全国秘湯巡り・長野
信州・白骨温泉/野沢温泉
第1日目 横浜→
松本→
白骨温泉 
第2日目 白骨温泉→
野沢温泉→
野沢温泉外湯めぐり 
第3日目 野沢温泉→
小布施→
長野・善光寺→東京
  
第1日目 横浜から松本/白骨温泉
(横浜発の「はまかいじ」) 
 
横浜発松本行きの「はまかいじ」は冬季は運休になる。
(2002年より通年運転) 
運休寸前の11月23日、浜かいじに乗った。満席。
  
列車が郊外に出る。木々の葉が落ちる寸前で、錦を織りなしている。 
小仏トンネルを抜け、大月を過ぎ、笹子トンネルを抜けても、周囲の山々の木々は赤く染まって、最後の季節を謳歌している。 
 
小淵沢に近づくと、唐松が多くなり、これも落葉寸前の黄金色だ。 
松本まで、ずっと車外の紅葉に見とれていた。 
松本
(松本の街路樹はナナカマド) 
 
松本では、数時間の見物タイムがあった。 
松本駅から松本城までは10分足らず。
  
松本は清潔な、コンパクトな町。
  
街路樹のナナカマドが既に葉を落とし、赤い実をたわわに実らせていた。
  
ここでの必見は松本城と開智学校。 
  
(松本城(国宝)) 
 
松本城では、初公開の乾小天守が01年11月一杯までの展示という。
で、行列に並ぶ。 
狭い階段で一方通行の時間待ちをしながら歴史に触れる。
  
天守閣への階段はさらに厳しい。 
五重六階の階段は左右一列ずつでも交わしきれず、ついに一方通行になったりする。 
天守から見た松本市は四方を山にかこまれ、遠く北アルプスは初冠雪で頂上が白い。 
天守から北に重文「開智学校」が見えた。 
 
 (開智学校(重文)) 
 
開智学校は明治初期に地元の寄付で設立された教育の場で、愛媛の宇和町にある開明学校と姉妹校。前年の四国遍路で見学したところだ。 
明治の洋館の通例にもれず、開智学校は地元の大工の工夫によって建てられたとのこと。 
中には、開智学校の歴史的遺物の他に、明治以降の教科書や児童の服装など興味深い展示品が数多く残っていた。 
 
 (愛媛県・宇和町・開明学校(重文)) 
  
(詳しくは、ひろさんの旅枕「2巡目の四国遍路/2巡目・その5」をお読み下さい。)
  
駅に戻る。途中、松本城の脇を抜け、観光スポットと記された場所をまわったが、商業主義的な色彩が濃く、良い印象は受けなかった。
  
昼食にソバ屋に入る。 
さりげないソバ屋だったが、信州ソバの名に恥じず旨い蕎麦が出た。
  新島々に行く松本電鉄は、車両が新しくなって全く見違えてしまった。
  
 
山懐に入りかけた頃新島々に着く。
  
新島々も秋の名残の唐松の紅葉が美しい。 
ここは若い頃、上高地に通った道だ。 
11月半ばでバスは冬季ダイヤの一日1本になってしまう。このバスが接続している。 
バスは、ほぼ満席。
 
  
梓川は切り立っており、斜面の紅葉もいくつかのダムを通り過ぎてゆく間にすっかり葉を落としてしまう。
  
 白骨温泉
乗鞍高原を過ぎ、尾根を越えると白骨温泉。 
(白骨温泉全景) 
 
急な斜面に集落がへばりついている。 
有名な泡の湯旅館の予約が出来なかったので「つるや旅館」が今日の宿。 バス停に各旅館の送迎バスが来ていたが、旅館との距離はあまりない。 
もう薄暗く、すぐに湯に入る。
 
  
 
| (つるやの露天風呂) | 
(つるやの夕食) |  
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内風呂と露天風呂があり、内風呂にも屋外の露天風呂が別についている。 
風呂は硫化水素の臭いがし、白濁している。 
入っている人にうかがうと、良い旅館を選んだという。 
白骨には旅館が13軒あるが、有名な旅館は(料金が)高く、大型露天風呂も日帰り客で混んでいるとのこと。
  
ここは、若い従業員が気持ちよく接してくれ、価格も手ごろで、月に1回は泊まりに来るとのこと。
  
なるほど、夕食も過不足無く、鴨の鍋が珍しかった。 
第2日目 野沢温泉へ
早朝、風呂で会った人から長野県で気に入った温泉について聞く。 
南志賀の五色温泉、七味温泉を挙げてくれた。また、茅野からゆく明治温泉は秘湯だと思うとのこと。
  
バス出発まで時間があったので白骨の隅からすみまで歩いて見る。 
急な斜面にしがみつくように集落があり、大きな旅館からかわいい旅館まで結構な繁盛とみた。
  
 
バスは昨日の道を引き返し、乗鞍高原経由新島々へ。 
新島々でも接続が良く、松本電鉄の電車は新車で快適だった。 
松本駅で、長野行き特急に乗り換え、篠ノ井線で長野へ。 
  
長野では、飯田線の待ち時間が長かったので長野電鉄に乗る。信州中野乗り換えで木島着。
  
 
長野電鉄から見た車窓も、里山はカラマツの紅葉に覆われ、のどかな風景が次々とうつりかわっていった。
  
木島からのバスは信州バス。 
乗客はごく少なかった。 
柿の実がたわわに実っている柿の里、野沢菜がみずみずしい野沢菜の丘など、田園風景の中を30分走って野沢温泉着。 
 
野沢温泉
麻釜の湯が見つかり、麻釜(おがま)方向に歩いたら、今日の宿「中むら屋旅館」はすぐだった。 
晩秋の陽は短く、3時過ぎにはかなり傾いている。 
野沢での滞在時間が短いので、落ち着く間もなく外湯巡りへ。
  
野沢温泉の魅力は何と言っても13ある外湯巡りだという。 
湯仲間という組織が温泉を守り、建物を守り、地元の人はもちろん観光客にまで無料で公開しているのだ。 
管理が行き届き、脱衣場も湯も清潔。
  
ひろさんは、限られた時間に10ほどの外湯をまわった。
  
野沢温泉外湯めぐり
(野沢外湯巡り写真集) 
(写真をクリックすると拡大します)
大湯 
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麻釜湯 
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松葉の湯 
 
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十王堂の湯 
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横落の湯 
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河原湯 
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上寺湯 
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上寺湯の浴槽 
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熊の手洗湯 
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熊の手洗湯浴槽 
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真湯 
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滝の湯 
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上寺湯は熱く、水道の水を出しっぱなしにしてもらった。熊の手洗湯はぬるめでひろさんにちょうど良く、多くの人が入っていた。
  
 
外湯巡りの途中、「おぼろ月夜の館」に立ち寄る。
  
文部省唱歌、「春が来た」、「故郷」、「朧月夜」等の作詞で名高い高野辰之博士の記念館。
  
館内にはこれらの唄が流れ、ゆったりとした時を刻んでいた。 
野沢村の村民の展覧会も同時に開催されており、人がたえなかった。
 
中むら旅館に戻り、野沢菜とビール。
  
中むら屋旅館の夕食は、昨日よりさらに豪勢で、家庭料理なども混じり、十分堪能した。 
風呂も若干熱めの湯だったが、野沢の名湯に恥じない湯で一晩中ぽかぽかと身体が暖まっていた。
  
第3日目 小布施と善光寺
 
朝、散歩をかねて麻釜(おがま)を見学する。 
村の人が、卵をゆでたり、菜っぱをゆでたりする泉源で、野沢の象徴とか。 
一般人の立ち入りを許していないが、各種の温度の泉源と小川の冷水などがあり、各種の調理に一定の手順が面白かった。 
早めの朝食後、8時のバスで木島へ。 
 
道中は昨日通った道だったが、朝靄がたちこめ幻想的な風景を見せてくれた。 
小布施
長野電鉄で、中野経由小布施へ。 
小布施のキャッチフレーズは小京都だが、これは仕掛け人の勝利と思う。
  
 
土地の豪商が葛飾北斎を招き、工房を作って浮世絵を描いてもらった。 
この史実を元に、街並みを整備し、白壁やなまこ壁を張り巡らし、名物の栗菓子屋が軒を連ねた結果、観光客がどっと集まるようになった。 
今は、ミニ博物館や各種商業施設も多い。
 
 
 
文化のかけらもないと言ったら言い過ぎだが、白壁の立派な各種博物館より、露天の「野沢菜売り」や「おやき売り」のほうが人が集まっていた。 
ただ、こういった雰囲気はひろさんも嫌いではない。 
露天で沢山買い物をし、宅急便で送ったりして、再度長野電鉄に乗って長野へ。 
 
善光寺
長野に来たら必ず善光寺にお参りする。 
駅から約20分〜25分の道のりだが、しないのバスは全て善光寺まで100円というのでバスにのる。 
こういったバスの値下げはとても良いことで、多くの町で見習ってもらいたい。 
(国宝・善光寺本堂(重文・山門から見る)) 
 
善光寺は好天の連休でたいそうな人出だった。 
門前の商店も書き入れ時、宿坊も書き入れ時で、講の旗に従った人たちがぞろぞろと歩く後に付いて前に進んだ。 大香炉にお線香を入れ、本堂内部へ。 
戒壇巡りは20分待ちという。並んで待って、真っ暗闇の中を自分の暗部と対面する。
  
外の日差しは今年最後の秋の暖かさだった。 
 
新幹線が開通して、長野は近くなった。 
缶ビ−ルを飲んで、一寸まどろむともう東京近かった。
  
 
 
若干の情報 
 
| 場所 | 電話 | 
| 松本城管理事務所 | 0263-32-2902 |  
| 旧開智学校管理事務所 | 0263-32-5725 |  
| つるや旅館 | 0263-93-2329 |  
| 松本電鉄 | 0263-28-3111 |  
| 松本電鉄・新島々営業所 | 0263-92-2511 |  
| 長野電鉄 | 026-248-6000 |  
| 信州バス | 0269-62-4131 |  
| 中むら屋旅館 | 0269-85-2111 |  
| おぼろ月夜の館 | 0269-85-3839 |  
| 小布施文化観光協会 | 026-247-3111 |  
| 善光寺事務局 | 026-234-3591 |  
 
  
 
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