山刀伐峠〜熊ノ返山〜(@山形)

2004.03.30-31

Page.1/2



30日

奥羽山脈縦断で何カ所か何処をどの様に繋げたら良いか考えさせられる場所がある。今回はそのうちの一つである。栗駒山から鬼首峠、軍沢岳までは決定として、その後、どのルートを取るかが問題だ。
分水嶺的には軍沢岳から南下して大鏑山・禿岳・花立峠・小柴山・大柴山(スキー場上の1094mポイント)・そこから県境添いに南下して封人の家・奥羽山・みみずく山・と県境に従って翁峠に至るルートが考えられる。
もう一つは軍沢岳から新庄神室に至り神室連峰を南下して八森山・亀割山と進み瀬見温泉に下りる。瀬見温泉で小国川を渡り、大焼黒山に登り、熊ノ返山・金山・背坂峠・山刀伐峠・翁峠と至るルートが考えられる。
ちなみに翁峠とは山と山の鞍部ではなく、山頂を指している。山頂なのに”峠”とつく所が幾つかある。

私的に神室連峰をルート中に取り入れたかったので後者のルートを推進する為、今回の山行となった。

東北道・古川I.Cを下りて国道47に沿って鳴子温泉に進む。鳴子温泉付近にはコンビニも数件あり食料調達はここで済ませる。温泉街を過ぎ、尿前の関に登る手前右手にトイレのある広い駐車スペースがあり、ここで前夜車中泊する。山刀伐トンネル部には駐車スペースが有るのは分かっているがトイレが無い。鳴子から山刀伐トンネル部までは車で40分位だ。

30日朝、念の為に山刀伐トンネルに向かう前に瀬見温泉の様子を下見に寄ってみた。山の北斜面にあたりまだ雪は温泉街近くまである。大変な藪漕ぎは無さそうだが以外と急斜面。

再び山刀伐トンネル(最上町側)に向かう。トンネル脇には数台の駐車スペースと電話BOXがある。右の写真で停めてある車の手前に見えているアスファルトは旧山刀伐峠への道である。まだ除雪されていないが芭蕉の奥の細道として有名らしくこの峠道を歩きながらの俳句会も毎年行われていると聞いた。

山刀伐峠について更に知りたい方はこちら

07:35 山刀伐トンネル(最上町側)
08:48〜09:06 山刀伐峠

トンネルから左手に取り付く。すぐ上に旧道のカーブミラーが見えている。

最初はツボ足で斜面を直登して稜線に出ようとしたのだが、急斜面でヅボヅボ潜りさっぱり高度が上がらない。

08:49 『奥の細道・山刀伐峠』
漢字で書かれていないのがちよっと残念。

一旦、林道に出た所でスノーシューに履き替え、急がば回れで林道に沿って九十九折りに峠まで上がっていく。春の陽気で、これまでと同じ冬着では暑ささえ感じる。
峠には『奥の細道・山刀伐峠』の石柱とログハウス風のトイレが建っていた。トイレは雪囲いがされていてまだ利用出来ない。冬季の避難小屋代用にはなら無そうだ。峠から尾根上に南への道跡と北への道跡が出来ている。この南への道跡は何処まで続いているのであろうか?
ここで小休止、30分の予定が1時間もかかってしまった。
休憩中、どこからかチャイム音が頻繁に聞こえる。どうやら赤倉温泉スキー場の様だ。

トイレの裏から尾根を北進する。所々雪もすっかり溶けて夏道?が出ている。そう、明らかに人の手で整備されている道だ。トンネル上部のピーク(P1)に着いてこの道が何の為の道か分かった。地図には無かった送電線が先のピークに建っている。この道は東北電力が作った送電線の監視道だ。

 

送電線の監視道
09:31 P3付近 09:49 P5 540m から南に直角に下る

送電線は、P3(535m)からP2西南西の小ピークを通って赤井川に沿って尾花沢へ延びている。この為、P10 (506m)ピークまでは電力会社の監視用道が出来ている。

P3を過ぎてからP5(506m)までは小さなUP/DOWNと方向転換の繰り返しで所々尾根も細い。魚の小骨を気にしながらの食事の様でチマチマとして面倒な所だ。(難所では無いけど)

P5でルートは南に折れ曲がる。何げに稜線上を進んでしまうと北西に延びる尾根に吸い込まれ、菅の沢に下りてしまう。

09:58 P5下りからP3を振り返る(奥の鉄塔がP3)

この付近、木立の背が意外と低く、北には新庄の神室連峰や禿岳が最上盆地の奥に広がって見える。南には翁峠への山並みが広がっている。残念ながら西の方は曇り気味でよく見えなかったが月山辺りが見える事だろう。

10:17 P6
10:20 神室連峰
10:34 P8付近から金山(中央よりやや右側)

10:44  P9付近から翁峠(右)を振り返る 

P10(506m)から送電線の監視道は南西の尾根に下っていき、背坂峠への尾根には踏み跡や表示板等の人工物が無くなる。
背坂峠東のピーク(P12:620m)とそこに至る途中にあるピーク(P11:548m)を北西に進んでいく。

P11付近は尾根も細くなり、西側斜面は急で、雪も既に落ち地面が出ている。ここは藪には成っていないので楽な地面の上を歩いていく。P11を越え、P12の登りにかかると緩やかな雪の斜面となる。

11:10 P10 過ぎ 尾根は細くなる
11:40 P11(548m)は地面が出ている。
監視道跡は無い
12:18 背坂峠東のピークゅ(P12)からの下り

12:05背坂峠東のピーク。背坂峠東のピークからの下りは細い密な雑木でここに踏み跡があるとは想像しがたい。

背坂峠には広葉樹の中に杉軒があり、その根元に石碑と御地蔵様が建っていた。お賽銭も置かれている。古銭は無いかと見てみたが比較的最近の10円、5円、1円玉だった。と言う事は最近でもここには人が入って居るんだな!と分かる。尾花沢への道、最上への道は雪に埋もれていて様子が分からない。ここで昼食タイムをとる。

12:28 背坂峠

峠から金山へは一旦、小ピーク(P13:691m)に登り、そこから再び南下する。この為金山付近は左手側(南東側)に雪庇が出来ている。金山山頂付近の雪庇は崩れかけているので木の生えてない所を歩かないように注意する。

13:45 P13 691m付近から振り返る
14:01 P13 691m付近から神室連峰
八森山〜神室までのパノラマだ
14:03 P14金山(762.9m)
足跡はカモシカのもの、大胆に雪庇の上を歩いている
14:33 金山から翁方面 

金山からの西北西の尾根を下る。下りはP15間が痩せ尾根で特に北斜面の雪が落ちている。 
距離は短いが藪漕ぎが必要となる。
雪の上を出来るだけ拾って歩こうとすると藪と雪の出入りに意外と労力を要する。雪の端はたいていもろく踏み抜く。踏み抜くと下にある小枝に足を取られ出るのに苦労する。また、雪面から藪への移動は大抵、急な部分を雪で押し倒された小枝に捕まりながら稜線に這い上がる。結局、雪面がとぎれとぎれの部分は終始藪漕ぎした方が無駄な労力を使わないようだ。
幸いに藪は大した事もなく通過できた。

14:33 金山から西北西へ下る
14:41 下りはP15間が痩せ尾根で雪が落ちている。 
距離は短いが藪漕ぎが必要となる。 
14:49 鞍部の藪 15:02 鞍部から金山を振り返る

P15から620mの鞍部までの下りは再び雪上の歩きとなる。

鞍部から再び、JP〔P17:747m〕まで100m程登り返す。この頃からポツリポツリと雨らしき物が顔に当たり出す。風も少し出てきた。確かに天気予報では午後から雨だったが、この時間までよく持ってくれた。しかし、もう少し待ってくれ!と言う気持ち。本日当初のP21(700m)を越えた鞍部で幕営予定だったがちよっとそこまではたどり着けそうにない。また、出来れば本格的に雨が降り出す前にテントを張り終えたい所だ。

16:08 JP付近
16:08   JP付近から金山と翁(右奥)
16:09 JP付近から熊ノ返山(828.2m)
写真ではハッキリと分からないが、熊ノ返山の左奥に白い杢蔵山が見えている。

JPを下ってから幕営地を探しながら下る。P18(631m)手前の鞍部で幕営しようかとも思ったが、上から見ると周りに高い木が無く風に吹かれると丁度西風が谷から谷へ吹き抜けるポイントのようにも考えられる。

悩んだ結果、鞍部までは下りず。途中の比較的平らな部分に幕営とする。ここは西斜面が既に雪も溶けて笹が出ている。しかし樹林が多少の防風林の役目を果たしてくれそうだ。念の為、テントの張り綱を近くの立木に結びつける。これで風が強くなっても飛ばされる事は無いだろう。

17:02 C17手前の尾根上で幕営



TOP
に戻る

 

山刀伐峠〜熊ノ返山 山行記録    2004年 03月30日〜31日

2004年
山行目次
に戻る

Page-1

Page-2



map
       
地域別
目次
に戻る
東北