店を兼ねる)の説明はしやすい。
回廊の最南端にあり、中には休憩スペースとハスの花びらが動くアートがある。
昨日の午前中に十和田湖行きのバスの車窓から見た建物だ。

(カフェのある建物)
カフェのある建物

(建物内部のショップ)
 
(建物内部のハスの花びらのアート)
建物内部のショップ
 
建物内部のハスの花びらのアート



この建物で休んでいたら、観光協会の係員からアンケートの質問を受けお礼に奥入瀬の水の小ボトルを頂いた。

また、エントランス・ホールの床を彩るイギリス生まれの ジム・ランビー の「ゾボップ」 も撮影自由。 カラフルな床に幼児が戯れていた。

(エントランス・ホールの床)
エントランス・ホールの床




十和田市現代美術館の敷地外に目を移すと、道路を挟んだ反対側の土地にいくつかのアートがあった。(アート広場と名付けられている。)

(「愛はとこしえ十和田でうたう」 草間彌生(日本))
 
(「ゴースト」 インゲス・イデー(ドイツ))
「愛はとこしえ十和田でうたう」
 
「ゴースト」


帰宅後も現代美術とは何かと自問自答する日が続いている。

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