親バカイコ日記イコ

2002-9-21〜29

初日

2002年9月21日(土)

「世界最大の恐竜展2002」に行った日
2人で急に意気投合して鳥を飼うことにした。
帰りがけ渋谷でペットショップに寄る。

最初はまだ羽も生えそろっていない生まれたばかりのひなにしようかと思ったが、お店の人曰く2時間おきにお湯でやわらかくした餌を与えなければ行けないと言う。 昼間2人ともいなくなってしまうウチでは無理だ。
その隣に生まれて3週間くらいのすでに普通の餌が食べられるようになっている子供がいたので、そっちにすることにした。
「これくらいならまだ人に慣れますよ」

色はやっぱりインコなら黄色か青かなと思っていたが、ユキちゃんが白がいいと言うので僕もそれほど色にこだわりはなかったので白いのにした。
メスが多かったが、昔飼っていたメスのインコはたまに卵詰まりを起こしたりしてしまっていたのでなんとかオスを探してもらった。
ちなみにオスメスの見分け方は鼻が白いのがメス、赤っぽく色が付いているのがオスである。

鳥かごはすでに別のお店でこれというのを見つけていたので、このお店では鳥だけ買うことにした。
どうやって持って帰るのだろうと見ていたら、小さい小箱に鳥を入れてしまった。
ひぇぇぇ、可哀想!
ここから家まで電車で約1時間。 その間この鳥はこんな小さくて暗い場所に閉じこめられているのか。 袋に入れられた小箱の中でバタバタもがいているのが振動で分かる。 早く帰らなければ。

その後大急ぎで別のお店に行き鳥かごを買って電車で家に帰った。
もう箱のなかが気になって仕方がない。
家に着く頃には箱の中はおとなしくなっていた。 まさか死んじゃったんじゃ無いだろうな...。

家に帰り大急ぎでかごの準備。
包装紙を破き新聞紙を敷く。
さあお待たせ。
そっと箱を開ける。
箱の中で小さな鳥が怖々と外をうかがっている。
しばらくそのままにして勝手に外に出るのを待とうかと思ったが、いつまで経っても出ようとせず、このまま箱の中にいつかれても困ると思い、箱を斜めにして無理矢理出した。
鳥は慌てて箱の中に戻ろうとジタバタしていたが、やがてあきらめたのか新聞紙の上でじっとして動かなくなった。
手で触っても何も反応がない。 声もなく口をただパクパクさせている。
無理もない。 相当なショックだったのだろう。
そのまましばらく放っておいた。

早く人になれて欲しいのでかごはテーブルの上に置いた。
名前はユキちゃんが考えついた「イコ」。 「インコ」の「イコ」でも「いい子」の「イコ」でもない。
僕が超気に入っているプレステ2のゲーム「ICO(イコ)」の主人公の少年の名前だ。
「イコちゃん!」
鳥に呼びかけるが当然何の反応もない。
「ピーちゃん!」
ユキちゃんは自分が「イコ」と名付けたくせになぜか「ピーちゃん」と呼ぶ。
「イコ」が「ピーちゃん」になる日もそう遠くはなさそうだ。

その後もイコはピクリとも動こうとしなかったが、ちょっとかごを移動させようと持ち上げたときに突然くちばしを使ってかごの網を登り始めた。 登り切ったところで少し困っていたが、何とか中央のブランコに飛び移ることができそこに落ち着いた。
すごいじゃないか! イコ! ブランコに乗れたねー。
かごの中に手を入れて指をお腹のあたりに持っていった。
最初はちょっととまどっていたもののなんと指に乗ってきた。
「か、かわいい!!」
思わず目尻が下がりデレデレになってしまう。
でも少しでもブランコから離そうとするとすぐにブランコに戻ってしまう。
まあ今日はこんなものだろう。 初日から手に乗っただけでも大変なもの。 少しずつ慣れていくだろう。

2日目

2002年9月22日(日)

朝起きてもイコはブランコに乗ったままだった。
くちばしに緑色のものが付いている。
なんだろう。
見るとお尻にフンが固まっている。 これが気になって自分でつついたらしい。
お店で買ったときにはお尻がきれいなことを確認した。
お腹の具合でも悪いのだろうか。
なんとか取ってあげようと霧吹きにお湯(熱湯ではない)を入れて下からシュッシュしてあげた。
嫌がるかなと思ったが意外にも無反応。
やがてフンが軟らかくなってきたのでティッシュで拭き取ってやった。
その後はフンが固まるということは無くなった。

手には乗るようになったが相変わらず餌に口を付けようとしない。
大丈夫なのかなー。
お店の人が「2〜3日は慣れずに餌を食べないかもしれません」と言っていたがちょっと心配。
今日はフンもほとんどしていない。
餌箱のふたに餌を少し入れてやり手の上に乗っているイコの口元に近づけてみた。 すると始めはちょっと警戒していたもののおずおずと食べ始めたではないか!
「た、食べた!」
餌に夢中になっているのを見計らってゆっくりとかごの外に出した。
イコは手の上で餌をむさぼっている。
ゆっくりと餌箱に近づけていくとやがてそっちに気づき、餌箱の餌を食べ始めた。
結構食欲旺盛。
育ち盛りだもんなー。 お腹空いていたんだよね。

その夜ちょっと酔っぱらって、半ば強引にイコをかごの外に出した。
するとイコはかごの網に飛び移り登っていく。
てっぺんまで登ったところでつかまえようとしたら突然飛んだ!
もちろん部屋は閉め切っているのだが天井や壁にバンバンぶつかっている。
まずい!
パッと観葉植物の一つにとまったところを素早くつかまえてかごに戻してやった。
びっくりしたねー。 ごめんねー。 でももう飛べるんだね。
きっと飛んだイコ本人が一番びっくりしてるんだろうけど。

3日目

2002年9月23日(月)秋分の日

相変わらず手に乗せた状態では餌を食べるけど自分から餌箱に行こうとはしない。
そもそもまだかごの中であちこち移動するのが下手だ。
無理もない。 お店ではずっと地べたで生活していたのだ。 こんな止まり木のあるかごは初めて。
あちこち飛び移るのがまだあまりうまくいかないので、はしごを買ってきてやった。
はしごは餌箱の近くに付ける。
相変わらずじっとしたままなので強引にはしごの上に乗せてやった。
しばらくはしごの上でじっとしていたが、しばらくして自分から餌箱に飛び移って餌を食べ始めた。
とまり方が下手で食べながら何度も落ちそうになっている。
がんばれ。
明日から平日。 昼間は僕もユキちゃんも昼間はいなくなってしまう。 その間は自分で餌も食べなくちゃいけないんだから。

4日目

2002年9月24日(火)

今日から平日。
僕とユキちゃんは会社に行ってしまう。
イコは独りでお留守番だ。
初めからそのつもりで飼い始めたとは言えいざイコを独り残して家を出るのは辛かった。

会社でも独り家で恐らくじっとしてるであろうイコのことを思い出すと胸が痛んだ。
会社で休憩中セキセイインコのことが書いてあるホームページをちょっと読んでみた。
インコはとても淋しがりやらしい。
仲間がいるときは一生懸命鳴いてコミュニケーションを取る。 しかしうちみたいにたった一羽で飼ってしまうと人間以外にコミュニケーションを取る相手がいない。 それで必死に人間の言葉を覚えて人とコミュニケーションを取ろうとするんだそうだ。
かわいそー。 健気だ。
やっぱり昼間誰もいなくなってしまうようなウチで鳥を飼うのは間違いだったか。
イコには可哀想なことをした。
でももう飼い始めてしまったものは仕方がない。 せいぜいウチにいるときは精一杯可愛がってやろう。

帰りはユキちゃんの方が早い。
ユキちゃんが帰ってみると餌箱の所でじっとしていたそうだ。
寂しかったろう。
でもなんとか独りで餌は食べていたみたいだ。

5日目

2002年9月25日(水)

かごに付いていたイカの甲。
お店の人曰く「最初は怖がるかもしれませんよ」
でも貴重なカルシウム源。
ユキちゃんが手に持って口の近くに持っていったら怖々とかじり始めた。
その後気に入ったのか夢中でかじっていた。
よしよし、これでまた1つ難関突破。

6日目

2002年9月26日(木)

これまで一言も鳴かなかったイコが突然声を出した。
最初は「グェ」って感じ。
たったこれだけ。
その後しばらくして忘れた頃にまた突然声を出した。
今度は「ビヨ」
ちょっとずつ発声練習をしているのか。 元気に鳴き始めるのも間近。

7日目

2002年9月27日(金)

朝ニュースを見ていたら突然鳴き始めた。
「ピヨ、ピヨ...」
まだしわがれた声だったが5〜6回連続して鳴いた。
まるで始めた立ち上がった我が子を見るような感動。 すでに会社に行ってしまったユキちゃんに携帯メールを打つ。
「イコが鳴いたよ!」
でも結局それっきりだった。
夜に突然「ビヨ」と一言発声したがなかなか鳴かない。 いつになったら元気に鳴くようになるんだろう。

8日目

2002年9月28日(土)

実はイコがウチに来たのと時を同じくして、今まで全く出なかったゴキブリが出没するようになった。 しかもちっこい子供のゴキブリばかり。
ただの偶然か、それともイコと関係があるのか...?

この日イコと一緒に買ったもう1つのイカの甲を出してイコにかじらせようとした。
箱から出したイカの甲がなんか汚い。 黒いつぶつぶのようなものがくっついている。
ふと気が付くと床をちょっとだけ大きくなったゴキブリが歩いていた。
イコに気を付けながら殺虫剤で撃退。
でもなぜ突然こんな所に...?
見ると床に1センチ位の茶色い楕円のものが落ちている。
こ、これは!!
図鑑か何かで見たことがある。 そう、ゴキブリの卵だ。
これでピーンと来た。 イカの甲の箱にゴキブリの卵が入っていたに違いない。
慌ててゴキブリの箱を閉まっていた場所をチェック。 ちっちゃいゴキブリがいくつもいる。
なんとか全て撃退した。 こいつらで全部だったらいいんだけど。
ペット屋で買ってきたものは注意しないといけないな。

買ってきたかごにはじめから付いていた止まり木はプラスチック製のもの。
イコがたまに滑っているし、やっぱり木の方がいいだろう。
近所にペット屋、しかも鳥を主に扱っているお店を見つけたので、あらかじめ長さを測っておいてさっそく木の止まり木を買いに行った。
丁度いい長さの止まり木が2本セットになったものを発見。
買おうとすると店のオヤジが
「インコだったらこっちの太いやつね。」
と言った。
僕が買おうとしていたものは直径1センチくらいの小指くらいの太さのやつ。 昔インコを飼っていたときはずっとこれだった。
でもその隣に直径2センチくらいの太い木が置いてあった。
なんでも細いと足の指がぐるりと回ってしまい爪が伸びてしまうんだそうだ。 太ければちょうど爪で木を押さえるようになっていいんだとか。 細いやつはジュウシマツとかもっと小型の鳥用らしい。
よし、それなら今までの僕の常識を捨てて太いやつにしてやろう。
太い木は1メートル位の長いやつしか無かったので店のオヤジに丁度いい長さにノコギリで切ってもらった。 あとはかごの網に挟まるように自分で削るのだ。
近くにこんないいお店があるんだったらここで全部買えば良かったな。

夕食時、いつもはテーブルに載せたままだが、この日はカセットコンロなどを出したので、食事中ちょっと離れた床の上にイコのかごを置いた。 テレビの真正面。
テレビの音に反応したのかそれとも僕たちを呼んでいるのか、イコがたまに鳴いている。 近づくと鳴かなくなっちゃう。
確かに今まで鳴いたときはたいてい話しかけたりかまったりしていないとき。 独りで寂しいときに鳴くんだろうか。

食事も終わりテレビを見ながらイコの止まり木を作り出した。
最初サバイバルナイフのようなもので削ろうとしたがなかなか削れない。
引き出しの奥の方から、小学校の時に当時ちょっと尊敬していた図工の先生に勧められて買ったナイフを発見。
まだ切れるかなーと半信半疑で削り出すと、なんとすごくよく削れる。 さすがだ。
こうして棒を両端を網に挟まるくらいに削ってかごに入れてやった。
今まで入っていたプラスチック製の止まり木は出した。
イコは最初怖がるかと思ったが意外とすんなりと新しい止まり木にとまった。
なるほど太い止まり木でも問題なくとまっている。 足の指の爪がちょうどいい感じで木を押さえている。
あのお店の言ったことは正しかったようだ。

9日目

2002年9月29日(日)

久々に日が出たのでイコを外に出して上げた。
いろいろホームページを見てみるとインコに日光浴はいいらしい。
どうだ? イコ? 気持ちいいだろ?
しかしずっと家の中にいて外は初めてだったので、慣れないせいかずっと固まっていた。

その後部屋に入れて上げたら、イコ突然大ブレーク!
鳴きまくるは、かごの中を活発に動き回るは今までになく落ち着きがない。
まだ子供だもんな。 遊びたいんだよなー。
ますますかわいい!!

※この日記は「今日の1枚」を書いていて長くなり過ぎた部分を
日記として別ページにまとめたものです。
今後継続していく予定はありませんのでご了承下さい。

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