■ユーザー車検とショップに任せる車検
車検は2年に一度必ず訪れる検査のための儀式ですが、あなたには2つの選択肢があります。いつもお世話になっているショップに全てを任せる方法と、あなた自身によって受ける「ユーザー車検」です。
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ショップに任せる車検 |
ユーザー車検 |
車両の点検 |
ショップが24か月点検項目に従って点検を実施し、必要な調整を行います。 |
点検を行う責任者はあなたです。新車で購入された方は、すでにお手元にある整備記録簿に従って点検します。 |
部品の交換 |
必要に応じてショップが部品の交換を行います。 |
交換時期に来ている部品の交換はあなたが行います。でも部品が特定されている場合、交換はショップに任せてもいいでしょう。 |
車検の受験 |
ショップのメカニックが行なってくれます。 |
平日、あなたが愛馬を車検場に持っていき、あなた自身が車検のライン上で検査を受けます。 |
金額 |
・重量税 5,000
・自賠責(24か月) 18,440
・車検代行手数料 数千円
・整備料 数万円
・その他 交換する部品代
合計23,440+数万円 |
・重量税 5,000
・自賠責(24か月) 18,440
・車検手数料 1,400
・書類代 30
・整備料 無料
・その他 交換する部品代
合計 24,870円+部品代 |
メリット |
・お任せなので安心感がある
・平日、時間が取れない方でも受けられる
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・ショップに任せるより安い
・自分で整備する気持ちが湧いてきて、愛馬のことをよく理解できるようになる(かも)
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考慮点 |
・費用をしっかり確保しよう |
・メカを理解し、自分の愛馬は自分で整備できるようにしよう
・サービスマニュアルを購入するなどの努力を惜しまないようにしよう
・平日に車検場に電話予約したり、当日に自ら行く必要がある |
書店に行けば、バイクのためのユーザー車検の本が出回っています。
Hobby Worldでは、私自身そして当HPをアクセスしてくれている方による体験を元に、実際に起こった問題もお知らせします。
■事前の準備
1.検査日の予約
車検は、現在有効となる期限満了の1か月前から受けることができます。ほとんどの陸運局(車検場)では電話によるアンサーシステムで簡単に予約をすることができます。予約受付は、受験の1週間前からできます。最後に言われる「5桁の予約番号」を確認してください。これが唯一あなたの予約を確認するものとなります。この予約では名前などは必要ありません。
予約の時間は「午前中」と「午後」の別で行います。その間なら何時に行っても大丈夫です。車検は、その日のうちなら、何度挑戦してもOKだから、朝1番に受験しよう。
2.書類の購入と記入
初めての受験かどうかに関わらず、事前に書類を購入し記載しておけば安心です。一式30円程度ですから、2部購入しておきましょう。そうすれば2年後にも使用できます。たまに書式の変更が行われますが、まあ30円なら余分に買っておきましょう。
この書類は、車検場の周りにある「代書屋」で買うことができます。外に「書類販売」などと書いてあるので分かります。
記載例は、車検場の受付付近のテーブルに書いてあるはずです。デジカメなどで写して、自宅でゆっくり記載するか、その場でゆっくり書いてみましょう。記載に必要な所要時間は、初めてなら20分程度は考えておこう。
3.必要な書類の確認
継続検査には次の書類7点が必要になります。
・現在有効な車検証
万一紛失した場合、ナンバー登録した車検場でのみ再発行できます。詳しくは各車検場に問い合わせてみよう。
・新規契約する自賠責証明書
車検期間中を含む契約期間が必要です。新車で購入し、初めての車検の方は、25か月で契約されているはずです。継続車検ではそれに続く24か月分の契約をします。車検場の中で手続きすることができます。金額は22,900円から18,440円に改定されました。
・納税証明書
毎年納めている軽自動車の納税証明書を探しましょう。滞納されていない場合はそのまま使用します。滞納されている場合は、全て納税してから車検を受けることになります。
・点検整備記録簿
これは車検場付近で書類を購入できる代書屋でも購入できます。最近新車で購入した方はすでにお手元にあるはずです。
以下の3つの書類は車検場のそばで代書屋などで販売されているものです。
・自動車重量税納付書
・自動車検査票
・継続検査申請書
4.点検と整備
さあ、これは手を抜かないでしっかり行ってください。ポイントは、
・灯火類が正常に点灯または点滅すること
・クラクションが正常に鳴ること
・ブレーキランプが前後ブレーキ共正常に点灯すること
・ブレーキパッド、タイヤの残存値が規定値であること
のような一般的なことばかりです。係員によってこれらが目視検査されます。
5.部品の交換
バッテリー、タイヤ、ブレーキパッドなどは自分でも容易に分かるので、必要と判断したら迷わず交換しましょう。
・バッテリー
車検にあたる2年毎に交換するのが良いとされています。ハーレーの純正バッテリーは高性能ですが、寿命やトラブルによって突然使えなくなることがあります。さっきまで大丈夫だったのに、今は動かない...ということです。密閉式バッテリーは一度上げてしまうと、もう正常には使用できないと思ったほうがいいでしょう。充電は必ず「密閉式バッテリー対応型」を使用しないと、充電中に破裂するなどの危険があります。
・タイヤ
山が規定値まであれば車検は通ります。しかしギリギリの場合は、ちょうどいい機会と判断して交換しましょう。タイヤ交換はあなたのHDショップに依頼するほか、タイヤショップでも行うことができます。ハーレーはインチネジを使っているので、どこのタイヤショップでも行えるとは限りません。電話で料金のほか、ハーレーの交換ができるかを問い合わせるといいでしょう。
・ブレーキパッド
パッド交換は自分で行うこともできます。パッド部品はHDショップで購入しましょう。リアブレーキを多用するため、一般的にはリアブレーキパッド2回に対し、フロントブレーキパッド1回のような頻度になると思いますが、これは運転方法により異なります。自分で目視して確認しましょう。
6.油脂類の交換
エンジンオイル交換2回に1回はオイルフィルター、ミッションオイル、プライマリーオイルも交換しましょう。これらはみなさんでも行うことができる部分です。ドレインボルトの締めすぎにより、オイルパンをダメにしてしまうことに注意してください。
7.車検場の下見
多くの車検場では、ユーザー車検のための専用窓口を用意しています。車検場を下見するということは、2つの意味があります。
・窓口の確認
受験当日は、ここの方にお世話になります。必要ならあらかじめ質問することができますので利用しましょう。
・車検ラインの流れを確認
検査のための設備は「ライン」と呼ばれています。流れ作業ができるようになっているためです。設備の脇からは、実際に受験している光景を見ることができる場合があります。ユーザー車検の窓口で下見できるかどうか確認のうえ、積極的に見ておきましょう。そうすれば当日安心して受験できるというものです。
ポイントは、自動二輪の場合の検査項目、電光掲示板です。電光掲示板は、次に行う検査のことを指示する目的で使用されます。従って、「どこどこ」となると検査が正常に行えないかもしれません。事前に見ておくと安心です。車検場によって検査項目が異なる場合があります。速度検査は設備が無いために行わないところもあります。(練馬車検場では2001年2月現在、行われていません)
■受験当日の確認
今日は受験する当日です。次のことを確認してください。
1.7種の書類があるか。
2.印鑑
3.バインダー
7種の書類を綴じて持ち歩くために必要です。
4.ボールペンとシャープペンシル
5.工具
光軸検査でひっかかった場合は工具を使ってその場で調整します。
光軸調整の方法は調べておこう。
6.予約番号の控え
では車検場へ行きましょう。
車検場での手順はこちらへ続く
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