No.001 3D映画3本
2009年末から2010年始にかけて、3D映画を立て続けに3本観た。3Dグラフィックそのものは昔から大好きで、初めてつくば万博の富士通ブースの赤と青のメガネをかけて観た3DのCG映像の感動は今でも忘れない。しかしこと映画となると話は別。何かしらのメガネをかけて観なければならないので、画質の劣化は避けられないと思うし、そもそも2時間近くもメガネをかけて3D映像を見続けて目が疲れないだろうか、などの不安や抵抗を感じていた。しかし実際に観てみてその心配は吹き飛んだ。逆に3D映像の凄さやその可能性に魅了されてしまい、近い将来登場しやがて一般的になるであろう3Dテレビに俄然興味が湧いてしまった。 ということで、初回である今回は「3D映画」という観点も交えながら、それら3つの映画のレビューをお送りすることにする。 クリスマス・キャロル ロバート・ゼメキス監督によるフルCG作品。2004年に「ポーラー・エクスプレス」というやはりクリスマスを題材にしたフルCG映画があり、それに続く作品と思われる。「ポーラー・エクスプレス」では、トム・ハンクスがほとんどの登場人物を演じていたが、「クリスマス・キャロル」ではジム・キャリーがやはり多くの登場人物を演じている。 ストーリーは、欧米では有名な物語らしい。クリスマスイブの夜、ある強欲な老人のもとに、過去・現在・未来の精霊が現れ、その老人にまつわる過去と現在と未来の世界を見て回る。そして、老人は心を入れ替え、みんなに好かれる人になる、という、まあよくあるパターンのお話。 この映画、川崎のIMAXシアターで観たのだが、そのせいもあってか、正直それほど期待していなかったのだが、予想に反しかなり楽しめた。初めから3Dを意識して作られていると思われ、その効果が思う存分発揮されていた。 映画が始まってすぐにカメラが町の上空を飛ぶシーンがあるのだが、3D効果により実際に自分が飛んでる気にさせてくれる。酔うような感じではなく、とても気持ちがいいのだ。 その他、影でしかない精霊の持つ剣先が飛び出して見えたり、ジェットコースターのようなシーンがあったり、3Dの凄さや楽しさが味わえる要素が満載。雪の平原を飛ぶシーンでは、本当に冷たい空気感まで感じられた。 単なるお子さま向けの映画かと思いきや、結構怖いシーンもあったりして、作品としての完成度が高く、とても見応えがあった。 1時間半の間、偏光メガネをかけ続けていた訳だが、ほとんど苦にならなかった。川崎のIMAXシアターは、以前新宿にあったもののように、客席が急斜面に張り付くように設置され目の前がほぼ全面スクリーンになっている、というようなものではなく、比較的普通の劇場にでっかいスクリーンを持ってきたような感じ。それでも十分な迫力だった。 初めて観た3D映画で、その凄さを思い知らされた映画だった。 カールじいさんの空飛ぶ家 アバター この映画はもうなんというか、僕がここでどうこう言うより、まずはとにかく観て!って感じ。それも絶対3Dで。できればIMAXシアターで。 これも川崎のIMAXシアターで観たのだが、とにかく凄い。3時間が長く感じず、完全に映画の世界にどっぷり浸ってしまった。 まずCG技術が凄い。エイリアンや異星の生き物などは全てCGなのは分かっているのだが、そんなことは途中で忘れてしまい、本当に実在する生き物であるかのように錯覚してしまう。特にエイリアンたちは本当にリアルで、それがCGであることは完全に忘れていた。 3Dに関して言えば、この映画が3本の中でも一番違和感が無いものになっていたと思う。ほかの2作は3Dが若干強調されていて、映画が始まってしばらくは少し違和感があった(それもすぐに慣れてしまうのだが)。しかしアバターは最初から全く違和感を感じず、すんなりその世界に入っていけた。3Dであることを強調せずそれでいて3Dの効果を最大限に発揮している。そういった点で前2作との格の違いを感じる。 ストーリーはすでにいろいろなメディアで紹介されているので、今さらここでは紹介しない。観ていてたまにマトリックスに似てるなと思わせるシーンがあったりする。 空を飛ぶシーンがあるのだが、そのうちの何度かは本当に自分が浮遊してる感覚を覚えることがあった。 それほどひねりも無く素直なストーリー展開だったが、僕はこれで十分納得できるし実に面白かった。カールじいさんみたいに、変に奇をてらわないほうがいい。 この映画は当初僕が思っていたよりもとても上品に作られていた映画だった。僕が言う上品じゃない映画というのは、突然大きな音がしたり、画面一杯に何かが登場したりして、観客をいたずらに驚かせるようなシーンがある映画のこと。そういうシーンってあまり好きじゃないし、映画のインパクトをそういうシーンの助けを借りてごまかしてる感じがする。この映画、というかジェームス・キャメロン監督の映画ってそういう小手先の技に頼らずに、真っ向から勝負して十分にインパクトのある作品に仕上がっていると思う。その点もこの映画のすごいと思うところ。 IMAXシアターで上映している間に、もう一度見に行っておきたい。 最後に、この映画に関しては上映前にビールを飲むのは控えることをお勧めする。さもないと3時間もの映画の途中でトイレに行きたくなってしまう(僕のように)。 |