「天下統一」全大名制覇への道 (温候さん著)




第一章.これまでの経歴

ここでは、筆者がこれまでに統一を達成した事のある大名家について、簡単にその特徴や攻略に秘訣などを解説します。なお、実際には統一確実と判断した時点で終了した大名家も多いです。最短では、300万石程度で終了した場合もあります。また、滅びた経験のある場合は明記します。

また、プレイした機種は大半がメガドライブで、一部が「復刻版」やX68版です。機種の差による難易度や攻略法の差はほとんど無いと思いますので、特に大名家ごとの機種名は表記しません。

ここは、いずれは全大名家のガイドまで発展させたいと思ってます。


・伊達家(北陸奥)

奥州の盟主。確実に奥州平定まで進めるので、難易度はやや低め。佐竹家を破っての関東進出は難しくないが、上杉家と同盟関係に無いので出羽・南陸奥の側面を衝かれる恐れがある事だけが不安要素。

政宗・成実や片倉親子はほとんど使う機会無いです。出てくる事には、甲斐・尾張などの優秀な武将がいるので用無しでしょうし…


・佐竹家(常陸)

MAX50万石強の常陸国でスタートし、国内統一も簡単に出来るので楽勝です。下野国からの侵攻は当分の間はあり得ないので、下総国に南下して里見軍を潰したら武蔵国に主力を向けて北条を叩き潰してしまえば敵無しです。恐らく、上杉軍と正面衝突しても勝てます。


・里見家(上総)

序盤の内に下総国を平定して、武蔵国で平定に手間取っている北条軍を破るだけです。こちらも、佐竹家同様に楽勝です。


・扇谷上杉家(武蔵)

甲相駿の三国同盟の都合で、北条軍は必ず武蔵国に攻め込んできます。これさえ凌げば、全国で最も豊かな武蔵国を拠点に持つこの家は決して不利ではありません。

ポイントは、武蔵国の各城は(自領も独立勢力も)城レベルが高い事と、初期状態では北条軍には勝てない事です。そこで、南部の城はどうせ北条軍に取られるので無視して、城に1将ずつ置いて篭城で時間を稼いでいる間に、主力部隊は北部の城を「強襲」を使って一つずつ落としていきます。こうして支配率を上げていけば確実に兵力を増やせるので、名将 太田資正に兵力を集中してやれば、簡単に北条軍に勝てるだけの状態に達します。

問題は、武蔵国が相模(北条)以外にも下総(里見か佐竹)・上野(武田か上杉)に囲まれている事です。石高を考えれば、早めに下総・上総・常陸・下野と押さえてしまえば無敵なのですが、実際には相模の北条残存部隊は残っているし、上野から武田か上杉の強力な軍勢が襲ってくる可能性は高いです。かといって、下総を放っておくと里見(または佐竹)の軍勢が攻め込んでくるでしょうし。

相模国は石高も低く、平定してしまうと今川・武田と隣接してしまうので、ここは無視するべきでしょう。なるべく武蔵国内で北条軍に大きな打撃を与えておいて、武蔵平定後はすぐに下総を押さえるのがベストだと思います。最悪武蔵国を上野勢に取られても、下総・上総・常陸・下野を保有出来れば勝てる位のつもりで行きましょう。もちろん、上杉と同盟を結べればベストでしょうが。

ちなみに筆者の場合は、上記の戦略により1回目は関東の大半を制して上杉家を圧倒する楽勝で、2回目は里見軍と上野国からの武田軍の前に敗れ去りました。


・山内上杉家(上野)

豊かな上野国で確実に国内統一出来るので、割と簡単です。早い段階から、越後(上杉)・北信濃(武田)の侵攻を防ぐために城レベルを上げておきます。その上で、下野→常陸→下総→(上総)→武蔵と時計周りに関東を平定すればOKです。後は、上杉と同盟を結んで東北平定・東海道から上洛とするか、東国の覇権を賭けて上杉と激突するかの選択となります。


・武田家(甲斐)

村上家でプレイ時の敵としてしか記憶に無いですが、甲斐国に1将を残して兵力を集中しながら北信濃を速効で平定して、甲斐に残していた武将を使って越後に侵攻して上杉軍を破ってしまえばよいのでは?

実際にやってみたところ、1553年夏で上杉軍を壊滅して、残り2城・兵力1まで追い込みました。この時点での兵力は全国最高(総兵130強)でしたし、楽勝モードですね。


・村上家(北信濃)

初期戦力を見れば結構有利そうですが、序盤に確実に武田家の侵攻があるだけにかなりの難関です。北信濃国平定前に、甲斐か南信濃からの武田家の侵攻は必ずあるので、何とかしてこれを打ち破るしかないです。

単純に村上義清に戦力集中で勝とうとしても、充分に徴兵が出来る状態まで武田軍は待ってくれないために、1将あたりの兵力は12〜14でも士気が高く6武将集中してくる武田軍には勝ち続ける事はほぼ不可能です。小大名にならないと、北信濃国内しか動けない上に、国内は1直線に城が並んでいるために南信濃国からの軍勢に簡単に分断されますし、当然武将の引き抜きも不可能ですし…

何とかして戦場で武田信玄を討ち取って三国同盟を崩壊させるか、武田軍が分散している隙を突いて各個撃破するか出来れば良いのですが、結局の所確実に勝てる手段は見つかっていないです。現時点では運次第ですね。正直言って、成功率(生存率?)は2〜3割の気がします。

個人的には、この村上家と松平(三河)・相良(肥後)でのプレイがお気に入りです。


・松平家(三河)

ここもかなりの難関です。国内統一に充分な戦力を有し、三国同盟の関係で必ず攻め込んでくる今川軍も熟練したプレイヤーにとってはそれ程の強敵ではありません。しかし、国内統一を果たす前に今川軍が攻め込んで来てしまう事と、ほぼ同時期に織田軍が西から攻め込んで来る事が、この大名家によるプレイを大変困難なものにしています。

実際、1方面において勝利するだけの戦力を貯える事は可能なのですが、その間に反対方面で確実に城を落とされ領地を削られていきます。かといって、史実通りの織田家との同盟を結ぼうにも小大名になるより東西から挟み撃ちにされる方が早いです。

戦略としては、必ず来る今川軍は叩き潰して東に進み、織田軍に対してはなんとか時間を稼いで西側の城を固めたり同盟を結んだりして無力化する、といった感じになりましょうか。もっとも、実際にはなんとか対今川戦の目処が立って来たと思った頃に南信濃国から武田軍が襲って来る、なんて事も少なくないです。なんか、史実通りの展開ですね。

ともかく、山岡荘八の小説の如く両大国間に挟まれた小国の悲哀が味わえます。もっとも、開始時の当主は「松平親乗」なんて謎の人物で、徳川家康は当分の間出て来ませんが。筆者の統一時は、最後までこの謎の当主のままでしたし。


・織田家(尾張)

X68版で9年近く前にプレイして以来ですので、正直行って印象薄いです。尾張・美濃・伊勢と石高の高い国が揃っており、割と難易度の低い事は確かでしょうね。問題は、確実にやって来る今川家を撃退するのは簡単でも、今川領まで攻め込んでしまうと武田家と接してしまう事ですね。

やはり、今川家の攻撃に対しては領内で手痛い打撃を与えるだけで決してこちらからは東には進まずに、武田家の機嫌を取りながら自身は西に進み力を貯えるという、史実通りの展開が望まれるでしょうね。もっとも、このソフトにおいては、史実の徳川家のような都合の良い存在は無いですが。


・朝倉家(越前)

多分、初期選択可能な大名家の中では最も人気の無い存在。ちなみに、筆者の場合は「復刻版」の最初は朝倉家で統一しましたが(ついでに、メガドライブ版では宇喜多家)。

高い石高の越前国のおかげで結構簡単です。北近江国の浅井家と(史実でも有名な)同盟関係にありますが、浅井家は序盤で滅びるので関係無いです。ポイントは、北陸路を上がって来るであろう上杉家と、防衛線を築くのが不可能な北近江国との関係(3ヶ所で繋がっているので)です。

そこで戦略として、越前国を捨てる覚悟で序盤で加賀国に攻め込み(越前国の東端の城は固めておく)北陸路のどこかで上杉家と激突するか、越前国の東端で城を固めて上杉軍を防ぎながら北近江国(おそらく六角か斎藤の軍勢が相手)を制して畿内制圧に乗り出すか、この2つの内から選択する事になります。

浅井がどこまで粘るかと、上杉が関東制圧と北陸路からの上洛のいずれに重きを置くかにもよりますが、基本的に朝倉家の戦力(越前国の国力)はどちらの戦略にも耐えうるだけのものがある筈です。恐らくは、東に進む方が中盤以降が楽だとは思いますが。

後は、戦国を代表する暗君と言われる当主のCPの低さとの戦いですね。


・北畠家(伊勢)

多分、大名家で一番の名家です(一条家は選べないしね)。これも、朝倉家同様に豊かな本国が人材面の不足を十分に補って余るほどです。東から織田軍が、北から六角軍が攻め込んで来るので凌ぐのに一苦労ですが、国内統一は充分間に合いますし、統一する頃には豊かな国力の恩恵で少なくとも1戦線では確実に勝てる筈です。まあ、伊勢国北部で凌いでいる間にこれも豊かな大和国を押えてしまって、後は六角を潰してから畿内平定を果たせば後は何とかなるでしょう。


・細川家(晴元、摂津)

ここも豊かな国力に恵まれてはいるのですが、国内に城レベル40の大坂城が立ち塞がっています。おかげで、まともにやったら国内統一は不可能ですし、統一しなければ他国へ攻め込む事も不可能です。そのため、普通にプレイしては、統一不可能大名リストに入れてしまいたくなります。

しかし、「計略」というコマンド(隣接する城のレベルを3割低下、成功率4割)は同盟・引き抜き等と違って豪族レベルでも使用できます。このコマンドを数回成功させれば、さすがの大坂城も落とせるレベルまで落ちます。ただ、「計略」には1回50という豪族レベルには大金が求められるので毎ターン出来るものではありません。ここで成功率4割という事を考えると、国内統一までの時間が掛かりすぎて三好か毛利に滅ぼされかねません。そこで、確実に統一したい場合にはSAVE&LOADで100%成功するようにしてしまえば万全です。

摂津国の国力の高さにより、大坂城以外を落とせばそれなりの戦力を得る事が出来る上に、このエリア最強の三好家は大坂城が壁となって攻めて来られない。また、西側には毛利か宇喜多くらいしか攻め込んで来る可能性のある勢力は存在しないので、山城側から三好あたりが攻め込んで来ない限りは安泰です。

国内統一さえ果たせば、畿内制覇を目指すもよし、山陽道を西進して毛利家と決するもよしでしょう。


・長宗我部家(土佐)

土佐国の国力はかなり低いですし、初期状態ではその土佐国を平定する戦力も無いです。しかし、この方面にしては豊富な人材を加える事により国内統一の戦力は整うでしょうし、周囲には国内統一出来る大名家は存在しないので序盤は安泰です。

後は、瀬戸内海の覇者たる毛利家が四国に上陸しない事を祈りつつ(来ない方が多いです)四国を平定した上で、伊予国を固めて九州勢の侵攻を防ぎつつ畿内に攻め込むのが常道でしょうね。九州を先に押える事が出来れば、後は楽勝なのですが。


・宇喜多家(備前)

当主の政治能力は高いので、一生CPには困らないでしょう。国力には難がありますが、回りは雑魚ばかりなので無人の野を行くが如く快進撃が出来ます。とはいえ周囲も国力低いので、たいして戦力を貯える前に毛利家と相対する事になります。畿内を制した勢力に背後を突かれるのはかなり後の話ですので、対毛利戦に専念していればいずれは勝てるでしょう。向こうは、いずれは背後を九州勢に突かれるのですから。

筆者がメガドライブ版を購入して数年ぶりにこのソフトをプレイした際に、最初に選らんだのがこの初期大名最弱の宇喜多家でした。毛利家と接触し始めた段階で、毛利と正面衝突、毛利を防ぎながら上洛戦、思い切って四国に渡って九州制圧を狙う、といった戦略の内どれを選ぶかに苦慮し、会社での会議中にメモ用紙に日本地図を描いてひたすら悩んでいたものである。その時の態度が、その職場を追い出される遠因になったという説もある。


・浦上家(播磨)

何度も書いているように、国力が高いので楽勝である。周囲に強敵もいないので、西進して宇喜多・毛利・九州勢と撃破すればよかろう。

筆者がここをプレイした理由は、やはり黒田如水の存在が大きかったのだが、実際には黒田如水は登場する事無く統一してしまったりする。中盤の時点で武将数のMAXに達してしまう上に降伏して来た武将は無条件で雇ってしまうので、この世代の武将を使いこなす事はほとんど不可能と言えよう。(どうせ、当主以外の人材の重要度低いけど)


・陶家(周防)

このソフトにおける毛利家は、必ずと言って良いほど前半で中国の大半を制する。実際の石高以上に、地図上に示される支配領域の大きさのインパクトもあって、西国勢でのプレイ時にはもっとも印象に残る相手であろう。もっとも、かなりの確率で九州勢に背後を襲われて滅びるが…

そんな毛利家と隣接して、史実同様に毛利家が中国の覇者となるための肥やしとなる宿命を背負っていると思われがちなのが、この陶家である。しかしプレイヤーが担当する場合には、開始時から小大名の上に陶晴賢自身が兵力15を持っている(しかも、軍事能力13)点が大きく、実はかなり難易度が低かったりする。

毛利家といえども、初期状態では兵力10ずつしか持ってはいない。そこで、序盤から陶晴賢を中心とする軍勢で安芸国に攻め込んでしまえば、まず確実に毛利家は滅ぼせる。後は、東部から攻め込んで来る相手など当分現れないので、長門経由で九州に攻め込んでしまえば楽勝であろう。

ちなみに陶晴賢といえば、戦国三大奇襲戦の一つ「厳島の戦い」で有名である。ところで、この三大奇襲戦の敗者たる今川・扇谷上杉(山内上杉も)・陶は全てこのソフトで選択出来るが、いずれの場合もプレイヤーが選択した場合には史実上で敗れ去った相手を滅ぼす事は結構容易だったりする。所詮奇襲等というのは滅多に成功しないギャンブルであり、追い込まれた勢力が使うものなのであるから、戦場では兵力だけが物を言うこのソフトにおいては当然の結果なのかもしれない。


・島津家(薩摩)

筆者が初めてプレイした(初めて統一した)大名家である。高い兵質・優れた一族・背後に敵を持たない地理的優位と、プレイヤーにとってはこの上ない有利な大名家である。ただし、CPUの場合には意外に苦戦する事が多く、九州制覇戦は龍造寺に遅れを取る事も少なくない。

実は、筆者は初プレイ時には統一出来なかったりする。畿内進出戦で松永軍に敗れ去り中国まで落ちて、その後畿内まで再び進出するも上杉軍相手に大敗続きで九州以外を全て奪われて断念したものだ。振り返ってみれば、鉄砲の集中運用の有効性を知らなかった頃のよき想い出である。


・肝付家(大隅)

開始時点から小大名である。ただし、武将2人・兵力20とかなり厳しい戦力であるが。何よりもこの家について物語るのは次の1点であろう、「島津の隣国」と。つまり、この肝付家は必ず島津家に滅ぼされる宿命にあると言える。それにしても、このソフトに大名家数あれど、豪族で開始する相手に必ず滅ぼされる小大名スタートの大名家なんて他に無いでしょうな。

隣接国は日向・肥後・薩摩の3国で、薩摩以外から攻め込まれるのは序盤では有り得ない。しかし、こちらから攻め込むのも事実上不可能である。なにしろ、初期状態の乏しい戦力では他国に攻め込む事も、機先を制して薩摩に攻め込む事も不可能なのだから。そもそも、国境の城が落とせないし。(日向国の伊東家とは同盟関係)

ではどうすればよいかと言えば、幸いにも島津家が薩摩国内を統一するのにはしばらく時間が掛かるので、その間に島津に対抗するだけの戦力を貯えればよい。むろん、初期の大隅国は住民感情の低さもあって戦力を貯えられる状況ではない。しかし、初期状態から小大名なのだから内政に専念してやれば、島津を超えるだけの国力に達する事が出来る。

問題は、ある程度の戦力を貯えても武将が2人しかいないために戦力の集中がし難い事であるが、なんとか在野・一族の武将の出現を待つか、薩摩国に一時的に攻め込んで武将を引き抜くかで対応出来る。後は、肥後国を龍造寺が制する前に薩摩国を平定出来れば勝ち目がある。もっとも、薩摩+大隅の2国で残る九州全土を相手にする事になったらほとんどお手上げであるが、普通はそこまで時間は掛からない筈である。肥後国さえ平定出来れば、九州平定は(すなわち天下統一も)成ったも同然であろう。


・相良家(肥後)

豊かな肥後国を拠点として、独立勢力は多少手強いとはいえ時間を掛ければ統一は充分可能である。しかし、この国地理条件が国内統一に要する時間を致命的なものにしてしまう。

なにしろこの国は九州の中心部に位置するため、南から島津が、北と西から龍造寺が、さらに西から大友がと、九州3強全てが集結してしまうのだ。一度は、毛利まで相手にした事があった程である。

ここでも、例の如く1戦線で勝つだけの戦力は貯える事が出来る。しかし、今回は最高で4方向から攻め込まれるので、肥後国を確実に防衛する事は不可能である。島津はともかく、大友・龍造寺がどの時点で侵攻して来るかは確定出来ないので、確実に有効な戦略を示す事は不可能である。せいぜい、少しでも早く国内統一する事と(小大名になる前に2勢力に攻め込まれたらほぼ絶望的)、背後に敵を持たない島津領を早めに押える事くらいであろうか。

ともかく、ここの序盤の展開は全大名家でもトップではないかと思う程面白い。もっとも、そこを乗り切って南九州を押えてしまえば後は楽勝だが。(逆に言えば、その位のペースで進めないと滅びる)


・秋月家(筑前)

ここも、豊かな国力と統一まで時間が掛かる点、なにより龍造寺・大友に挟まれる苦しい地理条件において相良家と似ている。もっとも、序盤に龍造寺に攻め込まれなければ島津が遠い分だけマシであるが。少なくとも筆者は1回目のプレイで統一出来た。幸運だったのか、難易度が意外に低めなのかは不明であるが。




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