全国秘湯巡り・岩手
漆の里・浄法寺町
2003年の東北旅行の最終日、二戸の金田一温泉から再び当初予定した八戸に戻る気がしなくなっていた。
  
そうだ、浄法寺町に行こう・・・。 漆の町だし、寂聴さんの天台寺も有るではないか・・・。
 
ところが、浄法寺町は漆の里とばかり思いきや、飛んだハプニングが・・・
  
(稲庭風力発電所) 
 
金田一温泉から二戸まではJRバスで30分ほど。 
ここから、浄法寺町まで更に30分ちょっと。
  
新しい道があるのに、バスは古い街道を走る。 
山懐に抱かれた農村にはタバコの栽培が目立つ。
  
漆沢、天台寺と過ぎ、町の中心部で下車。 町の観光地図をもらおうと町役場に入る。 
 
浄法寺町のホームページへのリンク 
浄法寺町
  
受付の女性に伺うと、町役場は新築で木造、漆塗りという。 
写真撮影はOKで、漆塗りで良く写真を撮る場所は、吹き抜け、町民課受付、町長室、町議会議場など。 
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(浄法寺町役場の吹抜)
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幸い(?)、町長は不在なので、総務課の許可があれば町長室も撮影可とのこと。 
2階にあがり、総務課を訪ねて事情を話したら「町長に聞いてみる」と。 
町長は何と在室で、入室を促された。
  
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(清川町長と町長室) | 
(町長室羽目板) |  
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清川町長は気さくな方で、当方が鎌倉から来たこと、鎌倉彫りには浄法寺漆を使うこと、鎌倉彫工芸館の館長がしばしば浄法寺のことを口にしていたので、一度訪ねてみたいと思っていたこと、などをしどろもどろに話す。
  
撮影はもちろんOK。自ら町舎を案内してくれ、さらに、午前中時間があるので、風力発電所なども見学させてくれるとのこと。
  
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(町民課受付) | 
(町議会議場) |  
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町役場の建物は約700坪。町有林のカラマツを製材して集成材をつくり、これを構造材として3階建ての庁舎を建設したので、通常の鉄筋コンクリートの約3分の1の予算で済んだという。 
この建築でいくつかの賞を受賞し、完成当時はかなりの話題になったという。
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稲庭高原の風力発電所へ行く前に、町役場に近い清川町長の自宅にお邪魔して、玄関の漆の木の掻き跡や地ビールのラベルの原画を見せて頂く。 
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(自宅での清川町長) | 
(ハワイの仏教伝道師の書) |  
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(アッパビール・ラベルの原画) 
(横尾忠則画) | 
(漆の木・ 掻き跡) |  
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稲庭高原に向かう途中、「天台の湯」の前を通る。 
ここには、日帰り温泉と宿泊施設がある。 
天台の湯のネーミングは天台寺の住職の瀬戸内寂聴さんとのこと。
  
また、そのさらに奥に、湧き水の「岩誦坊(がんしょうぼう)」の名水があった。 
観光客の家族が水を汲んでおり、町長が話しかけた。 
ともかく行動的な町長さんだ。 
今度、この名水をボトリングして売り出す計画とのこと。 
 
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(岩誦坊の名水1) | 
(岩誦坊の名水2) |  
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更に高度が上がると、広々とした高原に出た。 牛が放牧されており、その向こうに風車がゆっくりと廻っていた。
  
稲庭高原風力発電所は出力660KWの風車が3基設置されている。 
町が県の企業局に働きかけて設置したものだが、売電で割と早くペイアウトするとのこと。 
風力発電で地球のエネルギー危機は避けることが可能と新聞の科学欄に出たのはつい先だってのことだ。 
 
| (風力発電所1) | 
(風力発電所2) | 
(風力発電所3) |  
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清川町長の発案はいろいろと多岐にわたり、町の財政健全化や若者の定着に役立っているらしい。
  
| (キッチンガーデン) | 
(花売り場) | 
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稲庭高原風力発電所から町の中心部に下り滴生舎に向かう。 途中地元の花や食材などを売っている「キッチンガーデン」に寄った。
  
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地元のお母さん達が、お盆用の花や、郷土菓子を販売していた。
  
(滴生舎の漆器) 
 
滴生舎は浄法寺漆器工芸企業組合の施設で、漆の生産過程や、漆掻きの道具の展示の他、何人もの漆器制作者の作品を展示即売している。
  
漆器の美しさもさることながら、漆の生産のための道具が面白かった。 
浄法寺の漆器はシンプルな美しさで、朱と黒などが特徴とか。
  
鎌倉彫工芸館で聞いた話では、国産の漆器が生活の道具の座から次第に美術品のように扱われてきて、売り上げが落ちているという。 
浄法寺塗はどうなのだろう。
 
 
  
滴生舎でささやかな買い物を済ませ、隣接のかつら庵に案内される。 
町長さんは、どこに行っても気さくにいろいろな人に声を掛ける。
  
かつら庵の入り口の脇でソバを打っている人にも声を掛け、客の入りを聞いたりしている。 
 | (かつら庵) | 
(ソバの手打ち) | 
(かつら庵の手打ちソバ) |  
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(アッパビール) 
 
町長さんにソバをごちそうになる。 
また、地ビールのアッパビールを少し飲む。 ビールは地ビールらしく、個性的な味がしてとても美味しかった。
  
町長宅で見かけた横尾忠則さんの描いた絵をラベルで見るとイタリアかどこかヨーロッパのビールのイメージだった。
 
 
(天台寺) 
 
町長さんと別れ、天台寺をお参りする。
  
新幹線の時間が迫り、本堂にお参りしただけで、二戸駅までまっしぐら。
  
旧道に入らず、新道だけを駆け抜けたら15分ほどで二戸駅だった。 
二戸駅ではお盆を故郷で過ごすため、下りの列車から人々が沢山降り立った。
  
自宅に戻ってしばらくすると、町役場から岩誦坊の名水を「クリスタルウオーター」として発表するという案内をいただいた。 
場所は銀座の「いわて銀河プラザ」。
  
「いわて銀河プラザ」は東京のアンテナショップで、岩手の物産を扱っている。
  
(クリスタルウオーター発表会) 
 
日曜日に発表会場に伺うと、町長さん以下総出で対応している。
  
浄法寺からの出張者の他、東京の職員、近所に住んでいる浄法寺町出身者などが、客に対応しており、客は通りがかりの人や、在京の「ふるさと浄法寺会」の方など。
  
クリスタルウオーターは好評で、次に好評なのが野菜類。
 
菓子類はやや苦戦か?。 
 | (ビルの外で) | 
(野菜類善戦) | 
(人の集まりに波がある) |  
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 | (アッパビールも善戦) | (クリスタルの輝き) | 
(旧友?) |  
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今後いくつかの検討を経て、クリスタルウオーターも発売の運びとなるだろう。 美味しい水が首都圏の人々にとどくのにどのくらいの試練が待っているのだろうか? 
 
 
(若干の情報) 
  
 
 
 
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