平成12年度自衛隊記念日観艦式

2000年10月29日


浦賀水道

横須賀港を出るとそこは浦賀水道です。艦は進路を右に変え、浦賀水道を南下していきます。艦前方には、護衛艦が視界外まで一列に並んでおり、艦の後方も同様である。
雨はほぼ止んでいるが、風がかなりあり、後方の艦を見ると波を艦首でかき分け、時々艦を傾けながら、雄々しく進んでいく。前方の艦は艦尾の自衛隊旗を風にひるがえして進むで行く。

浦賀水道をしばらく南下すると、左舷に島が二つ見えてくる。いえ、正確には人工島である。明治時代に東京湾を守るべく作られた人工島要塞、第1海堡と第2海堡である。砲台として作られたが、関東大震災で大損害を受け放棄された。艦からは第2海堡のほうが近く、地震で砲台が崩壊しているのが肉眼でも見える。
右舷に出てみると、第3海堡の残骸が見える。第3海堡は関東大震災により島自体が崩壊し、ほとんどが海中に没している。大きな黒いコンクリートの塊が、いくつか水面上に見えるのみである。そして、その上には、障害物の存在を知らせる信号塔が、墓標のごとく立っている。

出港して1時間ほどし、浦賀水道から抜け出ようとするあたりで、動きがある。「はまぎり」の後ろから着いてきていた、はるな型護衛艦「はるな」(DD141)が進路を少し右に変え「はまぎり」右後方に占位する。背負い式の砲塔、その後方のアスロックランチャー、大きな艦橋。帝国海軍の重巡洋艦「鳥海」クラスにどことなく似ている。全体としてピラミッド型になる重厚な艦威。斜め前方から見る「はるな」は魅力的である。
「はるな」は増速し、「はまぎり」の右舷を追い抜いていて行く。続いて「やまぎり」(DD152)、「あまぎり」(DD154)、しらね型護衛艦「しらね」(DD143)、練習艦「かしま」(TV3508)、「ゆうぎり」(DD153)が追い抜いき、前方に出て行く。このころ、浦賀水道を抜け、進路を右寄りに変え、三浦半島を回り込み、伊豆半島東海上を目指す。
「はまぎり」を含む上記艦艇は観閲部隊を構成する。そして、隊列を整え、「あまぎり」を先導艦として、観閲部隊旗艦「しらね」(内閣総理大臣、防衛庁長官、海上幕僚長乗艦)、「かしま」、「はるな」、「やまぎり」、「ゆうぎり」「はまぎり」、「うみぎり」(DD158)の順になる。

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浦賀水道に出てすぐの「はまぎり」の後方の状況。左の艦が「はるな」、その後ろは「やまぎり」、最後尾は浦賀水道に出てきたばかりの「あまぎり」。「はるな」の左にぼ〜と見えるのは、横須賀から出てきた「しらね」 「はまぎり」が左に回頭したため、「はるな」の右前方に出た。このあと「はるな」も回頭し、後続する。しばらくして「はまぎり」を追い抜いていく。 「はまぎり」を追い抜いてく「やまぎり」。「はまぎり」は観閲部隊の後ろから2番目に位置するので、どんどん追い抜かれる。 続いて、追い抜いてく「あまぎり」。「あまぎり」は観閲部隊の先頭に立ち、先導艦を勤める。
観閲部隊旗艦「しらね」。露天艦橋に赤い幕(おそらく紅白の幕)が見える。観閲官(首相)のためにステージが設けられているようである。 練習艦「かしま」。 白波を蹴立てて進む「ゆうぎり」。当日は風が強く、波があり、このような波を蹴立てるシーンが散見されました。 整列した観閲部隊。前方(左)より「やまぎり」「しらね」「かしま」「はるな」「やまぎり」。
上空を撮影用のHSS-2Bヘリコプター3機が飛行