2004年国電総研スペシャル
山手205系終焉へ、しかし転用計画に大変更が!
そして営業用AC試作車 E331系が!!!
2003年は、結局「国電総研スペシャル」が半端なままとなってしまいました。動きの多い205系を、1つの図で入場日/入場時回送組成・出場日/出場時回送組成・担当工場・新旧車番対応がわかる様に作ろうとしたのですが、時間が取れず不完全となってしまいました。また夏以降、トップページ・各形式ページも、205系ページ以外は全く更新できませんでした。
トップページでも紹介しております様に、2003年は101系、301系・103系1200番代が営業運転を終了し、それぞれ廃車回送されました。また、旧形72系列からの再三の改造で誕生し、全車揃って活躍してきた103系3000番代にも初の廃車が発生しています。
101系及び301系・103系1200番代については、最後の活躍や一般営業終了後の引退記念運転などを中心に、全盛期の記録も含めて形式別ページで特集します(相当先となってしまいそうですが・・・)
そして今年2004年は、仙石線、南武線、八高・川越線、常磐快速・成田線で103系の営業運転が終了する予定です。各線とも風前の灯の状態ですが、こちらの動きも、今年こそはトップページで紹介してまいりたいと思います。
この「2004年国電総研スペシャル」では、スペシャル恒例となったE231系の投入と205系の動向を中心に、首都圏JR通勤形電車の1年(年度)の展望について記述してみたいと思います。205系の転用計画に変更がある模様であり、また、次々世代通勤形電車の試作車であるE993系「ACトレイン」の営業運転用試験電車バージョンが登場する模様であるなど、去り行くものがある一方、新しいものも次々に生まれて来る1年(年度)となりそうです。
なお、このページも新情報や訂正などで引続き更新してまいります。
●E231系(通勤タイプ)の製造・投入について
★常磐快速線
常磐快速・成田線用の松戸区への投入は、2001年・2002年国電総研スペシャルでは280輌(10連×18本・5連×20本、年度別では2001年度は50輌、2002年度は135輌、2003年度は95輌)とお伝えしたが、つくばエクスプレス開業後の旅客流動変動を見越して投入輌数が減となり、265輌となって投入が終了した。
2003年度投入予定の内、10+5の15連1本が削減されている。また、最終出場分が附属2本の5+5となる予定であったが、前倒しで2003年12月に5+5で出場、最終出場車は通常の10+5の15連で出場、回送されている。
2001年度・2002年度は予定通りのそれぞれ50輌(10+5の15連×3本、5連×1本)・135輌(10連×1本、10+5の15連×8本、5連×1本)であった。ただし、2001年度の5連は実際には2002年度の10連と組で2002年度初に出場、2002年度の5連は2003年度の10連と組で2003年度初に出場している。
そして、上で述べた様に2003年度は15輌減の80輌(10連×1本、10+5の15連×4本、5+5の10連×1本)が出場し、合計で265輌(10連×17本・5連×19本)が出揃った。
103系を全部置換えるだけの輌数が製造されなかったため、103系がしばらくは残ることとなる。ただし、つくばエクスプレスが開業する2005年秋まで使用され続けるということではなく、E531系投入時には交直流車との運用振替で姿を消すことになる様である。しかしながら、本来は2003年度で姿を消すことになっていた103系が、少しでも長く活躍できる様になったのは、ファンにはうれしいところである。最後の力走を見守りたい。
余談だが、E531系の登場時期も、つくばエクスプレス開業による旅客変動のシミュレーション調査から、元々の計画より若干遅くなったということの様だ。
★山手線
2003年3月1日現在、計画通り2001年度分11連×3本33輌、2002年度分11連×10本110輌、2003年度分11連×14本154輌の計11連×27本297輌の500番代が山手電車区に配置され、使用されている。山手線全52編成の内、すでに半数以上がE231系となった。
上記の常磐快速用投入編成数減により、山手用500番代の製造が前倒しになり、計画では2004年度11連×23本253輌だったものが11連×24本264輌となる。すでに2003年度中にその前倒し分が出場、2003年3月18日に山手電車区に到着した。
月に2本の割合で投入され、2004年度末までに11連×51本の561輌が配置となり、2005年度初頭、最後の1本が投入されてE231系化が終了することとなる。
●205系の動向
半数を割り、いよいよ山手線での活躍も終わりが見えてきた205系だが、転用計画に大きな変更がある模様である。その原因となるのがりんかい線東臨車全編成10連化。現在10連×5本、6連×5本となっているが、輸送力増強・運用共通化などのため6連を10連化する。これには6連2本をバラし、この中間MM’4ユニット中3ユニットを使用して、残る6連3本に1ユニットずつ挿入、さらに新造T車2輌ずつを挿入して10連×3本を組成、Tc・T’c×2とMM’ユニット×1が余る。
これが何で205系転配に関係あるかと言うと、東臨車が2本減となるが、JR側で1本を肩代わり、埼京線用として川越区へ10連1本(6扉車非連結)が転属となる。これは武蔵野線用分(T’を除く10連:8連×1とMM’1ユニット)を回すが、このままだと武蔵野線が1本不足してしまう。ここで出てくるのが上記東臨車の余りの車なのである。
何と!東臨70−000系をJRにコンバート、MM’1ユニットを新造して4連×2本を組成、ドア半自動回路など整備の上川越区へ配置、八高川越線で使用する。形式は209系3100番代となる模様。
そして、これにより本来八高川越線用として3000番代に改造し川越区へ転属となる4連×2本が捻出され、これが武蔵野線に回る事になる。しかし、ここでは2つの問題が発生する。1つは先頭車が改造先頭車となってしまうこと。もう一つはMM’ユニットが1ユニット不足してしまうことである。埼京線に取られてしまった編成が3ユニット使ってしまっているからだ。
先頭車の件は、改造先頭車が集まる中原区へ投入、元山手の在来先頭車との交換で解決できるが、停車駅通過防止装置取付けやVVVF電動車と組むための運転台機器の改造などが必要となるため、これらの工事を併設した改造先頭車がそのまま武蔵野線に投入される様である。車番は南武用の続番であるTc・T’c1206となる模様だ。
MM’ユニットの件は、武蔵野線在来車6M2T編成1編成をVVVF化し、4M4T編成として1ユニット捻出する。捻出ユニットももちろんVVVF化され、山手車と組んで使用されることとなる。これにより、武蔵野顔のVVVF編成が誕生する。
以上の様に、特に武蔵野線で大きな変更があり、103系の去就と共に205系も大変注目されるところである。
なお、これとは別に、鶴見線用に単予備となるTc車1輌が計画されていたが、無くなった模様。鶴見線用は3連×9本の27輌となる様だ。これにより、上記武蔵野線でのT車需給と合わせて余剰となるT車は6輌となる様である。(需給表及び計画変更関係の編成図・転配図も参照)
☆205系転用計画変更まとめ
●りんかい線東臨車全編成10連化による編成数減で川越区埼京用1本増
●バーター東臨車により川越区八高川越用3000代置換え、同車2本減
●捻出八高川越分を使い、埼京に取られた京葉区武蔵野分1本を組成
●それにより改造先頭車が武蔵野線に登場
●武蔵野用MM’1ユニット不足となるため在来6M2T編成をばらし
●全ユニットをVVVF制御化改造、1ユニットは不足ユニット分に
●残る2ユニットで余剰T車を挟み4M4T化、武蔵野顔VVVF編成登場●鶴見線用予備単独Tcは計画中止(種車T208は武蔵野T車へ)
☆これまでの形式間需給表
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