全国秘湯巡り・静岡
伊豆・湯ヶ島温泉
第1日目
旧道・天城トンネル
(天城トンネル)
久しぶりに天城トンネルまで来た。
湯ヶ島温泉に浸かる前に、ちょっとした散策がしたかった。
修善寺側からは東海バスの河津行きに乗って「水生地下(すいせいちした)」で下車。旧道を2キロほど歩く。
この道は、途中川端康成の文学碑などがあり、乗用車さえ来なければ、最高の散歩道だ。
紅葉の季節、新緑の季節の他に、冬木立の季節もおすすめの道。
天城山隧道(あまぎやま・ずいどう)は、静岡県田方郡天城湯ヶ島町から加茂郡河津町とをつなぐトンネルで、全長約450メートル。
明治37年の完成で、陸の孤島だった南伊豆と北伊豆の距離がぐっと短くなった。
(天城山隧道碑)
このトンネルは昭和61年に「日本の道100選」に選ばれ,平成10年に登録有形文化財に、平成13年に重要文化財に登録されたとのこと。
特に重要文化財には「わが国に現存する石造道路隧道の中で最大長の土木構造物で技術的完成度が高く、明治後期を代表する隧道」として道路隧道としては全国初の登録だった。
隧道入り口から「水生地下」まで戻る。
修善寺行きのバスで昭和の森へ。
伊豆近代文学博物館や井上靖の旧邸などがあり、天城グリーンガーデンにはシャクナゲが数多く植えられているとのことだが全てパスして食堂へ。
腹ごしらえの後、再びバスで湯ヶ島温泉へ。
湯ヶ島温泉
(湯道) | (湯道散策の道) |
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バス停「湯ヶ島温泉口」は、湯ヶ島「湯道散策」の小道の入り口で、狩野川に向かって急に下る。
散策する道としては良く整備されていて、人通りも少ない。
途中に飲泉場所があったりする。
(飲泉場所) | (途中の吊り橋) |
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河鹿の湯
下りきった所に昔ながらの共同浴場「河鹿の湯」がある。隣は有名な「湯本館」。
(河鹿の湯) | (河鹿の湯浴槽) |
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河鹿の湯は券売機で券を購入(\250)して番台に渡して入る方式。 5〜6人も入ればいっぱいになる浴槽だが、河原に面して明るく、源泉掛け流しの湯で若干のぬるぬる感がある。
入っていた地元のおじさんに聞くと、渇水期の今は湯量が少なく、温度も低めとのこと。この温度がひろさんの好みだが、なぜ渇水期は温度が低いのか?
(湯道・出会い橋) | (猫越川の渓谷) 木太刀荘(左)と世古の湯(右) |
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狩野川は河鹿の湯あたりで、天城峠から来る「本谷川」と、持越温泉から来る「猫越川」が合流して狩野川になる。
今日の宿、国民宿舎「木太刀荘」は、川の出会いから猫越川の約1キロ上流で、途中は結構な渓谷美の谷川だった。
世古の湯
チェックインする間も惜しんで共同浴場「世古の湯」へ。
世古の湯は木太刀荘の川の対岸で、バス停から狭い石段を下ったところ。
入浴料は管理費として\100。
古い建物だが、地元の人の愛情がにじみ出ており、浴槽も小ぶりながら2つあり、左がやや熱め、右がぬるめ。
入っていた、職人さんふうのおじさんに聞くと、伊豆の中で3本の指に入る名湯で、けがの治療に抜群の効能とか。
今は渇水期で湯がぬるい。その訳は「渇水期は地下深く浸透する水が少なく、ぬるいまま途中から上がってきてしまう。」からで、梅雨時は水が地下深く入って、より温度が高くなってから上がってくるので、湯量が多く熱い湯なのだそうだ?。
木太刀荘
木太刀荘に戻ると夕食。
国民宿舎は特に夕食が早い。客は家族連れが多く、子供がにぎやかだった。
お刺身についた名産の「生本わさび」1本に感激した。
夕食後、木太刀荘の温泉に入る。窓が広く、良い湯加減だった。
木太刀荘は建物も良く、サービスも控えめ、客も節度を持った人たちで好感をもった。
第2日目
早朝再度温泉に入った。
外が明るくなったら、対岸に世古の湯の建物が見えた。
湯ヶ島から下に降りるバスは、本数が少ないが、世古の湯脇から出る。
(梶井基次郎文学碑)
早めにバス停まで行くと、梶井基次郎の碑の案内板があり、碑を見学した。
梶井と川端康成との係わり、この地で文学活動を始めたきっかけなどが記されていた。
近くの旅館に長逗留したとのこと。
バス停でバスを待っていると、オフロードカーの運転をしていた方から声が掛り修善寺まで乗せてくれるという。
家人と車に乗せていただき、身の上話。
こちらは温泉愛好家。
この方は、リタイアして写真を撮りに伊豆まで来たとのこと。奥さんの実家が世古の湯に近く
いわば世古の湯友の会?の会員とのこと。
パソコンにもカメラにも詳しい方だった。
修善寺温泉
修善寺で下ろしていただき、名刹「修禅寺」へ。
(修禅寺山門) | (修禅寺本堂)
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修禅寺は弘法大師を開基として創建された寺院で、当初は真言宗だったが、その後いくつかの変転を経て、現在は曹洞宗のお寺。
鎌倉幕府の二代将軍源頼家が北条義時ののために当寺院に幽閉されはかない最後をとげたという話も有名で、岡本綺堂の「修禅寺物語」もこれを題材に書かれたもの。
宝物館の展示が素晴らしかった。
(修善寺の町並み) | (修善寺の町並み2)
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修禅寺を出て、街ののタウンウオッチが面白かった。
午前中に入る事の出来る共同浴場が無く、街をぶらつくだけだったが、古い建物の旅館が保存されており、また公園、神社、頼家の墓、自刃した範頼の墓、頼家に殉死した十三士の墓など、巡る場所に事欠かない。
バス停前の菊屋(旅館)は、玄関だけ桂川のこちら側で、他の建物は全て対岸。 歴史も古く、格式があるとのこと。
(菊屋の玄関) | (渡廊下と対岸の建物) |
(修善寺駅行バス) |
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バスで修善寺駅に出る。
伊豆長岡温泉
伊豆箱根鉄道で伊豆長岡駅へ。
長岡温泉へのバスはかなり頻繁に出ている。沼津行きでも、長岡温泉行きでも良い。
バスターミナルで下車して、温泉街を歩くと、右手に山の上まで和風建築が連なっている旅館で日帰り入浴¥500という看板。
(南山荘玄関) | (南山荘建物)
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(南山荘の露天風呂) | (南山荘の内湯)
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ご主人から話を伺う。
「南山荘は、各客室が遠く、03年に朝食付き素泊まりの旅館に切り替えた。
お陰様で評判が良く、2食付きの宿泊よりも結構遅い時間にお客様が来てくれる。」 |
露天風呂は写真を撮るだけだったが、内湯は、一番高い場所の建物に付属した浴場で、ゆったりとした、ぬるめの、掛け流しのお湯がすばらしかった。
南山荘に日帰り入浴者には、玄関上の大広間が休憩室として開放されており、ここれも申し分ない。
南山荘で、昼食場所を聞くと、温泉場の道を行くと、鮨屋、中華、うどん屋などがあるという。
温泉街の向こう側の外れまでぶらついた。タウンウオッチングとしては、修善寺温泉の方が目先が変わって面白いと思った。
手作りとうふ 「みずぐち」 | 昭和五年の碑 国民新聞温泉十六佳選 |
Prince Bakery |
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手作りとうふ屋「みずぐち」でお総菜を買った。
国民新聞社の「昭和五年全国温泉十六佳選」で、伊豆長岡温泉が当選したという碑が目に付いた。
結局、プリンス・ベーカリーというパン屋に入って、サンドイッチとビールで遅い昼食を摂った。
北条時頼の墓のあるという最明寺まで歩き、伊豆長岡行きのバスに乗った。
予約していた踊り子で、簡単に大船駅に着いた。
(若干の情報)
場所 | 電話 |
河鹿の湯 | 0558-85-1568 |
木太刀荘 | 0558-85-1035 |
修禅寺 | 0558-72-0053 |
伊豆長島温泉南山荘 | 055-948-0601 |
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