HOME | 青森の旅 | 遍路・交通事情 | 2巡目の四国遍路 | 日帰りの旅 | PhotoGalery | リンク集 |
全国共同浴場 | 全国秘湯巡り | 3巡目は乱れ打 | 初めての四国遍路 | プロフィール | 旅先で読む本 | 旅の記録 |
Home > 全国秘湯巡り目次 >杖立温泉と天ヶ瀬温泉 |
全国秘湯巡り・熊本/大分杖立温泉と天ヶ瀬温泉(後編) 天ヶ瀬温泉編
第1日目 羽田空港→福岡空港→日田→杖立温泉 第2日目
(承前)杖立温泉で一泊し、日田バスで日田駅前のバスターミナルに戻った。次の予定は、天ヶ瀬温泉駅までJR久大本線で行き、天ヶ瀬温泉の共同浴場巡りをすること。 久大本線もダイヤ数が少なく、やや早めだが日田駅前で昼食を摂り、特急ゆふ83号に乗ればさして時間を無駄にしないで済むことがわかった。 ただ、たったの一駅(途中の豊後中川駅などは特急なので通過)で座席指定料込みの特急料金は¥800と、結構高価な金額となった。 九州は特に自動車のない人は温泉巡りには向かない土地柄のようだ。 日田駅前の宝屋本店に入る。 駅前で偶然目にとまったから入った宝屋本店は結構なお店で、天ぷらそばも皿うどんも美味しかった。 このページのTop ● ゆふ83号と天ヶ瀬駅定刻よりやや遅れて日田駅に着いたゆふ83号は博多発別府行きで、ビュッフェなども付いている。ほんの12〜3分の乗車なのだから、着席しない特急券も発売すべきだと思うのだが・・・?。
天ヶ瀬駅は、駅舎に観光協会などが入っており、とんがり帽子の屋根が印象的な建物だった。
この日の宿は「おおぜき」は天ヶ瀬駅から1分の全くの駅前旅館だった。 旅館の隣に食堂を経営し、朝食などはこの食堂の方で摂るようになっている。 チェックインの時間には早すぎるので、荷物を預かってもらい共同浴場巡りを始める。 天ヶ瀬温泉には、屋内のいわゆる共同浴場が4箇所、川原の露天風呂が6箇所ほどある。 天ヶ瀬温泉の雰囲気を知るために、前後がやや逆になるが、玖珠川とその両岸の写真を見ていただくのがよいと思う。 この写真の中にも川原の露天風呂が3箇所ほど望遠出来るほど全国にも類を見ない温泉場である。 共同浴場巡りは、この温泉場からやや遠い2箇所を先ず巡りたい。 即ち、最下流にある「恵みの湯」と最上流にある「いかだばの湯(筏場の湯)」である。 先ず、「恵みの湯」。 このページのTop ● 恵みの湯恵みの湯に電話で確認したら、お着きになたらオープンしますとのことなので、駅前のタクシーに乗った。
玖珠川の下流方向に走ること5〜6分で古い民家を移築した南天うどん店に着く。 恵みの湯はこのうどんやさんの棟続きで、最近は客が少ないためか、来客を確認してから開くという。 うどん店で浴場の入り口の鍵も管理しているらしい。 南天うどん店は、ネットで、足湯に浸かりながらうどんを食すということが話題になっているようだがお客は見かけなかった。
おかみさんらしき人が鍵を開けてくれ、浴場の脱衣場に案内してくれるた。 お湯は、電話を受けた時点で浴槽に注ぐようスイッチを入れたとのこと。 浴槽は石造りで二つの浴槽が連なり、奥の浴槽の岩が湯口になっていて、大量の源泉が注いでいた。 湯温はぬるめで、源泉流入口あたりが適温になっていた。 肌にやさしいお湯で、弱アルカリ性低張性高温泉とのこと。 無色透明、無味無臭で、飲用にも適するとのこと。 ただ、納得のいかないのは、掃除が不十分のためか少量の藻が底の方にあって、またこの溜まった藻が身体にまつわりつき、浴槽に付着した苔で滑りやすく、快適な入浴とはならなかった。 たまたま入った日がそうだったのかどうか?。 南天うどん店に戻りタクシーを呼んでもらう。 天ヶ瀬駅前を通り越し、温泉街を通り越し、かなり上流に来たところに筏場(いかだば)の湯があった。 タクシーを下り筏場の湯の建物の写真を撮ろうとして愕然!!!。 ポケットにデジカメが無い。 タクシー内に忘れたのか???。恵みの湯の脱衣場に忘れたのか???。 このページのTop ● 筏場の湯(いかだばの湯)パニックになって電話を掛けまくり、ようやくタクシー内で見つかり、天ヶ瀬駅構内の観光案内所に預かってもらう事にして「いかだばの湯」に入った。予備の防水デジカメは持っていたので、撮影に支障は無かったが、前日の日田の町並や、杖立温泉の共同浴場、鯉のぼり、旅館の夕食の写真などが無くなったら泣くに泣けないではないか。
予備の防水デジカメで撮影開始。 いかだばの湯はログハウス風の建物で、共同浴場に似つかわしい雰囲気を醸し出している。 木造の脱衣場には、脱衣用の木の棚とコインロッカーがあった。 内湯は石をあしらった大きめの浴槽。 大きめの窓から川沿いの緑が湯面に写って気持ちがなごむ。 お湯は無色透明、無味無臭の単純温泉で肌触りが良く、湯温も丁度良いので快適な入浴となった。 温泉分析書の源泉温度は50.9度。 加熱、加水無しの源泉100%掛け流しを誇る張り紙があった。 内湯の隣には露天風呂。 露天風呂といっても屋根がけがしてあり、窓の部分が木製の桟だけで風が通るからこう呼ぶのだろう。 内湯よりやや大きめの浴槽で開放感がある。 このページのTop ● 川原の共同露天風呂巡りタクシーを呼んで温泉街に戻る。川原の露天風呂は、玖珠川の上流側からいくつか入るつもりで鶴舞の湯の入り口でタクシーを下りる。 鶴舞の湯 川沿いの車道から急な石段を川原に向かって20段ほど下りると鶴舞の湯がある。
鶴舞の湯は、川原からやや床を揚げて川原の擁壁からせり出すように水平にコンクリートを打ち、両サイドに柱を立てて屋根を葺き、両サイドをビニールシートで目隠しした共同浴場で、水平のコンクリートには浴槽があった。 供用時間は午後5時からだったので入ることは出来なかったが、この構造なら、脱衣もビニールシートの陰で可能だし、浴槽に入れば川原から覗かれても大丈夫だろう。 このページのTop ● 神田湯(じんでんゆ)神田湯の下り口と案内板も川沿いの車道脇にあった。20段ほどの石段を下り、川原に下り立つと土手に沿って屋根がけしてあり、竹を編んで目隠しにした脱衣場があった。 川原の神田湯まで板野簀の子が渡っている。 神田湯の管理は「古湯一組」とあった。
浴槽は、全く川原の中の露天風呂で、岩陰にパイプがあり、源泉と水の蛇口がある。 湯温は結構熱めで、中に入ってかき回すとやや入りやすくなったが、それでも、44〜5度ぐらいあったろう。 ヌルすべ感のある良いお湯で、若干の硫黄臭もあった。 浴槽の大きさは10人程度入れる大きさで、底が苔で滑りやすかった。 以下に神田湯浴槽と脱衣場の位置関係を知るため全景を掲げる。 入浴料の100円は赤い鉄の箱に入れる。 このページのTop ● 薬師湯神田湯とほとんど並ぶように薬師湯がある。薬師湯は玖珠川の川原のまっただ中でなく、岸のコンクリートの擁壁に沿うようにしてコンクリートの床を作り、擁壁には屋根と脱衣用の木の棚などを作り付けている。
薬師湯は手入れが良く、お湯の温度も適温だった。 浴槽は石で囲まれ、川原との高低差が50〜60センチなので、茶色のビニールシートの囲いが取れれば川原の中の露天風呂並に快適だろう。 お湯はややぬるすべ感があるやさしいお湯だった。 薬師湯の管理は「古湯二組」とあり、地元が昔のお湯を守る組織力の強さが感じられた。 このページのTop ● 天ヶ瀬温泉の赤丸ポスト薬師湯を出て、土手の上の車道に戻る。益次郎温泉に行くために天ヶ瀬橋を渡ろうと歩いていると、赤丸ポストがあった。 天ヶ瀬橋を渡って右に曲がると天龍荘の家族風呂があってここにも赤丸ポストがあった。
このページのTop ● 益二郎温泉益二郎温泉は玖珠川右岸にある唯一の川原の露天風呂で午後2時から供用が始まる。ただ、この日は2時になっても管理者は誰も来ず入ることはかなわなかった。
益二郎温泉は川の擁壁に沿わせて鉄骨を立て、屋根を張ると共に、コンクリートを打って床を造り、コンクリート造りの浴槽を造り、擁壁側には脱衣棚やベンチが用意されていた。 多分、5箇所の川原の露天風呂中で一番新しい共同浴場と思われたが、訪問時にはお湯が落とされていて入ることが出来なかったのは残念だった。 このページのTop ● つたやの温泉饅頭駅前温泉に行くつもりで天ヶ瀬橋を戻り駅方向に行こうとしたら、つたやという菓子屋があった。いかだばの湯に行く途中で乗ったタクシーの女性運転手さんが、ここのみそ饅頭が美味しいと云っていたお店だった。 おかみさんと話し込みいろいろと試食をした。
みそ饅頭の素朴な味が良いか、そば饅頭のさっぱりした味が良いか?。 益二郎温泉のお湯がまだ満たされていないという話をしたら、この店の下にも地元専用のお湯があるから入って行ったらよいと自ら案内してくれた。 このページのTop ● 古湯つたやのおかみさんが案内してくれたのは、つたやの下流側にある玖珠川の川原に下りる石段で、川原に下りたら青のビニールシートに囲まれた共同浴場があった。玖珠川の擁壁にコンクリートを打ち、擁壁に鉄骨を組んで屋根掛けした共同浴場で、名前はつたやのおかみさんも知らないという。 ブルーの波板のドアには百円の札があり、百円支払って入れてもらう。
浴槽は古いタイルが貼ってあり、年代物のお風呂らしい。 ぬるめの透明なお湯はほんのりと硫黄臭がして、肌にやさしい。 益二郎温泉に入れなかった不満が、この静かなお湯の中で消えていった。 人の親切が身にしみてうれしかった。 (このお湯の名称がよく分からないので後日、日田観光協会 天ヶ瀬支部に電話をした。観光協会も入浴を奨める訳にはいかず、地元では「古湯」と呼ばれているらしいというあいまいな回答だった。) このページのTop ● 駅前温泉古湯を出て駅前の大通りに戻り、天ヶ瀬駅を越えて玖珠川の方向に下りた。この道は石段でなく軽自動車が通れる幅で、左に曲がると駅前温泉があった。 駅前温泉は川原の通路に建てた共同浴場で、先客は福岡から来たというバイクライダーの親子連れで、休日に親子でツーリングをした後共同浴場に入るのだという。 この後、自転車乗りの大分の地元の人が入って来て、これからお風呂の後、博多どんたくに行くのだという。 モデルを頼んだらポーズをとってくれた。 また、この日は白と黒の両色の湯の華が出ていてこういう日は珍しいとのこと。
駅前温泉は硫黄臭のする肌触りのやさしいお湯で、やや白濁。 ぬるめのお湯で、いろいろと話しながら入っていたので長湯をしすぎた。 駅前のお宿 おおぜきに戻って一寝入りした。 このページのTop ● 水光園のかじかの湯おおぜきで一休みして、かじかの湯に入りに行った。かじかの湯は水光園の外湯の露天風呂だが一般に開放している。 大きな露天風呂が二槽連なっており、他に竹の柱に屋根がけした仮設の脱衣小屋がある。
他の一般の川原と区別するために巨石を並べて入れないようにして、その中を中ぐらいの石で浴槽の縁に見立てて浴槽とし、中をコンクリートで間仕切りしている。 この浴槽だが、それぞれ20人ほども入れようか?。 こんなに大きな川原の露天風呂は見たことがなっかった。 入ってみるとなめらかなやさしい浴感のお湯で、水光園のホームページでは「純食塩泉」とある。 露天風呂の底の川原から自噴しているという。 かじかの湯は玖珠川の水面と高低差が少ないので、お湯の中から外を眺めるとすこぶる眺望が良く、開放感も強い。 地元の自治会の川原の露天風呂が100円で入れるのに500円を投ずることに抵抗があるかも知れないが、ここの露天風呂の体験は他には代え難い。 ひろさんの入浴姿の写真も欲しかったのだが・・・。 この後、午前中の湯めぐりの際に入り損なった鶴舞の湯もさっと浴びたが写真は無い。 このページのTop ● お宿 おおぜきの夕食数多くのお風呂巡りで消耗したのでまた横になる。おおぜきの夕食は囲炉裏焼き。 三階の食事処は大小の囲炉裏焼きのテーブルとベンチ式椅子のセットが並んでいた。 卓上に並んで料理で直ぐ食べれそうなものはお造り、そば、おにぎりなどで、あとは囲炉裏焼の食材ばかり。 囲炉裏焼の食材は、肉類では、牛肉・豚肉・鶏のもも。 魚介類では、車エビとイカ。 野菜類は、南瓜・ピーマン・ネギ・生椎茸。いずれも自家農園産とのこと。 囲炉裏の炭火はおやじさんが各テーブルを回って、火力を強めたり弱めたりの大忙しだった。 ただ、湯疲れが取れずにいたので折角の料理も沢山は食べることが出来なかった。 このページのTop 第3日目
朝、大関のお風呂に入る。共同浴場のバラの湯や憩いの家に行く気力は無いので、今回の旅の最後お風呂となった。おおぜきの浴場は一階にあり、脱衣場は狭いのだが浴槽は6〜7人が入れる大きさ。
浴槽そのものは旅館にありふれたお風呂のたたずまいだが、お湯は良質の温泉だった。 単純硫黄泉とのことで、透明度の高いやや白濁のお湯は、天候や時間の経過と共に色が変わるのだという。 若干の硫化水素臭が鼻腔をくすぐる中での湯浴みは至福の時間だった。 つたやで土産を買う昨日おかみさんだけだった「つたや」はこの日は老夫婦共にお店に出ていた。 本店は息子夫婦に任せ、天ヶ瀬温泉街での商売に励んでいるとのこと。 孫の好きな温泉饅頭はそば饅頭の方がお土産になった。 こういう老夫婦はいいなあ・・・ 天ヶ瀬温泉の商店は数が少なく、温泉街のそぞろ歩きなどは望むべくも無かった。 このページのTop おおぜきの朝食大関の朝食は一階の食堂の方で摂る。海苔とたらこと鮭の簡素な朝食だったが、季節のあさりの味噌汁が新鮮だった。 大分産のあさりか、熊本産のあさりか聞きそびれたが、ともかく山の中の温泉場でも海も近い。 このページのTop ● 帰路へお宿 おおぜきから天ヶ瀬駅へは1分と掛からない。昨日、日田駅から天ヶ瀬駅に着いた時に見たとんがり屋根は、駅舎のドーム状の天窓だった。 日田杉の建築だろうか?。
湯布院発久留米行きワンマンカーで日田駅下車。 日田駅で、所定のバスより2台早い福岡行き高速バスに乗って帰路についた。 予定していた共同浴場の入り残しなど滅多に無いことなのだが、体調不良で里心がついて、早めの帰宅を心がけた結果のことだった。 福岡空港では、やはり早めの航空機を探したら、早めの羽田便が見つかった。 (前編)杖立温泉編に戻る このページのTop
Home |