No.173 台湾出張
2001年7月30日(月)〜8月4日(土)
出張で台湾に一週間行ってきた。
思えば海外はハワイ、ボルダー、グァムに続いて4回目。
でも国としては2カ国目なんだな。
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観光ではなくあくまで出張なので昼間は一日中取引先の会社のオフィスで過ごし
ブラブラと出歩けたのは夜だけ。
上の写真は最後の土曜日にほんのわずかの時間外に出て慌ただしく撮影したもの。
あった事をただ時系列に並べたのでは能がない。
ここでは台湾で印象深かったことを書いていきたい。
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気候
なんてったって沖縄よりも南。
亜熱帯気候ならではの蒸し暑さ。
ちょっと出歩くだけでじっとりと汗がにじむ。
でも今年の場合東京に比べてむちゃくちゃ暑いという訳ではない。
特に生活に支障はないレベル。
この時期カサは必需品らしい。
持っていかなかった僕はホテルに借りてしまった。
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車の運転
空港−ホテル間はホテルのリムジン(ベンツ)
ホテル−取引先の会社間はタクシーを利用する。
話には聞いていたが車の運転はすごく荒い。
彼らの頭の中に「車間距離」と「マナー」という言葉は多分存在しない。
高速道路で100km近くで走っていても前の車にピタッと張り付いたりする。
片側3車線から4車線ある道路を遅い車を縫うように右へ左へ車線変更しどんどん追い抜く。
(そもそも車線というものを認識しているのかどうかも怪しい)
高速の出口が渋滞していると路肩を走って途中で強引に割り込みする。
細い路地から大通りに出るときも一時停止なんかしない。
向こうから直進車が来ているのに平気で左折(向こうは右側通行)する。
左車線から右折したりする。
信号無視もたまにする。
とにかく我々を一刻も早く目的地に送り届けようと考えられ得る最大限の努力をしてくれる。
下手に助手席に乗ってしまったら思考回路をOFFにしておかないと神経がもたない。
それでも事故を起こさないのはやっぱり運転手がよく周りを見ている。
日本では相手が避けてくれるだろうという気持ちが多少あるが
台湾では自分の身は自分で守るという感覚なのだろう。
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治安
所詮一週間しかいなかったので本当のところはどうか分からないが
治安はかなりいい方ではないだろうか。
夜12時近くになっても若い普通の女の子同士が街を出歩いていたりする。
結構夜独りでぶらついたが恐い思いは全くしなかった。
(やっぱり恐いのは車の運転)
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お店
とにかく目に付くのがセブン・イレブン。
街の至る所にある。
通りを挟んで向かい合ってたりもする。
ファミリー・マートもあった。
漢字では「全家便利商店」というらしい。
マクドナルドもあるしモス・バーガーもある。
吉野屋、スターバックス・コーヒー、ドトール・コーヒー。
日本にあるほとんどのチェーン店があるんじゃないか。
(どこにも入らなかったけど)
ホテルの近くに三越がある。
ここの地下にはフード・コートがあり1回ここで食事をした。
ここのいいのはメニューに全て写真が付いていること。
選びやすい。
食べたのはこれ。
黒胡麻と牛肉という漢字が入っていた料理。
これで130元(1元=約3.5円)
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食事
日本人相手のお店が結構ある。
そういう所では日本語も通じるので初心者でも心配ないが高いし面白味に欠ける。
やっぱり裏路地にあるこじんまりした食堂に入ってみたい。
2回ほど現地になれている人に食事に連れていってもらってなんとなく感じをつかんだ。
ある晩独りで夕食を摂ろうと街に出た。
連れていってもらったお店もそれぞれ現地っぽくていい感じなのだが
ここはやっぱり知らないお店に挑戦したい。
ブラブラと歩き回り暗い裏路地に見つけました。
食堂っぽいお店を。
勇気を出して突入。
お客さんに見えた、家族で食事をしているテーブルの一人のオヤジが立ち上がり応対してくれた。
どうせ英語なんか通じやしない。
どうどうと日本語で「一人、食事、いいですか?」と訊ねる。
ちょっと怪訝な顔をされ食事をしている奥さんらしき人と何やら話している。
やがて伝票とペンを渡された。
食べたいものに記入しろと言うことだろう。
全部漢字なので戸惑ったが「炒麺」というのと野菜炒めの中から「牛肉」と書いてあるやつを選ぶ。
オヤジに見せると何やら伝票を指さしながらペチャクチャしゃべった後準備を始めてくれた。
何て言ったのかはさっぱりわからない。
「ビール」と言うとこれはすぐに通じ
「そこに入ってるから勝手に取れ」と(多分)言いながら指を指した。
台湾ビールを一本取り空いてるテーブルに座ると奥さんがコップを持ってきてくれた。
ビールを飲む。
うまい。
現地の青春恋愛ドラマっぽいのをやっているテレビを見ながら待っていると
出てきました「炒飯」が。
アレ? 麺だったはず。
それにしても量が多い。
こりゃもう一皿出て来ても残しちゃうな。
そんな心配をよそに食べてみると味はなかなかいい。
おいしかった。
しかし一向にもう一品の野菜炒めは来る気配は無し。
結局炒飯もビールも終わってしまった。
推察するにさっきオヤジが伝票を指しながら話した内容は
「こんなには一人じゃ食べきれないよ。任せておきな。」か
「ごめんよ。どっちももう品切れなんだ。適当に作ってやるよ。」
だったのではないか。
いずれにしても十分おいしかったし値段も110元だったので問題ない。
あー面白かった。
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夜市
最後の夜、人に夜市に連れていってもらった。
すごい人、人、人。
満足に身動きがとれない。
お祭りのようだ。
毎週金曜日はこんな感じらしい。
Tシャツやら服やら帽子やら怪しげな貴金属やら子犬や子猫やらが道路脇、道路の真ん中で売られている。
そしてとある路地を入った先にありました。食べ物屋さんの密集地帯が。
食べ物屋さんの集団と言うより屋台の集団といった感じ。
それでなくても暑いのにそこら中で火を使ってるので輪を掛けて暑い。
ぐるっと一回りする間に呼び込みに何度も呼び止められた。
一回りして卵を使った鉄板焼きの店に入った。
ここにはメニューは無いようだ。
出てくる料理は一品のみ。
ビールも無い。
卵の中に牡蠣とブニュブニュの寒天状のものが入っている。
結構うまい。
さらっと食べ終わり次の店へ。
のどが渇いたのでビールが飲みたい。
呼び込みに誘われるがまま別の鉄板焼きの店へ。
ここには結構料理のバエリエーションがある。
伝票にいくつか書き込む。
出てきたものがこれまたバカうま。
まったくどれもこれもおいしい。
とにかくここは活気に満ちあふれている。
人々のエネルギーが感じられる。
台湾に来たらこういう所こそ来るべきだろう。
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台湾の魅力
所詮一週間しかいなかったわけで魅力など語るにはまだ早いかもしれない。
でもちょっと感じたのは台湾の魅力は観光地を見て回るのではなく
現地の人たちに混じってそのエネルギーを感じることなのではないかと思った。
日本人相手のお店に入って食事をするのもいいが
ちょっと小汚い感じの現地の人しか行かないようなお店に入って
言葉もろくに通じないながらも身振り手振りでやり合って
コミュニケーションを取る。
これが一番楽しくそして台湾の最大の魅力ではないかと思った。
恐らくまた仕事で来る機会があるだろう。
その時には更にディープな台湾を味わってみたい。
(台北にて撮影)
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