南八甲田縦走 (青森県)
2003.08.20-21
21日
4時頃に目が覚める。まだ雨が降っている。5時頃、外も明るくなり雨の音も疎らになっている。天気予報では降水確率午前中50%、午後0%(津軽地方)外に出てみるとうっすらと空が青く見える部分もある。大幌内牧場が見えている。午後の好天気を期待して出発の準備をする。
櫛ヶ峰の分岐まで進むうちに日差しが強く成ってきた。これは午前中から天気が良さそうだ! 分岐から御鼻部山への道は下の写真のように草が茂っている。しかし踏み跡としてははっきり確認できる範囲だ。下草や小枝の葉は朝までの雨でたっぷり濡れていて(雨が降って無くても露で濡れているとは思うが)カッパが直ぐにビショビショになる。こう成る事は予想していたので上下ともカッパを着ての出発だ。 この踏み跡だが直ぐに道の形が無くなり小木を潜っていく様に歩く部分となる。縦走の大きなザックだと枝に引っかかって進み難い。おまけに枝に引っかかると大量の滴が降り注いでくる。ほんの少しの間で頭と顔がビショビショになる。メガネには水滴が着いて前が良く見えないので途中から外してポケットに入れた。結果的にこの付近が一番歩き難く、ルートも分かり難い部分だった。黄瀬萢の湿原の中を歩いていくのではなく外側の低木帯を歩いていく様になっている。この辺りのみ赤テープが所々小枝に着けられているので見逃さないようにした方が良い。
獣道や水の流れ道等と間違えやすい。
低木帯と小湿地を繰り返していく内に樹木の背も高くなり針葉樹林帯に入り出す。 樹林帯の中の方が道も解りやすく、藪も薄くなっている。今年の猿倉から矢櫃橋間とそんなに変わらない感じがする。08:15道が左に大きく曲がり出す、松森のヘアピンカーブ?と呼ばれる所だろう。カーブの後はまたダラダラと下っていく次のヘアピンカーブまでは以外と長く感じた。そろそろ何処かで休憩したいところだが薄暗い森の中一人安心して腰を落ち着けるような場所が無い。小腹が減ってくるが、下の大谷地付近に出れば何処かで休憩できるだろうと期待してしばらく歩き続ける。途中、焚き火の跡やゴミ残置きが3ヶ所程あった。今まで藪っぽいルートを歩いてきたところ、「こんな人気の無い所なのに...」と言う場所に限って大胆なゴミ残置きが目立つ事も最近分かってきた。(と言いながら回収してこない自分もなさけないのだが...)
樹林帯をズート歩いていると突然前方に開けた部分が見えてきた。最初は白っぽく見えたので草地ではなく砂利の広場??と思って近づいたらそこは池だった。 再び草を掻き分けながら進んでいくと大きな湿原の中程に出た。この辺りが大谷地だろうと思われる。上空から見れば湿原の中をルートが通っているように見えるのだろうが、実際はピンポイント的にしか湿原に出ない。たぶん道路として作られた部分を中心に木が育ったか?道路を造る意味で少しでも湿地を避けて通って居るのだろう。
再び低木帯に入り笹を掻き分けていくと沢に下りて10m程沢の中を進む。沢は右手に折れ曲がり少し深く成っている。ん?まさかこんな所を進む訳無いよな??と思い正面を見ると対岸に上がっていく踏み跡がある。ここを登ると小湿原があり足跡もあった。ここも少し分かりにくい所だ。
この小湿原は地面(ルート上の)には石が多く、ザックを下ろして休んでも濡れる事はない。 ここで一安心して本日初めての大休止をとる。しかし休んでいるとアブが寄ってくる。放って置けば悪さわしないけどたまに噛んでくる。軽く腹こしらえして出発する。
この後も、笹藪と湿原が交互に現れてくる。何処が大谷地で何処が前谷地かよく分からない。 (湿原にロープが張られ「中に入らないで下さい」と言う看板はあるものの、ここは何処!と言う標識は一切無い。)
やがて袖ヶ谷地に到着する。ここは大体の位置がつかめる。正面にズカネ森が見えるからだ。今日は天気が良くて良かった!ガスって居たら本当に何処にいるのかつかみ難い。湿原を過ぎた所で分かれ道が出てきた。(下の写真)1/2500地図でもエアリアマップでもこの道は書かれていない。右は明らかに人用のしっかりした道。左は直線的でこちらが御鼻部への軍用道路跡とわかる。軍用道路跡はズネカ森を3回のヘアピンカーブで登って御鼻部への尾根に出る。この右手の道はこのヘアピンカーブをショートカット出来るのではないかと期待して10分程進んでみる。最初は良い感じで登っていたのだがやがて道が下りだした。また、そろそろ左手に上がらないとピークからそれてくるのに一向に曲がっていかない。 これは善光寺に抜ける。キノコ道か何かだと思われる。 再び分岐に戻って素直に旧道を進む。約20分のロスをしてしまった。
袖ヶ谷地を過ぎてからは薮は殆どなく、一般登山道歩きと変わらない。しかし、ここから車道までは人やバ イクが入っている様で泥泥の道が続いて非常に歩き難い。長靴の方が良いと言うのが納得する。 尾根から大幌内牧場が見えるのかと思ったら見えないしこの間は面白みがない。
段々、車のエンジン音が聞こえるように成ってきて車道が近いことがわかってくる。約14時、遂に十和田湖外輪の車道に出た!! ヤッター!遂に抜けた。
車道脇の駐車スペース
ここで安心、30分ほど大休止する。ここからはカッパも不要なので脱ぎ、日向で乾かす。靴も脱いで日向に置いて置いたがさすがにこれは乾かなかった。ザックに腰を下ろして遅い昼飯を食べていると。通りかかる車の人がみんなこちらを覗いて行く。 車道に出てから御鼻部山の展望台までは約20分の車道歩き。 展望台から携帯で何とかタクシー会社に電話して猿倉温泉まで戻る。