吉田温泉・鹿の湯 |
吉田温泉・鹿の湯 住所:宮崎県えびの市大字昌明寺689 大人:300円 開場時間 : a.m. 9:00 - p.m. 9:00 定休日:無休 入浴日:2015年4月30日 |
(吉田温泉 鹿の湯) |
吉田温泉は京町温泉の約3キロ北にあるひなびた温泉場である。 吉田温泉は宮崎県では一番古い温泉場で、島津義弘が領主の時代には藩営の湯治施設が造られ、鹿が傷を治したという言い伝えから「鹿の湯」とか「吉田ん湯」とか呼ばれていたらしいが、廃藩置県のあと、温泉の運営が藩営から民営に移行したのと同時に、名前も「吉田温泉」に改められたとのこと。 湯脈が細ったらしく、現在は旅館一軒、湯治宿一軒と共同浴場二軒が営業している。鹿の湯は独立した湯小屋で、隣の湯治場「鹿の湯」のご主人が管理している。 訪問時には、その湯治場のご主人と、連休中に湯治に来る予定の山梨県から来たバイクライダーの二人がこの湯小屋を掃除しており、また、ご主人はお湯を昇温するためのおがくずや木っ端を燃やす釜のテストをしておられた。 建物はかなり古く、しかし湯小屋らしく天井に湯気抜きがあった。 中に入ると、「入浴代入れ」と書かれたボックスが置かれ、入浴客は自分で入浴料を入れる仕組みになっている。 脱衣場は思ったより広い、が、施設は壁際の棚と木製のベンチだけでとても簡素。 浴室は階段を7段ほど下りた半地下の場所にある。 浴室の壁は一部タイル張りで、上部は壁用の石膏板である。また、床と浴槽は コンクリート造で、浴槽は二槽に仕切られている。 女湯との境に湯口があって、加熱された湯がパイプを通して流れ込む仕組み。 浴槽内の湯温はぬるめの適温で、お湯は塩化物泉。(ナトリウム・カルシウム−炭酸水素塩温泉) 湯口から遠い方の浴槽は、手前の浴槽の上部に穴があいており、上部からお湯が供給されているが供給量が少なくややぬるめである。 この浴槽に加熱したお湯を入れるには竹の樋が置かれており、竹の樋で適宜直接給湯することは可能である。 やさしい肌触りのお湯である。 浴室の窓から陽光が差し込み、静かで、時の経つのも忘れるほどお湯はなめらかで、長湯が楽しめる。肌を通して温泉成分が身体にしみ込む。 このようにひなびた共同浴場が現役で残っているのは奇跡に近い。 訪れる人も少ないが、何とか営業を続けて欲しい。
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(脱衣場) | ||
(メインの内湯浴槽) | ||
(浴室への階段) |