第2話  かわいい


3/25 小さいものはかわいいけれど、小さくてもうじゃうじゃいたらかわいくない。
     うじゃうじゃをかわいく思うためには、全体を見ないこと。
     ひとつずつなら、何でもかわいい。
     そんなことない、小さくてもかわいくないものもある。
     それは、うじゃうじゃした模様のもの、足がうじゃうじゃあるもの、
     とにかく、うじゃうじゃはかわいくない。

3/26 そんなことを言ってたら、まわり中がうじゃうじゃの夢を見た。
     気持ち悪くて、怖くて、逃げたいんだけど、
     どこまで行ってもうじゃうじゃうじゃうじゃ。

3/27 目が覚めたときは、息が苦しくて、ぼ〜っとして、いやな感じ。
     いつもは夢なんてすぐ忘れちゃうのに、こういう夢だけはいつまでも覚えてる。
     うじゃうじゃのたたりかもしれない。

3/28 は〜。

3/29 うじゃうじゃを好きになる方法なんてあるのかな?
     学校で友達に聞いてみた。
     うじゃうじゃしたものが好きな人はあまりいなかったけど、
     特に嫌いじゃない人や、平気な人や、動かないものなら好きっていう人はいた。

3/30 でも、うじゃうじゃを好きになる方法を知っている人はいなかった。

4/1  うじゃうじゃの事ばかり考えていたら、
     いつでもどこでも、頭の中からうじゃうじゃが離れなくなってしまった。
     きもちわるい。

4/2  うじゃうじゃの色を思い浮かべてみた。
     最初は赤、次に青、だめ、やっぱり気持ち悪い。
     濃い色だと黒よりはましという程度。
     薄い色ならどうかな、ピンク、水色、レモン色。
     今度は大分いいみたい。
     そうだ、一色じゃなくていろんな色にしたらどうかしら。
     うん、これなら気持ち悪くない。
     きれいだし、かわいいよ。

4/3  これからは、うじゃうじゃの物を見たら、色を塗ってしまおう。

おわり

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