石和町・石和温泉公衆浴場 |
石和町・石和温泉公衆浴場 住所:山梨県笛吹市石和町市部1091-2 大人:400円 開場時間 : p.m. 3:00 - p.m. 11:00 定休日:月曜日 入浴日:2015年6月12日 |
(石和温泉公衆浴場) |
石和温泉郷は、昭和30年代後半に開湯した新しい温泉郷で、昭和の高度成長期の波に乗り瞬く間に全国でも有数の温泉郷に成長し、歓楽街の発達もめざましかったが、その後の国民生活の変化や個人旅行への嗜好の変化によって次第に衰退し現在に至っている。現在は個人を中心とした旅行客のための温泉郷への生まれ変わりに力を注いでいる。 そんな石和町に公衆浴場があって、しかも、昭和30年代の初めに湯脈が見つかったのは驚きなのだが、訪問してみて、やはり昭和の様式が残されていたのは嬉しい限りだった。(石和温泉公衆浴場には昭和37年の温泉分析表が掲示されている) 場所は、国道411号の石和温泉駅入り口の信号の一つ東京よりの信号の近くで、ドラッグストア「ウエルシア薬局」が目印になる。 ウエルシア薬局の脇の路地を北に入ると、二軒目の建物に「石和温泉」と看板が掛かり、建物の前まで行くと入浴とお食事の看板も見える。 浴場は食堂の中にあって、食堂のレジで入浴料金を支払う。運が良ければ380円の回数券料金で入ることも可能である。 男湯ののれんが食堂の中に掛かっている。のれんをくぐると脱衣場で、ここは昭和の銭湯の脱衣場そのものである。 浴室に入ると、銭湯そのもの浴室で、正面には富士山のペンキ絵を背景に、三槽の浴槽が並んでいる。 タイル張りの洗い場には、やはり昭和風のカランがある。 数人の先客がいたので、どの浴槽が熱いのかと聞くと左端が熱い湯で中の浴槽がぬるめ、右は水風呂とのこと。 湯をかぶって中の浴槽に入る。 浴槽はいずれも4〜5人のサイズで、中の浴槽は奥が電気風呂だ。電気風呂は二人分で、独占しないで欲しい旨の張り紙がある。 左の浴槽に移ると、適温のお湯で、中の浴槽共々若干のヌルすべ感があり、気持ちがよい。 観察していると、右の浴槽から中の浴槽に移りさらに左の浴槽に移るなど、移動しながらゆっくりと湯浴みを楽しんでいる様子の常連客が多く、とても参考になった。 浴槽とカランの姿は昭和だが、壁のペンキ絵も昭和そのものだった。聞くと街のペンキ屋さんの描いた物だととのこと。昔はペンキ屋さんが至るところで開業していたものだった。 湯上がりに料理店のテーブルに座っていると老婦人が話しかけてきた。東京は新宿の老人で80歳とのこと。近所に泊まってここのお風呂に入り、素敵な夕食を摂るのを日課として湯治をするのだという。うらやましい!!!。 なお、浴場入り口の松竹錠の下足箱は新しいものとのこと。
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(脱衣場) | ||
(浴槽) |