Tranquilidad 日常の中に生を埋没させたい。あるいは日常すら存在しないその内側の世界へ。
10月 えーっと、困ったことに、いまだ回線が回復しません。 で。とりあえず、ぼちぼちと記録だけはローカルにつけてきます。
その一 古書にはめられそうで怖いです。 で、先日古書部がある出版社に営業にいったとき
そこのバカ旦那(以下バ)「あ、Kayak君、まだ時間ある?古書部案内してあげるよ、好きでしょ?そういうの」 俺「いえ、好きじゃないですから遠慮しておきます」 バ「好きじゃないって答えたってことは時間はあるのね。たのしーよぉ、古書はぁ。」 俺「楽しくないです」 バ「だめだって、本好きなのはもう判ってるんだから」 俺「いや、マジで勘弁してくださいよ。はまっちまうからあえて出入りしてないんですから」 バ「新刊もいいけど、あるていどまでいっちゃうと、古書しかないよ。」 バ「やっぱり本好きな人にとっては生き辛い世の中になってきたからねぇ」 バ「ウチも売り上げは細いけど、誰かがやんなきゃいけない商売でさ」 俺「いや、そんなかっこいいこと言ってないで、帰らせて下さいって」 バ「あ、ばれた?ま、いいからいいから」 俺「古書はだめだっつってんだろ、このヤロウ」 バ「ま、いいからいいから」 バ「2階がねキカンコーナーでさ、いい本たくさんあるんだ」 俺「で、そうやって何人の書店営業カモにしたんです?」 バ「んー、読める人って少ないからさ、君入れて5人かな」 俺「俺ももう入ってるんですね」 バ「もちろん。ほら、それ、ブンポドウの本」 俺「ミヤザワケンジ!タカムラコウタロウでしうたっけ、この装丁って?。これって流通してたんですか?まだ」 バ「よく知ってるねぇ。ま、さすがに高いから動かないけどね、でもまだ時々は出てくし入っても来るよ」 俺「チュウヤのは見たことあります?」 バ「昔はあったけどね、やっぱり150部とかしか刷らないと、もうないねぇ」 俺「そうですか…って、そうじゃないや、ありがとうございました。帰ります」 バ「ああ、そうか、コウタロウの装丁を知ってるってことはチュウヤの本探してるんだ?」 バ「あ、ユウショウドウの奴ならいくつかあるよ」 俺「だからもう良いって言ってんだろ…って、それ…、ハセガワヤスコの書いた奴ですか?」 バ「惜しい、そっちはオザワショテンのやつでしょ?それもあるけど。ユウショウドウのは「ブンポドウコボレバナシ」」 俺「はぁー、伊達に古書店やってないですねぇ。即答ですか。」 バ「ま、ほら僕も嫌いじゃないからさ」 俺「バカ旦那なんて平気でよばれてるから、商品知識無いのかと思ってました」 バ「ま、あながちはずれちゃいないけど、2代、3代つづけば、どこでもそう呼ばれるからね」 俺「ああ、俺も一人知ってます、バカ旦那と大旦那がいる書店」 バ「でしょ?ああ、そこそこ」 俺「へ?」 バ「チュウヤ関連の古書」 俺「つうか、何誘導してるんですか、帰るっていってるじゃないですか」 バ「それ、ハセガワヤスコのユキテカエラヌ」 俺「うげ、でもっ、この辺ならっ、その変のブックオフでかえるかも知れないからいいっ」 バ「その辺の雑誌ののバックナンバーは?」 俺「特集号あつめてるんですね」 バ「そ、作家別にね」 俺「うわ、テラヤマがチュウヤの評論してるよ」 バ「まけてあげようか?」 俺「そんなの当然でしょ、嫌がってるの無理やり連れ込んでるんだから…って、買うとはいってないですよ」 バ「ま、諦めなって、本好きがウチに出入りしてるんだから遅かれ早かれつかまるでしょ」 俺「はぁー(嘆息)、これと、これと、これください」 バ「毎度アリー」 俺「サンリオの文庫とかあつかってるとこ知ってます?」 バ「へぇ、SFも読むんだ。結構あるよ、ま、あそこのカド左にはいったあたりの路地はそっち系」 バ「なんか探してる?」 俺「ル=グウィンのハヤカワに入ってない奴」 バ「はいはいはい、あるよあるよ、あの辺りなら。やっぱり本読みだねぇ。楽しいでしょ?」 俺「一生恨んでやるから、覚悟しといてくださいよ」 バ「こんど、古書店ガイドに書き込みした奴用意しておいてあげるよ」 俺「人の話しぜんぜん聞いてないっすね」 バ「ほら、大事なお客様だからさ、ちゃんと売り込んでおかないと」 俺「こんどから別な奴に営業こさせますね」 バ「ま、いいよ、客としてきてくれるでしょ?」 俺「…」 まあ、こんな感じでした。はぁ。
おめでとう |