ホッカイダー2001 (その1)

7月30日(月曜日) 大洗までのショートツーリング
走行距離 136km

午前2時過ぎ。
まだ朝というより深夜といったほうが相応しい時間。ホッカイダーになるために張り切って起きる。
昨夜のうちに荷物を積んでおいたので、今朝の準備は簡単だ。愛馬を通りまで押していきエンジン始動。
おはようと挨拶すると、ローライダーから機嫌のいい排気音の返事が返ってきた。
この相棒とって、ホッカイダーは1年に1度の晴舞台。私と共に広大な大地というステージに立つ。
またがった瞬間、愛馬のいななきが聞こえた気がした。
昨年は小樽からタンデムだったが、今年は自宅からのタンデム。一緒に出発するのはいいものだ。

空いている水戸街道を快適に走る。
今回はタイデム用のインカムを用意したので、走行中、互いに会話することができる。これが実に楽しいことに気づく。
まだ明け方前だからだろうか、この時期にしてはやけに涼しく感じる。
太陽が顔を出し暫くした頃、大洗に到着。
ほぼ予定通りだ。
136kmのショートツーリングとなった。
岸壁に着眼しているサンフラワーを見ると、思いは一気に北海道に行ってしまった。
さあこれから20時間、かの地まで船旅をのんびりと楽しむことにしよう。


7月31日(火曜日) さあ上陸、そして帯広へ
走行距離  330km

フェリーは 予定通り、5時15分苫小牧港に着岸。
愛馬との晴れ舞台の初日、ついに幕は開いた。
苫小牧駅方面に向かって左折し、ファミレスでゆっくりと食事。そうそう、朝はしっかり食べないと。
フェリー埠頭を右折してしまうと、その先に食事できる場所は無いのである。

まずは海沿いに新冠(にいかっぷ)を目指す。
天気は曇りだが時々薄日が差す。
初めて来た2年前に見て驚いた道沿いのSLに、今回もまた感動する。

静内(しずない)の駅で、記念に硬券の入場券を買い求める。
この近くには20間道路の桜並木があるので今回は行ってみることにした。
一直線のその道は、アクセルを回したくなりそうに見えるのだが、実はそうでもない。
両側が牧場であり、そこには名祟る名馬がいるためだ。

桜の時期はさぞかし素晴らしいだろう。
走っていると、あるサラブレッドの牧場が公開されているのを発見。
何と10ー11時の1時間、そして今はその時間帯。
早速入ってみる。
以前に乗馬はしていたので、馬の顔を見ると可愛くてしかたない。
特にここのサラブレッド達は、皆艶も良く美しい。
カメラを持ってこなかった人は、きっとここで後悔するかもしれない。

海沿いの国道を門別まで戻り、日高を右折して日勝峠に向かう。
このあたりでは日差しも強くなり、暑い。
道の駅で休憩し、ざるそばと「やまべ天そば」を食べる。
子供の頃、よく釣りに行った「やまべ」が、日高の名産ということはここへ来るまで知らなかった。

天気予報では曇のち雨であったのに、晴れてくれる事など期待していなかった。運がいい。
しかし日勝峠はさすがに深い雲の中。濃霧になっていた。
前を走る車のテールランプしか見えない。
とは言え、濃霧の中は幻想的で、何を隠そう私はこんなに凄い濃霧を好きなのだ。

帯広に到着。
ここでは有名な「ぱんちょう」で豚丼の昼食にしたかったのだが、時間が少し遅くなってしまい、あきらめた。
代わりに「六花亭(ろっかてい)本店」でケーキを食べることに。
ここの1階にケーキの売場があるので眺めてみると、どれも美味しそうで、そのうえ安い。
1つ100円程度なのには驚いた。
すぐ脇にはスタンドテーブルがあり、無料のコーヒーを飲みながら、買ったケーキをその場で食べられる
嬉しい気配りに感謝する。
店の裏手には広い駐車スペースがあるので安心して停めることもできる。

雨がパラパラと降りはじめたのでレインウェアを着たが、そのとたんに止んでしまい、結局雨に濡れることは無く、とほ宿「森の学校」に到着。
1993年に廃校となった木造の旧統内小学校を改築したこの宿は、まるで夏休み中に登校した子供のような気分にさせてくれる。
ここの学校、最後の生徒は17人だったそうだ。

夕食は十勝牛のサーロインステーキ
気持ちのいいこの宿に、あなたも登校してみることを勧める。
神奈川から移り住んで来たヘルパーさんの可愛い笑顔に接すると、みんなリピーターになってしまうのかも知れない。

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